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Imaging findings · Published

内側関節裂隙

Medial clear space

別名
medial clear space
臓器系
運動器
科目
Traumatology and OrthopedicsMacroscopic Anatomy and Embryology (Macroscopic Anatomy)
トピック
外傷学 33:足関節骨折の種類と治療解剖学 6.5:下肢:足関節と足
関連疾患
足関節骨折

🧠 全体像:内側は、mortise view上でと内側縁の間に見える帯状のである。で決めるのは「三角靱帯が切れているか」という病理の断定ではなく、がの中央にとどまっているか、それとも外側へ逃げているかという次の行動につながる問いである。が折れていても、この間隙が保たれていればは安定している。

所見の定義

内側は、mortise view(下腿を15〜20°した正面像)上で、関節面の中央部(後結節遠位縁に近似する点)から内側縁までにする1。する高さ(の直下か、尖との中間点か)によって値が変わりうるため、画像ではと尖の中間点で垂直にする方法がとの一致が最も良いと報告されている2。

非損傷での正常値はおおむね2〜4 mm程度とされ、4〜5 mmを超える開大は病的とみなされる2。この間隙が開大するのは、三角靱帯のによって内側を支える構造が失われ、が外側へわずかに偏位するためである。

モダリティと写り方

撮影 見え方と注意点
・非ストレスmortise view 基本の評価。があっても筋緊張・の負荷が乗らないため軽度の開大にとどまることがある
下垂させた足に負荷をかけて撮影する。感度は高いが、手術の必要性を過大評価しやすい3
単純X線 自重という生理的な負荷のもとで安定性を評価でき、保存治療の可否を決める根拠としてより信頼できるとされる3
ストレスをかけて開大の有無を見る。対側との比較(2.5 mm以上の左右差)がの判定に有用1

リスクを上げる形態

  • 左右差2.5 mm以上、またはで5 mmを超える開大は、三角靱帯のを強く示唆する1。
  • ・非で7 mmを超える明らかな開大は、それだけで手術適応となる不安定例とみなされる3。
  • 内側の開大に加え、脛腓間のclear space拡大やoverlap減少があれば、靱帯結合損傷の合併を疑う。

評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ankle joint'>足関節</span>外傷でmortise viewを撮影"] --> B{"内側<span class='jp-term jp-term-diagram' title='joint space'>関節裂隙</span>は<br>明らかに開大しているか<br>(目安:7 mm超)"}
    B -->|"明らかに開大"| C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='deltoid ligament rupture'>三角靱帯断裂</span>または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='medial malleolar fracture'>内果骨折</span>として<br>手術適応を検討"]
    B -->|"境界域(4〜7 mm程度)<br>または判定困難"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='weight-bearing'>荷重位</span>単純X線を撮影"]
    D --> E{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='weight-bearing'>荷重位</span>で開大が<br>持続するか"}
    E -->|"持続する・悪化"| C
    E -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='weight-bearing'>荷重位</span>で安定"| F["保存治療の対象として<br>経過観察"]
    B -->|"正常範囲(4 mm以下)"| G["過去画像・対側と比較し<br>他の不安定所見と併せて総合判定"]

⭐ より撮影を優先する。 両者はどちらも「隠れた不安定性」を暴く目的で使われるが、は感度が高い一方で手術の必要性を過大評価しやすく、撮影のほうが保存治療の決定に信頼できる根拠を与える3。

紛らわしいもの

  • 撮影の回旋不足・過剰:mortise viewの角度がずれると、実際には正常なでも内側が偽性に開いて見える。左右対称の回旋で撮れているかを確認する。
  • する高さの違い:直下で測るか、尖との中間点で測るかで値が変わる。同一患者を経過観察するときは同じ法・同じ高さで比較する2。
  • 筋緊張の影響:・非では、下腿筋群の緊張によって実際の靱帯損傷の程度より開大が控えめに写ることがある。

まとめ

  • 内側は関節面中央から内側縁までの距離で、正常はおおむね4 mm以下。
  • 開大はまたはを示唆し、が外側へ偏位していることを意味する。
  • 判定に迷う境界例では、より単純X線のほうが保存治療の決定に信頼できる。
  • する高さ・回旋角度がずれると偽性の開大・狭小化を生むため、経過観察では同一条件で比較する。

出典

  1. 1.Indications and Interpretation of Stress Radiographs in Supination External Rotation Ankle Fractures(Cureus・2023)内側関節裂隙は、mortise view上で内果関節面の中央部(後結節の遠位縁に近似する点)から距骨の内側縁まで接線方向に計測すること、対側と比べてストレス撮影で2.5 mm以上開大すれば深層三角靱帯完全断裂に対する感度100%・特異度95%であること、ストレス撮影での内側関節裂隙が5.0 mmを超えれば完全靱帯断裂に対して感度・特異度とも100%であること、この開大が内果骨折や靱帯結合損傷ではなく三角靱帯損傷そのものを反映することを確認した。閲覧 2026-09-05
  2. 2.Measuring the Medial Clear Space in Uninjured Adult Ankles: Agreement With CT and Interobserver Reliability of Common Measurement Methods(Foot & Ankle Orthopaedics・2025)非損傷成人足関節34例(非荷重17対・荷重17対)を対象に、単純X線3種の計測法(距骨滑車の5 mm遠位で関節面に垂直に計測する方法/距骨滑車と内果尖の中間点で垂直に計測する方法/距骨滑車内側上方から脛骨天蓋腋窩まで斜めに計測する方法)を5名の観察者がCTと比較したこと、荷重位X線での観察者間信頼性がICC 0.77〜0.90(良好)、非荷重位でICC 0.82〜0.97(良好〜優秀)であったこと、距骨滑車と内果尖の中間点で計測する方法が荷重位画像でCTに対して最も精度が高く(P=.09)、この方法への標準化を著者らが推奨していること、内側関節裂隙の開大が一般に4〜5 mmを超えると病的とみなされることを確認した。閲覧 2026-09-05
  3. 3.Weightbearing vs Gravity Stress Radiographs for Stability Evaluation of Supination-External Rotation Fractures of the Ankle(Foot & Ankle International・2017)回外・外旋(SER)型の孤立性外果骨折104例の前向き研究で、初回の非荷重X線で内側関節裂隙が7 mmを超える明らかな不安定例14例を手術としたこと、4〜7 mmを境界域の不安定とみなしたこと、重力ストレス撮影で境界域だが荷重位撮影では安定であった44例と両方で安定であった46例をいずれも保存治療とし平均23か月の追跡で全例が解剖学的適合を保って癒合したこと、荷重位X線が安定性判定と保存治療の決定に信頼できる根拠を与える一方で重力ストレス撮影は手術の必要性を過大評価するようにみえることを確認した(抄録のみを閲覧しており全文は未取得)。閲覧 2026-09-05