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Imaging findings · Published

大網肥厚

Omental thickening

別名
omental cake大網ケーキ
臓器系
腫瘍消化器
科目
PathologyGynecology
トピック
病理学 C/41:虫垂・腹膜の病理婦人科 26:卵巣腫瘍の病因・臨床像・スクリーニング

🧠 全体像肥厚は、造影CTでが脂肪濃度の平坦な構造から結節状・板状の軟部組織濃度へ置き換わる所見である。高度になると全体が一枚の板のように肥厚し、俗に「omental cake」と呼ばれる(本文ではケーキまたは板状肥厚と表記する)。この所見を見たときにで決めるべきは「悪性か良性か」の断定ではなく、次にどの検査(腹水細胞診、生検、)へ進むかであり、特には画像だけでは判断を誤りやすい代表的な組み合わせである。

所見の定義

正常なはCTで脂肪濃度の薄い構造として写る。これが炎症性・腫瘍性に浸潤されると、脂肪濃度の中に線状・網状の軟部濃度が淡くにじむような変化から始まり、進行すると結節状、さらに全体が均一な軟部組織濃度の板状構造に置き換わるケーキ(板状肥厚)へと連続的に変化する。

鑑別の柱

カテゴリー 代表疾患 特徴
卵巣癌、胃癌、大腸癌(を参照) 不整な腹膜肥厚、結節状〜ケーキ状の肥厚、大量腹水を伴いやすい
腹膜 曝露歴のある症例に多い原発性腹膜腫瘍 腹膜全体の広範な肥厚。との画像的区別は困難なことが多い
播種性結核の一型 周囲が明瞭に保たれる所見(omental rim sign)やリンパ節石灰化を伴いやすい
リンパ腫 腹膜・への浸潤 均一な軟部組織肥厚で、他部位のリンパ節腫大を伴うことが多い
良性 梗塞、 限局性で急性発症の腹痛を伴う。全身への播種所見を欠く

⚠️ 結核性腹膜炎と癌性腹膜炎は画像で紛らわしい

両者は腹水・腹膜肥厚・肥厚という共通の所見を示すため、CT単独での鑑別は難しい場面が多い。多施設データでは次の所見が統計学的に有意に鑑別へ寄与した1

所見 を示唆 を示唆
肥厚のパターン 淡くにじむような肥厚、周囲が明瞭に保たれる所見(omental rim sign) ケーキ状(板状)肥厚(37.7% 対 13.2%で有意差)
腹膜肥厚の性状 平滑 不整肥厚、臓器表面がされた切れ込み(scalloping sign)
リンパ節 石灰化、辺縁の環状増強 石灰化・環状増強は乏しい
全身症状 発熱・を伴いやすい 全身症状に乏しいことが多い

⚠️ 平滑な肥厚か不整・結節状の肥厚かという単純なだけに頼らない。 でも結節性を示すことがあり、omental rim signやリンパ節石灰化などの複数所見を組み合わせて総合的に判断する。

評価の進め方

flowchart TD
    A["CTで<span class='jp-term jp-term-diagram' title='greater omentum'>大網</span>肥厚を指摘"] --> B["過去画像と比較し新規か慢性かを確認"]
    B --> C["腹膜肥厚のパターン・腹水量・リンパ節所見を評価"]
    C --> D{"発熱・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='night sweat'>寝汗</span>など全身症状、<br>石灰化リンパ節・omental rim signがあるか"}
    D -->|"あり(結核性を示唆)"| E["腹水ADA、抗酸菌検査を検討"]
    D -->|"なし・ケーキ状肥厚が優位"| F["悪性を念頭に精査"]
    E --> G["腹水細胞診・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='greater omentum'>大網</span>生検で確定"]
    F --> G
    G --> H{"細胞診・生検で確定できるか"}
    H -->|"できない・診断に迷う"| I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='staging laparoscopy'>審査腹腔鏡</span>で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='under direct vision'>直視下</span>に評価・生検"]
    H -->|"できる"| J["原発検索・病期評価へ"]

⚠️ 腹水細胞診の感度は高くない。 陰性であってもを除外できず、臨床的に疑いが強ければ生検(超音波・CT)やへ進む2

まとめ

  • 肥厚はが脂肪濃度から結節状・板状の軟部組織濃度へ置き換わる所見で、高度なものをケーキ(板状肥厚)と呼ぶ。
  • 鑑別の柱は、腹膜、リンパ腫、良性(梗塞・)である。
  • は画像所見が重なりやすく、肥厚のパターン・リンパ節石灰化・全身症状を組み合わせて総合判断する。
  • 腹水細胞診は感度が高くないため、陰性でも除外せず生検やへ進む。

出典

  1. 1.Peritoneal Surface Malignancies(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2025)造影CTでの腹膜表面悪性腫瘍の所見として腹膜表面の軟部結節、限局性またはびまん性の腹膜肥厚、大網肥厚(omental caking)、腹水が挙げられること、診断的腹腔鏡が腹膜病変の量・分布の評価に最も正確であることを確認した閲覧 2026-08-11
  2. 2.Differentiating peritoneal tuberculosis and peritoneal carcinomatosis based on a machine learning model with CT: a multicentre study(Abdominal Radiology・2023)結核性腹膜炎88例・癌性腹膜炎90例の多施設データで、ケーキ状の大網肥厚は癌性腹膜炎に有意に多く(37.7% 対 13.2%)、大網周囲が明瞭に描出されるomental rim signとリンパ節石灰化・環状増強は結核性腹膜炎に有意に多いこと(いずれもp<0.05)、腹膜の不整肥厚とscalloping signも癌性腹膜炎に有意に多いことを確認した(Results)閲覧 2026-08-11