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Imaging findings · Published

換気血流シンチグラフィ

Ventilation-perfusion scintigraphy

別名
V/Qシンチグラフィ
臓器系
呼吸器循環器
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 S-06:原発性・続発性肺高血圧症
関連疾患
慢性血栓塞栓性肺高血圧症慢性血栓塞栓性肺疾患

🧠 全体像:が答えるのは「肺のどの区域が、換気は保たれているのに血流だけ来ていないか」というの有無である。この所見が肺動脈の閉塞を意味する一方、換気・血流がそろって低下していれば肺実質そのものの病気(など)を示唆する——この2種類の欠損を区別することがの核心になる。とくに(CTEPH)のスクリーニングでは、(CTPA)が陰性でもCTEPHを除外できないため、感度で優るをの主役に据える1。

何を評価する検査か

放射性またはガス(換気相)とした放射性微粒子(灌流相)の2種類の画像を撮り、両者を重ね合わせて対比する。換気は保たれているのに灌流だけが欠損する部位(換気血流)は、その区域の肺動脈が閉塞していることを示す。プラナー像に加えてを組み合わせる撮像が標準になりつつあり、平面画像では他の構造と重なって隠れてしまう欠損まで検出できる2。

欠損の定義と判定基準

欠損の種類 意味
欠損(セグメントの75%以上) 換気は保たれ灌流だけが欠損。肺動脈閉塞を示唆する所見
性欠損(75%未満) より軽微な
マッチした欠損(換気・血流とも低下) 肺実質・を反映し、血栓塞栓を示唆しない

CTEPHスクリーニングでは2.5区域以上の欠損を陽性の閾値とすると感度100%・特異度94.7%が得られ、換気情報を含めずにだけで判定すると特異度が81.8%まで低下する——換気相を省略しないことが精度を左右する3。

CTPAとの対比

検査 CTEPHに対する感度・特異度 特徴
感度90〜100%・特異度94〜100% 正常なら高くCTEPHを除外できる(100%)2
(CTPA) 感度は約50%にとどまる の描出や肺実質評価には有用だが、約25%が偽陰性になりうる2

⚠️ CTPAが陰性というだけで「肺塞栓・CTEPHは無い」と判断しない。 CTPAは中枢〜区域レベルの血栓を描出する解剖学的評価に優れる一方、末梢のや慢性期の血管壁変化は写りにくく感度が劣る。CTEPHを除外したいときはを行う1。

評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acute pulmonary thromboembolism'>急性肺血栓塞栓症</span>後の症状遷延、または原因不明の肺高血圧"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ventilation-perfusion (V/Q) scintigraphy'>換気血流シンチグラフィ</span>を施行"]
    B --> C{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='segmental'>区域性</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='mismatch (base-pair mismatch)'>ミスマッチ</span>欠損は<br>2.5区域以上か"}
    C -->|"なし(正常〜低確率)"| D["CTEPHをほぼ除外(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='negative predictive value, NPV'>陰性的中率</span>100%)"]
    C -->|"あり"| E["CTEPHを疑い<span class='jp-term jp-term-diagram' title='right heart catheterization'>右心カテーテル検査</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pulmonary angiography'>肺動脈造影</span>へ"]
    E --> F["過去のCTPA所見と照合し手術適応を評価"]

紛らわしいもの

  • マッチした欠損。 ・・肺炎・胸水など肺実質・気道の病気では換気・血流がそろって低下し、肺動脈閉塞を示すとは区別する。
  • レベルの軽微な欠損。 75%未満の欠損は判定の再現性が低く、ほど強い根拠にならない3。
  • CTPAが陰性であることの過信。 CTPAの感度は約50%にとどまり、陰性所見だけでCTEPHを除外した気になると、除外に強いを省略してしまう2。
  • 平面画像だけでの判定。 構造が重なって欠損が隠れる“shine-through masking”が起こりうるため、疑わしい所見はで確認する2。

まとめ

  • は、換気は保たれ灌流だけが欠損する「」の有無を評価し、肺動脈閉塞と肺実質疾患を区別する。
  • CTEPHのスクリーニングでは感度90〜100%・特異度94〜100%とCTPA(感度約50%)を上回り、正常なら高くCTEPHを除外できる。
  • 2.5区域以上の欠損を陽性の閾値とし、換気情報を省略すると特異度が下がる。
  • CTPAが陰性というだけでCTEPHを除外せず、にはを用いる。

出典

  1. 1.Chronic Thromboembolic Pulmonary Hypertension(StatPearls (NCBI Bookshelf; Sabbula BR, Sankari A, Akella J)・2024)換気血流(V/Q)シンチグラフィの感度が90〜100%・特異度が94〜100%で、正常V/Qスキャンは慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)を信頼性高く除外できる一方、CT肺動脈造影の陰性所見だけではCTEPHを除外できないことを確認した閲覧 2026-09-05
  2. 2.The Role of Lung Ventilation/Perfusion Scan in the Management of Chronic Thromboembolic Pulmonary Hypertension(Nuclear Medicine and Molecular Imaging・2023)V/QシンチグラフィがCTPAより優れた感度を示し、CT肺動脈造影の感度が約50%にとどまるのに対しV/Qシンチグラフィの感度は90〜100%・特異度は94〜100%であること、プラナー像とSPECT/CTの組合せが標準になりつつあり、SPECT/CTは"shine-through masking"により隠蔽される欠損を検出し非診断的解釈を減らすこと、低確率V/Qスキャンは陰性的中率100%に達しCTEPHを確実に除外できること、CT肺動脈造影は約25%の症例で偽陰性となりうることを確認した閲覧 2026-09-05
  3. 3.Lung Ventilation/Perfusion Scintigraphy for the Screening of Chronic Thromboembolic Pulmonary Hypertension (CTEPH): Which Criteria to Use?(Frontiers in Medicine・2022)区域性ミスマッチ欠損をセグメントの75%以上を占める欠損、亜区域性ミスマッチ欠損を75%未満の欠損と定義したうえで、2.5区域以上の区域性ミスマッチ欠損を陽性判定の最適閾値とすると感度100%(95%CI 93.6〜100%)・特異度94.7%(95%CI 90.3〜97.2%)が得られたこと、換気情報を除いて灌流欠損のみで評価すると特異度が81.8%まで低下し換気情報の追加がCTEPHスクリーニングの精度向上に寄与することを確認した閲覧 2026-09-05