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Imaging findings · Published

排尿時膀胱尿道造影

Voiding cystourethrogram (VCUG)

別名
VCUG排尿時膀胱造影逆行性尿道膀胱造影
臓器系
腎・泌尿器
科目
UrologyPediatrics
トピック
泌尿器科学 U-24:小児泌尿器科学小児科 44:先天性腎尿路異常(CAKUT)

🧠 全体像:VCUGが答えるのは「下部尿路の形態」と「(VUR)の有無・グレード」の2点であり、良悪性のような断定ではなく次の一手(経過観察・抗菌薬予防・手術)を決めるための検査である。逆流は中のではなく排尿相にだけ生じることが多いため、「1回の撮像で陰性=逆流なし」と即断しないことがの出発点になる。

所見の定義

から水溶性をで膀胱に注入し、下に膀胱を充満させたのち、カテーテルをして排尿させながら尿道・膀胱を撮像する。逆流はだけでなく排尿相にも生じうるため、複数回の充満・排尿サイクルを撮ることで検出感度を上げる1。

VURの重症度は国際分類(International Reflux Study Committee分類)でグレードI〜Vに分ける。

グレード 所見
I 拡張のない尿管のみに逆流
II 尿管・腎盂・まで逆流するが拡張なし、円蓋も正常
III 尿管の軽度〜中等度の拡張・、腎盂の中等度拡張、円蓋の鈍化なし〜軽度
IV 尿管の中等度拡張・、円蓋の鈍化が明瞭だが多くのでを保つ
V 尿管・腎盂・の高度な拡張・、大部分のでが消失

⭐ グレードI〜IIは低グレード、III〜Vは高グレードとして扱われ、管理方針のになる1。

モダリティと写り方

検査 得意なこと 限界
VCUG 逆流のグレード評価、尿道の形態評価(の膀胱・拡張した前立腺部尿道など)に優れ、解剖学的情報量が最大 を伴い、カテーテル挿入という侵襲を要する
核医学(シストグラフィ) 量が少なく逆流のスクリーニング・経過観察に向く 尿道の形態評価ができず、のもVCUGに劣る
膀胱 がなく小児の初回評価・経過観察に適する 尿道の詳細な形態評価は限定的で、施設の習熟度に依存する

リスクを上げる形態

  • 尿管の拡張・と円蓋の鈍化・の消失:グレードが上がるほど感染・化のリスクが高まる1。
  • 、肥厚、拡張した前立腺部尿道:を示唆する所見で、出生後診断のとなる2。
  • 両側性の逆流、:の逆流よりも腎障害のリスクが高い。

評価の進め方

⚠️ の初回エピソードだけでVCUGを全例に行わない。 腎・膀胱超音波を起点に、超音波異常・出生前の高度水腎症・・・疑いなどVURを積極的に疑う所見がある場合に選択的にVCUGへ進める、に基づく個別化が現在の主流である3。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='recurrent urinary tract infection'>反復性尿路感染</span>・出生前水腎症・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='voiding dysfunction'>排尿機能障害</span>を評価"] --> B["まず腎・膀胱超音波"]
    B --> C{"超音波異常・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='high-risk findings'>高リスク所見</span>があるか"}
    C -->|"いいえ"| D["VCUGは行わず経過観察"]
    C -->|"はい"| E["VCUGを施行(活動性尿路感染がないことを確認)"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='filling phase'>充満相</span>・排尿相を複数サイクル撮像"]
    F --> G{"逆流あり・尿道異常ありか"}
    G -->|"低グレード逆流のみ"| H["経過観察(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='spontaneous resolution'>自然消失</span>を期待)"]
    G -->|"高グレード逆流・尿道異常あり"| I["予防的抗菌薬・手術適応を検討"]

⚠️ 紛らわしいもの

  • 活動性尿路感染下での撮像は避ける。 炎症による偽陽性の逆流や患者の苦痛を招くため、原則として治療後に施行する1。
  • 排尿相を撮り逃すと逆流を見落とす。 だけで「逆流なし」と判定せず、排尿相を含む複数サイクルの撮像を確認する。
  • カテーテル操作による尿道粘膜のや膀胱刺激を、な異常所見としない。
  • VCUGそのものに禁忌は無く、は妊娠と活動性尿路感染のみであることを念頭に置く1。腎機能廃絶・活動性のは、VCUG(画像検査)ではなく抗逆流手術の禁忌であり、両者を混同しない1。妊娠中や活動性尿路感染下でVCUGを避けたい場合は、代替として核医学や膀胱を検討する。

まとめ

  • VCUGはの有無・グレード評価と下部尿路の形態評価を同時に行う、VUR診断のである。
  • 国際分類でグレードI〜Vに分け、III〜Vの高グレードは感染・化のリスクが高く管理方針のになる。
  • 膀胱・肥厚・拡張した前立腺部尿道はの診断所見で、VCUGが出生後診断のとなる。
  • の初回エピソードだけでVCUGを全例に行うのではなく、超音波を起点にして選択的に施行するのが現在の主流である。
  • 逆流は排尿相にだけ生じることがあり、複数サイクルの撮像を確認しないと見落としうる。活動性尿路感染下・妊娠中は避ける。

出典

  1. 1.Vesicoureteral Reflux(StatPearls (NCBI Bookshelf; Leslie SW, Aeddula NR)・2024)2024年4月30日最終更新版で、排尿時膀胱尿道造影(VCUG)が膀胱尿管逆流(VUR)評価のゴールドスタンダードであり、水溶性ヨード造影剤を尿道カテーテルから重力で注入し透視下に撮像すること、複数回の充満・排尿サイクルを撮ることで排尿相のみに生じる逆流も検出すべきこと、国際分類でグレードI(非拡張尿管のみに逆流)〜グレードV(尿管・腎盂・腎杯の高度な拡張・蛇行し乳頭陥凹が消失)まで5段階に分類すること、グレードIII〜Vが高度逆流で感染・瘢痕化のリスクが高いこと、適応が反復性尿路感染・腎超音波異常・出生前後の水腎症・排尿機能障害・神経因性膀胱・後部尿道弁疑いに及ぶこと、VCUGそのものには絶対的禁忌が無く相対的禁忌が妊娠と活動性尿路感染であること(原文はAbsolute contraindications are not apparent when performing a VCUG. However, relative contraindications to a VCUG include pregnancy and acute UTI.と記載)、一方で腎機能廃絶・活動性の排尿機能障害・Hutch憩室・治療中の尿路感染は抗逆流手術(antireflux surgical procedures)の禁忌でありVCUGの禁忌ではないこと(原文はAntireflux surgical procedures are generally contraindicated for nonfunctional kidneys, as well as in patients with Hutch diverticula, active voiding dysfunction, and ongoing UTIs.と記載)、低グレード(I〜II)は5歳までに約75%が自然消失し経過観察が中心であるのに対し高グレード(III〜V)では抗菌薬予防や手術介入を検討することを確認した。閲覧 2026-09-07
  2. 2.Posterior Urethral Valves(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2024)2024年5月6日最終更新版で、後部尿道弁が精阜(verumontanum)から前立腺部尿道にかけての異常な胎生組織の遺残により尿道内に閉塞性の弁膜構造を生じる病態であること、Young分類でI型(95%、精阜尾側から外側縁に沿い前方で癒合する後部尿道ヒダ)・II型(現在は真の閉塞性弁ではなく肥厚した精阜ヒダとされる)・III型(5%、精阜尾側の中心に孔のある円形の膜)に分けられること、出生前所見が羊水過少・両側水腎症・壁肥厚を伴う膀胱拡張であり60%に腎異形成を伴うこと、新生児期には生後24時間以内の排尿がないことがPUVを示唆する所見であり肺低形成による呼吸窮迫・触知可能な膀胱・尿閉を呈すること、年長児期には昼間遺尿(最も頻度が高い)・反復尿路感染・尿線微弱・血尿・蛋白尿を呈すること、胎生期の膀胱穿孔または腎盂腎杯円蓋部破裂による尿の腹腔内・後腹膜漏出(VURD症候群として知られる片側逆流を伴う病態を含む)が腎盂内の静水圧を下げることで腎機能を保護する「ポップオフ」機構として働くこと、出生前超音波での拡張した後部尿道を示す鍵穴徴候(keyhole sign)と胎児尿分析(浸透圧210mEq/L未満・β2ミクログロブリン4mg/L未満が保たれた腎機能を示唆する)が出生前評価に用いられること、排尿時膀胱尿道造影(VCUG)が出生後診断のゴールドスタンダードであり索状膀胱・膀胱頸部肥厚・拡張した前立腺部尿道を認めること、膀胱鏡による直視下での経尿道的弁切除術が現在の第一選択の根治的治療であり非常に狭い尿道や超低出生体重児では膀胱瘻造設術を選択すること、長期的には約15〜20%(報告により最大29%)が末期腎不全に進行し危険因子が両側膀胱尿管逆流・ベースラインクレアチニン上昇・生後1年時点でのGFR低下・腎容積88.2mL/m²未満であること、最大50%に膀胱機能障害が持続し15%が成人期まで尿失禁を続けることを確認した。閲覧 2026-09-05
  3. 3.Update and Summary of the European Association of Urology/European Society of Paediatric Urology Paediatric Guidelines on Vesicoureteral Reflux in Children(European Association of Urology / European Society for Paediatric Urology・2024)VURでは年齢、性別、逆流グレード、腎障害、発熱性UTI、膀胱直腸機能障害を含むリスク層別化により経過観察、予防的抗菌薬、内視鏡治療、再建術を選ぶこと、画像検査も全例一律ではなくこのリスク層別化に沿って個別化することを確認した。閲覧 2026-09-07