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抗SRP抗体

Anti-SRP antibody

別名
抗シグナル認識粒子抗体
臓器系
免疫・膠原病運動器
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 R-11:自己免疫性筋疾患
関連疾患
免疫介在性壊死性筋症

🧠 全体像:は、シグナル認識粒子(SRP)という細胞にとって必須の蛋白質複合体そのものに対する自己抗体である。⚠️ この検査を読むときの軸は「(IMNM)3血清型のうち、もっとも重症・難治な病型を示すマーカーである」という一点にある。型と違ってスタチンのような既知の誘因を欠くことが多く、心病変・嚥下障害の合併が目立つ。

何を測っているか

SRPは細胞質に存在する蛋白質・複合体で、リボソームで翻訳中の新生ポリペプチドを認識し、小胞体(ER)膜へ標的化して翻訳とER移行を共役させる役割を担う1。であるHMGCRとは異なり、細胞の蛋白質輸送機構の中核を担う複合体そのものが自己抗体の標的になる点がの特徴である。

基準値と測定法

・・などで検出する。臨床の場では・が主に用いられ、・単位は施設・キットにより異なるため報告書ので判断する。

陽性の意味

陽性は(型)を示唆する。⚠️ 3血清型(型・型・抗体陰性型)のうちもっとも重症・難治で、比較的若年で発症しCKが(の20倍超)になることが多い2。力低下・嚥下障害・の頻度が型より高く、心病変(心筋炎・心不全)の合併にも注意を要する1。

抗HMGCR抗体型との対比

型 型
の性質 蛋白質輸送複合体(SRP) (HMGCR)
既知の誘因 明確な誘因を欠くことが多い スタチン曝露と関連するが曝露歴のない例もある
重症度・治療反応 ⚠️ もっとも難治、40〜50%2 相対的に治療反応は良好
随伴しやすい所見 嚥下障害・・心病変 スタチン曝露歴

⚠️ 測定上の注意

  • 陰性でもIMNMを否定できない。抗体陰性型が存在するため、陰性ならで壊死優位・炎症に乏しい組織像と沈着・MHC-I発現亢進を確認する3。
  • 初期治療(ステロイド+)への反応が乏しい例が多く、リツキシマブなどのB細胞標的療法を要することがある——難治例の約6〜7割がリツキシマブで改善したとする報告がある2。
  • 心病変・嚥下障害を伴いやすいため、陽性が判明した時点で心機能・嚥下機能の評価を並行して進める。

まとめ

  • は細胞の蛋白質輸送に必須のSRP複合体を標的とする自己抗体で、IMNM3血清型のうちもっとも重症・難治な病型を示す。
  • は(の20倍超)になりやすく、嚥下障害・・心病変の合併が型より多い。
  • 明確な誘因を欠くことが多い点が、スタチン曝露と関連する型との対比になる。
  • 陰性でもIMNMを否定できず、生検所見と組み合わせて判断する。難治例が多くリツキシマブなどを要する。

出典

  1. 1.Anti-SRP immune-mediated necrotizing myopathy: A critical review of current concepts(Frontiers in Immunology・2022)SRP(シグナル認識粒子)が新生ポリペプチドを小胞体へ標的化する細胞質蛋白質複合体であること、頸部筋力低下・嚥下障害・呼吸不全・筋萎縮が抗SRP抗体型は抗HMGCR抗体型よりも頻度が高いこと、欧州・日本のコホートで抗SRP抗体型の筋力低下が抗HMGCR抗体型より重症になりやすいことを確認した。閲覧 2026-08-19
  2. 2.Immune-Mediated Necrotizing Myopathy: A Systematic Review of Antibody-Specific Mechanisms and Treatment Outcomes(Cureus・2025)抗SRP抗体型免疫介在性壊死性筋症は若年発症でCKが著明高値(基準上限の20倍超)となり難治性であること、再燃率が抗SRP型で40〜50%と他の血清型より高いこと、難治例の約6〜7割がリツキシマブで改善したことを確認した。閲覧 2026-08-19
  3. 3.224th ENMC International Workshop: Clinico-Sero-Pathological Classification of Immune-Mediated Necrotizing Myopathies, Zandvoort, The Netherlands, 14–16 October 2016(Neuromuscular Disorders (European Neuromuscular Centre)・2018)免疫介在性壊死性筋症が抗SRP抗体型・抗HMGCR抗体型・抗体陰性型の3血清型に分類され、壊死優位で炎症に乏しい組織像とC5b-9沈着・MHC-I発現亢進を特徴とするという国際ワークショップの分類を確認した。閲覧 2026-08-19