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Lab values · Published

抗ストレプトリジンO

Antistreptolysin O

別名
ASOASLO抗O価
臓器系
感染症免疫・膠原病
科目
Medical Microbiology
トピック
微生物学 2/4:化膿レンサ球菌(A群)
関連疾患
結節性紅斑

🧠 全体像:は「に最近感染したかどうか」を映す間接的な証拠であり、菌そのものを検出する検査ではない。咽頭炎の急性期には測っても上がりきっておらず、感染から数週遅れて上昇するという時間差を理解しないと、1回の陰性値だけでを否定してしまう誤りにつながる。

何を測っているか

はが産生する素で、ヒトに強いを誘導する。は、この毒素に対するの量を血清で測定する検査であり、菌の存在ではなく過去の感染に対する免疫反応の痕跡を見ている。皮膚感染()では脂質による中和のためASO反応が乏しく、代わりにが有用とされる一方、咽頭感染ではASOが有用という使い分けがある。

基準値と単位

はTodd単位またはIU/mLで報告され、測定法・検査室・年齢によって上限が異なるため、自施設のを優先する。米国の小児1,131人(2〜12歳)を対象にした検討では、ASO・の幾何平均値と値はいずれも年齢とともに上昇し、年少児では低く年長児では高い上限を示した1。成人のをそのまま小児、特に幼児に当てはめると偽陽性・偽陰性のいずれの方向にもずれうる。

高値の意味

機序・背景 代表疾患・状況 特徴
先行する咽頭レンサ球菌感染への免疫応答 、、 咽頭炎そのものは治癒していてもは数週間高値を保つ
上の「の証拠」 JONES基準によるの診断 単回の高値より上昇そのもの(での倍加)が確かな根拠2
測定上の非特異的上昇 肝疾患に伴う血中リポ蛋白の増加、検体の 真の溶連菌感染がなくてもを来しうる

⭐ JONES基準は先行する溶連菌感染の証拠を原則必須とし、の上昇はその根拠の一つに数えられる。単回の高値よりも上昇の推移の方が重みを持つ2。

低値の意味

陰性・低値であってもを完全には否定できない。感染から日が浅く抗体反応が上がりきっていない時期の1点測定では低値に出ることがあり、皮膚感染()由来ではASO反応そのものが乏しいため、疑いが強ければなどの別マーカーやでの再検討を要する。

測定上の注意

⚠️ 単回測定・急性期の1点だけでを判断しない。 咽頭レンサ球菌感染後の皮疹は感染から2〜3週後に出現し、ASOの抗体反応は第2〜3週から現れて第4〜5週でピークとなる3。皮疹や症状が出た時点で1回だけ測ると、まだ上がりきっていないことがある。

  • 診断的な意味を持たせたいときは、急性期と2〜4週後のので倍加を確認する方が、単回の絶対値より確実な根拠になる2
  • 早期の抗菌薬治療は抗体反応を鈍らせうるため、治療歴があるまま単回の低値をもって感染を否定しない
  • 肝疾患による血中リポ蛋白の上昇や検体のは、真の感染がなくてもの原因になりうる

経時変化とモニタリング

は感染から1〜3週で上昇を始め、3〜5週(第4〜5週)でピークに達したのち、数か月かけて低下する3。の診断やの原因検索では、初診時の1点だけでなく、2〜4週後の血清と比較して上昇の有無を確認することで診断の確からしさが高まる2。治療反応のモニタリングには用いない——の低下は治癒の指標としては緩慢で不正確である。

まとめ

  • ASOはの素に対するで、菌そのものではなく過去の感染の痕跡を示す
  • は年齢・測定法で異なり、小児では年齢が上がるほど上限も上がる
  • 感染から1〜3週で上昇し3〜5週でピークに達するため、急性期の1点測定だけではを否定できない
  • 診断的な重みを持たせるには、急性期・ので上昇の推移を確認する
  • 肝疾患によるなど測定上の落とし穴があり、単回値の絶対値だけで判断しない

出典

  1. 1.Antistreptolysin O and anti-deoxyribonuclease B titers: normal values for children ages 2 to 12 in the United States(Pediatrics(Kaplan EL, Rothermel CD, Johnson DR)・1998)米国23州から集めた2〜12歳の小児1,131人の血清を用いた検討で、ASO抗体価・抗DNase B抗体価の幾何平均値と正常上限値がいずれも年齢とともに上昇したこと、全年齢を通した抗体価の上限は従来報告されてきた値よりやや高かったことを確認した閲覧 2026-09-05
  2. 2.Revision of the Jones Criteria for the Diagnosis of Acute Rheumatic Fever in the Era of Doppler Echocardiography: A Scientific Statement From the American Heart Association(American Heart Association・2015)2015年改訂JONES基準が急性リウマチ熱の診断に先行する溶連菌感染の証拠(ASO抗体価などの上昇、咽頭培養陽性、迅速抗原検査陽性のいずれか)を原則必須としていること、抗体価は単回の高値よりも上昇そのものの方が確かな根拠になるとしていることを確認した閲覧 2026-09-05
  3. 3.Erythema Nodosum: A Practical Approach and Diagnostic Algorithm(American Journal of Clinical Dermatology・2021)全文(PMC7938036)を閲覧。咽頭レンサ球菌感染後の結節性紅斑の皮疹は感染から2〜3週後に出現し、ASO抗体反応は第2〜3週から現れて4〜5週でピークとなること、初期精査に血算・赤沈・CRP・ASO・咽頭培養・胸部X線を用いることを確認した閲覧 2026-09-05