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Forrest分類

Forrest classification

臓器系
消化器
科目
Surgery
トピック
外科学 B/09:消化性潰瘍の外科的側面

🧠 全体像:Forrest分類は、消化性潰瘍出血の内視鏡所見をIa〜IIIの6区分に分け、再出血リスクとの適応を判定する病型分類である。配点式のスコアではなく、「今まさに出血しているか」「血管が露出しているか」「血が固まって覆っているか」「がきれいか」という内視鏡下で見たままの所見を段階づけるだけの単純な体系だが、この区分がそのままガイドラインの(を行うか、経過観察でよいか)に直結する。

目的と適用場面

内容
目的 (主に消化性潰瘍)の内視鏡所見から再出血リスクを層別化し、の適応を決める
対象 で出血性潰瘍が確認された患者
使う場面 緊急内視鏡でのと決定。(内視鏡前の)や臨床判断と組み合わせて用いる
評価しないもの 内視鏡検査前の全身状態・(この評価はやショックインデックスが担う)

構成要素と病期

⭐ 6区分は「活動性出血の有無」→「非出血所見の性状」の順に見ていくと整理しやすい。

区分 内視鏡所見 臨床的な位置づけ
Ia 活動性出血。で最もが高い
Ib 活動性出血だが、Iaに比べ再出血リスクは低い
IIa 非出血性の 出血は止まっているが再出血の危険性が高い所見
IIb の 出血は止まっているが、血栓下に血管が隠れている可能性がある
IIc 色素沈着した平坦な斑点(flat pigmented spot) 低リスク所見
III 清潔な(clean base) 出血所見なし。最も低リスク

⚠️ Ia・Ibを合わせて「活動性出血」、IIa・IIbを合わせて「非出血所見(再出血リスクあり)」、IIc・IIIを合わせて「低リスク所見」と大きく3群に分けて捉えると、の適応判断に直結する1。

解釈とカットオフ

Forrest Ia・Ib・IIaはの適応となるである。IIbはを機械的に剥がすのではなく愛護的な洗浄・フラッシュを試み、下にが見つかれば追加で止血処置を検討する。IIc・IIIは低リスクで、なしに経過観察できる21。

💡 「活動性出血のほうが必ず再出血しやすい」とは限らない。 ガイドラインは、再出血リスクの予測という点では血流の評価のほうがForrest分類そのものより優れているとしたうえで、Forrest Ib(出血)はIIa()・IIb(付着)より再出血リスクが低いと明記している2。単施設の前向きコホート(955例)でも、IaとIIaが同程度に高い再出血率(それぞれ20.00%・21.59%)を示す一方、IbとIIbは同程度に低い再出血率(それぞれ3.70%・3.95%)にとどまり、IIc・IIIはさらに低い(0.00%・1.67%)という傾向が観察されている3。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 具体的な再出血率の数値は研究間でばらつきがあり、施設・時代によって変動する。上記の数値は1コホートの実測値であり、区分ごとに固定された確率として暗記しない。

⚠️ 単独の全身状態評価ではない。 Forrest分類は内視鏡所見だけを扱う分類で、や全身状態のにはやショックインデックスなど別の指標を併用する2。

⚠️ 評価者間のは完全ではなく、特にIIb(付着)とIIc(色素沈着斑点)の境界は判定になりやすい。

まとめ

  • Forrest分類は消化性潰瘍出血の内視鏡所見をIa(出血)〜III(清潔な)の6区分に分ける病型分類で、配点式のスコアではない。
  • Ia・Ib・IIaはの適応、IIbは愛護的洗浄後に判断、IIc・IIIは低リスクで経過観察できる。
  • 活動性出血(Ia・Ib)が一様に高リスクとは限らず、Ibの再出血リスクはIIa・IIbより低いとされる。
  • のはなど別の指標が担い、Forrest分類は内視鏡所見に限定される。

出典

  1. 1.Forrest Classification for Bleeding Peptic Ulcer: A New Look at the Old Endoscopic Classification(Diagnostics (MDPI)・2022)PMC9139956の全文(Europe PMCのfullTextXML、HTTP 200)を取得し、序論の逐語"Forrest I, bleeding or oozing ulcer; Forrest IIA, nonbleeding visible vessel, Forrest IIB, bleeding ulcer with adherent blood clots; Forrest IIC, ulcer with pigmentation, and Forrest III, ulcer with a clean ulcer base."でIa〜IIIの6区分の定義を確認した。治療方針については"patients with high-risk ulcers such as active spurting (Forrest IA), active oozing (Forrest IB), and nonbleeding visible vessel (Forrest IIA) ulcers should undergo endoscopic therapy."、"Peptic ulcers with adherent clots (Forrest IIB lesion) should be subjected to endoscopic clot removal to decide on further treatment plans."、"Ulcers with red spots (Forrest IIC) or a clean base (Forrest III) can be observed without endoscopic therapy."と述べ、Forrest I・IIAを高リスク(内視鏡的止血の適応)、IIBを凝血塊除去後に判断、IIC・IIIを低リスク(内視鏡的止血なしで経過観察可)とする実地の使い分けを確認した。閲覧 2026-09-22
  2. 2.Perforated and bleeding peptic ulcer: WSES guidelines(World Society of Emergency Surgery・2020)全文(PMC6947898)で確認した。出血性潰瘍では最近の出血の痕跡(Forrest分類)に従って方針を決めることを推奨し(1C)、Forrest Ia・Ib・IIaには内視鏡的止血を推奨(1C)、Forrest IIbは機械的に剥がさず愛護的な洗浄・フラッシュを試みる。再出血リスクの予測という点では血流の評価のほうがForrest分類より優れているとしつつ、Forrest Ib(湧出性出血)はIIa(露出血管)・IIb(凝血塊付着)より再出血リスクが低いと明記する。止血法は2種類を併用する(2B)。閲覧 2026-09-22
  3. 3.Correlation between the Glasgow-Blatchford score, shock index, and Forrest classification in patients with peptic ulcer bleeding(Turkish Journal of Medical Sciences・2020)PMC7379461の全文(Europe PMCのfullTextXML、HTTP 200)のTable 3で、消化性潰瘍出血955例の単施設前向きコホートにおける区分別の再出血率を確認した:Ia 20.00%、Ib 3.70%、IIa 21.59%、IIb 3.95%、IIc 0.00%、III 1.67%。⚠️ これは1コホートの実測値であり、区分間で普遍的に固定された再出血率ではない(IaとIIaが同程度に高く、IbとIIbが同程度に低いという傾向を示す一例として使う)。閲覧 2026-09-22