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Disease Atlas · 消化器 · 疾患

消化性潰瘍

Peptic ulcer disease

別名
PUD胃潰瘍十二指腸潰瘍
臓器系
消化器
科目
Internal MedicinePathologySurgery
トピック
内科学 G-01:食道・胃疾患内科学 L-45:消化性潰瘍・Helicobacter pylori感染病理学 C/34:消化性潰瘍外科学 S-07:胃の良性疾患・胃十二指腸の検査と外科的側面
鑑別疾患
クローン病ストレス潰瘍胃癌機能性ディスペプシア
合併症
急性膵炎
続発疾患
消化管出血(上部・下部)腹膜炎・消化管穿孔鉄欠乏性貧血
関連疾患
胃炎
治療薬
パントプラゾールボノプラザンアモキシシリンメトロニダゾール次サリチル酸ビスマスミソプロストール(エス)オメプラゾールファモチジンラベプラゾールスクラルファート
原因薬剤
アセクロフェナクアセチルサリチル酸セレコキシブ(デクス)イブプロフェン(デクス)ケトプロフェンデキサメタゾンジクロフェナクフルルビプロフェンヒドロコルチゾンインドメタシンケトロラクメロキシカムメチルプレドニゾロンナプロキセンニメスリドプレドニゾロン
原因微生物
ヘリコバクター・ピロリサイトメガロウイルス
症状
悪心下血失神灼熱痛出血体重減少吐血浮腫嘔吐
検査値
血算
画像所見
腹腔内遊離ガス
スコア
Glasgow-Blatchfordスコア
組織像
胃消化性潰瘍胃・十二指腸消化性潰瘍
原因となる疾患
G細胞過形成
適応薬
シメチジンスルピリドパントプラゾールファモチジンボノプラザンラニチジンラベプラゾール
禁忌薬
(デクス)イブプロフェン(デクス)ケトプロフェンアシピモクスアセクロフェナクアセチルサリチル酸イロプロストカルバコールケトロラクジクロフェナクセレコキシブナプロキセンニコチン酸(ナイアシン)ニメスリドフェニルブタゾンフルルビプロフェンベタネコールメフェナム酸メロキシカムラロピプラントレテプラーゼ

🧠 全体像:消化性潰瘍は、酸・の攻撃に対してのが破綻し、を越える欠損ができた状態である。診療の幹は、①出血・穿孔・閉塞を先に見抜く、②H. pyloriと/アスピリンを必ず調べる、③原因治療と酸分泌抑制を行い、除菌後は必ず成功を確認する、の3段階である。

定義と分類

消化性潰瘍は、胃または十二指腸の粘膜欠損がを越えて以深へ達した病変である。粘膜内にとどまるびらんとは深さで区別し、直径だけでは定義しない。

病変 深さ・特徴 臨床上の要点
びらん を越えない表在性欠損 多発しやすく、治癒後の瘢痕は乏しい
から以深へ達する 胃癌のを除外するため内視鏡・生検が重要
多くは球部に生じる 悪性はまれだが、出血・穿孔・穿通を来し得る

胃酸は病変成立に必要なだが、「酸が多いだけ」が本態ではない。粘液・、上皮修復、粘膜血流、プロスタグランジンによる防御と、酸・、炎症、薬剤傷害との均衡で理解する。

原因と危険因子

二大原因はH. pylori感染とである。両者が併存すると潰瘍・出血リスクがさらに上がる。

原因・背景 病態と手掛かり
H. pylori を起こし、胃・、、と関連する
・アスピリン 全身性阻害と局所傷害により粘液・、血流、上皮修復を低下させる
など 抗凝固薬・は潰瘍の主因とは限らないが、存在する病変からの出血を重くする。副腎皮質ステロイド併用もを高める
酸過分泌 など。多発、難治、再発、通常より遠位の潰瘍や下痢で疑う
その他 、CMV、虚血、放射線、悪性腫瘍、重症病態に伴うなど

喫煙は治癒遅延と再発に関連する。香辛料、特定の性格、な心理ストレスを主要原因とみなさず、飲酒・食品は症状を悪化させる場合に個別調整する。

⚠️ に使う()は、米国では活動性の消化性潰瘍が禁忌に挙がる。 (NIASPAN)の米国添付文書は禁忌を4項目とし、そのうちの1つが逐語で Patients with active peptic ulcer disease である(残りはまたは原因不明の持続的な上昇・・成分への過敏症)1。⚠️ 「活動性」と「既往」は扱いが違う——同じ添付文書は、黄疸・肝胆道疾患・消化性潰瘍の既往がある患者は投与中に注意深く観察するよう求めるにとどめる1。💡 国が変われば区分も変わる。 日本には単剤の電子添文が無く、誘導体のニコモール(コレキサミン錠)では消化性潰瘍は禁忌ではなく「9.1 合併症・既往歴等のある患者」の9.1.2に置かれ、理由も「類薬()で消化性潰瘍を増悪させたとの報告がある」という書き方である(同剤の禁忌は重症低血圧症・出血が持続している患者の1項だけ)2。「は消化性潰瘍に禁忌」と国を書かずに覚えない。

病態

flowchart TD
    A["H. pylori感染"] --> B["慢性炎症・上皮傷害<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='acid secretion'>酸分泌</span>調節の変化"]
    C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nonsteroidal anti-inflammatory drugs'>NSAIDs</span>・アスピリン"] --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cyclooxygenase'>COX</span>阻害・プロスタグランジン低下"]
    D --> E["粘液・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bicarbonate'>重炭酸</span>・血流・上皮修復の低下"]
    B --> F["酸・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pepsin'>ペプシン</span>と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mucosal defense'>粘膜防御</span>の不均衡"]
    E --> F
    G["喫煙・高<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acid secretion'>酸分泌</span>・重症病態"] --> F
    F --> H["胃・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='duodenal ulcer'>十二指腸潰瘍</span>"]
    H --> I["出血"]
    H --> J["穿孔・穿通"]
    H --> K["瘢痕性<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gastric outlet obstruction'>胃出口閉塞</span>"]

ピロリ感染

H. pyloriは鞭毛でを移動し、ウレアーゼで局所の酸性環境を緩衝して定着する。CagAなどの、、上皮傷害がを維持する。

  • ではソマトスタチン低下・上昇を介して十二指腸への酸負荷が増え、胃上皮化生部への菌定着と十二指腸炎を経てにつながる。
  • を含む胃炎・萎縮では低下が前面に出てにつながり、はむしろ低下することもある。
  • 胃癌リスクを高めるのは背景の、萎縮、などであり、「良性潰瘍そのものが癌へ変わる」と理解しない。胃癌が潰瘍として見えるため生検が必要である。

NSAID関連傷害

を中心とする阻害でプロスタグランジンが減ると、粘液・分泌、粘膜血流、細胞修復が低下する。腸溶製剤や注射薬でも全身性阻害は残るため、剤形変更だけでは予防にならない。

潰瘍・出血既往、高齢、複数または高用量、アスピリン・・副腎皮質ステロイド併用、重いは高リスクである。消化管リスクだけでなく心血管・腎リスクも同時に評価する。

臨床像

の・、悪心、膨満、を来し得るが、症状は非特異的である。食事で軽快するから、増悪するからと機械的に決めない。高齢者や使用者では痛みが乏しく、出血が初発となることがある。

合併症 手掛かり 解剖学的な学習点
出血 、、、貧血、失神、ショック 後壁は、胃側潰瘍はを侵し得る
穿孔 突然の激痛、、、敗血症 が典型で、を伴い得る
穿通 背部へ放散する持続痛、通常治療への反応不良 後壁が膵へ達しを来すことがある
反復する、、、体重減少 急性浮腫・攣縮または慢性。を来し得る

⚠️ 循環不全を伴う・、突然の、持続嘔吐は、通常の外来評価を中断して救急対応する徴候である。

⚠️ 再発性・難治性の潰瘍ではを来す病態を除外する。 のほか、まれにがある。⭐ 刺激で上昇を示すのが前者、反応しないのが後者という分かれ方をする。

診断

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='epigastric'>心窩部</span>症状または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='upper gastrointestinal bleeding'>上部消化管出血</span>"] --> B{"出血・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='peritoneal signs'>腹膜刺激</span>・閉塞があるか"}
    B -->|"あり"| C["蘇生・血算/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='crossmatch (compatibility testing)'>交差適合試験</span>・緊急画像/内視鏡・外科相談"]
    B -->|"なし"| D{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='alarm feature'>警告徴候</span>・癌リスク・持続症状があるか"}
    D -->|"あり"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='upper gastrointestinal endoscopy'>上部消化管内視鏡</span>"]
    D -->|"なし"| F["H. pylori非侵襲検査を検討"]
    E --> G["潰瘍の部位・形態・出血徴候を確認"]
    G --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gastric ulcer'>胃潰瘍</span>は生検<br>必要部位でH. pylori検査"]
    F --> I{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='active infection'>活動性感染</span>あり"}
    H --> I
    I -->|"はい"| J["耐性・既治療・地域指針に基づく除菌"]
    J --> K["治療後に必ず<span class='jp-term jp-term-diagram' title='test of cure'>除菌判定</span>"]

内視鏡

は潰瘍の確定、活動性出血の診断・止血、狭窄の評価、生検を同時に行える。出血、、体重減少、進行性嚥下障害、、腫瘤、強い家族歴などがあれば早期に行う。

  • は形だけで良悪性を完全に区別できないため、病変辺縁・底などから適切に生検する。悪性を疑う、原因不明、症状が続く、治癒しない場合は・を行う。
  • 典型的なは悪性が極めてまれで、ルーチンの潰瘍生検は不要である。非典型形態、遠位病変、難治例では別疾患を調べる。
  • 穿孔疑いでは造影CTを優先し、内視鏡を安易に先行させない。

ピロリ検査

検査 主な用途 注意点
の診断、 ・、抗菌薬、で偽陰性になり得る
の診断、 国内の主要キット(モノクローナル抗体)はの不要(はキットごとの検証待ち)。抗菌薬はを要する
迅速ウレアーゼ・組織 内視鏡時の診断 使用、萎縮、で感度が下がり得るため、陰性でも疑いが強ければ再検査する
血清抗体 未治療集団で補助的に使用 既感染とを区別しにくく、には使わない

は全例で行う3。期間の数値は日本ヘリコバクター学会のガイドラインが示しており、薬の内服終了後4〜6週以降に、またはモノクローナル抗体を用いた測定で判定する(同学会の2024年版は、序文・表1の行見出し・CQ1-1本文のいずれでも自らの立場として4〜6週以降としている。BQ1-7の解説に出てくる「薬中止後4週以降に行う」は、2016年改訂版からの引用として示された記述である)。偽陰性を避けるため、は・を少なくとも2週間中止するが、国内の主要な測定キット(モノクローナル抗体)はの影響を受けにくく不要とされる(についてはでもキットごとの検証が必要とされ、不要は確立していない)。抗菌薬はいずれの検査でも4週間以上の中止が望ましい4。Maastricht VI/Florence合意も、除菌後4〜6週の短期では検査の精度を保つため抗菌薬とを用いず、は検査の14日前に中止すべきとしている(診断WG Statement 10、合意率96%、Grade A1)5。酸分泌抑制が必要なら、そのはH₂受容体拮抗薬などへの一時的変更を検討できる。

治療

非合併潰瘍

  • または適切なで治癒を促し、喫煙中止を支援する。とH₂受容体拮抗薬の機械的な常用併用は標準ではない。
  • H. pylori陽性なら除菌する。レジメンは薬剤感受性、過去のマクロライド・キノロン曝露、ペニシリンアレルギー、地域の耐性・承認状況で選ぶ。
  • 感受性不明のとして、2024年指針は未治療例では14日間のを推奨レジメンとし、ペニシリンアレルギーが無ければや()二剤療法の14日間を経験的代替とする。「最適化」が優先されるのは既治療で感染が持続している例(最適化をまだ受けておらず感受性も不明な場合)で、既にそれを受けた例では14日間が代替となる。またはを含むは、感受性が確認された場合にのみ用いる3。なお二剤療法とは、などのP-CABとアモキシシリンを組み合わせるレジメンを指す(が挙げているのは薬効群までで、薬剤名ではない)。
  • の構成は、・・テトラサイクリン・メトロニダゾールである5。欧州のMaastricht VI/Florence合意(2022)は、個別のが利用できない場合、率が高い(15%超)か不明の地域の一次治療をとし(治療WG Statement 2、合意率92%、Grade B1)、それも使えなければ非含有の併用四剤療法を考慮しうるとしている。(++アモキシシリン)を用いるのは、局所で有効性が示されているか感受性が判明している場合に限られる5。韓国の2025年版ガイドラインを解説した総説も、耐性率が30%を超えて一次治療に求められる intention-to-treat 除菌率80%に届かなくなったことを、を経験的一次治療から外した理由に挙げている6。
  • 日本を含む各地域では採用レジメンが異なるため、最新の地域ガイドライン、承認、既治療を優先する。自己判断で一律のを固定しない。
  • H. pylori陰性かつ非使用なら、検査偽陰性、アスピリンを含む隠れた薬剤、悪性、、、虚血、を再評価する。

NSAID・アスピリン関連

状況 原則
関連潰瘍 可能なら中止し、で治療する
継続が必要 最小、併用、必要に応じ選択薬を検討し、心血管・腎リスクも評価する
潰瘍出血既往があり必須 非選択的を避け、必要性を再確認する。高消化管リスクでは選択薬+を含む強い予防を専門的に検討する
なら適応を再評価する。では原則継続し、中断した場合も確認日からの早期再開を含め循環器・消化器で決める

は潰瘍予防に有効だが、下痢・腹痛で継続しにくい。潰瘍予防目的では妊娠中に禁忌であり、妊娠可能な患者では原則避け、やむを得ず用いる場合も妊娠除外、確実な避妊、十分な説明が必要である。H. pylori除菌は感染者のリスクを下げるが、潰瘍既往がありを継続する患者の予防を置き換えない。

出血

  1. 気道・呼吸・循環を評価し、太い、血算、凝固、腎機能、を準備する。多くの患者ではをHb 7 g/dL前後から検討するを用いるが、持続出血、ショック、などで個別化する。
  2. 蘇生後、原則24時間以内に上部内視鏡を行う。活動性噴出・滲出出血または非出血性には内視鏡止血を行い、エピネフリン注入単独で完結させない。
  3. 高リスク潰瘍の止血後は高用量を3日間投与し、その後は最初の2週間、経口を1日2回用いる7。
  4. 再出血は止血を優先し、不成功なら、さらに不成功・不適なら手術へ進む。

Glasgow–Blatchfordスコア0~1など、ごく低リスクで十分な外来がある場合は入院せず管理できることがある。スコアだけで循環不全やをしない。

穿孔・穿通・胃出口閉塞

病態 初期対応と
穿孔 、輸液、鎮痛、静注酸分泌抑制、、緊急外科相談。安定例は腹腔鏡修復を検討し、非手術管理は漏出が封じ込められたごく選択的な例を厳重監視下で扱う
穿通 合併臓器・血管を等で評価し、原因治療と外科・内視鏡・画像下治療を個別化する
胃管減圧、輸液、K・Cl補正、、H. pylori治療、悪性除外。炎症が落ち着いても狭窄が残れば内視鏡的、難治例では手術を検討する

単純な非合併潰瘍に、、Billroth再建をルーチンに行わない。現在の手術は、穿孔、内視鏡・で制御できない出血、難治性閉塞、悪性を否定できない病変などが中心である。

治癒後の管理

  • 除菌成功を必ず確認し、・を区別する。
  • 、アスピリン、、抗凝固薬の適応と胃保護を定期的に見直す。
  • は病理、内視鏡形態、原因、症状、治癒経過に応じてを計画する。未治癒なら服薬、、曝露、高、悪性を再評価する。
  • 再発性・難治性潰瘍では空腹時を測る前に、によると、による危険を専門的に評価する。
  • ⚠️ 活動性の潰瘍があること自体が禁忌になる薬がある。 を抑えるのは、英国の静注製剤8・英国の吸入製剤(ベンテイビス)9・スペインのIlomedin10のいずれも、「血小板への作用が出血リスクを高める状況(活動性消化性潰瘍・外傷・)」を4.3の禁忌に挙げる。禁忌の語は逐語で active peptic ulcer(活動性)であり、潰瘍の既往一般ではない。

まとめ

  • 消化性潰瘍はを越える欠損で、二大原因はH. pyloriと/アスピリンである。
  • は胃癌のを生検で除外し、良性潰瘍そのものの「」と混同しない。
  • H. pyloriは耐性・既治療・地域指針に合わせて除菌し、薬の終了後4〜6週以降に全例でする。は検査ごとに違う——は・を2週間以上中止するが、国内の主要な測定キット(モノクローナル抗体)はのを要しない(はキットごとの検証待ち)。抗菌薬はいずれの検査でも4週間以上あける。
  • 出血は蘇生→早期内視鏡→→塞栓→手術、穿孔は抗菌薬と迅速な外科評価を軸にする。
  • 継続例ではなどの胃保護を個別化し、消化管・心血管・腎リスクを同時に扱う。

出典

  1. 1.NIASPAN (niacin extended-release) tablets, for oral use — Full Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration(NDA 020381、AbbVie。承認事項一部変更承認 s055)・2022)PDFを取得して逐語確認した(本文の改訂表示は Revised: 05/2022)。4 CONTRAINDICATIONS が4項目で、うち1つが「Patients with active peptic ulcer disease」であること(他は活動性肝疾患または原因不明の持続的な肝逸脱酵素上昇、動脈性出血、ニコチン酸または本剤成分への過敏症)、Highlights の箇条書きも同じ4項目を挙げること。5 WARNINGS AND PRECAUTIONS の導入部が「Patients with a past history of jaundice, hepatobiliary disease, or peptic ulcer should be observed closely during NIASPAN therapy.」と述べ、消化性潰瘍の既往は禁忌ではなく注意深い観察の対象としていることを確認した(活動性か既往かで扱いが分かれる)。枠組み警告は無い閲覧 2026-09-17
  2. 2.コレキサミン錠200mg 電子添文(2025年7月改訂・第3版)(独立行政法人医薬品医療機器総合機構(販売元 佐藤製薬株式会社、YJコード2189004F1335)・2025)本文を取得して逐語確認した。ニコチン酸の誘導体であるニコモール製剤(コレキサミン錠200mg)の2. 禁忌が「重症低血圧症、出血が持続している患者」の1項のみで、消化性潰瘍は禁忌に入っていないこと。消化性潰瘍は「9.1 合併症・既往歴等のある患者」の9.1.2に置かれ、理由が逐語で「類薬(ニコチン酸)で消化性潰瘍を増悪させたとの報告がある」であること。15.1 も「類薬(ニコチン酸)の過量投与により肝機能の異常が、また、糖尿病及び消化性潰瘍を増悪させたとの報告がある」と述べること。4. 効能又は効果が高脂血症と、凍瘡・四肢動脈閉塞症・レイノー症候群に伴う末梢血行障害の改善の2本立てであること、16.4 がニコモールはニコチン酸のエステル化合物で生体内で加水分解されニコチン酸とTHCとして代謝されると述べることを確認した閲覧 2026-09-17
  3. 3.ACG Clinical Guideline: Treatment of Helicobacter pylori Infection(American College of Gastroenterology・2024)抄録のみ閲覧(誌上版本文は取得できず)。未治療で感受性不明の例では14日間のビスマス四剤療法が推奨レジメンで、ペニシリンアレルギーの無い患者ではリファブチン三剤療法またはP-CAB二剤療法の14日間が経験的代替となること。「最適化」ビスマス四剤療法が優先されるのは既治療の持続感染例であること。クラリスロマイシンまたはレボフロキサシンを含むサルベージレジメンは感受性が確認された場合にのみ用いるとされること。治療後は全例で除菌判定を行うとされるが、待機期間の数値とビスマス四剤療法の構成薬は抄録に無い閲覧 2026-08-03
  4. 4.H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024 第1章「診断」(日本ヘリコバクター学会・2024)PDF全文をpdftotextで抽出して確認した。ガイドライン2024が自らの言葉として示す除菌判定の時期は一貫して4〜6週以降で、序文は「除菌治療終了後4-6 週間以降に行われる除菌判定」、表1の行見出しは「除菌治療薬中止後4-6 週以降に行う」、CQ1-1本文は「除菌判定は除菌終了後 4-6 週以降に行う.」である。BQ1-7の解説にある「除菌治療薬中止後4週以降に行う」は、2016改訂版からの引用として示された記述である。除菌判定には尿素呼気試験およびモノクローナル抗体を用いた便中H. pylori抗原測定が有用とされる。偽陰性を避けるため、PPI・P-CAB等は少なくとも2週間、抗菌薬は4週間以上の中止が望ましいとする。BQ1-6の回答は「UBT, RUT, 血清 PG 濃度は PPI, P-CAB の影響を受けるので休薬して実施する。その他の診断法は PPI 内服のまま実施できる」で、表1では尿素呼気試験・迅速ウレアーゼ試験・血清ペプシノゲン濃度が2週間以上の休薬を要する検査に分類され、便中抗原測定法・核酸増幅法(胃液)・培養法・鏡検法・抗体法はPPIの影響を受けにくいとされる(注2により便中抗原測定法は国産の測定キットを用いる場合に限る)。便中抗原測定法についてはキットごとにP-CABの影響の検証が必要とされる閲覧 2026-09-08
  5. 5.Management of Helicobacter pylori infection: the Maastricht VI/Florence consensus report(Gut(European Helicobacter and Microbiota Study Group ほか、29か国41名の専門家)・2022)リポジトリ版(repositorio.uam.es)から全文PDFを取得して確認した。取得できたのは Gut 2022;0:1-39 と表記されるonline-first 版で、誌上版 71(9):1724-1762 とはページ番号が異なる。H. pylori 感染はICD-11で感染症として正式に位置づけられ、原則として感染者全員が治療対象になる。診断ワーキンググループのStatement 9は「Clarithromycin susceptibility testing, if available through molecular techniques or culture, is recommended before prescribing any clarithromycin containing therapy.」(合意率91%、Grade A1)で、分子生物学的手法または培養による感受性検査が利用できる場合という条件つきの推奨である。治療ワーキンググループのStatement 2(合意率92%、Grade B1)は、個別の感受性検査が利用できない場合、クラリスロマイシン耐性率が高い(15%超)か不明の地域の一次治療をビスマス四剤療法とし、それも利用できなければビスマス非含有の併用(concomitant)四剤療法を考慮しうるとする。図1の凡例はビスマス四剤療法をPPI・ビスマス・テトラサイクリン・メトロニダゾール、クラリスロマイシン三剤療法をPPI・クラリスロマイシン・アモキシシリンと定義し、後者は局所で有効性が示されているかクラリスロマイシン感受性が判明している場合にのみ用いるとする。治療Statement 1(Grade D2)は一次治療前でも感受性検査をルーチンに行うことを reasonable とするが、原文自身が「そのような感受性検査に基づく戦略を日常診療で一般的に用いることの妥当性はまだ確立されていない」と続けている。なおMethodsの定義により、Gradeの英字はエビデンスの質(A高〜D非常に低)、数字は推奨の強さ(1強い/2弱い)を表す閲覧 2026-09-08
  6. 6.Treatment of Helicobacter pylori Infection in Korea: An Evidence-Based Analysis of the Upcoming 2025 Guideline(The Korean Journal of Helicobacter and Upper Gastrointestinal Research・2026)全文を確認した。ビスマス四剤療法(BQT)の構成をPPI・ビスマス・テトラサイクリン・メトロニダゾールと明記していること。クラリスロマイシン耐性率が15%を超える地域では感受性検査なしの三剤療法を一次治療として推奨しないこと閲覧 2026-09-08
  7. 7.ACG Clinical Guideline: Upper Gastrointestinal and Ulcer Bleeding(American College of Gastroenterology・2021)内視鏡止血後は高用量PPIを3日間投与し、その後は最初の2週間、経口PPIを1日2回用いること閲覧 2026-08-03
  8. 8.Iloprost 100 micrograms/ml concentrate for solution for infusion — Summary of Product Characteristics (SmPC)(Colonis Pharma Limited(electronic medicines compendium, UK。10. Date of revision of the text は 12/08/2025)・2025)全文を取得し、4.3の禁忌に逐語で Conditions where the effects of iloprost platelets might increase the risk of haemorrhage (e.g. active peptic ulcer, trauma, intracranial haemorrhage) が挙がっていることを確認した。限定語は active(活動性)である閲覧 2026-09-17
  9. 9.Ventavis 10 microgram/ml nebuliser solution — Summary of Product Characteristics (SmPC)(Bayer plc(electronic medicines compendium, UK。Date of revision of the text は 01/2021)・2021)全文を取得し、吸入製剤の4.3にも逐語で Conditions where the effects of Ventavis on platelets might increase the risk of haemorrhage (e.g. active peptic ulcers, trauma, intracranial haemorrhage) が挙がっていることを確認した閲覧 2026-09-17
  10. 10.FICHA TÉCNICA ILOMEDIN 50 MICROGRAMOS/0,5 ML CONCENTRADO PARA SOLUCION PARA PERFUSION(Agencia Española de Medicamentos y Productos Sanitarios(バイエル。FECHA DE LA REVISIÓN DEL TEXTO は Enero 2014)・2014)全文を取得し、4.3の禁忌に逐語で Situaciones en las que los efectos de Ilomedin sobre las plaquetas puedan aumentar el riesgo de hemorragia (p. ej., úlceras pépticas activas, traumatismos, hemorragia intracraneal) が挙がっていることを確認した閲覧 2026-09-17