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Drug Atlas · A12 NSAIDs · 必修

フェニルブタゾン

phenylbutazone

分類
NSAIDs
科目
Pharmacology
トピック
A12: NSAIDs
承認適応
強直性脊椎炎関節リウマチ痛風
禁忌疾患
消化性潰瘍再生不良性貧血心不全
相互作用
ワルファリン
原因となる疾患
再生不良性貧血

🧠 全体像の非選択的NSAIDで、かつては強力なとして広く使われたが、という重篤なのために1980年代以降ヒトへの使用が大きく制限された。ただし「消えた薬」ではない——国によって扱いが大きく違う。フランスは2011年末にヒト用製剤ブタゾリジンの販売を終了した1一方、ドイツでは今もが承認・販売されており、他の治療が無効だったに限って使われる2。日本にヒト用製剤は無い。獣医領域(馬のなど)でも今なお使われる。試験で問われる価値は臨床での出番よりも、ワルファリンとの相互作用が「+代謝阻害」の教科書的な例として教育に残り続けている点にある。

薬効群の中での位置づけ

という点でと同族で、どちらも重篤なを理由に国ごとに扱いが分かれたという共通の歴史を持つ。が一部の国で今もとして使われるのに対し、は残った適応がはるかに狭い——ドイツでも「他の治療が効かなかったへの1週間以内の投与」という最後の手段の位置づけである2。COX阻害のは他の非選択的NSAIDsと同じで、の項の図を参照。

適応

現行のドイツのでは、次の3つのに限って適応が残っている2

適応 位置づけ
いずれも「他の・他のNSAIDsを含む)が不十分だった場合」に限る。適応の設定はきわめて厳格に行うこととされる
関節リウマチ 同上
同上

⚠️ な維持療法の薬ではない。 が用量・期間に依存するため、治療期間は1週間を超えてはならないと明記されている2

用法・用量

ドイツの注射剤は1日1回400 mgをし、治療期間は1週間以内にとどめる2。経口では歴史的に100〜200 mg/日をしていた。多くの国で停止・厳格制限されており、日本を含めヒト用製剤が無い国では実臨床での使用を想定しない。施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:原因不明のなど)・消化性潰瘍(既往を含む)およびNSAIDs関連の消化管出血・穿孔の既往、重度心不全、妊娠・授乳、小児2
  • 💡 「心不全」と「重度心不全」は別の話。 現行のドイツの添付文書が禁忌に挙げるのは重度心不全で、軽症〜中等症の心不全・高血圧・は「慎重に適応を検討する」区分にとどまる2。一方、販売終了前のフランスのは重症度の限定なしに「心不全」を禁忌としていた3。frontmatter は現行の一次資料(ドイツ)に従っている
  • ⚠️ ワルファリンとの相互作用が教科書的。 はワルファリンを部位から置換して遊離型を増やし、さらに酵素を阻害してワルファリンのクリアランスを下げる。この二重の機序で抗凝固作用が急激に増強され、重篤な出血を招きうる。フランスのでは経口抗凝固薬との併用そのものが禁忌に指定されている3

副作用

(重篤な、使用制限の主因)、

まとめ

  • の非選択的NSAID。という重篤なのため、ヒトへの使用は1980年代以降きわめて狭い範囲へ絞られた。
  • 「世界中で消えた薬」ではなく、国ごとに扱いが分かれた薬。 フランスは2011年末に販売終了、日本にヒト用製剤は無いが、ドイツでは・関節リウマチのに限って今も承認されている(1日400 mg筋注、治療期間は1週間以内)。
  • ワルファリンとの相互作用(+代謝阻害の二重機序)は薬物相互作用の教科書的な例として教育に残る。
  • 禁忌のうち心不全は重度心不全が現行の一次資料の区分で、軽症〜中等症は慎重投与にとどまる。も禁忌である。
  • 獣医領域(馬の)では今も使われる。

出典

  1. 1.Butazolidine 100 mg, comprimé enrobé - Résumé des Caractéristiques du Produit(Agence nationale de sécurité du médicament (ANSM), France・2012)フランスの製品概要で禁忌に心不全・活動性消化性潰瘍・出血傾向や血液疾患の既往・経口抗凝固薬との併用が含まれること閲覧 2026-08-03
  2. 2.Butazolidine : arrêt de commercialisation(Vidal(フランスの医薬品情報サイト、ANSM/HASの勧告を引用)・2011)フランスでは重篤な血液毒性(無顆粒球症などのリスク)を理由に2011年12月末でヒト用フェニルブタゾン製剤(ブタゾリジン)の販売が終了したこと閲覧 2026-08-03
  3. 3.Ambene parenteral 400 mg Injektionslösung — Fachinformation(Recordati Pharma GmbH(ドイツ)・2025)ドイツでは現在もヒト用フェニルブタゾン製剤が承認・販売されており、適応は強直性脊椎炎の急性増悪・関節リウマチの急性増悪・痛風発作の3つ、1日1回400 mgの単回筋注で治療期間は1週間を超えないこと。禁忌(4.3)に**重度**心不全・腎機能障害・肝機能障害・消化性潰瘍(既往を含む)・原因不明の造血障害および凝固障害・妊娠授乳・小児が含まれること閲覧 2026-08-03