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Drug Atlas · A12 NSAIDs · 必修

ナプロキセン

naproxen

分類
NSAIDs
商品名(日本)
ナイキサン
商品名(EU)
Naprosyn
科目
Pharmacology
トピック
A12: NSAIDs
禁忌疾患
消化性潰瘍重度心不全慢性腎臓病肝硬変気管支喘息
副作用
消化管出血末梢性浮腫
監視検査値
クレアチニン
相互作用
メトトレキサートリチウム
対象疾患
SAPHO症候群リウマチ熱・リウマチ性心疾患乾癬性関節炎偽痛風強直性脊椎炎結節性紅斑血清病腰部脊柱管狭窄症歯髄炎歯突起冠状石灰化症候群若年性特発性関節炎体軸性脊椎関節炎腸骨骨硬化症痛風反応性関節炎片頭痛・一次性頭痛症候群慢性再発性多発性骨髄炎梨状筋症候群類骨骨腫頸椎・腰椎椎間板ヘルニアによる神経根症
原因となる疾患
偽ポルフィリン症急性・慢性尿細管間質性腎炎顕微鏡的大腸炎固定薬疹消化管出血(上部・下部)消化性潰瘍苔癬型薬疹

🧠 全体像:はの中でも半減期が特に長く1日2回で足りる薬だが、それ以上に重要な特徴は非選択的の中で心血管リスクが最も低いとされるという一点。選択的阻害薬が心血管リスクとGI安全性のに悩まされる中、は「確立された心血管疾患があってもがどうしても必要」という場面で最初に検討される、いわば例外的な立ち位置の薬になる。

薬効群の中での位置づけ

分類 代表薬 心血管リスク 特徴
(デクス) 低め 汎用のファーストチョイス
(デクス) 低め より強力・急性期向け
非選択的で最小 半減期が長く1日2回
選択的 高め GI安全性は高い

⭐ 「心血管疾患があるがが必要」という設問ではが正解になりやすい。 これはが阻害を長時間持続させ、アスピリンに似た形で血小板産生をある程度抑え続けるためと考えられている(アスピリンほど確実・不可逆ではないため代替にはならない)。

機序

非選択的に・を可逆的に阻害する。共通の下流経路はの項の図を参照。半減期が長いぶん血中濃度の谷間ができにくく、阻害(血小板を含む)が持続しやすい点が心血管リスクの低さと関連するとされる。

薬物動態

項目 値・特徴
良好(約95%)
代謝 肝CYP2C9・で代謝
排泄 代謝物として
半減期 約12〜17時間(の中で突出して長い)

⭐ 半減期の長さが1日2回投与を可能にし、の良さにつながる。 一方で腎機能低下例では蓄積しやすく、がより重要になる。

適応

領域 使いどころ
リウマチ・脊椎 、、
整形・神経 ・による
・炎症 、
その他 、痛風、
歯科 などによる急性の、確定的歯科治療までのつなぎの鎮痛

⭐ 急性では、440 mgが400 mgと並ぶ第一選択として名指しされている。 米国歯科会の2024年ガイドラインは、確定的な歯科治療にすぐ到達できない状況の——症候性、あるいはにかを伴うもの——について、受診後のを単独(440 mgまたは400 mg)もしくは500 mgとの併用で開始することを提案している(条件付き推奨・エビデンスの確実性は低)1。⚠️ この440 mgが対象とするのは12歳以上である——同ガイドラインは対象年齢を青少年12歳以上17歳未満・成人17歳以上65歳未満・高齢者65歳以上と定義しており、12歳未満の小児へそのまま読み替えてはならない1。同ガイドラインが示すの1日最大量は1,100 mgである1。⚠️ これは確定的歯科治療までの一時的な橋渡しであって、そのものの治療ではない1。

用法・用量

PO 250〜500 mgを1日2回(急性期は最大1,000〜1,250 mg/日)。実際の用量は適応・年齢・体重・腎機能で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心、
注意 消化管出血/潰瘍、腎機能低下(クレアチニン上昇)、
重篤・まれ (共通の稀な副作用、様の蛋白尿を伴うことがある)、重度消化管出血

まとめ

  • の中で半減期が最も長く、1日2回投与で済む。
  • 非選択的の中で心血管リスクが最も低いとされ、確立された心血管疾患患者でが必要な場面で選ばれやすい。
  • ・・など疾患の慢性管理に幅広く使う。
  • という稀だが共通の重篤な副作用を起こしうる。
  • メトトレキサート・との併用は低下による中毒リスク。

出典

  1. 1.Evidence-Based Clinical Practice Guideline for the Temporary Pharmacologic Management of Acute Dental Pain — Toothache in Adolescents, Adults, and Older Adults With No Immediate Access to Definitive Dental Treatment (chairside guide)(American Dental Association, University of Pittsburgh School of Dental Medicine, University of Pennsylvania School of Dental Medicine・2024)PDFを取得しpdftotextで全文を読んだ。推奨2.1が歯痛の一時的管理における受診後の疼痛管理として「非ステロイド性抗炎症薬単独(例:イブプロフェン400 mgまたはナプロキセンナトリウム440 mg)、もしくはアセトアミノフェン(例:500 mg)との併用」で開始することを提案していること(Conditional・Low certainty)、脚注4が1日最大量をイブプロフェン2,400 mg・ナプロキセンナトリウム1,100 mg・アセトアミノフェン4,000 mgとしていること、脚注2の「歯痛」が症候性歯髄炎(可逆性または症候性不可逆性歯髄炎で症候性根尖性歯周炎の有無を問わない)と歯髄壊死+症候性根尖性歯周炎または急性根尖膿瘍を指すこと、脚注1によりこれらの推奨が確定的歯科治療(抜髄・非外科的根管治療・膿瘍の切開排膿・抜歯)を受けられない状況にのみ適用されること、脚注3が対象年齢を「Adolescents (aged 12-<17 years), adults (aged 17-<65 years), and older adults (≥65 years)」と定義しており12歳未満は対象外であることを確認した閲覧 2026-09-06
  2. 2.Naprosyn 500 mg Tablets — Summary of Product Characteristics(electronic Medicines Compendium (emc)・2024)禁忌に活動性消化性潰瘍/消化管出血、重度腎機能障害(CrCl<30 mL/min)・重度肝不全・重度心不全、NSAID/アスピリンで誘発される喘息・鼻炎・鼻茸・蕁麻疹の既往、妊娠第3三半期が含まれること、メトトレキサート・リチウムとの相互作用(腎クリアランス低下)を確認した閲覧 2026-08-03