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Lab values · Published

クレアチニン

Creatinine

別名
血清クレアチニン
臓器系
腎・泌尿器全身
科目
Intensive Therapy and AnesthesiologyInternal Medicine
トピック
麻酔科学 B-01:ICUにおける急性腎障害内科学 L-36:急性腎障害内科学 N-01:糸球体疾患
関連疾患
C1q腎症Denys-Drash症候群Frasier症候群IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)McKittrick-Wheelock症候群WAGR症候群アセトアミノフェン(パラセタモール)中毒アマトキシン中毒アルシン(ヒ化水素)ガス中毒イソプロパノール中毒ウイルス性胃腸炎カドミウム中毒カルシフィラキシスコレステロール塞栓症ジストニア重積ネフリティック症候群ネフローゼ症候群ヒ素中毒ポルフィリン症リチウム中毒悪性症候群移植関連血栓性微小血管症鉛中毒横紋筋融解症肝硬変逆流性腎症急性肝不全急性腎障害急性尿細管壊死筋強直性ジストロフィー軽鎖沈着症結節性多発動脈炎血管炎(大血管炎・中血管炎・小血管炎)血栓性血小板減少性紫斑病後部尿道弁高血圧症高血圧性腎硬化症骨髄腫腎心腎症候群心房細動神経因性膀胱腎症候性出血熱腎性全身性線維症腎動脈狭窄症水銀中毒髄腔内バクロフェン離脱症候群摂食症(神経性やせ症・過食症)巣状分節性糸球体硬化症造影剤腎症多臓器機能障害症候群多発性骨髄腫脱水糖尿病性ケトアシドーシス・高血糖高浸透圧症候群糖尿病性腎症毒性アルコール中毒毒素性ショック症候群尿路結石症妊娠高血圧腎症・子癇・HELLP症候群膿腎症排尿筋括約筋協調不全敗血症微小変化型ネフローゼ症候群腹部コンパートメント症候群閉塞性腎症膜性腎症膜性増殖性糸球体腎炎慢性腎臓病溶血性尿毒症症候群膀胱癌膀胱尿管逆流
監視対象薬
(デクス)イブプロフェン(デクス)ケトプロフェンアカンプロサートアザシチジンアセクロフェナクアセトヒドロキサム酸アミカシンアリスキレンアレムツズマブアロプリノールアンフォテリシンBイルベサルタンインドメタシンエクリズマブエデト酸カルシウム二ナトリウムエナラプリルエンテカビルエンホルツマブ ベドチンオルメサルタンカナマイシンカプトプリルカプレオマイシンカルフィルゾミブケトロラクゲンタマイシンコリスチンコルヒチンサクシマーサルファジアジンシクロスポリンジクロフェナクジゴキシンジスチグミンシスプラチンシタグリプチンシドフォビルジメルカプロールストレプトマイシンセフィデロコルセフェピムセフタジジムセフタジジム+アビバクタムセフトロザン+タゾバクタムセレコキシブソタロールタクロリムスチオ硫酸ナトリウムテイコプラニンテコビリマットテノホビルデフェラシロクステラバンシンテルリプレシントブラマイシントロフィネチドナプロキセンニトロプルシドナトリウムヌシネルセンネチルマイシンバクロフェンバルサルタンバルサルタン+サクビトリルパロモマイシンバンコマイシンピペラシリンビンデシンフィネレノンフォスカルネットフォンダパリヌクスフルシトシンフルルビプロフェンフロセミドプロベネシドベザフィブラートペニシラミンベネトクラクスペリンドプリルヘロインペントスタチンボクロスポリンホメピゾールポリエチレングリコールポリミキシンBマイトマイシンCマグネシウム(Mg++)ミルテホシンメサラジンメトホルミンメフェナム酸メロキシカムモキセツモマブ パスドトクスヨード造影剤ラブリズマブラミプリルリチウムルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)レムデシビルロサルタン銅ヒスチジン
影響する薬剤
カピバセルチブシドフォビルスラミンチカグレロルデフェラシロクスドルテグラビルドロネダロンフェノフィブラートベルズチファンヘロインペンタミジンベンペド酸
スコア
Beers基準GRACEスコアKing's College基準LRINECスコアMELDスコアPELDスコアPLASMICスコアPREVENT式SOFAスコア改訂Atlanta分類

🧠 全体像:はを間接的に映すが、腎臓そのものを測っている値ではない。産生量は、血中濃度はとにも左右され、では低下より遅れて上がる。単回の「正常・異常」より、過去値からの変化、尿量、、尿所見を組み合わせて読む。

何を測っているか

クレアチン・は主に骨格筋でにクレアチニンへ変わり、血中へ一定速度で放出される。腎では主にされ、一部はから分泌される。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='muscle mass'>筋肉量</span>とクレアチン代謝"] --> B["クレアチニン産生"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='serum creatinine'>血清クレアチニン</span>"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glomerular filtration'>糸球体濾過</span>"]
    C --> E["少量の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tubular secretion'>尿細管分泌</span>"]
    D --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='urinary excretion'>尿中排泄</span>"]
    E --> F
    G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glomerular filtration rate'>GFR</span>低下"] --> C
    H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='muscle mass'>筋肉量</span>低下・希釈"] --> I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glomerular filtration rate'>GFR</span>低下があっても低く見える"]

血清値から年齢・性別などを用いて(estimated glomerular filtration rate:)を計算する。は生のクレアチニンより腎機能の段階づけに適するが、や極端な体格では限界がある。

基準値と単位

成人のは概ね0.5〜1.1 mg/dL前後だが、測定法、、年齢、性別で異なるため施設範囲を優先する。

表記 換算・読み方
mg/dL 日本・米国などで一般的
µmol/L 国際的に広く用いられる
換算 mg/dL × 88.4 ≒ µmol/L
通常mL/min/1.73 m²。で標準化した推算値

⭐ 同じクレアチニン1.0 mg/dLでも、若い筋肉質の人と高齢でが少ない人では意味が違う。値だけでなくと患者背景を確認する。

高値の意味

高値は「濾過低下」「産生増加」「分泌阻害」「濃縮」に分ける。

機序 代表例 鑑別の手掛かり
急性低下 循環不全、、尿路閉塞 過去数日との差、尿量、K、尿沈渣、超音波
慢性低下 3か月以上の・尿異常、腎サイズ
産生増加 大量の加熱肉、クレアチンサプリ、 摂取歴、、
阻害 、、など 開始時期、尿所見、他の腎機能指標
脱水 体液所見、Na、、再評価

分泌阻害薬では真の低下がなくてもクレアチニンだけ上昇し得る。一方、薬剤性腎障害もあり得るため、「薬の影響」と決めつけず、上昇幅、尿所見、K、症状を確認する。

急性腎障害としての変化

は、が48時間以内に0.3 mg/dL以上上昇、または7日以内にの1.5倍以上へ上昇する場合を含む。尿量基準も独立しており、クレアチニンがまだ上がっていなくても乏尿なら評価を始める。

⚠️ 急速上昇に高K血症、重いアシドーシス、肺水腫、症状が伴えば緊急である。透析開始をクレアチニンの固定値だけで決めない。

低値の意味

低値は多くの場合、腎のよりもクレアチニン産生の少なさまたは希釈を反映する。

機序 代表例 注意点
低下 高齢、、切断、神経筋疾患 が実際より高く見える
栄養・蛋白摂取低下 、 アルブミンだけで栄養を判定しない
妊娠、 と推移を確認
妊娠の 生理的増加 非妊娠時の基準で「正常」と安心しない
重症肝疾患 産生低下、低下、 腎機能を過大評価しやすい

低い値自体を治療するのではなく、低下や、希釈がを歪めていないかを見る。

eGFRとの関係

状況 クレアチニンの扱い
安定した成人 分類と薬剤投与判断の基本
値が変動中で定常状態を仮定できず、正確でない
極端な 併用または実測を検討
妊娠 一般的式は検証が不十分
薬剤投与量 製品情報が指定する式・非標準化値を確認

2024は、クレアチニンの誤差が臨床判断へ影響するとき、クレアチニンとを組み合わせた推算を勧める。にも炎症、甲状腺、ステロイド、脂肪量などの影響があるため、目的に応じて選ぶ。

測定上の注意

主な測定法はとである。はクレアチニン以外の発色物質の影響を受けやすく、にも薬剤・検体干渉がある。

落とし穴 起こり得ること
ケトン体・一部など 測定法依存の
・溶血・脂血 方法により正負いずれの干渉
加熱肉・激しい運動 一過性上昇
大量輸液 希釈され上昇を過小評価
低下 腎障害があっても「正常範囲」に残る

測定法変更や施設間比較では、同じ数値を連続値として扱えないことがある。

経時変化の読み方

・乏尿なら循環、薬剤、尿沈渣、閉塞と緊急合併症を並行評価する。慢性安定ならと、臨床像と不一致なら・を確認し、必要に応じへ進む。クレアチニン、尿量、体重、血圧、K・を同じ時間軸に並べると判断しやすい。

⭐ 特定の薬剤では、クレアチニンの測定間隔との閾値が添付文書に書き込まれている。

  • 経口:がの一つで、()を含む。日本の電子添文はを投与開始前に2回、以後4週毎(例や併用例では開始・増量後1か月間は毎週)測るよう求め、成人では連続2回のに治療前平均値の33%を超える上昇があれば6 mg/kg減量、それでも上昇し施設を超えればとする1。⚠️ 投与可否の線引きは国で違う——のSmPCは推算60 mL/min未満を禁忌とし2、米国は 40 mL/min/1.73m²未満を禁忌とする3
  • 終末補体(・):でを・血清LDHと併せて追う。⚠️ 中止後のは絶対値ではなく変化率で拾う——ベースラインまたは治療中の最低値からの25%以上の上昇が判定項目の一つで、投与前の値を控えていないと判定できない4
  • ():クレアチニンが副作用の監視項目ではなく効果判定と用量決定そのものに使われる例である。米国添付文書は投与前の直近値をベースラインとして記録させ、4日目のベースラインからの変化で用量を決める——30%以上低下なら0.85 mgを6時間ごとに継続、30%未満の低下なら1.7 mgへ増量、ベースライン以上なら中止し、2時間以上あけた連続2回の1.5 mg/dL以下の値が得られた24時間後まで(最長14日間)投与する5。のは2日間で25%以上低下しなければ増量(1日最大12 mg)、133 μmol/L(1.5 mg/dL)未満になるまで継続、部分反応・なら14日で中止とする6。⚠️ 閾値の意味が国で違う——米国の30%は4日目1回のの基準、の25%は2日間での増量の基準である。⚠️ 開始前の値にも線があり、米国は5 mg/dL超では利益を得にくいと適応欄に書き5、はベースライン442 μmol/L(5.0 mg/dL)以上では利益がリスクを上回ると判断される場合を除いて避けるとする6

まとめ

  • クレアチニンは筋由来の濾過マーカーで、腎臓だけに依存する値ではない。
  • 高値は低下以外に産生増加、分泌阻害、脱水でも起こる。
  • 低では腎障害があっても低値にとどまり、を過大評価し得る。
  • ではクレアチニン上昇が遅れるため、尿量と合併症を同時に見る。
  • 過去値からの変化と、尿・・必要時のを組み合わせて判断する。

出典

  1. 1.デフェラシロクス顆粒分包90mg/360mg「サワイ」添付文書(独立行政法人医薬品医療機器総合機構(沢井製薬)・2023)2023年11月改訂(第1版)。7.4が血清クレアチニンを投与開始前に2回測定し投与開始後は4週毎(腎機能障害のある患者や腎機能を低下させる薬剤の併用例では治療開始又は投与量変更後1か月間は毎週)測定するよう求めること、成人では連続2回の来院時に治療前の平均値の33%を超える本剤に起因した上昇が認められたら6mg/kg減量し、減量後も上昇し施設基準値を超える場合は休薬するとしていることを確認した閲覧 2026-09-08
  2. 2.EXJADE 90 mg, 180 mg, 360 mg film-coated tablets — Summary of Product Characteristics (Annex I)(European Medicines Agency・2026)4.3の禁忌が過敏症・他の鉄キレート薬との併用・推算クレアチニンクリアランス60 mL/min未満の3項目のみであることを確認した(この腎機能の閾値は米国添付文書の eGFR 40 mL/min/1.73m²未満とは異なる)閲覧 2026-09-08
  3. 3.JADENU (deferasirox) tablets / JADENU Sprinkle (deferasirox) granules — Highlights of Prescribing Information(Novartis Pharmaceuticals Corporation / DailyMed(U.S. National Library of Medicine)・2020)枠組み警告が急性腎不全・肝不全・消化管出血の3つであること、急性腎障害に腎尿細管毒性(Fanconi症候群)が含まれること、米国での禁忌の腎機能の閾値が eGFR 40 mL/min/1.73m²未満であることを確認した閲覧 2026-09-08
  4. 4.Soliris 300 mg concentrate for solution for infusion — Summary of Product Characteristics (Annex I)(European Medicines Agency・2025)4.4のaHUS Laboratory Monitoringが血小板数・血清LDH・血清クレアチニンで血栓性微小血管症を監視するよう求めること、中止後の重度の血栓性微小血管症の判定項目にベースラインまたは治療中の最低値と比べた血清クレアチニンの25%以上の上昇が含まれることを確認した閲覧 2026-09-08
  5. 5.TERLIVAZ (terlipressin) for injection, for intravenous use — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration (DailyMed)・2026)2026年9月16日に取得した現行版(本文の改訂表示は6/2026)で確認した。2.2が投与前に直近の血清クレアチニン値をベースラインとして記録するよう求め、4日目にベースラインからの変化で用量を決める(30%以上低下なら0.85 mgを6時間ごとに継続、30%未満の低下なら1.7 mgへ増量、ベースライン以上なら中止)こと、2時間以上あけた連続2回の1.5 mg/dL以下の値が得られた24時間後まで、または最長14日間投与すること、適応欄の使用上の限界が血清クレアチニン5 mg/dL超の患者は利益を得にくいとすることを確認した閲覧 2026-09-16
  6. 6.GLYPRESSIN 1 mg solución inyectable — Ficha técnica(Agencia Española de Medicamentos y Productos Sanitarios (CIMA)・2026)スペインAEMPSのGlypressin(テルリプレシン酢酸塩)製品概要(本文末尾の改訂表示はMayo 2026)で確認した。4.2が1型肝腎症候群で1 mgを4〜6時間ごとに開始し、2日間で血清クレアチニンが25%以上低下しなければ1日最大12 mgまで増量でき、血清クレアチニンが133 μmol/L(1.5 mg/dL)未満へ低下するまで継続し、部分反応(133 μmol/L未満へ低下しない)または無反応(低下しない)では14日で中止すると定めること、4.4がベースラインの血清クレアチニン442 μmol/L(5.0 mg/dL)以上の進行した腎機能障害では利益がリスクを上回ると判断される場合を除き避けるとすることを確認した閲覧 2026-09-16