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Drug Atlas · A11 Opioids / オピオイド

ヘロイン

heroin

分類
Opioids / オピオイド
科目
Forensic MedicinePathology
トピック
法医学 30:乱用薬物と薬物関連死法医学 29:中毒学総論病理学 C/60:ネフローゼ症候群
副作用
昏睡
監視検査値
クレアチニン
影響検査値
クレアチニン
相互作用
エタノールジアゼパム
解毒薬
ナロキソン
原因となる疾患
ネフローゼ症候群巣状分節性糸球体硬化症

🧠 全体像(ジアセチルモルヒネ)はモルヒネのであり、2つのアセチル基で脂溶性が飛躍的に高まったモルヒネそのものである。脂溶性の高さゆえに血液脳関門を他のオピオイドより速く通過し、脳内でされて6-モノアセチルモルヒネ(6-MAM)、続いてモルヒネへと変換されて薬効を発揮する。この「速さ」がそのまま乱用されやすさの本体であり、的には6-MAMの検出が使用の直接証拠になる。大多数の国で医療用途を持たない乱用薬物である。

同系統の薬物との比較

薬物 系統上の位置づけ との違い
、モルヒネの 血液脳関門通過が最速。大多数の国で医療用途がない
モルヒネ 天然オピエート、のプロトタイプ より遅い。医療用途は世界的に確立
合成、長時間作用型+NMDA拮抗 半減期が極めて長い。依存症の薬でもあり乱用・もある
合成、超高力価 微量でも致死的。違法流通品への混入が近年の増加の主因

「速さ」がを特別な乱用薬物にしている。 同じを介する薬でも、脳への到達速度が速いほどな快感(ラッシュ)が強くなりやすく、この一点でモルヒネと的に区別される。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='heroin'>ヘロイン</span><br>脂溶性が高くBBBを高速通過"] --> B["脳内で急速に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='deacetylation'>脱アセチル化</span>"]
    B --> C["6-MAM<br>⭐<span class='jp-term jp-term-diagram' title='heroin'>ヘロイン</span>に特異的な代謝物"]
    C --> D["さらに<span class='jp-term jp-term-diagram' title='deacetylation'>脱アセチル化</span>"]
    D --> E["モルヒネ"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mu-opioid receptor'>μオピオイド受容体</span>を強力に作動"]
    F --> G["鎮痛・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='euphoria'>多幸感</span>・鎮静"]
    F --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='respiratory center'>呼吸中枢</span>抑制<br>⚠️死因の中心"]
    F --> I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='miosis'>縮瞳</span>"]
    H --> J["三徴:昏睡・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='miosis'>縮瞳</span>・呼吸抑制"]
    K["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='naloxone'>ナロキソン</span>(μ拮抗)"] -.->|"⚠️半減期が短く<span class='jp-term jp-term-diagram' title='rebreathing'>再呼吸</span>抑制の恐れ"| F

💡 である意味は「効かせる場所を変えること」にある。 自体のへの親和性は低く、実際に受容体を強く作動させるのはの6-MAMとモルヒネである。

薬物動態

項目 値・特徴
吸収経路 注射・経鼻・加熱吸入など、消化管を介さない複数の経路で乱用される
半減期 は2〜6分、6-MAMは6〜25分と極めて短く、モルヒネはさらに長い
代謝 により→6-MAM→モルヒネの順に代謝され、モルヒネはさらにを受ける
検出可能期間 6-MAMは検出窓が狭い(尿中で最大8時間程度)。モルヒネ・抱合体はより長く検出できるが、使用に特異的なのは6-MAMのみ

医療用途があるか

国・地域 位置づけ
日本を含む大多数の国 医療用として承認されていない
英国 diamorphineとして、急性・慢性の強い痛み・の呼吸困難、の痛みに現在も適応を持つ。プロプライエタリな商品名ではなく一般名で流通する

⚠️ 英国での承認は「が安全」という意味ではない。 医療用diamorphineは既知の・用量で医療者の管理下に投与される点が、乱用時の不確実な・自己投与とはまったく異なる。

乱用の実態と致死量の考え方

耐性の有無・併用薬・により大きく変動し、単一の値として扱えない。入院・拘禁・治療離脱などで耐性が下がった直後の再使用は、以前は安全だった用量でも死亡につながりうる。が不均一な違法流通品では、本人が意図しないなどの混入で想定より少量でも致死的になりうる。エタノールなど)との併用も致死リスクを高める。

急性中毒への対応と合併症

急性・慢性の健康被害と剖検所見

頻度・時期 内容
三徴(昏睡・・呼吸抑制)、
慢性・剖検所見 注射痕・膿瘍・肺と肝の腎症(FSGSパターン)

まとめ

  • はモルヒネので、脂溶性の高さによる血液脳関門通過の速さが乱用されやすさの本体である。
  • 脳内で6-MAM、続いてモルヒネへされて薬効を発揮し、6-MAMは使用に特異的な的マーカーである。
  • 中毒の三徴(昏睡・・呼吸抑制)にで拮抗するが、半減期がより短いため抑制に注意する。
  • は耐性・・併用薬で大きく変動し、単一の値として扱えない。混入や併用が危険性を高める。
  • 注射に伴う感染症(軟部組織感染、、HIV・)とが慢性期の主要な健康被害である。
  • 英国ではdiamorphineとして現在も医療用途を持つが大多数の国では未承認で、にはまたはによる維持療法が離脱単独より有効である。