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Drug Atlas · A11 Opioids / オピオイド · 必修

ナロキソン

naloxone

分類
Opioids / オピオイド
商品名(EU)
Narcan
科目
Pharmacology
トピック
A11: Opioids
副作用
悪心嘔吐
対象疾患
精神作用物質使用症(アルコール以外)
対象薬
(ジヒドロ)コデインオキシコドンコデインジヒドロコデインジフェノキシレートスフェンタニルタペンタドールトラマドールナルブフィンヒドロモルホンフェンタニルブプレノルフィンペチジンヘロインメタドンモルヒネレミフェンタニル

🧠 全体像純粋なμ拮抗薬で、それ自体は活性を持たない——だからオピオイド未使用者に投与しても目立った作用は出ない一方、オピオイドが結合している受容体からは効率よく追い出す。この「受容体を奪うだけで自らは活性化しない」という単純な性質が、としての立ち位置と、という実務上の落とし穴の両方を生んでいる。

薬効群の中での位置づけ

拮抗薬グループの中枢性代表。μ・κ・δ受容体すべてに拮抗するが、臨床的にはμ拮抗によるオピオイド過量の逆転が主目的になる。同じ拮抗薬でも、末梢のだけを狙うの治療薬、血液脳関門を通らず鎮痛は温存)とは中枢に届くかどうかで明確に分かれる。

分類 代表薬 標的 目的
中枢性拮抗薬 中枢+末梢の オピオイド過量・呼吸抑制の逆転
末梢性拮抗薬 末梢ののみ (鎮痛は温存)

機序

へ結合し、モルヒネ・など作動薬を受容体から追い出す。自体はGi/o蛋白質を活性化しないため、内因性の作用も含めて一時的に遮断する。

⚠️ 半減期の短さが「」の原因になる。 の半減期は約30〜90分と短いのに対し、多くのオピオイド(特に製剤、)は作用がずっと長く続く。単回投与で意識が回復しても、の効果が切れた頃に元のオピオイドの作用が再び前面に出て呼吸抑制がしうる——これがが必要になる理由。

薬物動態

項目 値・特徴
経口ではが大きく、静注・筋注・皮下注・で用いる
分布 血液脳関門を速やかに通過
代謝 肝で
排泄 代謝物として
半減期 約30〜90分と短い(多くのオピオイドより短い点が重要)

適応

領域 使いどころ
救急・中毒 オピオイド過量・呼吸抑制の逆転(意識低下・の三徴を伴う場合)
依存症治療 (アルコール以外):過量時の緊急投与、地域配布用の携行キット

用法・用量

静注・筋注・皮下注・スプレーで、呼吸を補助しながら少量からする。急激な高用量投与は依存患者で重度のを誘発しうるため、可能なら呼吸を保てる最小量から漸増する。が短いオピオイドが原因なら、長時間作用型・高力価合成オピオイドが原因なら持続静注や長めの観察を要する。実際の用量は原因薬剤・重症度で大きく変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:特になし(として、疑わしければ投与する)
  • ⚠️ 患者への投与は(悪心・嘔吐・頻脈・・下痢など)を誘発しうる。 ただしによる死亡を防ぐことが優先される
  • ⚠️ 半減期が短いため、長時間作用型オピオイド(製剤、)による過量では、長時間の観察が必要のリスク)
  • による過量ではのため通常量で拮抗しにくいことがある

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心嘔吐(急激なによる)
重篤・まれ 急性症状(依存患者)、肺水腫(まれ、急激な交感神経刺激との関連が指摘される)、原因オピオイドのによる

まとめ

  • は純粋なμ拮抗薬で、それ自体は活性を持たない。
  • 半減期が多くのオピオイドより短いため、単回投与後にが起こりうる。特に長時間作用型オピオイドではや持続観察が必要。
  • 患者への投与はを誘発しうるが、による死亡を防ぐことが優先される。
  • による過量では通常量で拮抗しにくいことがある。
  • 末梢のだけを狙うの治療薬)とは、中枢に届くかどうかで明確に区別する。