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Symptoms · Published

嘔吐

Vomiting

別名
空嘔吐
臓器系
全身
科目
PediatricsPharmacology
トピック
小児科 1-16:小児の嘔吐薬理学 B24:制吐薬・消化管運動促進薬薬理学 Core66:薬剤性有害反応(便秘・下痢・嘔吐)
関連疾患
1型糖尿病2型糖尿病Boerhaave症候群CACT欠損症CPT1A欠損症HHH症候群(高オルニチン血症・高アンモニア血症・ホモシトルリン尿症症候群)IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)Mallory-Weiss症候群Sandifer症候群S状結腸捻転アセトアミノフェン(パラセタモール)中毒アナフィラキシーアマトキシン中毒アルコール性ケトアシドーシスイソプロパノール中毒イソ吉草酸血症インフルエンザウイルス性胃腸炎オピオイド離脱症候群オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症カドミウム中毒カンナビノイド悪阻症候群くも膜下出血クリプトコーマクローン病シトルリン血症I型チロシン血症1型トリコベゾアールヒルシュスプルング病ヒ素中毒ポリオホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症ミトコンドリア病メタノール中毒メチルマロン酸血症メッケル憩室メニエール病メネトリエ病ライ症候群リチウム中毒リンパ球性胃炎レジオネラ症悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症悪性腸閉塞胃炎胃癌胃不全麻痺遺伝性フルクトース不耐症遺伝性血管性浮腫一過性妊娠性甲状腺機能亢進症一酸化炭素中毒遠位腸管閉塞症候群黄体化過剰反応家族性自律神経失調症壊死性腸炎眼窩骨折気腫性胆嚢炎飢餓性ケトーシス急性アルコール中毒急性リンパ性白血病急性冠症候群急性高山病急性腎盂腎炎・腎膿瘍急性胆管炎急性虫垂炎急性鉄中毒急性妊娠脂肪肝急性放射線症候群急性膵炎憩室症・憩室炎結核腫血管芽腫血栓性血小板減少性紫斑病血友病A・B原発性副腎不全古典型ガラクトース血症(GALT欠損症)後頭蓋窩腫瘍・脳幹腫瘍好酸球性食道炎高IgD症候群・メバロン酸キナーゼ欠損症細菌性髄膜炎視神経脊髄炎スペクトラム障害十二指腸閉鎖重症熱性血小板減少症候群小左結腸症候群小腸腺癌消化性潰瘍食道異物食道重複嚢胞食物アレルギー食物蛋白誘発性腸炎症候群新生児敗血症腎盂尿管移行部閉塞水銀中毒水頭症髄芽腫髄膜炎菌感染症正常血糖ケトアシドーシス精巣上体炎・精巣炎精巣捻転・卵巣捻転赤色変性摂食症(神経性やせ症・過食症)先天性脂肪酸酸化異常症先天代謝異常症鼠径ヘルニア胎便性イレウス胎便栓症候群大腸軸捻転胆石症中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症中枢神経系腫瘍(成人・小児)腸回転異常・中腸軸捻転腸間膜虚血(急性・慢性、虚血性大腸炎を含む)腸重積症低悪性度神経膠腫溺水転移性脳腫瘍電子タバコ関連肺傷害糖尿病性ケトアシドーシス・高血糖高浸透圧症候群動揺病毒性アルコール中毒毒素性ショック症候群尿素サイクル異常症尿路感染症尿路結石症妊娠悪阻妊娠高血圧腎症・子癇・HELLP症候群脳内出血(非外傷性)脳膿瘍肥厚性幽門狭窄症非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍百日咳腹壁ヘルニア(腹側・臍・瘢痕ヘルニア)複合カルボキシラーゼ欠損症閉鎖孔ヘルニア片頭痛・一次性頭痛症候群慢性偽性腸閉塞慢性膵炎脈絡叢腫瘍無菌性髄膜炎毛様細胞性星細胞腫盲腸軸捻転幽門痙攣遊走脾流行性耳下腺炎旅行者下痢症緑内障輪状膵膵仮性嚢胞
起因薬
L-アルギニンL-カルニチンアザシチジンアジスロマイシンアセチルシステインアセトヒドロキサム酸アポモルヒネウリジントリアセタートエクセナチドエチオナミドエデト酸カルシウム二ナトリウムエテプリルセンエトスクシミドエピルビシンエフロルニチンエラバサイクリンエリスロマイシンエンコラフェニブオセルタミビルオナセムノゲン アベパルボベクカバジタキセルガランタミンカルグルミン酸カルシウム受容体作動薬カルベトシンカルムスチンキサノメリン+トロスピウムクラリスロマイシングルカルピダーゼコビメチニブサクシマーサプロプテリンジギトキシンジゴキシンシステアミンシスプラチンジメルカプロールセマグルチドセルリポナーゼ アルファダカルバジンダニコパンチオ硫酸ナトリウムチゲサイクリンチピラシルチルゼパチドツシジノスタットデクスラゾキサンテコビリマットデフィブロチドデフェラシロクスデフェリプロンデュラグルチドトポテカントラベクテジントリフルリジントリヘプタノイントロフィネチドナルソプリマブナロキソンニフルチモクスパラアミノサリチル酸ビノレルビンビンデシンビンブラスチンフェキシニダゾールフェニル酢酸ナトリウムフェニル酪酸ナトリウムフェンタニルブリンシドフォビルペグバリアーゼベタネコールベロトラルスタットポリスチレンスルホン酸ナトリウムマイトマイシンCミドスタウリンミルテホシンメクロレタミンメスナメラルソプロールモルヒネリバスチグミンリラグルチドルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)レファムリンレミフェンタニルロナファルニブロミデプシンロムスチン安息香酸ナトリウム大麻銅ヒスチジン
スコア
AlvaradoスコアBurch-WartofskyスコアGlucksberg基準MAGIC基準PUQEスコアTWISTスコア

🧠 全体像:嘔吐は胃内容を強制排出する運動で、悪心が先行するのが典型だが、先行しない嘔吐は頭蓋内圧亢進を疑う。評価では「吐いたこと」よりの性状・年齢・随伴所見が診断を運ぶ。特に胆汁性か否かは閉塞部位を、噴水状か否かはを示す決定的な手掛かりになる。同時に、嘔吐そのものが脱水・電解質異常・誤嚥という二次被害を起こすため、原因検索と並行して補正が要る。

嘔吐が起こる仕組み

嘔吐はが統合する反射で、横隔膜と腹筋の収縮、幽門の閉鎖、の弛緩、が協調して起こる。入力経路は悪心と共通の4つ(・・前庭・大脳皮質)である。

悪心 嘔吐
内容 吐きそうというな不快感 胃内容を口から排出する運動
前駆 — 通常は悪心・・蒼白が先行
前駆がない場合 — 頭蓋内圧亢進を疑う

⚠️ 嘔吐と区別すべきものがある。吐出(努力を伴わず口から流れ出る。や食道の)と(吐こうとするが内容が出ない)は機序が異なる。(一度嚥下したものを意図せず口に戻す)も別である。

薬剤性の嘔吐——どの経路を刺激しているか

⭐ 「薬で吐く」は1つの現象ではない。上の4経路のどれを刺激しているかで、効くが変わる。だから薬剤性を疑ったら、薬の名前を数えるより先に、その薬がどの経路に効いているかを問う。

経路 主な受容体 この経路が主となる代表薬
(血液脳関門の外に置かれ、血中の薬物・毒素を直接感知する) D2、5-HT3、NK1 オピオイド(モルヒネなど)、ジゴキシン、(・・)、、
消化管の 5-HT3 (からのセロトニン放出)、・などの、などの受容体作動薬()
H1、ムスカリン 内耳毒性をもつ薬(アミノグリコシド系など)。オピオイドもの感受性を高めるとされる
大脳皮質 — 予期性嘔吐(前回の治療の記憶により、次回の投与前に生じる)

💡 経路が分かればは機械的に選べる。 由来ならなどのD2拮抗薬・などの・(フォス)などの、消化管由来なら(運動低下が主ならなどの)、前庭由来ならなどの・などのである。⚠️ 前庭由来の嘔吐には効きにくく、予期性嘔吐にはもも届かない(大脳皮質からの入力なので、と行動的介入が要る)。

⚠️ オピオイドの嘔吐は経路が1つに決まらない。 への作用に加え、の感受性亢進とが関与するとされる。1剤ので効かないときに「が弱い」と考えて増量する前に、別の経路を疑う。

⚠️ の副作用そのものが選択のになる。は2013年12月20日付の欧州委員会決定で、とのリスクを理由にの成人用量を1日30 mgまで、投与期間を最大5日間までに制限し、1歳未満には使用しないこととした1。はQT延長と便秘、は鎮静が問題になる。

抗腫瘍薬——催吐性リスクで層別化する

⭐ は、薬剤ごとのリスクがあらかじめ分類されており、予防投与の中身がそれで決まる唯一の薬効群である。2023年のMASCC/ESMO改訂では、静注薬は従来の4区分が維持され、は2区分へ改められた2。

剤形 区分 嘔吐の頻度 代表薬
静注 高度 90%超 シスプラチン、1500 mg/m²以上、、、ストレプトゾシン、乳癌の+併用
静注 中等度 30〜90% (中等度の上端)、、、、
静注 軽度 10〜30% 、、、、、メトトレキサート
静注 最小 10%未満 (・・など)、リツキシマブ、、、
経口 高度〜中等度 30%超 アベマシクリブ、、、ニラパリブ、、リボシクリブ、、
経口 軽度〜最小 30%未満 、、、、、 など

⚠️ この%の読み方を間違えない。

  • 分母は「有効なの予防投与を受けなかった場合」であって、実際に予防投与を受けている患者の発現率ではない。
  • 数えているのは嘔吐だけで、悪心は分類に入っていない。悪心がの患者を「最小リスクの薬だから」と切り捨てない。
  • 静注薬の区分は投与開始から24時間以内のリスク、は治療1コース全体のリスクで、時間の枠がそもそも違う。
  • 分類は成人にのみ適用される。

💡 「新しい薬だから吐かない」は静注薬にだけ当てはまる。 2015年6月から2023年1月までに承認された新規107剤のうち、に分類された静注薬は1剤も無かった一方、経口の分子標的薬には高度〜中等度が並ぶ2。内服だから軽い、という読み方をしない。

急性期と遅発期は別に守る

による悪心・嘔吐は、投与開始から0〜24時間の急性期と24〜120時間のに分けて評価される。リスクは薬剤のだけで決まらず、女性は男性より、若年者は高齢者よりリスクが高い3。

⭐ 化学療法(・併用以外)の急性期予防としてMASCC/ESMOが推奨するのは、拮抗薬・・NK1受容体拮抗薬・を投与前に単回投与する4剤併用である(I、推奨グレードA)。にはとを2〜4日目に投与することが提案されている(レベルII、グレードB)3。

💡 4剤が受容体をずらして重ねてあるのは、上の経路の表そのままである——などの拮抗薬が消化管とCTZのセロトニン経路を、(フォス)などのNK1受容体拮抗薬が経路を、がD2を含む複数受容体を、が別経路でする。単剤で足りないのは経路が複数あるからで、用量の問題ではない。

⚠️ で症状を消す前に、原因の評価を終える。 腸閉塞にを使えば穿孔のリスクがあり、頭蓋内圧亢進の嘔吐をで覆えば診断が遅れる。

吐物の性状から読む

⭐ 性状は閉塞部位と病態を直接指す。で必ず確認する。

所見 考える病態
緑色の胆汁性嘔吐 より遠位の閉塞。とくには緊急
乳児の非胆汁性噴水状嘔吐 。を伴う
血性・ 、
未消化の食物(数時間以上前のもの) 、胃出口部の閉塞、食道の
糞臭を伴う 遠位小腸〜大腸の閉塞
早朝の嘔吐+頭痛 頭蓋内圧亢進

⚠️ 胆汁性嘔吐は、証明されるまで腸閉塞として扱う。 特に新生児・乳児ではによるが時間単位で進行する。

年齢で変わる鑑別

年齢 重要な原因
新生児 腸閉鎖・狭窄、・、、、、敗血症
乳児 、、、胃腸炎、尿路感染、
幼児〜学童 胃腸炎、虫垂炎、腸閉塞、、頭蓋内圧亢進、片頭痛、中毒
思春期 上記に加え妊娠、摂食障害、
成人 上記に加え心筋梗塞、腸閉塞、薬剤性、アルコール、、高Ca血症

⭐ 小児の嘔吐は消化器以外が原因のことが多い。尿路感染、、代謝異常、中毒は、腹部所見が乏しくても起こる。

見逃してはいけない嘔吐

⚠️ 次があれば緊急評価に進む。

  • 胆汁性嘔吐
  • 、腹部膨満、・排便停止
  • ショック、意識障害、
  • 後、激しい頭痛、悪心を伴わない嘔吐
  • 代謝性アシドーシス、著明な体重減少
  • 血性・の

評価の進め方

flowchart TD
    A["嘔吐"] --> B["ABC・脱水・血糖を評価"]
    B --> C{"胆汁性・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='peritoneal signs'>腹膜刺激</span><br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='neurological'>神経学的</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='red flag'>危険徴候</span>があるか"}
    C -->|"あり"| D["外科・神経救急へ緊急相談"]
    C -->|"なし"| E["年齢・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vomitus'>吐物</span>性状・排便排尿<br>薬剤・妊娠の可能性を確認"]
    E --> F{"経口摂取が可能か"}
    F -->|"可能"| G["少量頻回の経口補水と再評価"]
    F -->|"不可能"| H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nasogastric tube (NG tube)'>経鼻胃管</span>または静脈補液"]
    G --> I["電解質・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acid-base balance'>酸塩基平衡</span>の補正"]
    H --> I

嘔吐そのものが起こす問題

嘔吐は原因を探す対象であると同時に、それ自体が新たな病態を作る。

二次的な問題 内容
脱水・ 特に小児・高齢者で急速に進む
電解質異常 低K血症、(胃液喪失)
誤嚥 意識障害があると致命的になりうる
反復する嘔吐によるの裂傷と出血
まれだが致死的。激しい嘔吐後の胸痛
遷延する嘔吐で顕在化

💡 胃液を失うとH⁺とCl⁻が失われ、になる。の乳児でこのパターンが典型的に現れる。下部消化管からの喪失(下痢)では逆にアシドーシスに傾くため、酸塩基の向きが病変部位の手掛かりになる。

まとめ

  • 嘔吐は悪心と同じ4経路から起こるが、悪心の前駆がない嘔吐は頭蓋内圧亢進を示唆する。
  • の性状が診断を運ぶ。胆汁性は閉塞、噴水状は、は。
  • 胆汁性嘔吐は証明されるまで腸閉塞として扱う。乳児のは時間単位で進行する。
  • 小児では消化器以外(尿路感染、頭蓋内、代謝、中毒)の原因が多い。
  • 薬剤性の嘔吐は「どの薬か」より「どの経路か」で整理する。(D2・5-HT3・NK1)、(5-HT3)、(H1・ムスカリン)、大脳皮質で、効くが変わる。前庭由来には効きにくく、予期性嘔吐にはどちらも届かない。
  • だけはリスクが分類され、予防投与の中身がそれで決まる。2023年のMASCC/ESMO改訂で静注薬は4区分(高度90%超・中等度30〜90%・軽度10〜30%・最小10%未満)を維持し、は2区分(30%超・30%未満)へ改められた。
  • リスクの%は「予防投与をしなかった場合に嘔吐する割合」であり、悪心は分類に入っていない。静注薬は24時間以内、は治療1コース全体と時間の枠も違い、成人にしか適用されない。
  • 化学療法の急性期予防は、・・・の4剤併用(レベルI、グレードA)。単剤で足りないのは経路が複数あるからである。
  • 嘔吐自体が脱水・低K血症・・誤嚥を起こすため、原因検索と補正を並行する。

出典

  1. 1.European Medicines Agency recommends changes to the use of metoclopramide(European Medicines Agency・2013)EUはメトクロプラミドの錐体外路症状(急性ジストニアなど)と遅発性ジスキネジアのリスクを理由に、2013年12月20日付の欧州委員会の法的拘束力ある決定で成人の最大用量を1日30 mg・投与期間を最大5日間に制限し、1歳未満の乳児には使用しないこと、1歳以上の小児では化学療法後の遅発性悪心嘔吐予防と術後悪心嘔吐治療の第二選択に限定したことを確認した。閲覧 2026-09-08
  2. 2.Emetic risk classification and evaluation of the emetogenicity of antineoplastic agents—updated MASCC/ESMO consensus recommendation(Multinational Association of Supportive Care in Cancer / European Society for Medical Oncology・2023)全文を取得して確認した(Supportive Care in Cancer 32巻1号 論文番号53として2024年1月号に収載、オンライン公開は2023年12月22日)。静注抗腫瘍薬の催吐性リスクは高度(ほぼ全例に生じる。90%超)・中等度(30〜90%)・軽度(10〜30%)・最小(10%未満)の4区分が本改訂でも維持されたこと、経口抗腫瘍薬は本改訂で高度〜中等度(30%超)と軽度〜最小(30%未満)の2区分へ改められ、ASCOの2017年改訂の方式に合わせたことを確認した。この割合は有効な制吐薬の予防投与を行わなかった場合に嘔吐を生じる患者の割合であり悪心は分類に含まれないこと、経口薬の催吐性は初回1回分ではなく治療1コース全体に基づくこと、分類は成人にのみ適用されることも明記されている。静注薬の高度はアントラサイクリンとシクロホスファミドの併用・カルムスチン・クロルメチン・シスプラチン・シクロホスファミド1500 mg/m²以上・ダカルバジン・ストレプトゾシン、中等度にカルボプラチン(中等度の上端)・オキサリプラチン・イリノテカン・ドキソルビシン、軽度にドセタキセル・パクリタキセル・ゲムシタビン・5-フルオロウラシル・エトポシド、最小にアテゾリズマブ・ニボルマブ・ペムブロリズマブ・リツキシマブ・トラスツズマブ・ブレオマイシン・ビンクリスチンが挙がる。経口薬の高度〜中等度にはアベマシクリブ・カボザンチニブ・レンバチニブ・ニラパリブ・オラパリブ・リボシクリブ・イマチニブ・テモゾロミドなどが並ぶ。2015年6月から2023年1月までに承認された新規107剤のうち、高度催吐性に分類された静注薬は1剤も無かった。閲覧 2026-09-08
  3. 3.2023 updated MASCC/ESMO consensus recommendations: prevention of nausea and vomiting following high-emetic-risk antineoplastic agents(Multinational Association of Supportive Care in Cancer / European Society for Medical Oncology・2023)全文を取得して確認した(Supportive Care in Cancer 32巻1号 論文番号47として2024年1月号に収載、オンライン公開は2023年12月21日)。悪心・嘔吐のリスクはレジメンの催吐性のほか患者側の要因で変わり、女性は男性より、若年者は高齢者よりリスクが高いこと、静注抗腫瘍薬の催吐性リスクは制吐薬の予防投与を受けない患者で投与開始から24時間以内に嘔吐する危険として定義され、経口薬では初回24時間ではなく治療期間全体を指すことを確認した。急性期は0〜24時間、遅発期は24〜120時間として評価されている。推奨表では、アントラサイクリン・シクロホスファミド併用以外の高度催吐性化学療法の急性期予防として5-HT3受容体拮抗薬・デキサメタゾン・NK1受容体拮抗薬(アプレピタント、ホスアプレピタント、ネツピタント、ホスネツピタント、ロラピタント)・オランザピンの4剤を投与前に単回投与することが推奨され(エビデンスレベルI、推奨グレードA)、遅発期にはデキサメタゾンとオランザピンを2〜4日目に投与することが提案されている(レベルII、グレードB)。女性のアントラサイクリン・シクロホスファミド併用でも急性期は同じ4剤併用が推奨され(I、A)、遅発期はオランザピンを2〜4日目に投与することが提案されている(II、B)。閲覧 2026-09-08