薬剤ノート一覧へ

Drug Atlas · B25 Other / その他 · 必修

デクスラゾキサン

dexrazoxane

分類
Other / その他
商品名(日本)
サビーン
商品名(EU)
CardioxaneSavene
科目
Oncology and Reconstructive Oncoplastic Surgery
トピック
I-23: Side effects of chemotherapy
承認適応
薬剤の血管外漏出がん治療関連心機能障害
副作用
悪心嘔吐発熱口内炎

🧠 全体像:は同じ1つの分子が、まったく異なる2つの使い方をされるという珍しい薬である。は、が閾値を超えた継続患者へ予防的に繰り返し使う使い方。のは、漏出という急性事態に一度だけ使う使い方。どちらも「により産生を防ぐ」という同じ機序を、時間軸も用量も正反対に使う。⚠️ 日本で承認されているのはだけである——と対をなし、結合性=+、非結合性=+という対応の片方を占めるのがこの適応で、のほうは国内では適応外である1。

薬効群の中での位置づけ

使い方 使うタイミング 用量の考え方
(継続投与時) 慢性・反復——毎回の投与前に併用 との用量比10:1(例:500 mg/m²対50 mg/m²、600 mg/m²対60 mg/m²)23
の() 急性・一回性——漏出後6時間以内に開始し3日間 漏出量とはに固定用量(1000/1000/500 mg/m²)41

⚠️ 「商品名と適応が1対1で対応する」と覚えない。 2020年11月改訂の Totect の添付文書は、1 INDICATIONS AND USAGE に Extravasation と Cardiomyopathy の2見出しを置き、1つの文書で両方の適応を持っている(同文書の RECENT MAJOR CHANGES も、この月に Indications and Usage が変更されたと記している)4。商品名ではなく、どちらの目的で使うかで用量・投与時間・投与部位が変わると理解する。

漏出薬剤群 罨法
結合性(等)
非結合性(等)

⚠️ この表の「+」はの意味ではない。 3極の添付文書はいずれも、投与の15分以上前に氷嚢などの冷却を漏出部位から取り外すよう求めている(「用法・用量」の節を参照)451。

⚠️ 使い方によって用量・投与スケジュールがまったく違う。 は「の用量に比例した少量を毎回」、は「漏出量によらない固定の大用量を3日間」——取り違えると過少投与・になりうる。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dexrazoxane'>デクスラゾキサン</span>が細胞内で加水分解され<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='ethylenediaminetetraacetic acid'>EDTA</span>類似の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chelation'>キレート</span>構造が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ring opening'>開環</span>"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='free iron'>遊離鉄</span>・弱結合鉄イオンを捕捉"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='anthracycline'>アントラサイクリン</span>-鉄複合体による<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='hydroxyl radical'>ヒドロキシラジカル</span>産生を阻害"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cardiomyocyte (cardiac myocyte)'>心筋細胞</span>の酸化的膜障害を軽減(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cardioprotection'>心保護</span>)"]
    C --> E["漏出部組織の酸化的<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tissue injury'>組織傷害</span>を軽減(解毒)"]
    A --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='topoisomerase II'>トポイソメラーゼII</span>の触媒的阻害作用も併せ持つ"]
    F --> G["⚠️<span class='jp-term jp-term-diagram' title='secondary leukemia'>二次性白血病</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='myelodysplastic syndrome'>骨髄異形成症候群</span>のリスクに関与しうる"]

💡 「鉄をつかまえて産生を止める」という一つのが、にもの解毒にも使われる。 は鉄と複合体を形成し、・膜障害を引き起こすを産生する。は後にこの鉄を捕捉して反応を止める——が心筋か漏出部の皮下組織かが違うだけで、化学的な仕組みは共通している。

薬物動態

項目 値・特徴
半減期 比較的短い(約2〜3時間)
排泄 主に——40 mL/min未満で両適応とも50%減量24

適応

⚠️ 適応は国で違う。の適応は日本には無い。 同じ分子でありながら、承認されている効能が3極で揃っていない薬である。

地域
日本(サビーン) ○ 「抗悪性腫瘍剤の」1 ✕ 承認されていない(心筋症予防は適応外)1
EU(Savene/Cardioxane) ○ 成人のの治療56 ○ 進行および/または転移乳癌の成人で、300 mg/m²または540 mg/m²を既に受け、さらに治療を要する場合の慢性心毒性の予防3
米国(Totect/) ○ 静注化学療法によるの治療4(⚠️ 下記の販売状況に注意) ○ 300 mg/m²に達し腫瘍制御のためを継続するの女性で、心筋症の発症・重症度を減らす目的24

⚠️ 米国の「」の欄は、現在流通している製品の適応ではない。 この適応を掲げているのは Totect(NDA 022025、2007年9月6日承認、Clinigen)だけだが、Drugs@ のは Discontinued である——ただし同欄には「連邦官報により、安全性または有効性を理由に中止・撤回されたものではないと判定された」と併記されている7。2026年9月8日に DailyMed を検索した時点で Totect の添付文書は0件で、収載されている米国の承認製剤は8件(Almaject・Hikma・Gland・Fosun・Novadoz・Eugia)である。確認できたそれらの添付文書の 1 INDICATIONS AND USAGE はだけで、の記載を持たない2。⭐ Totect の添付文書はに対する用法の一次資料として今も有効だが、「現在の米国で入手できる製品の適応」ではない。

💡 と米国の適応は同じではない。 米国は「転移性乳癌の女性」での量だけを閾値にするが、は「進行および/または転移乳癌の成人」とし、540 mg/m²という独立の閾値を置いている32。「300 mg/m²のに限られる」という一文は米国の添付文書の書き方であって、の条件でも、まして日本の承認状況でもない。

いずれの地域でも、開始と同時期からの投与は推奨されない(を下げうる)2。

⭐ 日本ではだけが適応だが、日本の電子添文も、適応外である目的の海外試験の安全性情報を 15.1「臨床使用に基づく情報」に載せている——「抗悪性腫瘍剤による心筋症において、18歳未満の患者では、本剤の投与により、との発現リスクが増加することが海外で実施されたにより報告されている」という一文である1。⚠️ この記載は海外試験の結果の紹介であって、国内での目的の使用について何かを述べたものではない。

用法・用量

:に対し10:1の用量比(50 mg/m²に対し500 mg/m²、では60 mg/m²に対し600 mg/m²)で投与する23。

⚠️ 「15分」はにかける時間であってではない——ここで引いた2文書(米国 Almaject・Totect)の指示は「15分かけて静注し、投与に先行させる」であり、この2文書はを明示的に禁じている24。ただしの指定が無いわけではない。 米国の Totect は「Totect の終了後30分以内にを投与する」と定め4、のカルディオキサンは「投与の約30分前に15分の短時間」と定めている3。15分(時間)と30分(との前後関係)は別の数字である。

⚠️ 「IV push 禁止」は、一般の規定ではない。 上の2文書は確かに禁じているが、別の現行米国(DEXRAZOXANE kit、Eugia US LLC、Revised 2/2024)は逆に「緩徐なワンショット、またはバッグからの急速で投与する」と書いている8。同じ・同じ適応でも、投与方法は製剤ごとに添付文書を見る。

の:漏出後6時間以内にできる限り速やかに、漏出部位とは別の四肢・部位にある大口径静脈(反対側上肢など)から投与を開始する。1000 mg/m²(1日目)/1000 mg/m²(2日目)/500 mg/m²(3日目)を1〜2時間かけてする415。⚠️ によらない1日量の上限がある——1日目・2日目は各2000 mg、3日目は1000 mg(2 m²相当)41。

2・3日目は1日目と同時刻に開始するが、許容される幅は文書で違う——米国の Totect(2.5)との Savene(4.2)は「同時刻(±3時間)」と幅を明示し、日本の電子添文(6. 用法及び用量)は「同時刻」とだけ定めて幅を書いていない451。

⚠️ 氷嚢などで冷却している場合は、投与の15分以上前に漏出部位から取り外す。 漏出部位に十分な血流を確保するためで、米国 Totect 2.5・ Savene 4.2・日本の電子添文 14.2.1 が3極とも同じことを求めている451。💡 「結合性=+」は、とを同時に行うという意味ではない。 は全身投与された薬が血流に乗って漏出部位へ届いて働くので、局所を冷やして血流を落としたままでは効かない。

⚠️ 局所の(DMSO)とは併用しない。 Totect 7.1 は「の治療に用いるとき、Totect は局所(DMSO)との併用を推奨しない」とし、で併用がの効果を下げたことを理由に挙げる4。の Savene も 4.5 の「併用非推奨」に DMSO を置いている5。なお日本の電子添文には DMSO の記載が無い1。

いずれの使い方でも腎機能低下(40 mL/min未満)で50%減量する241。実際の用量は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

⚠️ 禁忌の中身が国と製剤で揃っていない。「クラスで共通」と覚えられない薬である。

文書 禁忌欄の内容
日本(サビーン。) ①本剤の成分への過敏症の既往 ②妊婦又は妊娠している可能性のある女性1
EU Savene() ①・への過敏症 ②避妊していない妊娠可能な女性 ③授乳 ④の5
EU Cardioxane() ①300 mg/m²未満、または他のの等価量の投与が予定される0〜18歳の小児 ②への過敏症 ③授乳 ④の3
米国 Totect None(禁忌なし)4
米国 () 非化学療法レジメンとの併用2

💡 Cardioxane の小児禁忌は「300 mg/m²」だけで判定しない。 原文は「または他のの等価量」を並置しており、同じ文書が 4.1 で540 mg/m² という独立の閾値を置いていることと対応する。以外ので治療されてきた小児を「300 mg/m²に達していないから禁忌」と即断しない——換算した量で判断する3。

💡 がだけで禁忌に挙がる理由。 は骨髄抑制を介してを下げるため、ではによる全身感染が起こりうる。はこれをについて禁忌として明記し、他のは「併用非推奨」に置いている3。日本の電子添文は同じ懸念を禁忌ではなく 8.4(重要な基本的注意)で「本剤投与中に生ワクチン・を接種しない」と書いている1。同じ薬理学的リスクが、国によって禁忌欄にも注意欄にも置かれうる。

  • ⚠️ 妊娠の扱いも一律ではない。 日本は妊婦・妊娠の可能性のある女性を禁忌とし1、EU Savene は避妊していない妊娠可能な女性を禁忌としている5
  • 米国のでは「非化学療法レジメンとの併用」が 4 CONTRAINDICATIONS の唯一の項目である(と組み合わせる場面のための薬であることが前提。ハイライト欄は「should not be used」だが、4 の本文は「Do not use」と書く)2
  • ⚠️ 骨髄抑制の。 化学療法の骨髄抑制をさらに強めるため、投与前後のを行う2
  • ⚠️ ・(・)の報告は小児だけではない。 米国の添付文書は、化学療法と併用した小児の研究で(・)が報告されたこと、本剤は小児への適応を持たないこと、およびが知られると併用した成人にもが発生したことを並べて記載している2
  • のとして使う場合、漏出部位そのものへは投与しない(離れた静脈から投与する)

副作用

頻度 内容
高頻度 注射部位疼痛(比で高頻度)、脱毛、悪心・嘔吐、倦怠感、、、発熱、感染、下痢2
重篤・まれ 骨髄抑制の増強、・(小児の研究に加え、が知られると併用した成人でも報告がある)2

まとめ

  • はとのという2つの使い方を持つ同一分子の薬で、用法は「用量比10:1を毎回」対「漏出後6時間以内に固定用量を3日間」と正反対である。
  • ⚠️ 日本で承認されているのはだけで、の適応は無い(サビーン用500mg)。国試・臨床でを見たら、まずのとしてする。
  • ⚠️ 「300 mg/m²のに限られる」は米国の添付文書の書き方。 は進行および/または転移乳癌の成人とし、540 mg/m²の閾値も置く。適応の限定を国をまたいで一般化しない。
  • 機序はによる-鉄複合体由来の産生阻害で、と軽減の両方を説明する。阻害作用も併せ持つ。
  • では(非結合性用、)と対をなす結合性専用の+という組み合わせを覚える。
  • 禁忌は国と製剤で揃っていない(日本=妊婦、=授乳・・小児の低量、米国 Totect=なし、米国=非レジメンとの併用)。骨髄抑制のと、小児に限らない・のリスクに注意する。
  • ⚠️ に使うときは、氷嚢などの冷却を投与の15分以上前に外す(3極の添付文書が一致)、局所DMSOと併用しない(米国・)、2・3日目は1日目と同時刻に開始する(米国・は±3時間の幅を認め、日本は幅を書かない)の3点を落とさない。

出典

  1. 1.サビーン点滴静注用500mg 電子添文(医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2026)日本で承認されているデクスラゾキサン製剤はサビーン点滴静注用500mgのみで、4. 効能又は効果が「アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の血管外漏出」だけであり心保護の適応が無いこと、6. 用法及び用量が1日1回・1日目と2日目1000 mg/m²・3日目500 mg/m²を1〜2時間かけて3日間、漏出後6時間以内に開始し2日目3日目は1日目と同時刻(米国・EUのような±3時間の幅は書かれていない)、上限が1日目2日目各2000 mg・3日目1000 mgで、クレアチニンクリアランス40 mL/min未満は半量とすること、14.2.1が「血管外漏出部位に十分な血流を確保するため、氷嚢などで冷却している場合は投与15分以上前に血管外漏出部位から取り外すこと」と定めること、2. 禁忌が「本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者」と「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」の2項目であること、8.4が投与中の生ワクチン・弱毒生ワクチンの接種を避けるよう求めること、15.1の全文が「アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤による心筋症において、18歳未満の患者では、本剤の投与により、急性骨髄性白血病と骨髄異形成症候群の発現リスクが増加することが海外で実施された臨床試験により報告されている」であって国内での議論には触れていないことを確認した。ジメチルスルホキシド(DMSO)の記載は本文書には無い。作成又は改訂年月は2026年5月改訂(第4版)閲覧 2026-09-08
  2. 2.DEXRAZOXANE for injection — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration / DailyMed・2025)本文書は商品名ザインカードではなく米国後発品(DEXRAZOXANE for injection、Almaject, Inc.、Revised 8/2025)の添付文書である。1 INDICATIONS AND USAGE が心保護のみで「累積ドキソルビシン投与量300 mg/m²に達し、腫瘍制御のためドキソルビシンを継続する転移性乳癌の女性における心筋症の発症・重症度の軽減」に限定されること(血管外漏出の適応は無い)、用量比がドキソルビシンに対し10:1(例:ドキソルビシン50 mg/m²に対しデクスラゾキサン500 mg/m²)で、15分かけて点滴静注しドキソルビシン投与に先行させること(「15分前」という投与間隔の指定ではない)、本文書が静脈内ワンショット(DO NOT ADMINISTER VIA AN INTRAVENOUS PUSH)を禁じていること、クレアチニンクリアランス40 mL/min未満で50%減量すること、4 CONTRAINDICATIONS が「非アントラサイクリン系化学療法レジメンとの併用」1項目であること(Do not use ... with non-anthracycline chemotherapy regimens)、5.4 が二次性悪性腫瘍(急性骨髄性白血病・骨髄異形成症候群)を小児の研究に加えて発癌性の知られる抗癌薬と併用した成人でも報告していること、骨髄抑制の相加作用を確認した閲覧 2026-09-08
  3. 3.Ficha técnica CARDIOXANE 500 mg polvo para solución para perfusión(Agencia Española de Medicamentos y Productos Sanitarios (AEMPS/CIMA)・2017)EUの心保護製剤カルディオキサンの4.1が「進行および/または転移乳癌の成人で、ドキソルビシン換算300 mg/m²またはエピルビシン換算540 mg/m²の累積投与を既に受け、さらにアントラサイクリン治療を要する場合の、アントラサイクリンによる慢性蓄積性心毒性の予防」であること(米国の「転移性乳癌の女性でドキソルビシン継続」よりも対象が広く、エピルビシンでの閾値を独立に定めている)、4.2が「アントラサイクリン投与の約30分前に15分の短時間点滴」でドキソルビシン50 mg/m²には500 mg/m²、エピルビシン60 mg/m²には600 mg/m²とすること、4.3の禁忌が「ドキソルビシン累積300 mg/m²未満、または他のアントラサイクリンの等価累積量の投与が予定される0〜18歳の小児」(una dosis acumulada inferior a 300 mg/m2 de doxorrubicina o la dosis acumulada equivalente de otra antraciclina)「デクスラゾキサンへの過敏症」「授乳」「黄熱ワクチンの同時接種」の4項目であることを確認した。文書の10. FECHA DE LA REVISIÓN DEL TEXTO は22/08/2017閲覧 2026-09-08
  4. 4.Totect (dexrazoxane for injection) — Highlights of Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration・2020)本文書(Revised 11/2020)が血管外漏出と心筋症の2適応を1つの添付文書に併記していること(1 INDICATIONS AND USAGE が Extravasation と Cardiomyopathy の2見出しを持つ)、2.5 が投与部位を「漏出部位とは別の四肢・部位にある大口径静脈」(a large caliber vein in an extremity/area other than the one affected by the extravasation)と定め「反対側上肢」とは書いていないこと、血管外漏出には漏出後6時間以内に1〜2時間かけて1000/1000/500 mg/m²を3日間投与し1日上限が2000/2000/1000 mgであること、2.5 が「2日目・3日目は1日目と同時刻(±3時間)に開始する」(Treatment on Day 2 and Day 3 should start at the same hour +/- 3 hours as on the first day)と幅を認めていること、2.5 が「氷嚢などの冷却を用いている場合は、漏出部位への十分な血流を確保するため Totect 投与の少なくとも15分前に漏出部位から取り外す」と定めること、7.1 が血管外漏出の治療に用いる際の局所ジメチルスルホキシド(DMSO)との併用を推奨しないこと、心筋症予防にはドキソルビシンとの用量比10:1で15分かけて点滴し「Administer doxorubicin within 30 minutes after the completion of Totect infusion」と定めること、クレアチニンクリアランス40 mL/min未満で50%減量すること、4 CONTRAINDICATIONS が「None.」であることを確認した閲覧 2026-08-02
  5. 5.Savene 20 mg/ml powder for concentrate and diluent for solution for infusion — Summary of Product Characteristics(electronic medicines compendium (emc)・2024)血管外漏出用製剤サベーネの4.1が「成人のアントラサイクリン血管外漏出の治療」だけであること、4.2が投与部位を「漏出部位とは別の四肢・部位にある大静脈」(a large vein of an extremity or area other than the one affected by the extravasation)とし、「氷嚢などの冷却は、十分な血流を得るため Savene 投与の少なくとも15分前に当該部位から取り外しておくこと」と定めること、4.2が「2日目・3日目は1日目と同時刻(±3時間)に開始する」と幅を認めていること、4.3の禁忌が「有効成分または添加物への過敏症」「避妊していない妊娠可能な女性」「授乳」「黄熱ワクチンの同時接種」の4項目であること、4.5が併用非推奨としてジメチルスルホキシド(DMSO)を挙げ「アントラサイクリン血管外漏出の治療でデクスラゾキサンを投与されている患者に DMSO を用いるべきでない」と記すことを確認した。10. Date of revision of the text は01/10/2024閲覧 2026-09-08
  6. 6.Savene, INN-dexrazoxane — European public assessment report (EPAR)(European Medicines Agency・2006)EUでのSavene(デクスラゾキサン)の適応がアントラサイクリン系血管外漏出の成人治療に限定されること、初回投与は漏出後可能な限り早く6時間以内に、以後2・3日目に同時刻(±3時間)で1〜2時間かけて投与すること、2001年9月19日に希少疾病用医薬品の指定を受けたが、10年間の市場独占期間の満了に伴い2016年8月にEUの希少疾病用医薬品登録簿から抹消されていることを確認した(現在も指定を受けているわけではない)閲覧 2026-08-10
  7. 7.Drugs@FDA — NDA 022025 (TOTECT, dexrazoxane hydrochloride), Clinigen(U.S. Food and Drug Administration・2026)血管外漏出の適応を持つ米国製品 TOTECT(NDA 022025、Clinigen)の Marketing Status が Discontinued であること、同欄に「連邦官報により、安全性または有効性を理由に中止・撤回されたものではないと判定された」(Federal Register determination that product was not discontinued or withdrawn for safety or effectiveness reasons)と併記されていること、原承認日が2007年9月6日であることを確認した閲覧 2026-09-08
  8. 8.DEXRAZOXANE for injection (DEXRAZOXANE kit, Eugia US LLC) — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration / DailyMed・2024)この米国後発品(Revised 2/2024)の 2.1・2.3 が「緩徐な静脈内ワンショットまたはバッグからの急速点滴で投与する」(Administer dexrazoxane for injection by slow I.V. push or rapid drip intravenous infusion from a bag)と定めており、同じ米国の後発品でも静脈内ワンショットの可否が文書ごとに異なることを確認した。1 INDICATIONS AND USAGE は心保護のみで血管外漏出の記載は無い閲覧 2026-09-08