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Drug Atlas · B3 Other / その他

トリヘプタノイン

triheptanoin

分類
Metabolic agents / 代謝性製剤
商品名(EU)
Dojolvi
科目
Pharmacology
トピック
Core35: Orphan drugs
承認適応
CPT1A欠損症脂肪酸酸化異常症CPT2欠損症
副作用
腹痛下痢嘔吐悪心
対象疾患
CACT欠損症

🧠 全体像:は炭素数7の()を3つ持つである。狙いは2つ重なっている。①中鎖なのでも長鎖の脱水素酵素も使わずミトコンドリアへ入れる——詰まった区間を飛び越す迂回路になる。②さらになので、の最後にアセチルCoAではなくが残り、これがとしてへ直接入る——燃料を足すだけでなく、回路の中間体そのものを補充する()。⭐ のにできないのはこの②である。 ただし「MCTより臨床転帰が良い」という評価と、で差が出た項目・出なかった項目は一致していない。日本では長らく未承認だったが、2026年3月23日に「」を効能・効果として承認され(かつ)1、同年5月に発売された2。

薬効群の中での位置づけ

のには、迂回路として使える脂質が2つある。

構成脂肪酸 (C7、)×33 の4
迂回路になるか なる(と長鎖の酵素を使わない) なる
の中間体を補充するか する(→) しない(アセチルCoAのみ)
用量の目安 米国添付文書は1日総摂取カロリーの最大35%3。GeneReviewsはCPT2章が最大35%4、CPT1A章が約30%(最大目標2 g/kg/日)5。日本の添付文書は目標値25〜35%2 GeneReviewsのCPT2章は10〜45%4、CPT1A章は15〜18%5。消化器症状で用量が制限されることが多い4
入手 米国では2020年6月承認35。日本では2026年3月23日に・として承認され1、同年5月に発売2 入手しやすい。が使えない地域での代替になる4

⚠️ ではそのものが酸化できないため、この「迂回路」の発想は成り立たない。もMCTも、のうち長鎖型(・・・など)に限った話である。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='triheptanoin'>トリヘプタノイン</span>を経口・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='enteral tube administration'>経管投与</span>"] --> B["消化管で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='heptanoate (heptanoic acid)'>ヘプタン酸</span>(C7)へ分解される"]
    B --> C["中鎖なので<span class='jp-term jp-term-diagram' title='carnitine shuttle'>カルニチンシャトル</span>を使わず<br>ミトコンドリアへ直接入る"]
    C --> D["長鎖の脱水素酵素・CPT1・CACT・CPT2を<br>いずれも経由しない"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='beta-oxidation'>β酸化</span>でアセチルCoAが切り出される"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='odd-chain'>奇数鎖</span>なので最後に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='propionyl-CoA'>プロピオニルCoA</span>が残る"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='methylmalonyl-CoA'>メチルマロニルCoA</span>を経て<span class='jp-term jp-term-diagram' title='succinyl-CoA'>スクシニルCoA</span>へ"]
    G --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='TCA cycle'>TCA回路</span>の中間体そのものが補充される<br>=<span class='jp-term jp-term-diagram' title='anaplerosis'>アナプレロシス</span>"]
    E --> I["アセチルCoAが<span class='jp-term jp-term-diagram' title='TCA cycle'>TCA回路</span>の燃料になる"]
    H --> J["回路が回り続け、ATPと肝での<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ketogenesis'>ケトン体産生</span>が保たれる"]
    I --> J

💡 なぜ「燃料を足す」だけでは足りないのか。 では長鎖の酸化が止まるため、へ入るアセチルCoAが減るだけでなく、回路を回すための中間体(など)も枯渇していく。アセチルCoAはとしてはじめてクエン酸になるので、中間体が足りなければ燃料を足しても回路は回らない。が生むはとして回路の途中に直接入るため、この枯渇を埋められる——これが()である。

適応

米国添付文書の適応は、が確定したの成人・小児に対する「カロリーと脂肪酸の供給源」である3。⭐ 「治療薬」ではなく「食事の一部」として書かれている点がこの薬の性格をよく表しており、実際の運用も総摂取カロリーに占める割合で処方される。

GeneReviewsはのとして、1日総カロリーの3分の1をで賄い、が手に入らない地域ではで代替すると記載している4。

CPT1A欠損症ではMCTオイルと同格に置かれている

GeneReviewsの章は、の表にとを並べて載せ、備考に「またはの使用が推奨される」と書く5。⭐ どちらを先に使うかを決めていない——同じ表が添えるのは「が入手できない、あるいはできない場合にを用いてよい」という一文だけである5。CPT2章が「が手に入らない地域ではMCTで代替する」と書き、さらに「と比べて臨床転帰が良好」という評価を添えるのとは、書きぶりが違う4。

の表が示す用量
1日カロリー摂取量の約30%。最大目標2 g/kg/日。実際に用いられている量の幅は総摂取カロリーの15〜42%。残りの食事は必要カロリーとバランスを保つよう調整する5
総カロリーの15〜18%5

⚠️ この表の量は平常時のものである。 同じ章の急性期治療の表は、発熱や体調不良のエピソード中には総カロリーの約3分の1をまたはで賄うよう求めており、平常時より多い5。💡 に傾く場面ほど代替燃料を厚くする——絶食を避けるという治療の柱と同じ理屈である。

⚠️ MCTと併せて使うかどうかは、資料が両論を併記している。 同じ表の脚注は「はの開始前にMCT製剤を中止することを推奨している」としたうえで、Zöggelerらのではとが並行して投与されていたと続ける——GeneReviewsはこの2文を並べるだけで、どちらを採るべきかは述べていない5。日本の添付文書は、MCT使用中の患者で本剤のを直近のMCT投与量と同量にしてよいとするが、これは切り替えの起点を決める規定であって併用を認めるものではない(承認の根拠となった海外でも、ベースライン時にMCTの投与は中止されている)2。

⚠️ CACT欠損症は適応に含まれるが、米国添付文書は名指ししていない

はなので適応の文言の範囲に入る。⚠️ ただし米国添付文書は個々の酵素欠損症を列挙しておらず、Clinical Studies の項が挙げるの診断はCPT2・ACADVL(VLCAD)・HADHA/HADHB(LCHAD・三頭酵素)の4つで、は含まれない3。

⭐ の裏づけは、その後の延長試験にある。 日本の添付文書が引く海外のうち、承認の軸となったUX007-CL201(29例)の内訳はCPT II 4例・VLCAD 12例・LCHAD 10例・TFP 3例でを含まないが、延長試験にあたるUX007-CL202(94例)には4例が組み入れられている2。💡 「適応の文言に入る」ことと「その病型で試験されている」ことは別で、は後から入った側である。

日本での位置づけ

⭐ 日本では2026年3月23日に「」を効能・効果として承認され(承認番号30800AMX00122000)、2026年5月に発売された2。PMDAの承認品目一覧は、この品目に【】と【】の両方の指定が付されていると記載している1。💡 ()の指定は、対象が少ないために通常の開発が成り立たない薬を、・再審査期間の延長・助成で後押しする制度である。 添付文書には承認日も指定の有無も書かれていないので、この2点は承認品目一覧で確かめる。⚠️ 日本の効能・効果には「が確定した」に相当する限定が無く、「効能又は効果に関連する注意」の項自体が置かれていない——米国添付文書の “molecularly confirmed” という縛りは日本の文言には現れない2。

⚠️ である。 としての策定と、実施中の国際共同試験の成績が得られ次第の提出・情報提供が課されている2。💡 承認前に書かれた国内のガイドライン・総説は「日本では未承認」と記述しているので、版の新しさを確かめて読む。

⚠️ GLUT1欠損症候群では効かなかった

代替燃料を脳へ供給するという同じ発想で欠損症候群にも試された。は炭素数5のケトン体によるに加えて効果をもたらすと考えられ、初期の報告も有望だったが、第3相試験(NCT01993186)は・のいずれも達成できず、運動障害を対象とした別の第3相(NCT02960217)も有効性不足のため早期中止された6。に代わる選択肢としては期待できない。💡 「代替燃料を届ける」という理屈が同じでも、脳へ届けるのと骨格筋・心筋へ届けるのは別の課題である。

用法・用量

  • 目標:1日の総処方カロリーの最大35%3。日本の添付文書は目標値25〜35%と幅で示す2
  • 計算式(日本):1日(mL)=1日あたりのカロリー摂取量(DCI)(kcal)×DCIに対する本剤の割合÷8.3(kcal/mL)2
  • 開始:総カロリーの約10%を1日4回以上に分けて投与する3
  • 増量:2〜3日ごとに総カロリーの約5%ずつ増やす3
  • 1回量の上限:1日総量の4分の1を超えない3
  • 投与法:経口または経管で、半固形の食物・液体・と十分に混ぜて投与する3

💡 「4回以上に分ける」「1回量は1日量の4分の1まで」という2つの縛りは同じことを裏表から言っている。 一度に大量を入れると消化器症状が出て、結局続けられなくなるためである。⭐ MCTから切り替える場合は、開始量を直近のMCT投与量と同量にしてよい——そこから目標値まで2〜3日毎に約5%ずつ上げる2。実際の用量は病型・重症度・施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 米国添付文書の禁忌は「None」で、も無い3
  • の機能不全——や器具の材質によっては本剤が適さないことがある3
  • がある患者での——脂肪の消化にを要するため3
  • ⚠️ をはじめとする中鎖型には理屈が通らない。 適応はが確定した長鎖型に限られる3

⚠️ 「MCTより良い」の中身は限定的である

出典によって評価の幅が違うので、両方を並べて理解する。

出典 述べていること
GeneReviews() はと比べて臨床転帰が良好4
GeneReviews() 利益として年間の総入院日数の減少とエピソードの減少を挙げる。⚠️ ただし典拠の2件は全体を対象とした研究(15年の使用経験の総説と、オーストリアの12例の長期報告)で、単独の成績ではない。同じ段落は有害事象について「のいずれでもC7とC8()で同様であり、大半は消化器症状だった」と述べる5
(32例、4か月、総エネルギーの20%をC7またはC8で摂取) C7群で安静時が7.4%上昇(p=0.046)、が20%減少(p=0.041)、中等度運動時に同じ仕事量に対する心拍数が低かった。⚠️ 一方で・回復・・のには差が無かった7

⚠️ 比較の相手が違うので、上下の行を突き合わせない。 GeneReviewsが挙げる入院日数・エピソードの減少はを使った集団の観察研究から来ており、がのに差を認めなかったのはC7とC8(MCT)を直接比べた場合である。前者は「MCTより優れる」ことの根拠にはならない。

⚠️⭐ 差が出たのは心筋の指標と運動時の心拍数であって、の頻度ではない。 の患者・家族にとって最も切実な発作()の頻度に差が示されていないことは、「MCTより良い」という要約から落ちやすい。どの評価項目で良かったのかを一緒に覚える。

副作用

主な副作用は消化器症状に集中する3。

頻度 内容
60% 腹痛
44% 下痢、嘔吐
14% 悪心

💡 消化器症状は「副作用」であると同時に「用量の天井」でもある。 でも消化器症状が用量を制限することが多いと記載されており4、少量頻回・食物と混ぜるという投与法はここへの対処である。

まとめ

  • は炭素数7のを3つ持つで、が確定した長鎖に対する「カロリーと脂肪酸の供給源」として米国で2020年に承認された。
  • ⭐ のMCTとの違いはにある。 のが残すがとしてへ直接入り、燃料だけでなく回路の中間体を補充する。
  • 用量は1日総カロリーの最大35%。総カロリーの約10%から始め、2〜3日ごとに5%ずつ増やし、1日4回以上に分ける。
  • 禁忌は無くも無い。はの機能不全と、での吸収不良の2点。副作用は腹痛60%・下痢44%・嘔吐44%・悪心14%と消化器に集中する。
  • ⚠️ 「MCTより臨床転帰が良い」の中身を確かめる。 で差が出たのは・・運動時心拍数であり、のやには差が無かった。
  • ⭐ 日本では2026年3月23日に「」を効能・効果として承認され(かつ)、同年5月に発売された。 日本の文言には米国の “molecularly confirmed” にあたる限定が無い。⚠️ 承認前に書かれた国内資料は「未承認」と記述しているので版を確かめる。
  • ⭐ では、GeneReviewsがとを同格の選択肢として並べる(約30%・最大目標2 g/kg/日、15〜18%)。体調不良のエピソード中はどちらかで総カロリーの約3分の1を賄う。⚠️ 挙げられている利益(入院日数・エピソードの減少)は全体の成績である。
  • ⚠️ は適応の文言に入るが、米国添付文書に名指しは無い。 承認の軸となった試験(29例)の対象はCPT II・VLCAD・LCHAD・TFPで、4例が入るのは延長試験(94例)のほうである。
  • ⚠️ 欠損症候群では第3相試験が主要・とも達成できなかった。

出典

  1. 1.承認品目一覧(新医薬品:2025年4月~2026年3月)(独立行政法人医薬品医療機器総合機構・2026)PDFを取得してテキスト抽出し逐語確認した。第6の2分野に「2026.3.23 22 ドジョルビ内用液100%(Ultragenyx Japan㈱、8010401075566)承認 トリヘプタノイン 長鎖脂肪酸代謝異常症を効能・効果とする新有効成分含有医薬品」が収載され、⭐ その効能・効果欄に【条件付き承認】と【希少疾病用医薬品】の**両方**の指定が付されていることを確認した。添付文書からは読み取れない**承認日(2026年3月23日)**と**希少疾病用医薬品の指定**がこれで確定する閲覧 2026-09-05
  2. 2.ドジョルビ内用液100%(トリヘプタノイン)添付文書(Ultragenyx Japan/医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2026)PMDAの添付文書本文(2026年3月作成・第1版、2026年5月改訂・第2版)を逐語確認した。承認番号30800AMX00122000、YJコード3999070S1025、販売開始2026年5月、規制区分が処方箋医薬品かつ⚠️「条件付き承認品目」であること、薬効分類名が「長鎖脂肪酸代謝異常症治療薬」であること、⚠️ 効能又は効果が「長鎖脂肪酸代謝異常症」の一語で、米国添付文書と違い「分子診断が確定した」に相当する限定も個々の酵素欠損症の列挙も無いこと(「効能又は効果に関連する注意」の項自体が置かれていない)、用法及び用量が「1日総投与量(mL)=1日あたりのカロリー摂取量(DCI)(kcal)×DCIに対する本剤の割合÷8.3(kcal/mL)」で算出した量を4回に分けて経口又は経管投与するもので、DCIに対する割合を10%から開始して2〜3日毎に約5%ずつ増加させ⚠️「目標値は25〜35%とする」とされていること、MCT使用中の患者では開始用量を直近のMCT投与量と同量にできること、原液のまま投与せず半固形食又は液体とよく混ぜること、忍容性が得られなければ1日4回超に分割し経管では1回の投与時間を20〜30分以上延長すること、重要な基本的注意が「本剤の投与は、長鎖脂肪酸代謝異常症に精通した医師又はその指導のもとで行うこと」であること、9.1.1に膵外分泌機能不全又は腸管吸収不良のある患者の記載があること、併用注意がオルリスタットとOAT1/OAT3の基質となる薬剤(フロセミド・メトトレキサート・バリシチニブ等)であること、副作用が腹痛45.5%・下痢45.5%・嘔吐(10%以上)と悪心(1〜10%未満)であること、承認条件として医薬品リスク管理計画の策定と、実施中の国際共同試験の成績が得られ次第の提出・情報提供が課されていることを確認した。⭐ 17.1.2の海外第II相試験(UX007-CL202、LC-FAOD患者94例)の内訳が「CPTI欠損症患者1例、CPTII欠損症患者19例、VLCAD欠損症患者32例、LCHAD欠損症患者28例、TFP欠損症患者10例、CACT欠損症患者4例」でありCACT欠損症が組み入れられていること、一方17.1.1の海外第II相試験(UX007-CL201、29例)の内訳は「CPTII欠損症患者4例、VLCAD欠損症患者12例、LCHAD欠損症患者10例、TFP欠損症患者3例」でCACT欠損症を含まないことを確認した。⚠️ 2026-09-05に本文を再取得し、MCTとの関係について次の2点を追加で確認した——用法及び用量に関連する注意に「中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)を使用中の患者では、本剤の開始用量(1日総投与量)を直近のMCTの投与量と同量とすることができる。MCTの投与量と同量で開始する場合、『DCIに対する本剤の割合』が目標値である25〜35%に達するまで、2〜3日毎に約5%ずつ増量すること。」とあること、および17.1.1・17.1.2の海外第II相試験の記載がいずれも「本剤投与前に偶数鎖MCTを摂取していた患者では、本剤の初回投与量はMCTの量と同量とすることが可能とされ、**ベースライン時にMCTの投与は中止された**」と明記していること。すなわち日本の規定は切り替えの起点を決めるものであって、MCTとの併用を認めるものではない閲覧 2026-09-04
  3. 3.DOJOLVI (triheptanoin) oral liquid — Prescribing Information(Ultragenyx Pharmaceutical / DailyMed(U.S. FDA)・2023)適応が「DOJOLVI is indicated as a source of calories and fatty acids for the treatment of adult and pediatric patients with molecularly confirmed long-chain fatty acid oxidation disorders (LC-FAOD)」であり、分子診断が確定した長鎖脂肪酸酸化異常症に対する「カロリーと脂肪酸の供給源」という位置づけであること、機序が「Triheptanoin is a medium-chain triglyceride consisting of three odd-chain 7-carbon length fatty acids (heptanoate) that provide a source of calories and fatty acids to bypass the long-chain FAOD enzyme deficiencies for energy production and replacement」と説明されていること、目標用量が1日総処方カロリーの最大35%であること、開始が総カロリーの約10%を1日4回以上に分けて投与し2〜3日ごとに約5%ずつ増量すること、1回量が1日総量の4分の1を超えないこと、経口または経管で半固形の食物・液体・医療用食品と十分に混ぜて投与すること、禁忌が「None」であること、枠組み警告が無いこと、警告・注意が「Feeding Tube Dysfunction」と「Intestinal Malabsorption in Patients with Pancreatic Insufficiency」の2項目であること、主な副作用が腹痛60%・下痢44%・嘔吐44%・悪心14%であること、米国初回承認が2020年、当該ラベルの改訂が2023年10月であることを確認した。⚠️ あわせて、適応の文言にも Clinical Studies の項にもCACT欠損症(カルニチンアシルカルニチントランスロカーゼ欠損症)の名指しは無く、Clinical Studies が挙げる被験者の診断が`CPT2`・`ACADVL`・`HADHA`・`HADHB`の各欠損であることを確認した閲覧 2026-09-04
  4. 4.Carnitine Palmitoyltransferase II Deficiency(GeneReviews (University of Washington, Seattle)・2026)Europe PMC経由の全文XMLで逐語確認した。標的治療の表がトリヘプタノインを「Provide up to 35% of daily caloric intake as triheptanoin」「Comprised of odd-chain fatty acids, which are anapleurotic in nature」「Improved clinical outcome compared to MCT oil」と記載し、MCTオイルを「Provide 10%-45% of daily caloric intake as MCT oil」「Comprised of even-length medium-chain fatty acids」「Dose is often limited by GI side effects (GI cramping, vomiting, diarrhea)」としていること、概要の Management に「triheptanoin for one third of daily calories. Medium-chain triglyceride (MCT) oil can be substituted in areas where triheptanoin is not available」とあること、緊急時外来治療に炭水化物とトリヘプタノインの補充が含まれることを確認した閲覧 2026-09-04
  5. 5.Carnitine Palmitoyltransferase 1A Deficiency(GeneReviews (University of Washington, Seattle / NCBI Bookshelf)・2025)NCBI Bookshelfのライブページ(Kristen Lee・Amanda Pritchard・Ayesha Ahmad。初出2005年7月27日、Last Update 2025年2月20日)を取得して逐語確認した。Table 4「Targeted Therapies」がトリヘプタノイン(Dojolvi)とMCTオイルの2剤から成り、トリヘプタノインの機序が「Synthetic 7-carbon triglyceride (source for acetyl-CoA & anaplerotic propionyl-CoA)」「Provides C5-ketone bodies that can cross blood-brain barrier, therefore providing substrates for the brain, & correcting secondary depletion of TCA cycle intermediates」、用量が「To provide ~30% of daily caloric intake」「Maximum dosing goal 2g/kg/day」「Actual maximum dose 15%-42% of total daily caloric intake from triheptanoin」「Remainder of diet modified to maintain appropriate caloric intake & balance」、備考が「Approved by FDA in June 2020 for treatment of children & adults w/LC-FAOD」であること、MCTオイルの用量が「To provide 15%-18% of total calories」で備考が「Use of MCT oil OR triheptanoin is recommended」「MCT oil may be used if triheptanoin is not available or not tolerated.」であることを確認した。⚠️ 同表の脚注2が「The FDA recommends discontinuing MCT products prior to initiation of triheptanoin therapy. In the retrospective study by Zöggeler et al [2021], affected individuals were given parallel administration of MCT oil and triheptanoin.」と**2文で**書かれており、FDAの推奨と、後ろ向き研究で並行投与が行われていた事実の両方を併記していることを確認した。⭐ 本文の「Triheptanoin (C7).」の段落が「Benefits include a decrease in the total days of hospitalization per year and a reduction in the episodes of rhabdomyolysis [Roe & Brunengraber 2015, Zöggeler et al 2021].」と述べ、⚠️ その典拠2件が文献欄でそれぞれ「Anaplerotic treatment of long-chain fat oxidation disorders with triheptanoin ― Review of 15 years Experience(Mol Genet Metab 2015;116:260-8)」「Long-term experience with triheptanoin in 12 Austrian patients with long-chain fatty acid oxidation disorders.(Orphanet J Rare Dis 2021;16:28)」であり、いずれも**長鎖脂肪酸酸化異常症全体**を対象とした研究でCPT1A欠損症単独の成績ではないことを確認した。同段落は続けて「Adverse events in all of the clinical trials were similar for C7 and C8 (medium-chain triglycerides [MCT] oil) treatment and predominantly consisted of gastrointestinal manifestations (abdominal pain, diarrhea)」と述べる。あわせて、平常時の長期治療を扱うTable 6が「Triheptanoin OR MCT oil」の用量をTable 4へ委ねる一方、急性期治療のTable 5は「Provide ~1/3 of total calories as triheptanoin or MCT oil during periods of illness (see Table 4).」と体調不良のエピソード中の量を別に定めていることを確認した閲覧 2026-09-05
  6. 6.Glut1 Deficiency Syndrome (Glut1DS): State of the art in 2020 and recommendations of the international Glut1DS study group(Epilepsia Open(国際Glut1DS研究グループ23名の合意文書。Klepper J, ほか)・2020)Europe PMC経由でPMC7469861の全文XMLを取得して逐語確認した。「Triheptanoin provides 5-carbon ketone body ketosis and an additional anaplerotic effect.」に続けて「Despite promising initial reports, a phase 3 study of triheptanoin (UX007) for the treatment of Glut1DS (NCT01993186) failed to meet its primary and secondary endpoints.」とあること、さらに「A similar phase 3, randomized, double-blind, placebo-controlled, crossover study to assess the efficacy and safety of triheptanoin (UX007) in the treatment of movement disorders associated with Glut1DS (NCT02960217) was halted prematurely due to lack of efficacy.」とあること——すなわちGLUT1欠損症候群に対する第3相試験が主要・副次評価項目とも達成できず、運動障害を対象とした別の第3相試験も有効性不足で早期中止されたことを確認した。あわせて、抗発作薬に反応しない発作性の症状に対してトリヘプタノインが13施設中8施設で治療企図的に用いられているものの、経口ケトン体・ケトエステルの使用を含め推奨は現時点で示せないと記載されていることを確認した閲覧 2026-09-04
  7. 7.Triheptanoin versus trioctanoin for long-chain fatty acid oxidation disorders: a double blinded, randomized controlled trial(Journal of Inherited Metabolic Disease(Gillingham MB, et al.)・2017)Europe PMCで抄録を取得して確認した(全文は未取得)。長鎖脂肪酸酸化異常症(CPT2欠損症・VLCAD欠損症・三頭酵素欠損症・LCHAD欠損症)の32例を、1日総エネルギーの20%をトリヘプタノイン(C7)から摂る群とトリオクタノイン(C8、偶数鎖の中鎖トリグリセリド)から摂る群へ無作為に割り付けた4か月間の二重盲検比較試験であること、主要評価項目が総エネルギー消費量・心エコーによる心機能・運動耐容能・運動後のホスホクレアチン回復であったこと、C7群で安静時心エコーの左室駆出率が7.4%上昇し(p=0.046)左室壁重量が20%減少した(p=0.041)こと、中等度強度の運動負荷試験で同じ仕事量に対する心拍数がC8群より低かったこと、⚠️ 総エネルギー消費量・ホスホクレアチン回復・体組成・横紋筋融解症の発生率を含むその他の副次評価項目には両群間で差が無かったことを確認した閲覧 2026-09-04