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Disease Atlas · 内分泌・代謝 · 先天性疾患

CPT2欠損症

Carnitine palmitoyltransferase II deficiency

別名
カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼII欠損症CPT II欠損症
臓器系
内分泌・代謝運動器小児
科目
PediatricsMedical BiochemistryNeurology
トピック
小児科 2-10:先天代謝異常を疑う状況と初期評価生化学 5/6:脂肪酸の酸化;ケトン体神経内科 G1-34:ミオパチー小児科 2-30:低血糖の症状と治療
上位概念
先天性脂肪酸酸化異常症
鑑別疾患
CACT欠損症CPT1A欠損症ミトコンドリア病原発性カルニチン欠損症糖原病複合アシルCoA脱水素酵素欠損症
合併症
横紋筋融解症肥大型心筋症拡張型心筋症
関連疾患
悪性高熱症
治療薬
トリヘプタノインベザフィブラートL-カルニチン
症状
筋痛筋痙攣筋力低下濃色尿肝腫大痙攣
検査値
アシルカルニチン分析血中カルニチン分画クレアチンキナーゼ低血糖βヒドロキシ酪酸アンモニア
適応薬
トリヘプタノイン

🧠 全体像:CPT2はの内側にあり、CPT1・(CACT)とともにを作って、をの場へ運び込む最後の一段を担う1。ここが欠けるとを燃やせない。⭐ この病気の掴みどころは、同じ遺伝子の欠損が「生後数日で死ぬ病気」から「マラソンの翌日にが出る病気」までを作ることである2。最も頻度が高いのは筋型で、⭐ 骨格筋を侵す異常のうち最多であり、遺伝性の最も多い原因でもある2。⚠️ 日本での頻度は約26万出生に1人と世界で最も高く、2018年4月からのになっている1。としての機序(絶食でになる理由、と臓器像の対応)はの項に譲り、ここでは病型ごとに臨床の入口がまったく違うことを軸にする。

病型——同じ遺伝子が別の顔で来る

GeneReviewsは3表現型(・・筋型)を記載するが、⚠️ これらの間には連続したスペクトラムがあると明記している2。日本のガイドラインはを前提にを加えた4病型で運用している1。

病型 発症 臨床像
(日本のガイドライン) — NBSまたは家族検索で見つかる無症状例。⭐ どの病型かが決まるまでの暫定分類1
生後数日以内 呼吸窮迫と。・・肝不全・心筋症・不整脈・・治療抵抗性のけいれん。⚠️ (基底核の嚢胞性異形成・水頭症・・・・・)を伴う。血清・は低下2
通常生後2年以内 ・肝不全・心筋症・。⚠️ に似た高度の。拡張型・いずれの心筋症も報告があり、と心筋症が乳児期の突然死をもたらしうる2
筋型() ⚠️ 乳児期から成人期まで 運動などを契機とする反復性のと。は無症状2。⚠️ に伴って・呼吸不全・不整脈といった重篤な合併症を起こすことがある1

⚠️ は、生まれる前に見えなくなっていることがある。 高度のを持つ胎児では妊娠が中断されることが多いため、CPT II欠損症が見逃されて実際の頻度はこれまで考えられていたより高い可能性がある2。

⚠️ 筋型は「成人の病気」ではない

⭐ ここがこの疾患の最も誤解されやすい点である。 「成人筋型」と呼ばれることがあるが、発症年齢は乳児期から成人期にわたる2。

  • GeneReviewsが引用する32例中データのある23例では、発症年齢1〜61歳、診断年齢7〜62歳。⭐ そのうち70%は小児期(0〜12歳)に発症し、26%が思春期(13〜22歳)に筋痛・・の初回発作を起こし、61歳発症は1例のみだった2。
  • 日本のガイドラインも「従来は学童期から成人以降の発症が多いとされていた」としたうえで、⚠️ 近年の報告では筋症状での発症年齢は平均14.3歳(3〜24歳)で、1〜12歳の比較的早期にで発症する症例も少なくないことが明らかになってきたと改めている1。

⭐ 「成人になってから」という前提で小児の反復性を除外しない。 診断が成人期になりやすいのは、発症が遅いからではなくに何も無いからである。

筋型の症候と誘因

項目 頻度・内容
筋痛 ほぼ全例2
の筋力低下 約60%2
(の) 約75%2
生じうる2
⭐ 無症状で筋力低下も無い。 高い競技成績を持つ運動選手も報告されている2

⭐ 誘因の順序を覚える。 運動が最も多く、次いで感染(約50%)、絶食(約20%)。さらに寒冷・全身麻酔・睡眠不足、および筋のへの依存が高まる状況が挙げられている2。日本のガイドラインは加えて薬剤(、、バルプロ酸)を誘因に挙げる1。

⚠️ 誘発に要する運動強度のが非常に大きい。 長時間の運動が必要な人もいれば、軽い運動で十分な人もいる2。「その程度の運動で起きるはずがない」と切らない。⭐ 重症度の幅も広く、生涯で数回の重い発作しか起こさず大半の期間を無症状で過ごす人がいる一方、中等度の運動でも筋痛を繰り返して日常生活が障害される人もいる2。

⚠️⭐ 軽症の病気だと思って腎臓から目を離さない。 のは・呼吸不全・不整脈といった重篤な合併症を招くことがあり1、GeneReviewsは筋型について、間質性腎炎とによるで透析を要する例がまれながらあると記している2。💡 の無症状さと、1回の発作の危険さは別の話である。

💡 筋型は男性に偏る。 32例では男女比が約2:1(20:12)、別の集積では7.3:1(22:3)、さらに別の50例では男32例・女18例だった。⭐ 他のには男性優位が無いため理由は分かっていないが、男性では主に運動が、女性では絶食が誘因になるという報告がある2。女性はにを来しにくく、そのため発見されにくいという可能性も指摘されている2。

診断

flowchart TD
    A["反復する筋痛・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dark urine'>褐色尿</span>・著明な<span class='jp-term jp-term-diagram' title='creatine kinase'>CK</span>上昇、または<br>新生児・乳児の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hypoketotic hypoglycemia'>低ケトン性低血糖</span>と心筋症"] --> B["治療開始前の検体を確保する"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='serum acylcarnitine analysis'>血清アシルカルニチン分析</span><br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dried blood spot'>濾紙血</span>より優先する)"]
    C --> D{"C16・C18・C18:1の<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='long-chain acylcarnitine'>長鎖アシルカルニチン</span>が上昇"}
    D -->|"はい"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='carnitine palmitoyltransferase II deficiency'>CPT2欠損症</span>または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='carnitine-acylcarnitine translocase deficiency'>CACT欠損症</span>を疑う"]
    D -->|"いいえ"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glycogen storage diseases'>糖原病</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mitochondrial disease'>ミトコンドリア病</span>など<br>他の鑑別へ"]
    E --> G["CPT2の遺伝学的検査で確定<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acylcarnitine'>アシルカルニチン</span>ではCACTと区別できない)"]
    G --> H["判断に迷えば<span class='jp-term jp-term-diagram' title='enzyme activity assay'>酵素活性測定</span>を追加"]
  • ⭐ 急性期の検体が最も価値が高い。 ブドウ糖を含む輸液を始める前の検体確保に努める1。
  • :全表現型でC12からC18の、とくにC16とC18:1が上昇する2。日本のガイドラインは全般(C16, C18, C18:1)の増加が特徴的とし、急性期にはC0低値と(C16+C18:1)/C2比高値が目立つとする1。
  • ⚠️ では否定できない。 の定量だけではCPT II欠損症を除外できず、血漿(血清)での検討が推奨される2。日本のガイドラインも「NBS陽性例は再検査を繰り返さず速やかにを測定する」とし、血清がより感度に優れること、食事の影響を受けるため食事から時間をあけた検体が望ましいことを述べている1。
  • ⚠️ とはで区別できない13。区別はCPT2/SLC25A20の遺伝学的検査による。()も同じの上昇を示しうる2。💡 一方欠損症は、C8を中心とする中鎖の上昇という別のパターンを示すため、C16・C18:1中心のとはのだけで見分けがつくことが多い——のように長鎖どうしで紛れることはない32。
  • :⭐ 非は正常〜軽度高値でも、急性発作時には10,000 IU/L超になることが多く1、を主症状とする場合は10万を超える症例も珍しくない1。⚠️ ただしGeneReviewsはでも正常でありうるとする2。
  • 低ケトン性の判定:低血糖時にとを同時に測り、/ > 2.5、/ > 3.0ならを疑う1。
  • :急性発作時に上昇しうるが、⭐ やと異なり、適切な輸液のみで改善することが多い1。
  • 確定:CPT2の。感度が比較的高く、を省ける優先すべきとされる2。

新生児マススクリーニングと、その限界

⭐ 日本は2018年4月からをとし、全自治体でスクリーニングしている1。のC16±C18:1を測る方式に加え、日本ではC14/C3比と(C16+C18:1)/C2比を組み合わせる新指標が同時に導入された1。

⚠️ それでもすり抜ける。 の一部では新指標でもすり抜け例が報告されており、からを疑う症例をNBSの結果で否定することは困難である1。GeneReviewsも軽症の筋型はNBSで見逃されうるとする2。

疫学と遺伝型——日本で高頻度

集団 頻度
日本 ⭐ 約26万出生に1例(約196万人を対象としたNBSパイロット研究)1
台湾 約70万出生に1人1
中国 約90万出生に1人1
オーストラリア・ドイツ・米国 75万〜200万出生に1人2

⭐ 高頻度変異が集団で違う。

  • 日本:p.Phe383Tyr(p.F383Y)が高頻度で、乳幼児期発症型に多い12。
  • 欧米:p.Ser113Leu(p.S113L)が筋型の病的アレルの約60%を占める2。⚠️ 日本人では報告が少ない1。

⚠️ 熱不安定性多型は「CPT2欠損症」ではない

CPT2にはで酵素活性が下がる熱不安定性の多型があり、感染症に伴うおよび乳児期の予期せぬ突然死と関連づけられている(OMIM 614212)2。日本のガイドラインはp.F352Cを日本人に特異的なとして挙げ、・脳症の誘因の一つと推定されるとする1。

⚠️ ただしこれはの病因変異とは別に扱うべきものである。 保有者は通常の日常生活ではを示さない1。

治療

⚠️ 先に「推奨度」の意味を押さえる

以下で日本のガイドラインを引くときに付く推奨度A〜Eは、同学会の2019年版(第2版)巻頭「ガイドライン改訂にあたって―基本的な考え方―」の表3が次のように定義している4。2025年版は疾患別のPDFに分割されており、定義表は疾患別PDFには載っていないため、ここでは2019年版の定義表による。

推奨度 定義(2019年版 表3の逐語)
A I〜IIIのエビデンスに基づく推奨で行うべきもの
B 生化学的,病態的にがあり,症例で効果があると報告されており,行うべきもの
C 症例で効果があると報告されており,考慮すべきもの
D 生化学的,病態学的にはあるが反対意見もあるもの
E 科学的根拠や症例報告などに基づいて行ってはいけないこと

⭐ DとEを混同しない。 ⚠️ 推奨度Dは「行わないよう勧める」区分ではない——は認めたうえで反対意見の存在を示す区分であり、行ってはいけないのはEである4。後述する(D)と(E)は、どちらも「弱い」のではなく正反対の向きを指している。💡 (I〜VI)は同じ章の別の表(表2)で扱われるので、推奨度の文字はエビデンスの質そのものではない4。⚠️ 治療薬に付く**も同じ章の表4の記号で、「医薬品として認められているが,現時点で保険適用でないもの」を意味する4。

急性期

⭐ を止めることがすべてで、本体はブドウ糖である。

内容
GeneReviews 初回の血糖値が正常であっても、年齢相応の電解質を含む10%をの1.5倍で投与2
日本のガイドライン 低血糖を補正し血糖100 mg/dLを目安に維持。維持できなければGIR 7〜10 mg/kg/分を目安に中心静脈カテーテルを留置(推奨度B)1
  • 検査:筋型では血漿・・腎機能・電解質・。重症型ではこれに加えて血液ガスと乳酸・アンモニア・血糖・肝機能検査2。
  • ⚠️ 体温を38℃以下に管理する(を抑えるため)。は安全に使用できるが、(・など)はの活性低下を引き起こす可能性があり使用すべきでない(推奨度E)1。
  • ⚠️ の経静脈的投与は、少なくとも急性期には禁忌と考えられている1。
  • ・:腎不全予防のための輸液と、必要に応じた透析2。日本のガイドラインはブドウ糖を含む大量輸液とを行うが、⚠️ 輸液の糖濃度についてのコンセンサスは無く、症例ごとに血糖をモニタリングしながら行うことが望ましいとする1。
  • 心症状:標準治療にもかかわらず重症心筋症を呈した患者にが行われた例がある2。

慢性期——食事療法

⚠️ ここはブリーフどおりに「長鎖を制限してMCTで補う」と単純化できない。 GeneReviewsのは低脂肪・を土台に、次の2つを並べている2。

治療 用量 位置づけ
1日総カロリーの最大35%まで から成り、の中間体を補充する性質()を持つ。⭐ より臨床転帰が良好
1日総カロリーの10〜45%(重症度に応じる) の。⚠️ 消化器症状(・嘔吐・下痢)で用量が制限されることが多い

⚠️ ⭐ 日本のガイドラインは「2024年3月現在承認されていない」と記載している1が、(ドジョルビ内用液100%)は2026年3月23日に「」を効能・効果として承認された——PMDAの承認品目一覧では【】と【】の指定が付いている5。販売開始は2026年5月で、用量はDCIの25〜35%を目標とする6。GeneReviews自身も、が手に入らない地域ではで代替できるとしている2。ガイドライン執筆時点の日本での実務はMCT(含有「明治721」・)が中心であった1。

⭐ の本体は「絶食させないこと」である。 日本のガイドラインはの食事間隔の目安を示す1。

年齢 日中 睡眠時
3時間 —
6か月まで 4時間 4時間
1歳まで 4時間 6時間
4歳未満 4時間 8〜10時間
4歳以上7歳未満 4時間 10時間

7歳以上は重症度により許容される間隔が大きく異なるため、専門医と相談して個別に決める。⚠️ これはの目安であり、sick dayを含む状況では間隔を短くする必要がある1。

💡 は「厳格さの基準が無い」ことを知っておく。 脂質は総kcalの30〜40%までの制限が推奨されるが、⭐ 日本では通常の食事内容でも脂質が全摂取カロリーの30%未満となることが多く、にならない程度で十分な症例も多い1。成人期には原則としては不要になる1。1〜2 g/kg/回を就寝前に内服する症例もある(推奨度C)1。

薬物療法

  • ⚠️ は議論がある。 GeneReviewsは、では補充がのリスク因子として提唱されているため、遊離・が10 µmol/Lを十分下回るときにのみ5〜10 mg/kg/日を考慮するとする2。日本のガイドラインは(15〜20 µmol/L以下)に対して血中濃度20 µmol/L以上を保つ目的で投与されることが多いとし、推奨度Dを与えている1。⭐ 上の定義表のとおりDは「行うな」ではなく「はあるが反対意見もある」——2つの資料が食い違っているのではなく、どちらも「議論がある」と述べている4。💡 実務上は、が低いことを確かめてから使う薬であって、全例に足す薬ではない。
  • (推奨度C):⚠️ ガイドラインは薬剤名に**を付しており、これは「医薬品として認められているが,現時点で保険適用でないもの」を意味する記号である14。⚠️ デンマークのRCTでは効果を認めず、日本のオープンラベル非試験では患者と入院回数の改善は示されたものの、⚠️ であるの発作回数については有効性が示されなかった1。

⚠️ 避けるもの

  • 長時間の絶食と長時間の運動2。⭐ 登山やマラソンなどの長時間の激しい運動は避ける1。💡 運動の20分前にMCTを0.5 g/kg投与することでが改善するという報告がある1。
  • ⚠️ 全身麻酔は慎重に。 またはのリスクの可能性があるため、慎重に進める2。⭐ 無症候の同胞についても、全身麻酔の前に遺伝学的検査を行うことが望ましい——CPT II欠損症では麻酔後の腎不全が観察されているためである2。
  • ⚠️ をもつ抗菌薬は原則使用しない(推奨度E)。⚠️ ガイドラインは基本骨格を指定するだけで個々の薬剤名を挙げていないので、代表薬を補うときは処方されている国で実際に流通している製剤かを確かめる(日本では経口・のがこの基本骨格を持つ)。がと抱合されて排泄されるため血中濃度を下げうるからで、日本のガイドラインは⭐ 外来診療を行う他科のとの間で意思統一が必要とまで書いている1。💡 上の定義表のとおりEは「行ってはいけない」区分である4。感冒や中耳炎で他科から処方されうる薬なので、患者・家族と紹介状の側で止める。
  • 薬剤:日本のガイドラインは・・バルプロ酸をの発作の誘因に挙げる1。⚠️ ただしGeneReviewsは、バルプロ酸との副作用報告はあるがデータが非常に限られておりではないとする2。
  • ⚠️⭐ については、2つの資料が正反対のことを書いている。 日本のガイドラインはをの発作の誘因に挙げ、急性期の体温管理でも「はの活性低下を引き起こす可能性があり使用すべきでない(推奨度E)」とする1。一方GeneReviewsは、外来での緊急対応の表で発熱に対するとして「acetaminophen, ibuprofen」を並記している2。💡 どちらかが誤りと決めつけず、「国内の指針はに限る」と覚えるのが安全側である——熱そのものがを進めるのでを控えるという話ではない。

⚠️ 診断がついた後の突然死

⭐ 日本のガイドラインが繰り返し強調している点である。 NBSで診断確定した後に突然死をきたした症例の報告が多いのが本疾患の特徴で、本邦のNBS診断例で最長2歳5か月時に感染を契機に突然死した症例が報告されている1。にとどまるが、⭐ 少なくとも小学校入学までは sick day の対策を含む慎重な管理が望まれるとされる1。

💡 妊娠については、他のとは事情が違う。 重症・・母体肝疾患・症候群といったはCPT II欠損症とは関連づけられておらず、は概ね良好とされている2。

sick day の対応——「原則入院」がこの疾患の線引き

⚠️ 日本のガイドラインは、38℃を超える発熱・嘔吐・下痢を認めたら sick day として扱い、代謝不全を予防する目的で原則入院し、心電図とモニター管理のもとで厳重に管理する必要があるとする1。⭐ 哺乳が可能であっても重篤な代謝不全を起こした症例があるため、sick day 時には原則入院管理を行うことが強く推奨される——「飲めているから大丈夫」で帰さない1。は感染を契機とした突然死の報告が他のと比べても多く、NBS発見例や初回の発熱でも突然死の報告がある1。

⚠️⭐ 重症度の指標としてを当てにしない。 sick day時のCKやLDとのレベルは相関しないため、・が正常値でも過小評価してはならない1。💡 上の「でもは正常でありうる」というGeneReviewsの記述と同じ向きの注意で、筋の壊れ具合との詰まり具合は別の量である。

  • 輸液(推奨度B):全身状態が良好でも、発熱・嘔吐・下痢時には十分なを行う1。
  • /オイル(推奨度B):普通ミルク・でも、sick dayは可能であれば全量とするのが望ましい1。
  • 体温管理(推奨度B):38℃以下に抑える。は安全に使用でき、は使用すべきでない(推奨度E)1。
  • 経鼻(推奨度B):経口摂取が乏しい、または即時にルート確保できない場合に用いてよいが、⚠️ 長期の使用や加療を回避する目的での使用は推奨されない1。
  • ⚠️ (推奨度D):普段から補充している症例で中止する必要はないが、急性期の大量補充は控えるほうがよく、は禁忌である1。

まとめ

  • CPT2はの最終段(の内側)を担う。欠損するとを燃やせず、⭐ 同じ遺伝子がから筋型までのスペクトラムを作る。
  • ⭐ 筋型が最も頻度が高く、骨格筋を侵す異常のうち最多で、遺伝性の最も多い原因である。ほぼ全例に筋痛、約75%に、約60%にの筋力低下。は無症状で、競技選手も報告されている。
  • ⚠️ 「成人筋型」という呼称に引きずられない。 発症年齢は1〜61歳で、70%は0〜12歳に発症する(日本の報告でも平均14.3歳)。診断が遅れるのは発症が遅いからではなく、に何も無いからである。
  • ⭐ 誘因は運動が最多、次いで感染(約50%)・絶食(約20%)、さらに寒冷・全身麻酔・睡眠不足。誘発に要する運動強度のが大きい。
  • 診断はでC16・C18・C18:1の上昇(急性期はC0低値・(C16+C18:1)/C2比高値)→ CPT2の遺伝学的検査。⚠️ だけでは除外できず、とはで区別できない。
  • ⚠️ 日本は約26万出生に1人と世界で最も頻度が高く、2018年4月から。 それでもはすり抜けうるので、臨床で疑ったらNBS陰性で否定しない。日本人はp.F383Y(乳幼児期発症型に多い)、欧米は筋型のp.S113Lが約60%。
  • 急性期はブドウ糖でを止める(10%ブドウ糖をの1.5倍/血糖100 mg/dL目安・GIR 7〜10 mg/kg/分)。⚠️ の急性期静注は禁忌、は避け、にはを使い体温を38℃以下に保つ。
  • ⚠️ の第一は(総カロリーの最大35%)。日本でも2026年3月23日に()され5月に発売された(ガイドラインは2024年3月時点で未承認と記載)。土台は低脂肪・と絶食させない食事間隔である。
  • ⚠️ 長時間の絶食・長時間の激しい運動・不用意な全身麻酔を避ける。 とのリスクがあり、無症候の同胞も麻酔前に遺伝学的検査を行うことが望ましい。
  • ⚠️ 診断がついた後の突然死の報告が多い。 日本のNBS診断例で2歳5か月時の感染を契機とした突然死があり、少なくとも小学校入学までは慎重な管理が望まれる。⭐ 38℃超の発熱・嘔吐・下痢は sick day として原則入院(心電図・モニター下)。哺乳できていても帰さない。⚠️ ・が正常でも過小評価しない——のレベルと相関しない。
  • ⭐ 日本のガイドラインの推奨度は、2019年版 表3の定義でA〜Eの5段階。 ⚠️ Dは「行わないよう勧める」ではなく「はあるが反対意見もある」で、行ってはいけないのはEである——(D)と・抗菌薬(E)は向きが正反対。

出典

  1. 1.新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2025 カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼⅡ(CPT2)欠損症(日本先天代謝異常学会・2025)PDF全文を閲覧して確認した。CPT2欠損症が2018年4月より新生児マススクリーニング(NBS)の一次対象疾患となり全ての自治体でスクリーニングされるようになったこと(それ以前は一部の自治体では対象外だった)、本邦の約196万人を対象としたNBSパイロット研究から約26万出生に1例の頻度と推測され中国の約90万出生に1人・台湾の約70万出生に1人と比べても多い傾向があること、⚠️ NBS診断確定後に突然死をきたした症例の報告が多いのが本疾患の特徴であること、本邦のNBS診断例で最長2歳5か月時に感染を契機に突然死した症例が報告されており少なくとも小学校入学までは慎重な管理が望まれる(エキスパートオピニオン)とされること、臨床病型を発症前型・新生児期発症型・乳幼児発症型・遅発型の4型に分類すること、新生児期発症型がけいれん・意識障害・呼吸障害・心不全で急性発症し著しい非〜低ケトン性低血糖・高アンモニア血症・肝逸脱酵素上昇・高CK血症・心筋症をきたし乳児期早期の致死率が高く伝導障害や上室性頻拍が初発症状となることもあり先天奇形を合併しうること、乳幼児発症型が感染や長時間の飢餓を契機に急性発症し筋力低下・急性脳症様/Reye様症候群様発作・突然死を呈し多くの突然死が1歳前後の感染を契機とすること、⚠️ 遅発型について従来は学童期から成人以降の発症が多いとされたが近年の報告では筋症状での発症年齢が平均14.3歳(3〜24歳)とされ1〜12歳の比較的早期に横紋筋融解症で発症する症例も少なくないと明らかになってきたこと、遅発型では通常発作間欠期には無症状にもかかわらず発作時にミオグロビン尿を伴う著明な高CK血症を認め、時に急性腎不全・呼吸不全・不整脈などの重篤な合併症を引き起こすこと、遅発型の発作の誘因が運動負荷が最も多く感染・飢餓・寒冷・全身麻酔・薬剤(ジアゼパム、イブプロフェン、バルプロ酸)も引き起こすこと、非発作時のCKが正常〜軽度高値であっても急性発作時には著明高値(10,000 IU/L超)になることが多いこと、低ケトン性の目安として遊離脂肪酸/総ケトン体モル比 > 2.5・遊離脂肪酸/3-ヒドロキシ酪酸モル比 > 3.0であれば脂肪酸β酸化異常症が疑われること、急性発作時の高アンモニア血症が尿素サイクル異常症や有機酸代謝異常症と異なり適切な輸液のみで改善することが多いこと、血清アシルカルニチン分析が濾紙血より感度に優れ長鎖アシルカルニチン全般(C16, C18, C18:1)の増加が特徴的で急性期にはC0低値と(C16+C18:1)/C2比高値が目立つこと・これらの指標はCACT欠損症でも認めるためアシルカルニチン分析で両者を鑑別できないこと・食事の影響を受けるため食事から時間をあけた血清検体が推奨されること、NBSの濾紙血でC14/C3比および(C16+C18:1)/C2比を組み合わせる新指標が2018年度の一次対象疾患への引き上げと同時に導入されたが⚠️ 遅発型の一部では新指標でもすり抜け例が報告されており臨床症状から遅発型を疑う症例をNBS結果で否定することは困難であること、日本人ではp.F383Yが高頻度変異で乳幼児期発症型に多く欧米で遅発型を呈するp.S113L変異が約60%を占めるのに対し日本人では報告が少ないこと、p.F352C変異が熱不安定性型の日本人に特異的な多型として報告され高熱時に重症化する急性脳症との関連が指摘されているがCPT2欠損症の病因となる変異とは別と考えるべきであること、急性期治療でまず低血糖を補正し血糖100 mg/dLを目安に維持し血糖が維持できない場合はGIR 7〜10 mg/kg/分を目安に中心静脈カテーテルを留置して輸液すること(推奨度B)、⚠️ 異化亢進を抑えるため体温を38℃以下に管理することが望ましくアセトアミノフェンは安全に使用できるがNSAIDs(メフェナム酸・ジクロフェナクなど)はβ酸化酵素の活性低下を引き起こす可能性があり使用すべきでないこと(推奨度E)、⚠️ カルニチンの少なくとも急性期における経静脈的投与が禁忌と考えられていること、横紋筋融解を主症状とする場合CK値が10万を超える症例も珍しくなくブドウ糖を含む大量輸液とアルカリ化を行うが輸液の糖濃度についてのコンセンサスは無いこと、慢性期の食事間隔の目安が新生児期3時間・6か月まで日中4時間/睡眠時4時間・1歳まで日中4時間/睡眠時6時間・4歳未満は日中4時間/睡眠時8〜10時間・4歳以上7歳未満は日中4時間/睡眠時10時間であり7歳以上は重症度により個別に決めること、必須脂肪酸含有MCTミルク(明治721)を用いた脂質制限を行うが厳格さの明確な基準は無く脂質は総kcalの30〜40%までの制限が推奨される一方で日本では通常の食事内容でも脂質が全摂取カロリーの30%未満となることが多く高脂肪食にならない程度で十分な症例も多いこと、成人期には原則として特殊ミルクが不要となること、L-カルニチン投与(推奨度D)が低カルニチン血症(15〜20 µmol/L以下)に対して血中遊離カルニチン濃度を20 µmol/L以上に保つ目的で行われることが多いこと、ベザフィブラート(推奨度C)についてデンマークのRCTで効果を認めなかった報告がある一方で日本のオープンラベル非ランダム化試験では患者QOLや入院回数の改善が示されたものの主要評価項目である横紋筋融解症の発作回数については有効性が示されなかったこと、トリヘプタノインが日本では2024年3月現在承認されていないこと、非加熱コーンスターチ1〜2 g/kg/回程度を就寝前に内服する症例があること(推奨度C)、運動制限として登山やマラソンなどの長時間の激しい運動は避けるべきであり運動の20分前にMCTを0.5 g/kg投与することで運動不耐性が改善するという報告があることを確認した。2026-09-07にPDFを再取得しpdftotextで全文を抽出して、⚠️ ベザフィブラートの薬剤名に記号`**`が付されていること(同学会2019年版の表4で「医薬品として認められているが,現時点で保険適用でないもの」と定義される記号)、⚠️ sick day の項が「38℃を超える発熱や嘔吐, 下痢などを認めた場合は sick day として扱い, 代謝不全を予防する目的で原則入院して, 心電図や SpO2 モニター管理のもと厳重に管理を行う必要がある. 哺乳可能であっても重篤な代謝不全を起こした症例があり, sick day 時には原則入院管理を行うことが強く推奨される」と記すこと、⚠️ 「sick day 時の CK や LD などと,長鎖アシルカルニチンのレベルは相関しないため,CK, LDH が正常値だとしても,過小評価をしないよう留意が必要である」と記すこと、CPT2欠損症の感染契機の突然死の報告が他の脂肪酸代謝異常症と比較しても多くNBS発見例や初回の発熱であっても突然死を起こした症例の報告があること、sick day 対応の内訳が輸液(推奨度B)・MCTミルク/オイル(推奨度B)・体温管理38℃以下(推奨度B、NSAIDsは推奨度E)・経鼻経管栄養(推奨度B、ただし長期の使用や点滴加療の回避を目的とした使用は推奨されない)・カルニチン(推奨度D、普段の補充は中止不要だが急性期の大量補充は控え静脈投与は禁忌)であること、⚠️ 「血中遊離カルニチン濃度の低下をきたしうるピボキシル基をもつ抗生剤は原則使用しないよう,外来診療を行う他科の医師との間で意思統一が必要である(推奨度 E)」と記すこと、NBS陽性例は再検査を繰り返さず速やかに精査医療機関で血清アシルカルニチン分析を行うとされることを確認した。⚠️ 本PDFに推奨度A〜Eの定義表は無く(「行うよう勧められる」「反対意見」「行ってはいけないこと」がいずれも0件)、定義は2019年版の表3による閲覧 2026-09-07
  2. 2.Carnitine Palmitoyltransferase II Deficiency(GeneReviews (University of Washington, Seattle)・2026)Europe PMC経由でNBK1253の全文XMLを取得して確認した(2026年4月9日包括改訂)。CPT II欠損症が長鎖脂肪酸酸化の障害で、致死性新生児型・重症乳児肝心筋型・筋型の3表現型が記載されるがこれらの間には連続したスペクトラムが存在すること、⚠️ 筋型の発症年齢は乳児期から成人期にわたり32例中データのある23例で発症年齢が1〜61歳・診断年齢が7〜62歳であったこと、そのうち70%は小児期(0〜12歳)に発症し26%が思春期(13〜22歳)に筋痛・筋痙攣・ミオグロビン尿の初回発作を起こし1例のみが61歳発症であったこと、筋型がほぼ全例で筋痛を経験し約60%が発作時に筋力低下を示し約75%にミオグロビン尿(発作時の褐色尿)がみられること、発作の誘因として運動が最も多く次いで感染(約50%)・絶食(約20%)であり寒冷・全身麻酔・睡眠不足・筋の脂質代謝依存が高まる状況も誘因として報告されていること、誘発に要する運動強度の個人差が大きいこと、大半は軽症で発作間欠期には筋力低下が無く無症状であり高い競技成績を持つ運動選手も報告されていること、血清CKが発作時に上昇するのが典型だが正常でありうること、筋型が脂質代謝異常のうち骨格筋を侵すものとして最も頻度が高く遺伝性ミオグロビン尿の最も多い原因であること、筋型で男性が症候化しやすく32例で男女比が約2:1・別の集積では7.3:1であり他の長鎖脂肪酸酸化異常症には男性優位が無いこと・症状が男性では主に運動により女性では絶食により誘発されるとする報告があること、致死性新生児型が生後数日以内に呼吸窮迫と低ケトン性低血糖で発症し肝腫大・肝不全・心筋症・不整脈・嚢胞性異形成腎・治療抵抗性のけいれん・脳形成異常(基底核の嚢胞性異形成・水頭症・小脳虫部低形成・多小脳回・脳内石灰化・脳梁欠損・Dandy-Walker奇形)を伴い大半が生後約1か月を超えて生存しないこと、重症乳児肝心筋型が通常生後2年以内に低ケトン性低血糖・肝不全・心筋症・ミオパチーで発症し乳幼児突然死症候群として最初に把握される例があること・Reye症候群に似た高度の肝脂肪化がみられること・拡張型と肥大型の心筋症がいずれも報告され心室性不整脈と心筋症が乳児期の突然死をもたらしうること、`CPT2`のヘテロ接合体が酵素活性の著減という生化学的中間表現型を持つが一般に臨床症状を示さないこと、p.Ser113Leuが筋型の病的アレルの60%を占め欧州北部ではp.Ser113Leu・p.Pro50His・p.Lys414ThrfsTer7が多い一方で日本ではp.Phe383Tyrが最も高頻度とみられること、新生児マススクリーニングが生後24〜72時間の濾紙血でのC16±C18:1のタンデム質量分析による定量に基づくこと、全表現型で血清・血漿のC12からC18のアシルカルニチン(とくにC16とC18:1)が上昇すること、⚠️ 濾紙血のアシルカルニチン定量だけではCPT II欠損症を除外できず血漿での検討が推奨されること・軽症の筋型ではNBSで見逃されうること、鑑別診断としてC12〜C18アシルカルニチン(とくにC16とC18:1)の上昇が複合アシルCoA脱水素酵素欠損症(グルタル酸血症II型)とカルニチンアシルカルニチントランスロカーゼ(CACT)欠損症でも生じること、新生児マススクリーニングでの発見頻度がオーストラリア・ドイツ・米国で75万〜200万出生に1人と報告され日本が約25万出生に1人と最も高いこと、標的治療が代謝栄養士の処方による低脂肪・高炭水化物食であり、MCTオイルを1日総カロリーの10〜45%(消化器症状で用量が制限されることが多い)、奇数鎖脂肪酸から成り補充反応(anaplerotic)性を持つトリヘプタノインを1日総カロリーの最大35%まで用い後者はMCTオイルより臨床転帰が良好であること、⚠️ L-カルニチン補充(5〜10 mg/kg/日)は議論があり長鎖脂肪酸酸化異常症では心不整脈のリスク因子として提唱されているため遊離・総カルニチンが10 µmol/Lを十分下回るときにのみ考慮すること、急性期入院治療が初回の血糖値が正常であっても年齢相応の電解質を含む10%ブドウ糖輸液を維持量の1.5倍で投与することであり筋型では血漿アシルカルニチン・CK・腎機能・電解質・尿中ミオグロビンを、重症型ではさらに血液ガスと乳酸・アンモニア・血糖・肝機能検査を測ること、横紋筋融解症とミオグロビン尿には腎不全予防のための輸液と必要に応じた透析を行うこと、標準治療にもかかわらず重症心筋症を呈した患者に心移植が行われた例があること、⚠️ 避けるべきものが長時間の絶食と長時間の運動であり全身麻酔は悪性高熱症または横紋筋融解症のリスクの可能性があるため慎重に行うこと・バルプロ酸とジアゼパムの副作用報告はあるがデータが非常に限られており絶対禁忌ではないこと、無症候の同胞の遺伝学的検査が全身麻酔の前に望ましいこと(CPT II欠損症では麻酔後の腎不全が観察されている)、常染色体潜性遺伝であること、`CPT2`の熱不安定性多型が高体温時に酵素活性を下げ感染症に伴う急性脳症および乳児期の予期せぬ突然死と関連づけられていること(OMIM 614212)、他の脂肪酸酸化異常症でみられる母体合併症(重症妊娠高血圧腎症・急性妊娠脂肪肝・母体肝疾患・HELLP症候群)はCPT II欠損症とは関連づけられておらず妊娠転帰は概ね良好であることを確認した。2026-09-05にNCBI Bookshelfのライブページ(Revision History末尾「9 April 2026 Comprehensive update posted live」)で再確認し、⚠️ 外来での緊急対応の表(Emergency Outpatient Treatment)が発熱に対する解熱薬として「Antipyretics (acetaminophen, ibuprofen)」を挙げており、イブプロフェンを発作の誘因とし NSAIDs を推奨度Eとする日本のガイドラインと食い違うこと(本章に `NSAID` の語は0回、`ibuprofen` はこの1箇所のみ)、筋型について「Kidney disease. End-stage kidney disease caused by interstitial nephritis with acute tubular necrosis requiring dialysis occasionally occurs.」と記されること、筋型の重症度の幅について「Some individuals have only a few severe attacks and are asymptomatic most of their lives.」「Others have frequent myalgia even after moderate exercise and daily activities are impaired.」と両端が示されること、致死性新生児型の所見一覧に「Hyperammonemic encephalopathy」と「Reduced serum concentrations of total and free carnitine」が含まれること、全身麻酔の記述が逐語で「complications of general anesthesia (including rhabdomyolysis and suxamethonium hypersensitivity in individuals with a variety of neuromuscular diseases and kidney post-anesthetic failure in individuals with CPT II deficiency in particular) have been observed」であること、男女比の3つ目の集積として50例で男32例・女18例が挙げられていることを確認した閲覧 2026-09-03
  3. 3.Medium-Chain Acyl-Coenzyme A Dehydrogenase Deficiency(GeneReviews (University of Washington, Seattle)・2024)Europe PMC経由でNBK1424の全文XMLを取得して確認した。MCAD欠損症の鑑別診断表(Table 2)が、CPT II欠損症について「よく知られた成人型に加えて重症乳児肝心筋型を発症しうる」と記し、血漿アシルカルニチン分析で「C16-OH・C16:1・C18・C18:1アシルカルニチンの上昇」を示すとしていること、`SLC25A20`によるCACT欠損症が臨床的にもCPT II欠損症と区別できないことがあり生化学的にも区別できないことがあると同表に記されていること、同表がVLCAD欠損症をC14・C14:1・C16・C16:1の上昇、LCHAD欠損症/三頭酵素欠損症をC16-OH・C16:1-OH・C18-OH・C18:1-OHの上昇として区別していることを確認した。⚠️ 本表がCPT II欠損症の指標に水酸化型のC16-OHを挙げている点は、CPT II欠損症のGeneReviews章が「C12からC18のアシルカルニチン、とくにC16とC18:1」と記載していることおよび同表がC16-OHをLCHAD/三頭酵素欠損症の指標として別に挙げていることと整合しない。閲覧 2026-09-03
  4. 4.新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019 ガイドライン改訂にあたって―基本的な考え方―(日本先天代謝異常学会・2019)PDF全文をテキスト抽出して確認した。2019年版(第2版)巻頭の「ガイドライン改訂にあたって―基本的な考え方―」の表3が推奨度を5段階で定義しており、逐語でA「I〜IIIのエビデンスに基づく推奨で行うべきもの」、B「生化学的,病態的に妥当性があり,症例で効果があると報告されており,行うべきもの」、C「症例で効果があると報告されており,考慮すべきもの」、D「生化学的,病態学的に妥当性はあるが反対意見もあるもの」、E「科学的根拠や症例報告などに基づいて行ってはいけないこと」であること、⚠️ したがって推奨度Dは行わないよう勧める区分ではなく、行ってはいけないのはEであること、同じ章の表2がエビデンスレベルをI〜VIの6段階で別立てに定めており推奨度の文字がエビデンスの質そのものではないこと、表4が治療薬の記号を「*保険適用であるもの」「**医薬品として認められているが,現時点で保険適用でないもの」「***試薬など医薬品でないため,倫理委員会等をへて用いるべきもの」と定めていること、推奨度は委員会でコンセンサスを得て記載したと同章が述べていることを確認した。⚠️ 2025年版は疾患別PDFに分割されており、取得できた26章のいずれにもこの定義表は載っていない(「反対意見」「行ってはいけないこと」「エビデンスに基づく推奨」がいずれも0件)ため、2025年版がこの定義を改めていないかは疾患別PDFからは確認できない。あわせて2019年版のCPT2欠損症章(26章)でもL-カルニチン投与が推奨度D、ベザフィブラート**が推奨度Cで、本文が2025年版とほぼ同一であることを確認した閲覧 2026-09-07
  5. 5.承認品目一覧(新医薬品:2025年4月~2026年3月)(独立行政法人医薬品医療機器総合機構・2026)PDF全文をテキスト抽出して確認した。第6の2分野に「2026.3.23 No.22 ドジョルビ内用液100%(Ultragenyx Japan㈱)承認 トリヘプタノイン」が収載され、⭐ 効能・効果の欄が「長鎖脂肪酸代謝異常症を効能・効果とする新有効成分含有医薬品」で、【条件付き承認】と【希少疾病用医薬品】の両方の指定が付されていることを確認した。これにより添付文書からは読み取れない**承認日(2026年3月23日)**と**希少疾病用医薬品の指定**が確定する。閲覧 2026-09-05
  6. 6.ドジョルビ内用液100%(トリヘプタノイン)添付文書(Ultragenyx Japan/医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2026)PMDAの添付文書本文(2026年3月作成・第1版、2026年5月改訂・第2版)で確認した。承認番号30800AMX00122000、販売開始2026年5月、規制区分が「条件付き承認品目」であること、効能又は効果が「長鎖脂肪酸代謝異常症」であること、用量の目標値を25〜35%とすることを確認した閲覧 2026-09-08