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Disease Atlas · 内分泌・代謝 · 先天性疾患

先天性脂肪酸酸化異常症

Fatty acid oxidation disorders

別名
脂肪酸β酸化異常症FAOD
臓器系
内分泌・代謝小児全身
科目
PediatricsMedical BiochemistryNeurology
トピック
小児科 2-10:先天代謝異常を疑う状況と初期評価小児科 2-30:低血糖の症状と治療生化学 5/6:脂肪酸の酸化;ケトン体神経内科 G1-34:ミオパチー
上位概念
先天代謝異常症
鑑別疾患
ライ症候群糖原病乳幼児突然死症候群尿素サイクル異常症
合併症
横紋筋融解症肥大型心筋症拡張型心筋症
続発疾患
急性妊娠脂肪肝低血糖(非糖尿病性)
症状
肝腫大嘔吐昏睡痙攣筋力低下
検査値
アシルカルニチン分析低血糖βヒドロキシ酪酸アンモニアクレアチンキナーゼ
下位分類
CACT欠損症CPT1A欠損症CPT2欠損症原発性カルニチン欠損症中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症複合アシルCoA脱水素酵素欠損症
適応薬
トリヘプタノイン

🧠 全体像:このは「絶食で発症する」という一点で貫かれている。食後は糖を燃やすので何も起こらないが、が尽きると体は脂肪へ切り替える。その切り替えができないので、⭐ 糖が尽きた瞬間にエネルギー源が二重に絶たれる——脂肪酸そのものを燃やせず、脂肪酸から作るはずのケトン体も作れない。結果として現れるのがであり、⭐ 「低血糖なのにケトンが出ていない」が最大の手がかりになる。詰まるで臓器像が変わり、中鎖(欠損症)では心筋症もも伴わないが、長鎖(VLCAD・LCHAD/)ではこの2つが加わる1。治療の本体は薬ではなくを止めること、すなわちブドウ糖のである2。

発症の機序——なぜ絶食なのか

flowchart TD
    A["絶食・感染・発熱・手術などの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='catabolism'>異化</span>ストレス"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hepatic glycogen'>肝グリコーゲン</span>が枯渇する"]
    B --> C["脂肪組織から脂肪酸を動員し肝へ送る"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='carnitine shuttle'>カルニチンシャトル</span>でミトコンドリアへ<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='beta-oxidation'>β酸化</span>で2炭素ずつ切り出す"]
    D -->|"酵素が欠損して止まる"| E["アセチルCoAが作れない"]
    E --> F["肝での<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ketogenesis'>ケトン体産生</span>が起こらない"]
    E --> G["糖新生も回らず血糖が下がる"]
    F --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hypoketotic hypoglycemia'>低ケトン性低血糖</span><br>(末梢にも代替燃料が届かない)"]
    G --> H
    D -->|"止まった段の手前が溜まる"| I["特定<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chain length'>鎖長</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acylcarnitine'>アシルカルニチン</span>が血中へ出る"]
    H --> J["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lethargy (somnolence)'>嗜眠</span>・嘔吐・痙攣・昏睡・突然死"]

💡 「絶食で発症する」を機序から言い直す。 健常人では絶食が進むととが、脳はケトン体を燃やして血糖の低下を許容できる。このではその第二のエンジンが点かないので、グリコーゲンが尽きた時点が即そのまま危機になる。感染症で食欲が落ち、発熱でエネルギー需要が上がる状況が最も危ないのはこのためである1。

鎖長で臓器像が変わる

⭐ 「どこまで短くなった脂肪酸で詰まったか」が、そのまま障害臓器を決める。 心筋と骨格筋はを主燃料にするので、長鎖側の欠損でのみ心筋症とが起こる。

💡 そのものの段だけが病型ではない。 をミトコンドリアへ運び込む(CPT1・/CACT・CPT2)と、細胞への取り込み(OCTN2)にも欠損症があり、いずれも「入れないので燃やせない」という同じ帰結になる。⭐ とくにの筋型は、長時間の運動・絶食・感染を契機に反復性のを起こす型として現れ、小児期に低血糖で見つかる他の病型と入口がまったく違う。⚠️ 「成人型」という通称に引きずられない——発症の70%は0〜12歳で、診断が成人になりやすいのはが無症状だからである3。

中鎖(欠損症) 長鎖() 長鎖水酸化段階(LCHAD・)
主な発症像 ・・脳症 3型に分かれる(下記) に多臓器障害
心筋症 伴わない 伴う(・拡張型) 伴う
伴わない 伴う 伴う
される所見 — 不整脈・ 末梢神経障害・
C8優位 C14:1 C16-OHなど水酸化長鎖

12

欠損症は最も頻度の高い病型で、従来は生後2〜24か月に発症するとされてきたが、成人発症の報告もある1。

は3つの表現型を取る2。

  • 重症(心臓・型):生後数か月以内にまたは・・不整脈・・・間欠的低血糖で発症する。
  • 肝型(型):幼児期にとを呈するが、心筋症を伴わない。
  • (間欠的筋型):運動で誘発される・・で発症する。⚠️ この型では症状のあるときに低血糖は通常みられないので、「低血糖が無いから代謝疾患ではない」と切らない。

診断

⭐ の最中に、治療を始める前の検体を確保する。 血糖・・・アンモニア・・・・を一度に出す。ブドウ糖を入れた後の検体では診断がつかないことがある。

⚠️ 「ケトンが陰性でなければ否定できる」は誤りである。 尿・・血清で低いレベルのケトン体が検出されること自体は、欠損症を否定する根拠にならない——このは無ケトン性ではなく低ケトン性であり、急性時には酸化に由来するケトン体が存在しうる1。読むべきは「ケトンの有無」ではなく「低血糖の程度に見合った量まで上がっているか」である。

多くはで無症状のうちに拾われる。で上昇したが病型を指し、の解析が確定を担う。

鑑別

代謝破綻時にはの上昇とを伴いうるため1、やとの鑑別が問題になる。⭐ 分かれ目は血糖とケトンで、では血糖が保たれ、は正常である。

  • :同じく絶食で低血糖を起こすが、⭐ ケトン体は上がる(の経路自体は保たれている)。乳酸上昇と著明なが手がかりになる。
  • 低血糖(非糖尿病性)の鑑別全体:もを来すが、こちらはも同時に低い。ケトンだけでなくも測ると両者が分かれる。
  • :⚠️ 乳児の予期せぬ死では、本が除外すべき代謝疾患の筆頭に挙がる。 のが診断の手がかりになる。

治療

急性期——異化を止めることがすべて

⭐ 薬ではなくブドウ糖である。 脂肪を燃やさなくてよい状態を外から作れば、蓄積も枯渇も止まる。

投与量
欠損症 10%ブドウ糖を電解質とともにの1.5倍、または10〜12 mg/kg/分で直ちに静注し、血糖を5 mmol/L超(120〜170 mg/dL)に保つ1
10%以上のブドウ糖を含む高エネルギー輸液を電解質とともにの1.5倍以上(ブドウ糖として最低8 mg/kg/分)2
日本のガイドライン(欠損症) 低血糖を補正し血糖100 mg/dLを目安に維持する。はGIR 5〜10 mg/kg/分4

⚠️ 目安は資料によって違う。 日本学会のガイドラインはGIR 5〜10 mg/kg/分・血糖100 mg/dL目安、GeneReviewsは 10〜12・VLCAD 最低8 mg/kg/分と、後者のほうが高い。⚠️ 長鎖型の急性期にはとを避ける2。を伴えば、腎保護のために十分な輸液とを加える2。

慢性期——絶食させない食事設計

  • 欠損症:乳児期は2〜3時間ごとの頻回授乳、夜間授乳、就寝前の間食、あるいは2 g/kgの未調理コーンスターチで睡眠中の血糖を保つ。脂肪由来エネルギーは総エネルギーの30%以下にする1。
  • 長鎖型(など):長鎖脂肪を減らし(MCT)を増やした治療用調製食を用い、総脂肪を全カロリーの13〜39%とする。またはとを補い、の欠乏に注意する2。

💡 なぜ長鎖型にだけMCTが効くのか。 はを介さずミトコンドリアへ入り、長鎖の脱水素酵素も使わずに酸化される。長鎖型では詰まった区間を飛び越える迂回路になるが、欠損症では詰まっているのがまさにその区間なので、迂回にならないどころか基質を積み増すことになる。⚠️ 欠損症では、を主たる脂肪源とするやを避ける1。

⚠️ 避けるもの

病型 避けるもの
欠損症 低血糖、MCTを主たる脂肪源とする・、高脂肪、、アスピリン1
絶食、脱水、、、高用量のを含む・2

⭐ 手術・検査の絶食が最大の医原性リスクである。 数時間の絶食を要する処置には、あらかじめブドウ糖のを組む1。⚠️ 麻酔科への事前連絡は長鎖型では必須で、使える麻酔薬が限られる2。

⚠️ 治療そのものが肥満を招く。 頻回授乳が習慣化するため、欠損症では治療開始後にのリスクがある1。

⚠️ 母体との双方向の関係

⭐ このは「児の病気」で終わらない。 胎児が脂肪酸を代謝できないと、未処理のが胎盤を介してへ戻る。母体がLCHAD欠損の保因者で酵素活性が低下していると母体肝が障害され、を発症する——という胎児-母体相互作用が提唱されている5。

  • 母体または胎児のFAO異常について検査を受けたAFLP 77例のうち27例(35.1%)で胎児のFAO異常が確認され、そのうち22例(81.5%)がであった5。
  • ⚠️ 予後が重い。 を伴った22例のうち14例(63.6%)でまたはが報告されており、他のFAO異常や検査陰性例では胎児・新生児死亡の記録が無かった5。
  • AFLPを見たら児と母のLCHADを調べる。 米国肝臓病学会とは、AFLPにおける母体および胎児のLCHAD遺伝学的検査を推奨している5。
  • 症候群もと関連するが、その頻度はAFLPより低い。本総説が引用するYangらの(本総説自身の結果ではない)では、LCHAD欠損の胎児を有する35妊娠のうち17件(48.6%)がAFLPを合併し、症候群を呈したのは2件(5.7%)であった5。

⚠️ 母体が患者である場合も危険である。 分娩とは状態であり、の母体ではとのリスクが高まるので、分娩の管理計画をあらかじめ立てる2。

経過観察

長鎖型では心臓が標的臓器になるため、少なくとも年1回の心エコーを行い、分画・・を定期的に測る2。欠損症では成長・発達との評価を続ける1。いずれもなので、同胞の評価と遺伝カウンセリングを併せて行う1。

まとめ

  • は絶食で発症するである。グリコーゲンが尽きたときに脂肪へ切り替えられず、に陥る。
  • ⭐ 「低血糖なのにケトンが低い」が最大の手がかり。 ⚠️ ただし無ケトン性ではなく低ケトン性なので、ケトン体が少量検出されても否定できない。
  • ⭐ が臓器像を決める。 欠損症は肝と脳、長鎖型(VLCAD・LCHAD/)では心筋症とが加わり、LCHAD・ではさらに末梢神経障害とが乗る。
  • は重症・肝型・遅発筋型の3型を取る。⚠️ 遅発筋型では症状時に低血糖を伴わない。
  • ⭐ 急性期治療の本体はブドウ糖ので、10%ブドウ糖をの1.5倍以上(8〜12 mg/kg/分)で入れてを止める。長鎖型ではとを避ける。
  • ⚠️ MCTは長鎖型の迂回路だが、欠損症では禁物である。長鎖型ではMCTやを補い、欠損症ではMCTを主脂肪源とする・を避ける。
  • ⚠️ 絶食を強いる処置が医原性の引き金になる。 手術・検査の前にを組み、長鎖型ではと・を避ける。
  • ⚠️ 胎児のが母体のを引き起こす。 FAO検査を受けたAFLP 77例の35.1%で胎児のFAO異常が確認され、その81.5%がで、・が63.6%に及んだ。AFLPを見たら児と母のLCHADを調べる。

出典

  1. 1.Medium-Chain Acyl-Coenzyme A Dehydrogenase Deficiency(GeneReviews (University of Washington, Seattle)・2024)Europe PMC経由でNBK1424の全文XMLを取得して確認した(2024年9月26日最終改訂)。MCAD欠損症が最も頻度の高い遺伝性脂肪酸β酸化異常症であること、患児は出生時正常にみえ従来は生後2〜24か月に発症したが成人発症の報告もあること、発症契機が長時間の絶食(夜間授乳からの離乳など)または食欲低下と発熱によるエネルギー需要増を伴う感染症であること、代謝破綻時に肝逸脱酵素上昇と高アンモニア血症を伴いうること、⚠️ 尿・尿中有機酸・血清βヒドロキシ酪酸で低値のケトン体が検出されること自体はMCAD欠損症を否定する根拠にならず(nonketoticではなくhypoketoticである)急性代謝失調時には長鎖脂肪酸酸化によりケトン体が存在しうること、日常管理が絶食の回避であり乳児期は2〜3時間ごとの頻回授乳・夜間授乳・就寝前の間食・2 g/kgの未調理コーンスターチを用いること、脂肪由来エネルギーを総エネルギーの30%以下とすること、急性期には10%ブドウ糖を電解質とともに維持量の1.5倍または10〜12 mg/kg/分で直ちに静注し血糖を5 mmol/L超(120〜170 mg/dL)に保つこと、避けるべきものが低血糖・中鎖脂肪酸トリグリセリドを主たる脂肪源とする乳児用調製乳やココナッツ油・高脂肪低炭水化物食・急性アルコール中毒・アスピリンであること、治療開始後は頻回授乳のため肥満のリスクがあること、常染色体潜性遺伝であること、LCHAD欠損症と三頭酵素欠損症がMCAD欠損症と異なり横紋筋融解症・心筋症に加えて末梢神経障害と網膜症を伴うこと、VLCAD欠損症がMCAD欠損症と異なり著明な横紋筋融解症と心筋症を伴うことを確認した閲覧 2026-09-02
  2. 2.Very Long-Chain Acyl-Coenzyme A Dehydrogenase Deficiency(GeneReviews (University of Washington, Seattle)・2025)Europe PMC経由でNBK6816の全文XMLを取得して確認した(2025年8月7日最終改訂)。VLCADが炭素数14〜20の長鎖脂肪酸のミトコンドリアβ酸化の初発段階を触媒すること、3つの表現型があり重症早発型(心臓・多臓器不全型)が生後数か月以内に肥大型または拡張型心筋症・心嚢液貯留・不整脈・筋緊張低下・肝腫大・間欠的低血糖で発症すること、肝型(低ケトン性低血糖型)が幼児期に低ケトン性低血糖と肝腫大を呈するが心筋症を伴わないこと、遅発型(間欠的筋型)が運動で誘発される横紋筋融解症・筋痙攣・運動不耐で発症し症状時に低血糖は通常存在しないこと、日常管理が低脂肪または長鎖脂肪を減らし中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)を増やした治療用調製食で総脂肪を全カロリーの13〜39%とし、MCTオイルまたはトリヘプタノインとカルニチンを補充し、乳児では頻回授乳・小児と成人では複合糖質に富む就寝前の間食を行うこと、急性期には10%以上のブドウ糖を含む高エネルギー輸液を電解質とともに維持量の1.5倍以上(ブドウ糖として最低8 mg/kg/分)で投与しL-カルニチンと静注脂肪乳剤は避けること、横紋筋融解症には十分な輸液と尿のアルカリ化を行うこと、避けるべきものが絶食・脱水・高脂肪食・揮発性麻酔薬および高用量の長鎖脂肪酸を含むプロポフォールやエトミデートであること、サーベイランスとして少なくとも年1回の心エコーとカルニチン分画・アシルカルニチンプロファイル・CKの定期測定を行うこと、分娩と産褥が異化状態であり母体の横紋筋融解症とミオグロビン尿のリスクを高めることを確認した閲覧 2026-09-02
  3. 3.Carnitine Palmitoyltransferase II Deficiency(GeneReviews (University of Washington, Seattle)・2026)筋型の発症年齢がデータのある23例で1〜61歳、診断年齢が7〜62歳であり、そのうち70%が小児期(0〜12歳)に発症し26%が思春期(13〜22歳)、61歳発症は1例のみであったこと、全表現型で血清・血漿のC12からC18のアシルカルニチン(とくにC16とC18:1)が上昇すること、鑑別診断としてC12〜C18アシルカルニチン(とくにC16とC18:1)の上昇が複合アシルCoA脱水素酵素欠損症(グルタル酸血症II型)とカルニチンアシルカルニチントランスロカーゼ(CACT)欠損症でも生じることを、Europe PMC 経由の NBK1253 全文XML(2026年4月9日包括改訂)で逐語確認した閲覧 2026-09-03
  4. 4.新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2025 中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症(日本先天代謝異常学会・2025)MCAD欠損症の急性期にはまず低血糖を補正し血糖100 mg/dLを目安に維持すること、維持輸液はGIR 5〜10 mg/kg/分を目安とすること(同じブドウ糖濃度6.9%を水分量100 mL/kg/dayで投与するとGIR 4.8 mg/kg/min程度になる)、血糖を維持できない場合は中心静脈カテーテルを留置してGIRを上げること。MCAD欠損症に対してはMCTミルクの使用が禁忌であり、他の脂肪酸代謝異常症でよく用いられるMCTオイルの服用も本疾患では禁忌であること。PDF全文を閲覧した。閲覧 2026-09-02
  5. 5.Acute Fatty Liver of Pregnancy and Fetal Fatty Acid Oxidation Disorders: A Systematic Review(O&G Open (American College of Obstetricians and Gynecologists)・2026)Europe PMC経由でPMC12922938の全文XMLを取得して確認した。母体または胎児の脂肪酸酸化(FAO)異常について遺伝学的・生化学的検査を受けた急性妊娠脂肪肝(AFLP)77例のうち27例(35.1%)で胎児のFAO異常が確認されたこと、その27例の内訳がLCHAD欠損症22例(81.5%)・MCAD欠損症3例(11.1%)・SCAD欠損症1例(3.7%)・CPT1欠損症1例(3.7%)であったこと、LCHAD欠損症22例のうち14例(63.6%)で死産または乳児死亡が報告され他のFAO異常や検査陰性例では胎児・新生児死亡の記録が無かったこと、AFLPでの母体および胎児のLCHAD遺伝学的検査が米国肝臓病学会と米国消化器病学会により推奨されている一方で母体胎児医学会と米国産婦人科学会はAFLPの管理指針を示していないこと、胎児がFAO異常を持つ場合に代謝されない遊離脂肪酸が胎盤を介して母体循環へ戻り母体がLCHAD欠損の保因者で酵素活性が低下している場合にとくに肝障害を起こすという仮説が提唱されていること、HELLP症候群もLCHAD欠損症と関連するがその頻度はより低いこと、本総説が引用するYangらの後ろ向きコホート(本総説自身の結果ではない)ではLCHAD欠損の胎児を有する35妊娠のうち17件(48.6%)がAFLPを合併し2件(5.7%)がHELLP症候群を呈したこと、AFLPの消化器症状での発症が87.8%であったことを確認した閲覧 2026-09-02