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Lab values · Published

低血糖

Hypoglycemia

別名
低血糖症
臓器系
内分泌・代謝神経全身
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 L-25:低血糖
関連疾患
遺伝性フルクトース不耐症下垂体機能低下症古典型ガラクトース血症(GALT欠損症)先天代謝異常症低血糖(非糖尿病性)糖原病糖尿病性自律神経障害
影響する薬剤
キニーネグリピジドクロルプロパミド

🧠 全体像:低血糖は単なる低いではなく、脳へのグルコース供給不足を来すの救急病態である。意識障害・痙攣があれば原因採血より補正を優先し、回復後に薬剤、食事、運動、腎肝機能、内分泌・重症疾患を検索する。糖尿病治療中の域と、非糖尿病者を精査するは分けて考える。

定義と重症度

ADA 2026は糖尿病患者の低血糖イベントを次の3段階に分類する。

レベル 定義 意味
1 70 mg/dL未満かつ54 mg/dL以上 域。速やかに補正し原因を見直す
2 54 mg/dL未満 臨床的に重要で、直ちに対応する
3 回復に他者の介助を要する認知・身体障害 血糖値を問わない重症イベント

非糖尿病者では、症状、同時に確認された血漿グルコース低値、補正による症状消失からなるがそろったときに原因精査する。の無症候性低値だけで低血糖症と診断しない。

検体、、高値、糖尿病診断としての読み方は親ノートの血糖で扱い、このノートでは低値時の救急対応と原因鑑別に焦点を置く。

症状と生理反応

血糖低下に対し、まずが抑制され、グルカゴン・アドレナリンが増える。さらに低下すると中枢神経の機能が障害される。

症状群 代表的症状 意味
自律神経症状 発汗、振戦、、不安、空腹 早期の反応
、行動変化、、局在症状 脳への糖供給不足
重症 痙攣、昏睡、外傷、不整脈 直ちに治療が必要

反復低血糖、長期糖尿病、睡眠中、β遮断薬使用では自律神経症状が乏しいことがある。局在神経症状が脳卒中に似ることもあるため、急性神経症状では血糖を早期に測る。

直ちに行う対応

flowchart TD
    A["低血糖を疑う・測定で確認"] --> B{"安全に嚥下できるか"}
    B -->|"はい"| C["ブドウ糖約15 gを摂取"]
    C --> D["15分後に再測定"]
    D --> E{"70 mg/dL未満が続くか"}
    E -->|"はい"| C
    E -->|"いいえ"| F["持続性炭水化物と原因調整"]
    B -->|"いいえ"| G["気道確保・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intravenous glucose'>静注ブドウ糖</span>"]
    G --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='IV access'>静脈路</span>がなければグルカゴン"]
    H --> I["反復測定・再発監視"]

⚠️ 意識障害、痙攣、では経口摂取させない。可能なら治療前検体を確保するが、採血や画像のためにブドウ糖投与を遅らせない。脂肪・蛋白の多い食品は吸収が遅く、初回補正には向かない。

長時間作用型インスリン、、腎機能低下では一度回復しても再発し得る。による遷延例ではブドウ糖に加えてを検討し、十分に観察する。

原因を機序で分ける

機序 代表的原因 手掛かり
薬剤性 インスリン、、グリニド 投与時刻、食事欠如、腎機能、
糖産生不足 重症肝障害、飲酒+絶食、 肝機能、栄養、グリコーゲン枯渇
消費増大・重症疾患 敗血症、重い臓器不全 全身状態、乳酸、臓器機能
不足 副腎不全、下垂体機能低下 コルチゾール、ACTH、他の
内因性高インスリン 、インスリン自己免疫 インスリン・Cペプチド
食後性 胃切除・後など 食後1〜3時間との対応
先天代謝 など 年齢、絶食誘発、ケトン・アンモニア

糖尿病患者では薬剤・摂取・活動量の不一致が多い。非糖尿病者では「健康に見えるか、重症疾患中か」「空腹時か食後か」を先に分けると原因検索が整理できる。

緊急時検体

自然発作を捉えたら、可能な範囲で補正前に血漿グルコース、インスリン、Cペプチド、・グリニド、コルチゾールを採る。

パターン 解釈
インスリン高値+Cペプチド低値 を示唆
インスリン・Cペプチドとも または分泌促進薬
ケトン抑制 インスリンまたはインスリン様作用を支持
インスリン抑制+ケトン上昇 糖産生不足・重症疾患・ホルモン不足を考える

測定上の注意

⚠️ 症状と簡易測定値が合わない場合も安全側に対応しつつ、静脈血漿を迅速処理して確認する。

  • 採血後の分離遅延では血球が糖を消費し、となる。
  • 著明なでは試験管内解糖が速い。
  • ショック、低体温、では指先測定が血漿値から乖離し得る。
  • は組織間液を測るため、急速変化時は血中値より遅れる。
  • 輸液ラインからの採血は糖液混入でを作り、低血糖を隠し得る。

回復後の再発予防

薬剤量・投与時刻、食事、運動、飲酒、腎肝機能、認知・視覚機能、食料不安を確認する。レベル2または3を一度でも起こしたら治療計画を再評価し、必要なら目標緩和、、すぐ使えるグルカゴン、本人・家族への構造化教育を組み合わせる。

まとめ

  • 意識障害・痙攣を伴う低血糖は、検査確定より補正を優先する。
  • 糖尿病では70 mg/dL未満が域、54 mg/dL未満は直ちに対応する重要域である。
  • 嚥下可能ならブドウ糖約15 gと15分後再検、不能ならを用いる。
  • 非糖尿病者はを確認し、検体で原因を分ける。
  • 回復後に薬剤・食事・運動・腎肝機能を見直し、再発を防ぐ。