疾患ノート一覧へ

Disease Atlas · 内分泌・代謝 · 先天性疾患

中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症

Medium-chain acyl-CoA dehydrogenase deficiency

別名
MCAD欠損症MCAD deficiencyMCADD
臓器系
内分泌・代謝小児
科目
PediatricsMedical Biochemistry
トピック
小児科 2-10:先天代謝異常を疑う状況と初期評価生化学 5/6:脂肪酸の酸化;ケトン体
上位概念
先天性脂肪酸酸化異常症
鑑別疾患
CACT欠損症ライ症候群複合アシルCoA脱水素酵素欠損症
続発疾患
乳幼児突然死症候群(SIDS)
治療薬
L-カルニチン
症状
痙攣嘔吐肝腫大ミオグロビン尿筋力低下
検査値
低血糖アシルカルニチン分析βヒドロキシ酪酸アンモニアクレアチンキナーゼ

🧠 全体像:欠損症は、最も頻度の高いであり、(NBS)の代表格である12。ACADMの欠損によりのが止まり、絶食時にエネルギーを作れなくなる。臨床像の核はで、感染や絶食を契機に様・様の発作を起こし、(SIDS)の一因としても知られる2。⭐ 治療の中心は「空腹を避けること」に尽きる——NBSで発見しを防ぐ食事指導を徹底すれば、重大な障害・突然死をほぼ完全に予防できる2。・など長鎖の異常症とは異なり、⚠️ 欠損症には()の使用が禁忌という際立った対比がある2。

病態生理

は極(VLCAD)などによってを2炭素ずつ短縮されながら分解され、炭素数10・8になった中鎖をがアセチルCoAへ代謝する。や母乳に含まれるは、を介さず直接ミトコンドリア内へ入り同じくで代謝される2。

flowchart TD
    A["絶食・感染などの代謝ストレス"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='medium-chain fatty acid'>中鎖脂肪酸</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='beta-oxidation'>β酸化</span>が進まない<br>(ACADM=<span class='jp-term jp-term-diagram' title='medium-chain acyl-CoA dehydrogenase'>MCAD</span>の欠損)"]
    B --> C["アセチルCoA産生が不足"]
    C --> D["肝での<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ketogenesis'>ケトン体産生</span>が不足<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hypoketotic hypoglycemia'>低ケトン性低血糖</span>)"]
    B --> E["中鎖<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acylcarnitine'>アシルカルニチン</span>(C8など)の蓄積"]
    D --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acute encephalopathy'>急性脳症</span>様・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Reye-like syndrome'>Reye様症候群</span>様の発作<br>けいれん・嘔吐・意識障害"]
    E --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acylcarnitine analysis'>アシルカルニチン分析</span>で診断"]

⭐ 欠損症では、他のと違って乳幼児期に心筋・骨格筋の障害がみられない。 心筋・骨格筋の症状は主に(学童期以降)で出現する2。

疫学

集団 頻度
欧米白人(一般) 約1万人に1人2
米国NBS実績 17,759人に1人1
北ドイツNBS実績 4,900人に1人1
北米各州NBS実績 13,000〜19,000人に1人1
日本 12万9千人に1人(欧米より低頻度)2

⭐ 症のなかでは欧米・日本のどちらでも最も頻度が高いが、絶対頻度は日本のほうがずっと低い2。この点は、日本での頻度が世界最高水準の(約26万出生に1人)と対照的である。

⭐ 原因変異が集団で異なる。 欧米白人の90%を占めるc.985A>G(p.K329E)は日本人ではいまだ報告が無く、日本人ではc.449-452delCTGAという4塩基欠失が最多である2。北ヨーロッパ系集団ではこの変異のが1:40〜1:100に達する1。

臨床病型

日本のガイドラインは4病型で整理する2。

病型 特徴
NBSや家族検索で見つかる無症状例。どの病型かが決まるまでの暫定分類
きわめてまれ。乳児期早期の致死率が高い
乳幼児発症型(最多) 3〜4歳以下で、感染・長時間の絶食を契機に様/様発作・SIDS・筋力低下。()を伴うことが多い
学童期以降。まれだが、中枢神経障害・骨格筋障害・肝障害・心筋障害と多彩。成人では飲酒を契機とした発症が圧倒的に多い

GeneReviewsも、患者は出生時には正常に見え、歴史的には生後2〜24か月に発症してきたと記す1。

⚠️ 未治療での初回代謝危機の死亡率は18〜25%に達した。 NBS導入後は、スクリーン陽性・治療を受けた集団での死亡率は0.6〜2.4%まで低下したが、NBSで検出される前に重症発症する例は今も報告されている1。

診断

flowchart TD
    A["感染・絶食を契機とする<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='hypoketotic hypoglycemia'>低ケトン性低血糖</span>+けいれん・意識障害"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='serum acylcarnitine analysis'>血清アシルカルニチン分析</span><br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dried blood spot'>ろ紙血</span>より優先)"]
    B --> C{"C8高値・C8/C10比高値"}
    C -->|"はい"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='medium-chain acyl-CoA dehydrogenase'>MCAD</span>欠損症を疑う"]
    C -->|"いいえ"| E["他の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fatty acid metabolism disorder'>脂肪酸代謝異常</span>症・<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='Reye-like syndrome'>Reye様症候群</span>・肝型<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glycogen storage diseases'>糖原病</span>などへ"]
    D --> F["ACADMの遺伝学的検査で確定<br>(保険適応)"]
    F --> G["判断に迷えば<span class='jp-term jp-term-diagram' title='enzyme activity assay'>酵素活性測定</span><br>(リンパ球・線維芽細胞、C8-CoA基質)"]
  • 低血糖の性状:強い低血糖時にインスリン低値にもかかわらず体定性が±〜1+程度・血中ケトン体1,000 µmol/L程度であればと考える。とを同時に測り、/>2.5、/>3.0であれば異常を疑う2。
  • :C8(オクタノイル)の著しい蓄積が特徴で、C6・C10・C10:1の軽度上昇、C8/C2比・C8/C10比の上昇を伴う1。NBSでのC8の99値は2.46 nmol/mLである1。
  • ⚠️ だけでは否定できない。 罹患者でもではが正常化することがあり、にはが推奨される2。
  • :急性発作時に上昇しうるが、多くは輸液のみで改善する2。
  • CK:主にで骨格筋症状に伴い上昇する2。
  • 確定診断:ACADMの(感度98%)が第一選択で、酵素学的検査(C8-CoAを基質とし、活性2%以下は低血糖発症の高リスクとされる)は判断に迷うときに追加する12。

⚠️ ・()とは臨床像が重なる。 いずれも様・を呈しうるため、のパターンと遺伝学的検査で鑑別する。他に・・肝型・OTC欠損症・も鑑別に挙がる2。

治療

急性期

⚠️ 他のと違い、の制限は不要である。 重要なのは十分量のグルコース補充で、その後安定的にエネルギーを摂れることを確認する2。

項目 内容
(推奨度B) 低血糖を100 mg/dLを目安に補正。GIR 5〜10 mg/kg/minが目安。高血糖なら0.01〜0.05単位/kg/hrの持続静注を考慮2
体温管理(推奨度B) 38℃以下を目指す。(・など)は避け、は安全に使用できる2
(推奨度B) 輸液のみで改善することが多いが、・安息香酸Na・フェニル酪酸Naの投与を行うこともある2
(推奨度B) 糖分を含む大量輸液とを行う

⚠️⚠️ 欠損症に対しての使用は禁忌である。 他の(など)ではが治療の柱になるのと正反対である——を分解する酵素そのものが欠けているため、MCTを与えても代謝できない2。

慢性期——「絶食させない」ことがすべて

⭐ 食事間隔の指導だけで、重度の中枢神経障害や突然死の多くを防げる。 やは不要である2。

⚠️ 絶食を避けるべき間隔は、資料によって具体的な数字が違う。

資料 絶食を避ける間隔
GeneReviews 生後4か月まで日中・夜間とも4時間以内。5〜12か月は月齢ごとに1時間追加(5か月で5時間、12か月で最大12時間)。1歳以上は生涯12時間を超える絶食をしない1
日本のガイドライン 他の症と共通の目安表を用いる(のノート参照)。7歳以上は重症度に応じて専門医と個別に決める2
  • 頻回授乳(2〜3時間ごと)、総エネルギーの30%以下の脂肪を含む通常の健康的な食事、就寝前の(日本のガイドラインでは1〜2 g/kg/回、海外では積極的推奨はされておらず後のセーフティネットと位置づける)12。
  • 💡 母乳は積極的には否定されない。 で予後が悪いという米国の報告があるが、それは重症型とされるc.985A>Gによるもので、この変異は日本人では報告が無い2。
  • ⚠️ を持つ抗菌薬(血中を低下させうる)は原則使用しない(推奨度B)2。

L-カルニチンの位置づけ

⚠️ 一律の投与は推奨されない。 の初期用量は25〜50 mg/kg/日が一般的だが有効性には議論があり1、日本のガイドラインも欠損症への一律投与は不要としつつ、血中が20 µmol/L以下にならないよう管理することを推奨する。投与例と非投与例で急性発作の頻度に差が無かったとする報告もある2。

予後・成人期の課題

⭐ NBSと食事指導の徹底で、突然死を含む重大な障害はほぼ完全に予防できる——日本国内の検討でも、諸外国の10年以上に及ぶスクリーニングでも示されている2。ただし急性発作の予防にもかかわらず、一部で発達遅滞・知的障害・・がみられる2。

⚠️ 成人期は「」として見え方が変わる。 飲酒を契機とした発症が圧倒的に多く、低血糖を伴わない脳症・筋症状(大部分はc.985A>G)が多く報告される。妊娠中は絶食時間を短くし出産時もを行う。外科手術は絶食期間の糖輸液と周術期ので安全に施行できている報告が多い2。

💡 日本ではの対象になっていない。 成人における公費助成は無く、症状に応じて適宜検査・治療を行う2。

で、同胞の再発率は罹患25%・保因者50%・非保因者25%である1。

まとめ

  • 欠損症は最も頻度の高いで、ACADMの欠損によりのが止まりを来す。NBS。
  • 頻度は欧米白人で約1万人に1人、日本では約12万9千人に1人と低め。原因変異は集団で異なり、欧米に多いc.985A>Gは日本では未報告、日本はc.449-452delCTGAが最多。
  • 臨床病型は・(まれ・致死率高)・乳幼児発症型(最多、3〜4歳以下、様/様、SIDSと関連)・(学童期以降、成人は飲酒契機が多い)。
  • 診断は(C8高値、C8/C2・C8/C10比上昇)→ACADM遺伝学的検査(感度98%)。だけでは除外できない。
  • ⚠️ ・は禁忌(他のと正反対)。急性期は(100 mg/dL目安、GIR 5〜10 mg/kg/min)と体温管理(38℃以下、回避)が中心。
  • 慢性期の治療は絶食させないことに尽きる。絶食回避の具体的間隔は資料により異なる(GeneReviewsは年齢別に4〜12時間、日本は他の症共通の目安表)。の一律投与は不要。
  • NBSと食事指導の徹底で突然死・重大障害はほぼ完全に予防できるが、一部に発達遅滞・が残る。日本ではの対象外で成人期の公費助成は無い。

出典

  1. 1.Medium-Chain Acyl-Coenzyme A Dehydrogenase Deficiency(GeneReviews (University of Washington, Seattle)・2024)中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症が最も頻度の高い脂肪酸酸化異常症の一つであり、脂肪酸β酸化により生理的ストレス時・絶食時にエネルギーを産生する`ACADM`遺伝子の欠損によること、患者頻度が人口10万出生あたり5.3人(範囲4.1〜6.7)、米国での新生児マススクリーニング(NBS)実績が17,759人に1人であること、北ヨーロッパ系集団に多く一般的な病原性バリアントc.985A>Gの保因者頻度が同集団で1:40〜1:100であること、NBS実績が北ドイツで4,900人に1人・北米各州で13,000〜19,000人に1人と地域差があること、患者は出生時には正常に見え歴史的には生後2〜24か月に発症してきたこと、典型的な誘因が長時間の絶食(夜間授乳からの離乳など)と一般的な感染症(ウイルス性胃腸炎・上気道感染症)であること、症状が低血糖発作(けいれん・嘔吐・昏睡・死亡まで進行しうる)・肝腫大・肝機能異常であり、歴史的には未治療の最初の代謝危機で18〜25%が死亡したこと、診断の生化学的指標が血漿アシルカルニチン分析でのC8(オクタノイルカルニチン)の著しい蓄積・C6/C10/C10:1アシルカルニチンのより軽度の上昇・C8/C2およびC8/C10比の上昇であり、NBSでのC8の99パーセンタイル値が2.46 nmol/mLであること、`ACADM`の配列解析の感度が98%で最も一般的なc.985A>G(p.Lys329Glu)バリアントの検出に有効であること、治療が絶食回避(生後4か月までは日中・夜間とも4時間以内、5〜12か月は月齢ごとに1時間追加し12か月で最大12時間、1歳以上は生涯12時間を超える絶食をしない)・2〜3時間ごとの頻回授乳・総エネルギーの30%以下の脂肪を含む通常の健康的な食事・就寝前の非加熱コーンスターチ2 g/kgであること、L-カルニチンの初期用量が25〜50 mg/kg/日で一般的に用いられるが有効性については議論があること、NBS導入によりスクリーン陽性・治療を受けた集団での新生児期死亡率が0.6〜2.4%に低下したがNBSで検出される前の重症発症は依然として報告されていること、常染色体潜性遺伝で同胞の再発率が25%(罹患)・50%(保因者)・25%(非保因者)であることを、Europe PMCのbookXMLエンドポイント(NBK1424)で確認した。閲覧 2026-09-07
  2. 2.新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2025 中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症(日本先天代謝異常学会・2025)PDF全文をpdftotextで抽出して確認した。MCAD欠損症が脂肪酸代謝異常症のなかで最も頻度が高いとされ欧米白人では1万人に1人だが日本での頻度は12万9千人に1人と推定されていること、責任遺伝子`ACADM`が染色体1p31.1に局在すること、典型例が急性発症までは特徴的所見のない小児が感染や飢餓を契機に急性脳症様またはReye様症候群の症状を呈し3〜4歳以下で発症することが多いこと、いったん発症すると死亡率が高く乳幼児突然死症候群(SIDS)の一因としても知られる一方で無症状で成人に達する例もあること、他の脂肪酸代謝異常症に比して筋症状は目立たないのが一般的だが急性発作時にCK上昇をきたす症例もあること、常染色体潜性遺伝であること、臨床病型を発症前型・新生児期発症型(きわめてまれで乳児期早期の致死率が高い)・乳幼児発症型(感染や長時間の飢餓を契機に急性脳症様/Reye様症候群様発作・SIDS・筋力低下を呈し肝腫大〈脂肪肝〉を伴うことが多い)・遅発型(学童期以降の発症はまれだが以前考えられていたより多彩な症状で発症することが明らかになってきており中枢神経障害・骨格筋障害・肝障害・心筋障害が報告される)の4型に分類すること、診断の参考所見として非〜低ケトン性低血糖(強い低血糖時にインスリン低値にもかかわらず尿ケトン体定性±〜1+程度・血中ケトン体1,000 μmol/L程度であれば低ケトン性低血糖と考え、遊離脂肪酸/総ケトン体モル比>2.5・遊離脂肪酸/3-ヒドロキシ酪酸モル比>3.0であれば脂肪酸β酸化異常を疑う)・肝逸脱酵素上昇・高CK血症(おもに遅発型)・高アンモニア血症(輸液のみで改善することが多い)があること、診断の根拠となる特殊検査が血清アシルカルニチン分析(ろ紙血ではC8高値かつC8/C10比高値がスクリーニング指標だが罹患者でもろ紙血ではプロファイルが正常化しうるため生化学診断には血清を用いる)・尿中有機酸分析(ジカルボン酸・ヘキサノイルグリシン・スベリルグリシンの増加だが非特異的)・遺伝子解析(欧米白人の90%を占めるc.985A>G、p.K329Eが日本人ではいまだ報告されておらず日本人ではc.449-452delCTGAという4塩基欠失が最多でほかにc.50G>A・c.1085G>A・c.157C>T・c.843A>Tなどのミスセンスバリアントがあること、遺伝子解析は保険適応)・酵素学的検査(C8-CoAを基質とし酵素活性2%以下の症例は低血糖発症の高リスクとする報告がある)・脂肪酸代謝能検査(in vitroプローブアッセイ)であること、鑑別診断が他の脂肪酸代謝異常症・Reye様症候群・ミトコンドリア病・肝型糖原病・OTC欠損症・劇症肝炎であること、⚠️ MCAD欠損症に対してはMCTミルクの使用が禁忌であること、急性期治療がブドウ糖輸液(推奨度B、低血糖を100 mg/dLを目安に補正しGIR 5〜10 mg/kg/minを目安とし高血糖なら速効型インスリン0.01〜0.05単位/kg/hrの持続静注を考慮)・代謝性アシドーシスへの対応(推奨度B)・高アンモニア血症への対応(推奨度B、アルギニン・安息香酸Na・フェニル酪酸Naの投与を行うこともある)・体温管理(推奨度B、38℃以下に抑えるのが望ましくNSAIDsはβ酸化酵素の活性低下を引き起こす可能性があり使用すべきでないがアセトアミノフェンは安全に使用できる)・横紋筋融解症への対応(推奨度B)であること、他の脂肪酸代謝異常症で行われる長鎖脂肪酸の制限は本疾患には不要でありL-カルニチンの一律投与は不要だが血中遊離カルニチンが20 μmol/L以下にならないよう管理することが推奨され投与例と非投与例で急性発作頻度に差がなかったとする報告があること、慢性期の食事療法(推奨度B)が食事間隔の指導による低血糖・飢餓状態の防止であり脂質摂取制限や特殊ミルクは不要であること、完全母乳栄養児で予後が悪いという米国の報告があるがそれは重症型とされるc.985A>Gホモ接合体によるもので日本ではこの変異の報告が無く母乳は積極的に否定されないこと、非加熱コーンスターチ1〜2 g/kg/回を就寝前に用いる症例もあるが海外では積極的に推奨されておらず離乳後に食事間隔が空いた場合のセーフティネットとして推奨してもよいこと、ピボキシル基を持つ抗菌薬(血中カルニチン低下をきたしうる)は原則使用しないこと(推奨度B)、成人期の課題として飲酒を契機とした発症が圧倒的に多く低血糖を伴わない脳症・筋症状が多く報告されていること・妊娠中は絶食時間を短くし出産時もブドウ糖輸液を行うこと・外科手術は絶食期間の糖輸液と術中術後の血糖測定で安全に施行できている報告が多いこと・現時点で指定難病の対象疾患ではなく成人における公費助成が無いことを確認した。閲覧 2026-09-07