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Symptoms · Published

濃色尿

Dark urine

別名
濃染尿褐色尿
臓器系
肝胆膵腎・泌尿器
科目
PathophysiologyPediatrics
トピック
病態生理学 P-2-30:尿色調異常の原因小児科 50:小児の胆汁うっ滞性肝疾患

🧠 全体像:「尿が濃く見える」をに扱うときの幹は、色を作っているのは何かを1つに絞ることである。、ヘモグロビン、、赤血球、単なる水分濃縮、薬剤・食品——原因ごとに機序ももまったく別物であり、色調の描写(「紅茶色」「コーラ色」「濃い黄色」)だけでは区別できない。と尿沈渣を組み合わせて初めて絞り込めるという一点が、この症状の診療を支配する。

定義と用語の整理

」は患者・保護者の訴えとしては色の濃さ全般を指すが、臨床的には由来する色素・成分によって対応がまったく異なる。の第一歩は、色調(黄色が濃いのか、赤〜褐色なのか、黒色に近いのか)と、随伴症状(・血尿症状・筋痛・脱水徴候)を分けて聞くことである。

病態生理——5つの群で捉える

の原因は、機序で次の5群に整理すると鑑別が進めやすい。

機序 尿沈渣 特徴
尿 水溶性の抱合型(直接)ビリルビンが腎から排泄される1 ビリルビン陽性 正常 ビール〜紅茶様の暗褐色。振ると泡立ちが黄色くなる
で遊離したヘモグロビンが糸球体で濾過され、を来す 陽性 赤血球なし〜少数 赤〜黒褐色
で筋細胞から漏出したが濾過される2 陽性 赤血球なし〜少数 赤〜黒褐色。CK著増を伴う
血尿 尿路のどこかからの出血 陽性 赤血球あり 尿路症状(・疼痛)を伴うことがある
⑤濃縮尿 脱水による水分再吸収の亢進 陰性 正常 比重が高い。飲水で速やかに薄まる

このほか、リファンピシン(橙赤色)、メトロニダゾール(暗色化)、ビートの摂取(赤色、ビートウリア)のように、薬剤・食品による無害な着色も鑑別に入る。

⚠️ (間接)ビリルビンは水に溶けないため尿には出ない。 溶血性黄疸でが著増していても尿ビリルビンは陰性のままであり、これを無胆汁尿性黄疸と呼ぶ1と対で考えると理解しやすい——胆汁が腸へ行けず尿へ回るのはだけであり、(腸管への排泄が絶たれる)と尿(尿への排泄が増える)は同じ胆汁うっ滞の表裏である。

💡 反応はヘムの様活性を検出するだけで、赤血球・ヘモグロビン・を区別しない。陽性なのに尿沈渣に赤血球が無ければ、血尿ではなく)を考える。

⚠️ 緊急・見逃してはいけない病態

  • ⚠️ 蛋白が・尿細管への・円柱形成を介してを起こしうる2や乏尿を伴えば緊急評価する。
  • ⚠️ 急性溶血による:輸血中の発熱・悪寒・低血圧を伴う場合は急性溶血性を疑い、輸血を直ちに中止する。
  • ⚠️ 尿:胆道閉塞・いずれの可能性もあり、の有無、値、画像検査へ進む。

鑑別の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dark urine'>濃色尿</span>を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chief complaint'>主訴</span>に受診"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='urine dipstick'>尿試験紙</span>:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='occult blood'>潜血</span>・ビリルビンを確認"]
    B -->|"ビリルビン陽性"| C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='conjugated bilirubin'>抱合型ビリルビン</span>尿<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='acholic stool'>灰白色便</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='direct bilirubin'>直接ビリルビン</span>を確認"]
    B -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='occult blood'>潜血</span>陽性"| D["尿沈渣で赤血球の有無を確認"]
    D -->|"赤血球あり"| E["血尿として尿路を評価"]
    D -->|"赤血球なし・少数"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hemoglobinuria'>ヘモグロビン尿</span>か<span class='jp-term jp-term-diagram' title='myoglobinuria'>ミオグロビン尿</span>か<br>溶血所見・CK・筋症状で鑑別"]
    B -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='occult blood'>潜血</span>・ビリルビンいずれも陰性"| G["濃縮尿(脱水)か薬剤・食品による着色を確認"]

まとめ

  • は色調の描写だけでは原因を特定できず、と尿沈渣の組み合わせで①尿②④血尿⑤濃縮尿の5群に整理する。
  • は水に溶けないため尿には出ない。溶血性黄疸で尿ビリルビンが陰性なのはこのためで、と対で「胆汁が腸へ行かず尿へ回った」ことを示す。
  • 陽性・尿沈渣に赤血球なしはを示唆し、血尿とは区別する。
  • によるであり、CKと腎機能・カリウムを追う。
  • 薬剤(リファンピシン・メトロニダゾール)や食品(ビート)による無害な着色も鑑別に入れる。

出典

  1. 1.Bilirubinuria(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2023)非抱合型ビリルビンは脂溶性で水に溶けないため腎から排泄されない一方、抱合型ビリルビンは水溶性であるため腎から排泄され尿中に検出されること、肝機能が正常な健常者の尿にビリルビンは検出されず、ビリルビン尿は抱合型高ビリルビン血症(肝・胆道疾患)のマーカーであることを本文から確認した。閲覧 2026-08-11
  2. 2.Rhabdomyolysis(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2025)尿試験紙のヘム検出に用いるペルオキシダーゼ試薬がミオグロビンにも反応するためヘモグロビン尿と鑑別できないこと、尿沈渣に赤血球を伴わない点でミオグロビン尿を血尿と区別できること、遊離ヘムが腎血管収縮・尿細管への直接毒性・円柱形成を介して急性腎障害を起こすことを本文から確認した。閲覧 2026-08-11