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Drug Atlas · A12 NSAIDs

メフェナム酸

mefenamic acid

分類
NSAIDs
商品名(日本)
ポンタール
商品名(EU)
Ponstan
科目
Pharmacology
トピック
A12: NSAIDs
禁忌疾患
消化性潰瘍アスピリン喘息
副作用
消化管出血
監視検査値
クレアチニン
相互作用
リチウムワルファリン

🧠 全体像:はの中でも数少ないフェナム酸系(アントラニル酸系)の代表薬で、というは他のと共通する。日本の効能・効果は月経痛・分娩後疼痛・・頭痛(他剤無効時)など複数の消炎鎮痛・の場面に及び、関節リウマチやは含まれない(英国SmPCとは適応・用法用量が異なる)1。⚠️ (・など)では、発熱時のにを含むを使うとの活性低下を招く可能性があり、日本のガイドラインは推奨度Eで使用すべきでないとする——安全な代替は23。

薬効群の中での位置づけ

分類 代表薬 特徴 主な適応
非選択的・ ・・ への親和性がやや高い ・腎/・痛風
非選択的・ (デクス)・ 心血管リスクは総じて低め 軽中等度痛・発熱・OA/RA
非選択的・フェナム酸系(アントラニル酸系) 阻害に加えPGE2受容体への直接が報告される。月経痛への適応が確立 月経痛・分娩後疼痛、軽〜中等度の疼痛・
選択的阻害 GI安全性は高いが心血管リスク OA/RA・FAPの
末梢の抗炎症作用がほぼない 発熱・痛み

⭐ フェナム酸系はの中でも一系統だけの少数派。 同系統のフルフェナム酸・トルフェナム酸は日本では流通しておらず、が事実上唯一の代表薬として臨床で使われる。

機序

/を非選択的に阻害してプロスタグランジン産生を抑えるは他のと共通(下流経路はの項参照)。フェナム酸系に特有の性質として、阻害とは独立に(PGE2)受容体を直接遮断する作用が報告されており、これがで子宮内膜のPGE2・PGF2α産生と受容体シグナルの両方を抑える根拠とされる。

💡 に強い理由はここにある。 月経時の子宮内膜はプロスタグランジン産生が亢進しており、単なる阻害だけでなく受容体レベルでの拮抗が加わることで、他のと比べて有効性の面で優位とする報告がある。

薬物動態

項目 値・特徴
吸収 経口で良好、食後投与が推奨される
分布 蛋白結合率が高い
代謝 肝CYP2C9で酸化代謝を受けたのち
排泄 主に尿中(代謝物として)、一部糞中
半減期 約2〜4時間

適応

日本の添付文書における効能・効果は以下の3群である1。

領域 使いどころ
外科・整形外科 手術後及び外傷後の炎症・腫脹の緩解1
整形外科・神経 、症、症候性、頭痛(他の消炎鎮痛剤が無効な場合)の消炎・鎮痛・1
婦人科・歯科・耳鼻科 月経痛、分娩後疼痛、副鼻腔炎、の消炎・鎮痛・1
感冒 急性(を伴う場合を含む)の・鎮痛1

⚠️ 日本の効能・効果に関節リウマチやは含まれない。 英国SmPCは関節リウマチ(スティル病を含む)・機能性のも適応とし、成人の標準用量も1回500 mgを1日3回と日本とは異なる規定である4。国内で処方する際は日本の添付文書の適応範囲に従う。

用法・用量

日本の添付文書では、適応によって用法・用量が分かれる1。

適応 用法・用量
手術後・外傷後の炎症緩解 成人1回500 mgを投与したのち、6時間ごとに1回250 mgを(年齢・症状により適宜増減)
それ以外(・症・・頭痛・副鼻腔炎・月経痛・分娩後疼痛・・急性) 通常成人1回500 mgを頓用し、原則として1日2回まで、1日最大1500 mg

いずれも食後の内服が望ましい1。実際の用量は年齢・体重・適応で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:消化性潰瘍、重篤な血液の異常、重篤な、重篤な、重篤な心機能不全、本剤成分に対する過敏症の既往、(非ステロイド性消炎鎮痛剤によるの誘発歴)、重篤な高血圧症、本剤投与により重篤な下痢を起こしたことのある患者、妊娠末期1
  • 妊娠末期以外の妊娠中も、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し、胎児の動脈管収縮を疑う所見などを確認しながら慎重投与する1
  • ⚠️ では発熱時のに使わない。 ・などの急性期にを含むを用いると、の活性低下を招く可能性があり、日本のガイドラインは推奨度Eで使用すべきでないとする。は安全に使用できる23
  • 他の・ワルファリンとの併用は、部位からの遊離置換などにより抗凝血作用を増強することがある1
  • のを低下させ血中濃度を上昇させ、を起こすことがある1

副作用

分類 内容
重大な副作用 ショック・アナフィラキシー、・・・骨髄形成不全などの血液障害、・、・・間質性腎炎、消化管出血・消化性潰瘍・大腸炎、・・黄疸、心筋梗塞・などの血栓塞栓性事象1
注意 クレアチニン上昇。慢性疾患での長期投与時は尿検査・血液検査・肝機能検査などを定期的に行う1

まとめ

  • の中でも少数派のフェナム酸系(アントラニル酸系)代表薬。阻害に加えPGE2受容体への直接拮抗が報告される。
  • 日本の効能・効果は手術後・外傷後の炎症緩解、・症・・頭痛(他剤無効時)・副鼻腔炎・月経痛・分娩後疼痛・の消炎鎮痛、急性のの3群で、関節リウマチ・は含まれない(英国SmPCとは適応・用法用量が異なる)。
  • 禁忌には消化性潰瘍・重篤な血液/肝/腎/に加え、・重篤な高血圧症・本剤による重篤な下痢の既往・妊娠末期が挙げられる。
  • (・など)の急性期には使用すべきでない(推奨度E)。にはを使う。

出典

  1. 1.ポンタールカプセル250mg 添付文書(ファイザー株式会社(PMDA添付文書情報)・2024)日本の添付文書(2024年10月改訂)で確認した。効能・効果が(1)手術後及び外傷後の炎症・腫脹の緩解、(2)変形性関節症・腰痛症・症候性神経痛・頭痛(他の消炎鎮痛剤が無効な場合)・副鼻腔炎・月経痛・分娩後疼痛・歯痛の消炎・鎮痛・解熱、(3)急性上気道炎(急性気管支炎を伴う場合を含む)の解熱・鎮痛であり、関節リウマチや機能性過多月経は効能・効果に含まれないこと、用法・用量が手術後・外傷後の炎症緩解時は成人1回500mgを投与したのち6時間ごとに1回250mgを経口投与し、それ以外の適応では通常成人1回500mgを頓用し原則1日2回まで・1日最大1500mgであること、禁忌が消化性潰瘍・重篤な血液の異常・重篤な肝機能障害・重篤な腎機能障害・重篤な心機能不全・本剤成分に対する過敏症の既往・アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発歴)・重篤な高血圧症の患者・本剤投与により重篤な下痢を起こしたことのある患者・妊娠末期の女性であること、警告の項目は設けられておらず重要な基本的注意として対症療法にとどまること・慢性疾患での長期投与時は尿検査・血液検査・肝機能検査等を定期的に行うこと・急性疾患では原則として長期投与を避けることが挙げられること、妊娠末期以外の妊娠中も治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し胎児の動脈管収縮を疑う所見等を確認しながら慎重投与とすること、重大な副作用としてショック・アナフィラキシー、自己免疫性溶血性貧血・無顆粒球症・顆粒球減少・骨髄形成不全等の血液障害、中毒性表皮壊死融解症・皮膚粘膜眼症候群、急性腎障害・ネフローゼ症候群・間質性腎炎、消化性潰瘍・大腸炎・消化管出血、劇症肝炎・肝機能障害・黄疸、心筋梗塞・脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性事象が挙げられること、ワルファリンとの併用でアルブミン結合部位からの遊離置換等により抗凝血作用が増強することがあり必要なら減量すること、リチウム製剤との併用で腎排泄低下により血中リチウム濃度が上昇しリチウム中毒を起こすことがあり血中濃度に注意し必要なら減量することを確認した閲覧 2026-09-06
  2. 2.新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2025 カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼⅠ(CPT1)欠損症(日本先天代謝異常学会・2025)diseases/cpt1a-deficiency.mdのsourcesで確認済みのPDF全文の記載を、メフェナム酸に関する部分に限定して再掲する。CPT1欠損症の急性期に体温を38℃以下に管理する際、アセトアミノフェンは安全に使用できる一方、NSAIDs(メフェナム酸・ジクロフェナクなど)はβ酸化酵素の活性低下を引き起こす可能性があり使用すべきでないとされ、推奨度Eとされていることを確認した閲覧 2026-09-04
  3. 3.新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2025 カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼⅡ(CPT2)欠損症(日本先天代謝異常学会・2025)diseases/cpt2-deficiency.mdのsourcesで確認済みのPDF全文の記載を、メフェナム酸に関する部分に限定して再掲する。CPT2欠損症の急性期に異化亢進を抑えるため体温を38℃以下に管理することが望ましく、アセトアミノフェンは安全に使用できる一方、NSAIDs(メフェナム酸・ジクロフェナクなど)はβ酸化酵素の活性低下を引き起こす可能性があり使用すべきでないとされ、推奨度Eとされていることを確認した閲覧 2026-09-03
  4. 4.Ponstan Capsules 250mg - Summary of Product Characteristics (SmPC)(Chemidex Pharma Ltd(英国, electronic Medicines Compendium)・2025)英国SmPC(改訂2025年1月)で確認した。適応が関節リウマチ(スティル病を含む)・変形性関節症・筋骨格痛/外傷痛/歯痛/頭痛・術後痛/産後痛・小児の解熱、および月経困難症・機能性の過多月経(他の骨盤内病変を除外した上で)であること、成人の標準用量が1回500 mg(2カプセル)を1日3回であること、禁忌が本剤・賦形剤への過敏症、炎症性腸疾患、NSAIDsに関連した消化管出血・穿孔の既往、活動性または再発性の消化性潰瘍、重度の心不全・肝不全・腎不全、妊娠第3三半期であること、重大な副作用として消化性潰瘍・穿孔・消化管出血(致死的となりうる)のほか血液障害・肝障害・腎障害・重篤な皮膚反応が報告されていることを確認した。⚠️ 日本の適応・用法用量・禁忌はPMDA添付文書(上記)を正本とし、本SmPCは英国承認内容との対比のためにのみ用いる閲覧 2026-09-06