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Drug Atlas · A12 NSAIDs

ケトロラク

ketorolac

分類
NSAIDs
商品名(EU)
Toradol
科目
Pharmacology
トピック
A12: NSAIDs
禁忌疾患
消化性潰瘍慢性腎臓病
副作用
出血傾向消化管出血
監視検査値
クレアチニン
相互作用
ワルファリン
対象疾患
急性胸部症候群精巣捻転・卵巣捻転尿路結石症
原因となる疾患
急性腎障害消化管出血(上部・下部)消化性潰瘍

🧠 全体像の中でも鎮痛効果が突出して強力で、オピオイドに匹敵する鎮痛力を持つ数少ない非オピオイド性として周術期・救急で重宝される。ただしその強さは消化管・腎への負荷の大きさと表裏一体で、添付文書上総使用期間5日以内という厳格な制限がかかっている点が、他のNSAIDsとの最大の違いになる。「強いから使う、でも長くは使わない」という一点に、この薬のすべてが集約される。

薬効群の中での位置づけ

の中でよりさらに鎮痛が強い薬という位置づけ。が「適応の特殊さ」で異色なのに対し、は「使用期間の特殊さ」で異色。連日・長期投与が前提のとは対照的に、急性期のとして短期集中で使う薬と理解する。

機序

非選択的/COX-2阻害でプロスタグランジン産生を抑える点は他のsと同じだが、鎮痛(力価)が経口NSAIDsの中でも際立って高い。詳しい共通機序はの項を参照。

モルヒネ換算で語られるほどの鎮痛力を持ちながらには作用しないため、呼吸抑制・依存のリスクなく術後を管理できる点が、周術期でオピオイド温存戦略()の主力になる理由。

薬物動態

項目 値・特徴
約80〜100%(経口・IM・IVいずれも高い曝露が得られる)
分布 蛋白結合率>99%
代謝 一部、大部分は未変化体のまま
排泄 主に(未変化体が多い)
半減期 約4〜6時間(高齢者・腎機能低下でさらに延長)

適応

中等度〜重度の短期管理のみ(周術期、外傷後など)。

領域 使いどころ
周術期 術後の主力
泌尿器 と並ぶ第一選択
救急・外科 など、診察・手術を待つ間の

用法・用量

IV/IM 10〜30 mgを6時間ごと(1日最大120 mg、高齢者はより低用量)、PO 10 mgを4〜6時間ごと(1日最大40 mg)。経路を問わずいずれも総使用期間5日以内に厳しく制限する。実際の用量は年齢・腎機能・体重で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:活動性消化性潰瘍・消化管出血、腎障害、周術期のCABG()、他のNSAIDs・アスピリンとの併用
  • ⚠️ 使用期間5日超は禁忌に準じる制限。 長期使用で重篤な消化管出血・のリスクが跳ね上がるため、の管理には使わない
  • 相互作用ワルファリンなどの抗凝固薬・との併用は出血リスクを著しく高めるため添付文書上も避けるべき組み合わせとされる

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心、傾眠、頭痛
注意 消化管出血/潰瘍、腎機能低下(クレアチニン上昇)
重篤・まれ 重度消化管出血・穿孔、の増悪(抑制による

まとめ

  • の中で鎮痛が最も強力な部類。オピオイドに匹敵する鎮痛力を非オピオイド機序で持つ。
  • 使用期間は経路を問わず総5日以内に厳しく制限される数少ないNSAID。
  • 周術期のの主力。にも第一選択。
  • 消化管出血・のリスクが高く、他のNSAIDs・抗凝固薬との併用は避ける。
  • の管理には使わない——「強いから短期」という原則がこの薬のすべて。