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Drug Atlas · A12 NSAIDs

フルルビプロフェン

flurbiprofen

分類
NSAIDs
商品名(日本)
フロベンロピオン
科目
Pharmacology
トピック
A12: NSAIDs
承認適応
関節リウマチ変形性関節症
禁忌疾患
消化性潰瘍アスピリン喘息
副作用
消化管出血痙攣
監視検査値
クレアチニン
相互作用
ノルフロキサシンロメフロキサシン
原因となる疾患
消化性潰瘍

🧠 全体像:フルルビプロフェンはの一つで、「フロベン」・注射用「ロピオン」・点眼薬(米国のOcufen等)という3つの異なる剤形で、異なる臨床場面に使われるのが特徴である。は関節リウマチ・など慢性の炎症性疼痛に、注射用「フルルビプロフェンアキセチル」はに封入することで水溶性を持たせ、・がん性疼痛にできるようにしたもの、点眼薬は眼科手術中のを防ぐという他のにあまりない適応を持つ。⚠️ 日本の臨床で特に重要なのは、特定のニューキノロン系抗菌剤(エノキサシン・ロメフロキサシン・・プルリフロキサシン)との併用が禁忌であることで、ロメフロキサシンやの添付文書にも同じ禁忌が鏡合わせで記載されている1。

位置づけ

フルルビプロフェンはに分類され、()を阻害してプロスタグランジン産生を抑制することで抗炎症・・鎮痛作用を発揮する1。非選択的阻害薬であり、のような選択的阻害薬とは異なり阻害による消化管・腎への影響も同時に受ける。

日本では3つの剤形が別々のブランド名で流通している。

剤形 ブランド名 主な用途
経口錠・顆粒 フロベン 関節リウマチ・・症など慢性疼痛の鎮痛・消炎1
注射用(封入) ロピオン ・各種癌の疼痛(が困難または不十分な場合)2
点眼液(米国等) Ocufen 等 等におけるの抑制3

機序

💡 ロピオンは「なぜ静注できるが必要だったか」で理解する。 フルルビプロフェン自体は水にほとんど溶けないため、そのままではできない。フルルビプロフェンアキセチルはこれを(リポ)に封入したとすることで静注を可能にした製剤である2。

静注後、体内のカルボキシエステラーゼによって速やかに加水分解され、投与5分後には未変化体(アキセチル体)は検出されず、フルルビプロフェンのみが血中に存在する2。⭐ つまり薬効そのものはと同じフルルビプロフェンの阻害作用に由来し、製剤の違いが「」を変えているだけである。

点眼薬の機序も同じ阻害だが、想定している標的が異なる。眼内で生成されるプロスタグランジンはの収縮を介して経路とは独立にを起こしうるため、これを術前から点眼で抑えておくことで手術操作中のを保つ3。

適応

  • 経口(フロベン):関節リウマチ、、症、、炎の鎮痛・消炎、ならびに歯科領域における小手術後の鎮痛・消炎1
  • 注射(ロピオン):術後および各種癌における鎮痛。が不可能または効果不十分な場合に用いる2
  • 点眼(米国Ocufen等):等におけるの抑制3。への有意な影響は認められていない

用法・用量

  • フロベン錠40:通常成人1回1錠、1日3回食後(頓用時1〜2錠)1
  • フロベン顆粒8%:通常成人1回0.5g、1日3回食後(頓用時0.5〜1g)1
  • ロピオン静注50mg:フルルビプロフェンアキセチルとして1回50mgをできるだけゆっくり注射し、その後必要に応じてする(年齢・症状により適宜増減)2
  • 点眼(米国):手術2時間前から30分ごとに1滴、計4滴を点眼する3

禁忌・注意

日本の電子添文(フロベン・ロピオンとも共通)は禁忌を10項目に分けている12。

💡 この禁忌はフルルビプロフェンに限らない。 同じ理由での添付文書は「フェンブフェン、フルルビプロフェンアキセチル、フルルビプロフェン、エスフルルビプロフェン ハッカ油」をに挙げており、日本のニューキノロン系添付文書に共通する注意点である。

米国の点眼薬は禁忌を成分過敏症のみに絞る一方、阻害による眼組織の増加(前房出血を含む)と創傷治癒遅延をとして明記している3。

副作用

重大な副作用として、ショック・アナフィラキシー、・、胃腸出血、、、・・、痙攣、心筋梗塞・が挙げられている(フロベン・ロピオンとも共通)12。阻害薬に共通する機序(保護PGの減少・調節PGの減少・)に沿った副作用プロファイルである。

まとめ

  • フルルビプロフェンはで、経口(フロベン)・注射用(ロピオン)・点眼(Ocufen等)の3剤形が異なる臨床場面で使われる。
  • 注射用のフルルビプロフェンアキセチルはに封入したで、静注5分後にはカルボキシエステラーゼによる加水分解が完了しフルルビプロフェンのみが検出される。
  • 点眼薬はの抑制という、経口・注射薬には無い独自の適応を持つ。
  • ⚠️ 特定のニューキノロン系抗菌剤(エノキサシン・ロメフロキサシン・・プルリフロキサシン)との併用は禁忌——阻害の増強による痙攣リスクのため。この4剤以外のニューキノロン系とは「併用注意」にとどまる。
  • 禁忌・副作用のプロファイルは他の(消化性潰瘍・・重篤な腎肝への禁忌、胃腸出血・などの重大な副作用)と共通する。

出典

  1. 1.フロベン錠40・フロベン顆粒8% 電子添文(2024年10月08日改訂)(科研製薬株式会社/医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2024)効能・効果が「関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、歯髄炎、歯根膜炎」の鎮痛・消炎と「抜歯ならびに歯科領域における小手術後」の鎮痛・消炎であること、用法・用量がフロベン錠40で通常成人1回1錠を1日3回食後経口投与(頓用時1〜2錠)、フロベン顆粒8%で通常成人1回0.5gを1日3回食後経口投与(頓用時0.5〜1g)であること、禁忌が全10項目(2.1消化性潰瘍、2.2重篤な血液異常、2.3重篤な肝障害、2.4重篤な腎障害、2.5重篤な心機能不全、2.6重篤な高血圧症、2.7本剤成分への過敏症既往、2.8アスピリン喘息またはその既往、2.9特定のニューキノロン系抗菌剤〔エノキサシン・ロメフロキサシン・ノルフロキサシン・プルリフロキサシン〕投与中、2.10妊娠後期)であること、併用禁忌が同じ4薬剤で理由が「痙攣があらわれるおそれがある」であること、併用注意として他のニューキノロン系抗菌剤・クマリン系抗凝血剤(ワルファリン、作用増強)・メトトレキサート(中毒症状の報告)・リチウム製剤(リチウム中毒のおそれ)・チアジド系及びループ利尿薬(作用減弱)・副腎皮質ホルモン剤(消化器系副作用増強)・CYP2C9阻害薬(血中濃度上昇のおそれ)が挙げられていること、重大な副作用が8項目(ショック・アナフィラキシー、急性腎障害・ネフローゼ症候群、胃腸出血、再生不良性貧血、喘息発作、中毒性表皮壊死融解症・Stevens-Johnson症候群・剥脱性皮膚炎、痙攣、心筋梗塞・脳血管障害)であること、作用機序がシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害によるプロスタグランジン産生抑制であることを確認した。閲覧 2026-09-16
  2. 2.ロピオン静注50mg 電子添文(2024年10月改訂・第2版)(科研製薬株式会社/医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2024)効能・効果が「下記疾患並びに状態における鎮痛:術後、各種癌」であること、用法・用量が成人にフルルビプロフェンアキセチルとして1回50mgをできるだけゆっくり静脈内注射しその後必要に応じて反復投与すること、禁忌・併用禁忌(特定のニューキノロン系抗菌剤4種との併用による痙攣発現)がフロベンと同一の内容であること、本剤が脂肪乳剤(リポマイクロスフィア)に封入されたフルルビプロフェンアキセチルのプロドラッグ製剤であり、カルボキシエステラーゼにより加水分解されて生じたフルルビプロフェンのプロスタグランジン生合成阻害作用に基づいて薬効を発揮すること、投与5分後には未変化体(アキセチル体)が消失しフルルビプロフェンのみが検出されることを確認した。閲覧 2026-09-16
  3. 3.Flurbiprofen Sodium Ophthalmic Solution, USP 0.03%(U.S. Food and Drug Administration(Pacific Pharma)・2004)米国では点眼液としてFlurbiprofen Sodium Ophthalmic Solution 0.03%が「inhibition of intraoperative miosis(術中縮瞳の抑制)」を適応として承認されていること、用法が手術2時間前から30分ごとに1滴、計4滴を点眼すること、機序が経口・注射剤と同じCOX阻害によるプロスタグランジン合成抑制であり、虹彩括約筋の収縮を介した術中縮瞳をコリン作動性経路と独立に抑制すると考えられていること、禁忌が本剤成分への過敏症のみであること、警告として血小板凝集阻害による眼組織の出血傾向増加(前房出血を含む)と創傷治癒遅延の可能性が挙げられていることを確認した。閲覧 2026-09-16