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Drug Atlas · C14 Antibiotics / 抗菌薬 · 必修

ロメフロキサシン

lomefloxacin

分類
Antibiotics / 抗菌薬
商品名(日本)
バレオン
科目
Pharmacology
トピック
C14: Quinolones and fluoroquinolones
承認適応
尿路感染症市中肺炎
標的微生物
Staphylococcus aureusEscherichia coliKlebsiella pneumoniaeProteus mirabilisPseudomonas aeruginosaHaemophilus influenzae
副作用
皮疹痙攣
相互作用
バルプロ酸フルルビプロフェン

🧠 全体像:ロメフロキサシンは第2世代抗菌薬で、やと同世代の「尿路・呼吸器寄りの旧世代キノロン」にあたる。半減期が7〜8時間と長く1日2回投与で足りる一方、の中でもの頻度が特に高い薬として知られ、では1.03%にが発現した。⚠️ フルルビプロフェンアキセチル・フルルビプロフェンとの併用は禁忌という、日本のニューキノロン系に特有の注意点も持つ(阻害作用がで増強され痙攣を誘発するおそれがあるため)。国内では経過措置期間が満了し、販売が終了しつつある薬でもある。

キノロン系の中での位置づけ

世代 代表薬 特徴
第一世代 なし。尿路感染症のみ
第二世代(尿路寄り) ロメフロキサシン、、 尿中濃度は高いが組織移行は限定的。の頻度が高い系統
第三世代以降(呼吸器型) など 肺炎球菌カバーを強化し全身性感染に使用

⭐ の頻度はフルオロキノロンの中でも薬剤ごとに大きく異なり、ロメフロキサシンはその中でも高い部類に入る。 全国100施設の(4,276例)ではが1.03%に発現し、60歳以上かつ投与期間30日以上の群では6.43%まで上昇した1。投与にあたっては日光曝露を避けるよう指導することが重要な基本的注意として明記されている2。

機序

flowchart TD
    A["ロメフロキサシンが菌体内へ移行"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='deoxyribonucleic acid'>DNA</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='gyrase (DNA gyrase)'>ジャイレース</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='topoisomerase IV'>トポイソメラーゼIV</span>に結合"]
    B --> C["酵素と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='deoxyribonucleic acid'>DNA</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cleavage complex'>開裂複合体</span>を安定化"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='deoxyribonucleic acid'>DNA</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='double-strand break'>二重鎖切断</span>が再結合できず蓄積"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='deoxyribonucleic acid'>DNA</span>複製・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chromosome segregation'>染色体分配</span>が停止し、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bactericidal'>殺菌的</span>に作用"]

他のと同じく、との再結合過程を阻害するの。

薬物動態

項目 値・特徴
Tmax 約1時間でCmaxに達した後、に減衰する
半減期(β相のT1/2) 約7〜8時間(1日2回投与を可能にする)
腎機能低下時 半減期が延長する
Al³⁺・Mg²⁺含有製剤(等)と難溶性を形成し、本剤の効果が減弱するおそれがある2

適応

領域 使いどころ
皮膚 表在性・皮膚感染症、骨髄炎、関節炎
呼吸器 、、
尿路・生殖器 尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、尿道炎)
その他 、中耳炎、副鼻腔炎

用法・用量

通常、成人にはロメフロキサシンとして1回100〜200 mgを1日2〜3回する。実際の用量は適応・年齢・体重・腎機能で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する2。

禁忌・注意

  • 禁忌:本剤成分への過敏症の既往歴のある患者、フルルビプロフェンアキセチル(ロピオン)またはフルルビプロフェン(フロベン等)を投与中の患者(ニューキノロン系の阻害作用がとの併用で増強され痙攣を誘発するおそれがあるため)、妊婦または妊娠している可能性のある女性、小児等
  • ⚠️ :の中でも頻度が高く、日光曝露を避けるよう患者指導を行う1
  • ⚠️ ・:重要な基本的注意として観察を十分に行う
  • ⚠️ 重症筋無力症:悪化が報告されており(頻度不明)、特定の背景を有する患者への注意として記載されている
  • バルプロ酸併用中の痙攣性疾患患者:フェニル・(フルルビプロフェンアキセチル・フルルビプロフェンを除く)との併用でも同じ機序で痙攣リスクが増強されるため注意
  • :Al³⁺・Mg²⁺含有製剤との併用で本剤の効果が減弱するおそれがある

副作用

頻度 内容
注意 (1.03%)、全身発疹等の状
重篤・まれ 痙攣、、、、重症筋無力症の悪化

まとめ

  • 第二世代の尿路・呼吸器寄りフルオロキノロン。半減期が7〜8時間と長く1日2回投与で足りる。
  • の中でもの頻度が高く(で1.03%、高齢かつ長期投与で6.43%)、日光曝露を避けるよう患者指導が必須。
  • フルルビプロフェンアキセチル・フルルビプロフェンとの併用は、阻害の増強による痙攣リスクから禁忌という、日本のニューキノロン系に特有の注意点を持つ。
  • ・、重症筋無力症の悪化もフルオロキノロン共通の注意点として記載されている。
  • 国内では経過措置期間が満了し、販売が終了しつつある薬である。
  • ・治療ガイドライン2023では内服抗菌薬の推奨度C1に位置づけられている3。

出典

  1. 1.Photosensitivity Reactions Caused by Lomefloxacin Hydrochloride: A Multicenter Survey(Antimicrobial Agents and Chemotherapy・1998)全国100施設が参加した1991年10月〜1993年10月の2年間の市販後調査で、登録4,284例中4,276例を解析し、光線過敏症が44例(1.03%)に認められたこと(軽度17例・中等度25例・重度1例で、大部分は投与中止後に軽快または正常化した)、60歳以上かつ投与期間30日以上の患者群で発現率が6.43%と最も高かったこと、投与日数30日以上・総投与量20g以上・キノロン服薬歴ありが発症しやすい治療要因として挙げられていることを確認した(原文は「the symptoms in most patients were not severe and improved after discontinuation of LFLX treatment」)。閲覧 2026-09-16
  2. 2.バレオンカプセル100mg/バレオン錠200mg(塩酸ロメフロキサシン)医薬品インタビューフォーム(2023年7月改訂・第14版)(ヴィアトリス製薬株式会社・2023)禁忌(2. 禁忌)が「本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者」「フルルビプロフェンアキセチル又はフルルビプロフェンを投与中の患者」「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」「小児等」の4項目であること、フルルビプロフェンアキセチルとの併用禁忌の理由が「ニューキノロン系抗菌剤のGABA受容体結合阻害作用が、非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用により増強され、痙攣が誘発されると考えられている」ためであること(10.1併用禁忌)。重要な基本的注意として8.2光線過敏症・全身発疹等の皮膚症状(日光曝露をできるだけ避けること等の指導)、8.3大動脈瘤・大動脈解離、8.4急性腎障害等の重篤な腎障害が挙げられていること。9.1.3として重症筋無力症の患者への注意があり、11.1.13重症筋無力症の悪化(頻度不明)が重大な副作用に含まれること。効能・効果に表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、骨髄炎、関節炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、尿道炎、感染性腸炎、中耳炎、副鼻腔炎等が含まれること、用法・用量が通常成人にロメフロキサシンとして1回100〜200 mgを1日2〜3回経口投与であること。薬物動態でCmaxに達した後二相性に減衰しβ相のT1/2が7〜8時間であり、腎機能低下に伴いT1/2が延長すること。10.2併用注意にアルミニウム又はマグネシウム含有製剤(キレート形成による吸収阻害)、フェニル酢酸系・プロピオン酸系(フルルビプロフェンアキセチル・フルルビプロフェンを除く)非ステロイド性消炎鎮痛剤(同じくGABA受容体結合阻害の増強による痙攣リスク)が挙げられていることを確認した。閲覧 2026-09-16
  3. 3.尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023(日本皮膚科学会・2023)J-STAGE から取得した全文PDF(日皮会誌133(3):407-450)で次を確認した。「本ガイドラインは、本邦における痤瘡の標準的な治療法を示すものであり、痤瘡・酒皶に対して本邦において適用を有するあるいは使用実態のある医薬品、施術を採用した。なお、本邦における未承認薬については、現時点での推奨は困難と考え採用していない」と作成方針に明記されていること。CQ26の解説で「嚢腫は抗菌薬に反応しにくいため、海外ではレチノイド内服が勧められているが、本邦では使用できない。以上より、レチノイド内服に代わる局所療法の一つとして、炎症を伴う嚢腫内へのステロイド局所注射を推奨する」と述べ、CQ26の推奨度がBであること。用語の定義で急性炎症期の治療期間を「最大3カ月間を目安として、維持期の治療へ移行する」としていること。CQ11で炎症性皮疹に内服抗菌薬を強く推奨しつつ、解説でGlobal Alliance(文献52、Thiboutot 2009)が「内服抗菌薬の投与は3カ月までとし、6〜8週目に再評価して継続の可否を判断する」「内服抗菌薬の単独療法や外用抗菌薬との併用は避け、過酸化ベンゾイルやアダパレンとの併用や維持療法を推奨する」としていると紹介していること(この3カ月・6〜8週はガイドライン自身の推奨文ではなくGlobal Allianceの提言として引かれている)。内服抗菌薬の推奨度がドキシサイクリンA、ミノサイクリンA*、ロキシスロマイシン・ファロペネムB、テトラサイクリン・エリスロマイシン・クラリスロマイシン・レボフロキサシン・トスフロキサシン・シプロフロキサシン・ロメフロキサシン・セフロキシムアキセチルC1であり、A*が「Aに相当する有効性のエビデンスがあるが、副作用などを考慮すると推奨度が劣る」と定義されていること。CQ38で経口避妊薬・低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬がC2(他の治療で改善が不十分で結果的に避妊につながることを容認する成人女性に使用してもよいが推奨しない。痤瘡治療に対して本邦では未承認かつ保険適用外)、CQ39でスピロノラクトン内服がC2(炎症性皮疹・面皰のいずれを主体とする痤瘡にも推奨しない)であること。CQ27〜29で炎症軽快後の寛解維持にアダパレン0.1%ゲル、過酸化ベンゾイル2.5%ゲル、アダパレン0.1%/過酸化ベンゾイル2.5%配合ゲルがいずれも推奨度Aであること。重症度をアクネ研究会の基準(Hayashi N ら、J Dermatol 35巻255-260頁、2008年)により片顔の炎症性皮疹5個以下=軽症、6個以上20個以下=中等症、21個以上50個以下=重症、51個以上=最重症としていること。用語の定義で「炎症性皮疹」を紅色丘疹と膿疱(および紅暈、紅斑)とし「直径5 mmを超える丘疹を結節と呼ぶことがある」と付していること、「炎症後の紅斑」を炎症所見消失後に一時的に残る紅斑として別に定義していること、「(痤瘡)瘢痕」を「皮膚の陥凹(萎縮性瘢痕あるいは陥凹性瘢痕と呼ぶ)、隆起(肥厚性瘢痕とケロイドを含む)、色素沈着からなる症状」と定義していること。閲覧 2026-09-05