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Drug Atlas · B18 Antidiabetics / 糖尿病薬 · 必修

リラグルチド

liraglutide

分類
Antidiabetics / 糖尿病薬
商品名(日本)
ビクトーザサクセンダ
商品名(EU)
VictozaSaxenda
科目
Pharmacology
トピック
B18: Pancreatic hormones and parenterally applied antidiabetic drugs
禁忌疾患
多発性内分泌腫瘍症甲状腺癌
副作用
悪心嘔吐腹痛
監視検査値
血糖
対象疾患
2型糖尿病糖尿病性腎症肥満症
原因となる疾患
胃不全麻痺急性膵炎胆石症

🧠 全体像は、天然のGLP-1(半減期わずか数分)に脂肪酸()鎖を付けてアルブミンに結合させ、DPP-4分解からも守ることで半減期を数分から約13時間へ引き延ばした、1日1回投与を実用化した最初のGLP-1受容体作動薬である。インスリンのように血糖を強制的に下げるのではなく、「血糖が高いときだけを後押しする」というの効き方が低血糖の少なさと体重減少を同時にもたらし、LEADER試験で心抑制を示した最初のGLP-1作動薬という歴史的な位置づけも持つ。

薬効群の中での位置づけ

関連薬は「GLP-1受容体だけを叩く薬」と「GIP・GLP-1の両方を叩く薬」に大別され、(1日2回〜週1回)との程度で使い分けが進んでいる。

グループ 代表薬 特徴・
GLP-1受容体作動薬 1日2回(製剤は週1回) 由来。ヒトGLP-1アナログではない最初の世代
GLP-1受容体作動薬 1日1回 1日1回を実用化した最初のアナログ。LEADER試験で心抑制
GLP-1受容体作動薬 週1回 Fc型。REWIND試験で広い集団に心抑制
GLP-1受容体作動薬 週1回(経口製剤は1日1回) 最も強力な単剤GLP-1作動薬。SUSTAIN-6・SELECT試験。経口製剤(リベルサス)が存在
GIP/GLP-1 週1回 GIPとGLP-1のを同時に作動させる唯一の薬。血糖・体重減少効果が最強

の違いは「起源」にある。 はヒトGLP-1とは別物の(トカゲ由来ペプチド)を基にしており、を持つ。はヒトGLP-1のを土台に脂肪酸鎖を加えただけのヒト型アナログであり、このにも受け継がれている。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='liraglutide'>リラグルチド</span>がGLP-1受容体(Gs共役型GPCR)に結合"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='adenylyl cyclase, AC'>アデニル酸シクラーゼ</span>活性化→cAMP↑→PKA活性化"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pancreatic beta cell'>膵β細胞</span>:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glucose-dependent'>グルコース依存性</span>に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='insulin secretion'>インスリン分泌</span>↑"]
    B --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pancreatic alpha cell'>膵α細胞</span>:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glucose-dependent'>グルコース依存性</span>にグルカゴン分泌↓"]
    A --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vagal afferents'>迷走神経求心路</span>・視床下部(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='arcuate nucleus'>弓状核</span>)へ作用"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='delayed gastric emptying'>胃排出遅延</span>"]
    E --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='appetite suppression'>食欲抑制</span>→摂食量↓"]
    C --> H["血糖低下(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glucose-dependent'>グルコース依存性</span>のため単独では低血糖を来しにくい)"]
    D --> H

💡 」が低血糖の少なさとインスリンとの本質的な違いを作る。 インスリンは血糖値に関係なく細胞へのブドウ糖取り込みを強制するが、GLP-1受容体作動薬は血糖が高いときだけを後押しし、血糖が下がればその効果も弱まる。この性質のため、GLP-1作動薬単独では重症低血糖をほとんど起こさない(インスリンやと併用すると話は別である)。

薬物動態

項目 値・特徴
経路 皮下注射
半減期 約13時間(脂肪酸鎖によるとDPP-4分解耐性による)
1日1回
代謝 蛋白質として全身で。特定の主要は関与しない

適応

領域 使いどころ
糖尿病治療 2型糖尿病。ASCVD合併例では心抑制目的でも選択される(LEADER試験)
高用量製剤(サクセンダ)としての体重管理に用いる(SCALE試験)。減量幅はよりやや小さい

用法・用量

皮下注射で、低用量から開始し消化器症状を見ながら週単位で漸増する(2型糖尿病用と用で最終用量・製剤が異なる)。実際の用量は適応・体重・で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌の既往・の家族歴、(MEN2)(げっ歯類で増加が確認されたためのFDAの。ヒトでのは確立していない)
  • ⚠️ の既往・疑いでは投与を再考する
  • 胆石・胆嚢炎のリスクが体重減少に伴い増加しうる
  • 重度のでは作用により症状が悪化しうる
  • インスリン・と併用する場合は低血糖リスクが上昇するため減量を検討する

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心嘔吐で軽減することが多い)、下痢または便秘
注意 注射部位反応、食欲低下に伴う体重減少(の場合は望ましいが、過度な場合は評価する)
重篤・まれ 腹痛で疑う)、・胆嚢炎、

まとめ

  • 天然GLP-1に脂肪酸鎖を付けてアルブミンに結合させ、半減期を約13時間へ延ばした1日1回投与のGLP-1受容体作動薬。
  • ↑・グルカゴン↓、という共通機序を持つ。
  • のため単独では低血糖を来しにくい。
  • LEADER試験で心抑制を示した最初のGLP-1作動薬。
  • 高用量製剤(サクセンダ)は治療にも用いられる。
  • ・MEN2の既往・家族歴は禁忌。に注意する。