薬剤ノート一覧へ

Drug Atlas · B18 Antidiabetics / 糖尿病薬

デュラグルチド

dulaglutide

分類
Antidiabetics / 糖尿病薬
商品名(日本)
トルリシティ
商品名(EU)
Trulicity
科目
Pharmacology
トピック
B18: Pancreatic hormones and parenterally applied antidiabetic drugs
禁忌疾患
多発性内分泌腫瘍症甲状腺癌
副作用
悪心嘔吐腹痛
監視検査値
血糖
対象疾患
2型糖尿病
原因となる疾患
急性膵炎

🧠 全体像:は、アナログを免疫グロブリンG4()のに融合させた大きなとして設計された週1回投与の受容体作動薬である。の「脂肪酸でアルブミンに結合させる」方式とは異なる仕組みで長時間作用を実現しており、への依存が小さいため腎機能低下例でも使いやすい。REWIND試験は心血管疾患の既往がなくリスク因子だけを持つ患者を多く含んだという点でLEADER・SUSTAIN-6と一線を画し、作動薬の心血管保護効果がより広い集団に一般化できることを示した。

薬効群の中での位置づけ

グループ 代表薬 特徴・
受容体作動薬 1日2回(徐放製剤は週1回) 由来の第一世代
受容体作動薬 1日1回 脂肪酸鎖で。LEADER試験
受容体作動薬 週1回 型。REWIND試験で広い集団に心血管イベント抑制
受容体作動薬 週1回(経口製剤は1日1回) 最も強力な単剤作動薬。経口製剤(リベルサス)も存在
GIP/ 週1回 GIPとのを同時作動。血糖・体重減少効果が最強

⭐ のの違いが試験で問われやすい。LEADER()・SUSTAIN-6()は主に確立した性心血管疾患を持つ患者を対象にしたのに対し、REWIND()は心血管疾患の既往がなくリスク因子だけの患者も過半数含んでいた。この違いが、の心血管イベント抑制効果がに近い集団でも成り立つという解釈につながっている。

機序・薬物動態

作動する受容体・下流のシグナル(受容体→Gs→↑→↑・グルカゴン↓、、)はと共通する。に固有なのは、アナログ部分と を融合させることで分子量を大きくし、でのろ過を受けにくくして半減期を約5日まで延ばしたという設計である。分解にも耐性を持つ。この構造によりへの依存が小さく、中等度〜重度の腎機能低下例でも比較的使いやすい。

適応

領域 使いどころ
糖尿病治療 2型糖尿病の
心血管リスク低減 心血管疾患の既往またはリスク因子を持つ2型糖尿病患者の心血管イベント抑制(REWIND試験)

用法・用量

週1回、曜日を固定して皮下注射する。あらかじめ薬液が充填されたペン型デバイス()で、針が見えず操作が単純な設計になっている。実際の用量は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心・嘔吐、下痢(で軽減することが多い)
注意 注射部位反応
重篤・まれ (腹痛で疑う)、()

まとめ

  • アナログを に融合させた週1回投与の受容体作動薬。
  • Fc融合による分子量増大で腎ろ過を受けにくく、腎機能低下例でも比較的使いやすい。
  • REWIND試験は心血管疾患の既往がない患者も多く含み、作動薬の心血管保護効果をより広い集団に広げた。
  • あらかじめ充填されたで操作が簡便。
  • ・の既往・家族歴は禁忌。