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Disease Atlas · 耳鼻咽喉科 · 疾患

メニエール病

Ménière's disease

別名
メニエール症候群
臓器系
耳鼻咽喉科
科目
ENT
トピック
耳鼻咽喉科 20:メニエール症候群・メニエール病と治療選択肢耳鼻咽喉科 21:BPPV・前庭神経炎・メニエール病の鑑別診断
鑑別疾患
Cogan症候群外リンパ瘻多発性硬化症内耳炎(迷路炎)脳梗塞良性発作性頭位めまい症・前庭神経炎
続発疾患
感音難聴
治療薬
ベタヒスチンヒドロクロロチアジドデキサメタゾンゲンタマイシンジメンヒドリナートシナリジン
症状
めまい悪心耳鳴中音域感音難聴嘔吐眼振補充現象

🧠 全体像は「20分〜12時間回転性めまいが2回以上」+「聴力検査で確認されたの低〜」+「片側の」の3点セットで診断するである。病理学的にはと関連するが、水腫があれば必ず発症するわけではなく、あくまで臨床診断が中心となる。治療は短期の対症療法→生活調整・維持療法→治療→(難治例のみ)へと段階化する。

定義と病態

は特発性ので、腔の貯留)と関連するとされるが、水腫の存在と症状発現のは単純な一対一対応ではない。

外傷、感染、自己免疫疾患など既知の原因により類似の症候群を来す場合は「メニエール症候群」として原因疾患名を明示し、原因不明の特発性と区別する。

臨床像

  • 反復性・の回転性めまい、悪心・嘔吐、眼振
  • 片側性での低〜。経過とともに固定化・広帯域化することがある
  • 片側性
  • を伴わず突然転倒する由来の発作(頻度は高くない)

診断基準

Bárány Society(2015年国際コンセンサス基準、現行)による確実は以下の全てを満たすことである。

  1. 20分〜12時間持続する回転性めまい発作が2回以上
  2. 発作前後または発作中に、聴力検査で低〜の感音難聴を1回以上確認
  3. 患側の耳症状(聴覚・のいずれか)
  4. 他疾患でよりよく説明されない

疑いでは発作持続が20分〜24時間まで許容され、聴力検査での証明は必須ではない。は全例で行い、非典型例や片側性が持続する例ではなどのを除外する。

鑑別

分類 代表疾患・手掛かり
末梢性 、自己免疫性内耳疾患
中枢性・血管性 、脳幹・腫瘍
代謝性・全身性 、糖尿病、梅毒、

を他の末梢性回転性めまいと分けるのは、20分〜12時間という発作と、聴力検査で確認できるの聴覚症状の存在である。

治療

急性発作

短期間のなど)で症状を緩和し、と転倒予防を行う。⚠️ の長期連用はを遅らせるため避ける。やルーチンのは現行の標準治療ではない。

発作予防・機能支援

  • 睡眠・ストレス、・アルコール・など個々の誘因を記録し、持続可能な生活調整を行う
  • 利尿薬は維持療法の選択肢だが、効果にはがあり限界を説明する
  • 補聴器、
  • 慢性のにはを行うが、急性発作そのものへの治療効果はない

鼓膜へを反復するは、明確な利益が示されておらずルーチンには推奨しない。

段階的介入

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lifestyle advice'>生活指導</span>+<span class='jp-term jp-term-diagram' title='maintenance medication'>維持薬物療法</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='betahistine'>ベタヒスチン</span>・利尿薬など)"] --> B{"生活障害を来す発作が持続するか"}
    B -->|"いいえ"| C["聴覚・平衡・生活の質を定期的に経過観察"]
    B -->|"はい"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Intratympanic'>鼓室内</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='dexamethasone'>デキサメタゾン</span>などのステロイド"]
    D --> E{"なお活動性あり"}
    E -->|"あり、聴覚温存を重視"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='endolymphatic sac surgery'>内リンパ嚢手術</span>などを個別に検討"]
    E -->|"あり、めまい制御を優先"| G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Intratympanic'>鼓室内</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='gentamicin'>ゲンタマイシン</span>"]
    G --> H{"難治性"}
    H -->|"実用聴力あり"| I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vestibular nerve section'>前庭神経切断術</span>"]
    H -->|"実用聴力なし"| J["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='labyrinthectomy'>迷路摘出術</span>±<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cochlear implant'>人工内耳</span>"]

⚠️ 作用で発作を抑えるが、難聴やのリスクを伴う。は患耳の残存前庭・聴覚機能を破壊するため、実用聴力がない耳に限定する。は発作頻度、聴力、両側性の有無、職業、、患者の希望を総合して個別に決める。

まとめ

  • 確実の核は、20分〜12時間の発作が2回以上と、聴力検査で確認されたの低〜である。
  • は急性の短期使用に限り、長期連用はを妨げる。
  • 難治例はまたはへと、聴力温存とめまい制御のどちらを優先するかで段階的に個別化する。