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Drug Atlas · B24 Antiemetics / 制吐薬 · 必修

ジメンヒドリナート

dimenhydrinate

分類
Antiemetics / 制吐薬Antihistamines / 抗ヒスタミン薬
商品名(日本)
ドラマミン
商品名(EU)
Daedalon
科目
Pharmacology
トピック
B26: Histamine and antihistaminesB24: Antiemetic drugs. Prokinetic agents
禁忌疾患
前立腺肥大症閉塞隅角緑内障
副作用
傾眠
対象疾患
メニエール病内耳炎(迷路炎)良性発作性頭位めまい症・前庭神経炎
原因となる疾患
せん妄抗コリン薬中毒

🧠 全体像:嘔吐へ至る4経路(CTZ・消化管・大脳皮質)のうち、が受け持つのはのH1・ムスカリン経路だけであり、これが他の・D2拮抗薬・)とほぼ守備範囲が重ならない理由になっている。)やのめまいは、もD2拮抗薬もほとんど効かない領域で、ここに効くのが第1世代H1抗ヒスタミン薬+を持つである。実体はを結合させた塩で、後者は鎮静を弱めるために加えられた成分——「というより」という理解がこの薬の位置づけを決める。

薬効群の中での位置づけ

は「へ至るどの経路を遮断するか」で使い分ける。

経路 受容体 代表薬 得意な場面
H1・ムスカリン (他のが効きにくい領域)
CTZ+消化管 5-HT3 CINV急性期・PONV
CTZ D2 低下を伴う嘔吐
CTZ NK1/Substance P (フォス) CINV

同士で比べると、の立ち位置がより明確になる。

機序 特徴
H1遮断+抗コリン(塩) 頓用・短期使用の定番。鎮静が強め
純粋な で長時間の予防に向く(船旅など)
H1遮断+非選択的Ca拮抗 作用が比較的強い

「なぜやD2拮抗薬ではが治らないのか」が試験の急所。 は視覚と)からの入力の不一致が引き金であり、CTZや消化管の受容体を通らない。だからこの経路にはH1・ムスカリン遮断薬(周辺のH1/M受容体を止める薬)が必要になる。

機序

flowchart TD
    A["視覚情報と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vestibular system'>前庭系</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='semicircular canals'>半規管</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Otolith organs'>耳石器</span>)の<br>入力が不一致(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='motion sickness'>動揺病</span>)、または前庭疾患"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vestibular nuclei'>前庭神経核</span>が異常興奮"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vestibular nucleus'>前庭核</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vomiting center'>嘔吐中枢</span>周辺の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='H1 receptor'>H1受容体</span>を刺激"]
    B --> D["同部位の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='muscarinic receptor'>ムスカリン受容体</span>を刺激"]
    C --> E["悪心・嘔吐・めまい"]
    D --> E
    F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dimenhydrinate'>ジメンヒドリナート</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='H1 receptor'>H1受容体</span>を遮断"] -.-> C
    G["同時に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='anticholinergic effects'>抗コリン作用</span>で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='muscarinic receptor'>ムスカリン受容体</span>も遮断"] -.-> D
    H["脂溶性が高くBBBを通過しやすい<br>(第1世代の特徴)"] -.->|"中枢に届くから効くが、同じ理由で鎮静も強い"| F

💡 そのものではなく「」の塩。 類縁の系で、単独より眠気を弱める目的で組み合わされた——とはいえ第1世代H1薬である以上、は残る。

薬物動態

項目 値・特徴
分布 高い脂溶性でBBBをよく通過(中枢性の・鎮静の理由)
代謝 成分として)
排泄 代謝物として
半減期 数時間程度(高齢者で延長しうる)

適応

領域 使いどころ
一般・旅行医学 )の予防・治療。出発30〜60分前の内服が基本
耳鼻科 急性の対症療法(短期間に限る)
耳鼻科・神経 ・BPPVなど末梢性めまいの急性期対症療法(最初の1〜3日程度に限って使用

⚠️ 急性期を過ぎても漫然と続けない。 の長期連用はによる回復機序)を遅らせるため、症状が落ち着き次第、早期に中止し離床・へ移行する。

用法・用量

PO/IM/IV。目安:成人PO 50〜100 mgを4〜6時間ごと。の予防では出発前に服用する。めまい急性期では短期間(数日以内)の使用にとどめる。実際の用量は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌による尿閉悪化)、による1
  • ⚠️ が本体の一部。 口渇・・尿閉などが起こりうるほか、高齢者ではせん妄・が上がるため慎重に使う
  • が強く、自動車運転など危険を伴う作業は避ける。アルコールや他の中枢抑制薬との併用でさらに増強する
  • 小児では時の中枢神経系副作用(興奮または)に注意し、慎重投与とする

副作用

頻度 内容
高頻度 傾眠(眠気)
注意 口渇・などの抗コリン様症状、頭痛
重篤・まれ 尿閉、の増悪、高齢者でのせん妄

まとめ

  • のH1・ムスカリン経路を遮断する第1世代H1抗ヒスタミン薬。の塩。
  • という、やD2拮抗薬が効きにくい領域を担当する。
  • BBBをよく通過するため中枢性の効果との両方を持つ。
  • /BPPVでは急性期の短期使用にとどめ、を遅らせないよう漫然と続けない。
  • のためは禁忌。高齢者ではせん妄・転倒に注意。
  • 鎮静が強く、運転など危険作業やアルコール併用に注意する。

出典

  1. 1.Vomex A Retardkapseln (Dimenhydrinat 150 mg) — Fachinformation(Klinge Pharma GmbH・2024)禁忌(4.3)に閉塞隅角緑内障、残尿を伴う前立腺肥大症、褐色細胞腫、ポルフィリン症、痙攣性疾患(てんかん・子癇)、不整脈(WPW症候群等)、急性喘息発作を明記。ディメティンデン(Fenistil)のEU添付文書とは異なり、緑内障・前立腺肥大症とも4.3の絶対禁忌に区分される閲覧 2026-08-03