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Disease Atlas · 耳鼻咽喉科 · 疾患

良性発作性頭位めまい症・前庭神経炎

BPPV and vestibular neuronitis

別名
BPPV前庭神経炎良性発作性頭位性めまい症
臓器系
耳鼻咽喉科
科目
ENT
トピック
耳鼻咽喉科 21:BPPV・前庭神経炎・メニエール病の鑑別診断耳鼻咽喉科 07:前庭系の解剖・生理と調和性・非調和性前庭症候群耳鼻咽喉科 08:神経耳科学の基本的診察法
鑑別疾患
メニエール病外リンパ瘻感音難聴多発性硬化症内耳炎(迷路炎)脳梗塞
治療薬
ジメンヒドリナートプロメタジンジアゼパムメチルプレドニゾロン
症状
めまい眼振

🧠 全体像:末梢性回転性めまい(vertigo)の2大原因は「秒〜1分未満・頭位で誘発される」(BPPV)と、「日単位で持続し安静でも続く」である。前者はの物理的が原因で治療は、後者は片側の急性低下が本態で治療は早期のが中心となる。両者とも難聴を伴わない点で、感音難聴を伴うと区別する。急性の持続性回転性めまいをみたら、まず・眼振・などで中枢性(脳卒中)を除外する。

前庭系の基本

は頭部の角(回転)を、を検出する。機能が急性に低下すると、左右のにより特徴的な所見の組合せ()が生じる。

  • の眼振(
  • での側=患側へ
  • で眼振が軽減しやすい

これに対し脳幹・小脳病変では眼振方向と体幹の関係が一致しない()ため、強い、新規神経症状、があれば中枢性を疑う。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)

病態

由来の片)が内へし、頭位変換時に異常な流動・偏位を起こす。

  • した片がを動かす(頻度が高い病型)
  • 片がへ付着し、に対する感受性が持続的に増す
  • が最も多く、の罹患もある
  • 特発性が多いが、後、後、加齢性変化に伴うこともある

診断

BPPVではを行う。座位で頭部を検査側へ45°回旋し、頸部を約20°伸展させて素早く仰臥位へ倒す。典型例では数秒の後に検査側向きの眼振が出現し、通常1分以内に減衰、座位へ戻すと反転する。

が疑われる場合はを行う。⚠️ 持続する眼振、純粋眼振、神経症状を伴う場合は中枢性の回転性めまい(vertigo)を疑い、典型的BPPVとして扱わない。

治療

病型 第一選択の
(患側ディックス・ホールパイク→頭を反対側へ90°回旋→体幹も反対側へ回旋し鼻を下へ→座位へ復帰)。も選択肢
適した頭位変換法を個別に選択

ルーチンの画像検査、検査、の投与は典型的なBPPVには不要である。薬物はの代替にはならない。難治・反復例では診断を再確認したうえでを追加し、極めてまれに術を検討する。

前庭神経炎

急性の片側により、突然発症する持続性の回転性めまい(vertigo)、悪心・嘔吐、を来す。ウイルス感染後の炎症が想定されるが、原因ウイルスを常に証明できるわけではない。難聴・は伴わず、伴う場合は領域の脳卒中、などを考える。

所見

  • 患側での異常(あり)
  • への眼振、患側への転倒・
  • 強い症状は数日で軽減するが、は数週間残ることがある

⚠️ 持続性のでは脳卒中を除外する。正常な所見、眼振、、新規の難聴、高度の、局所神経症状は中枢性を示すである。

治療

3疾患の鑑別

特徴
回転性めまい 数秒〜1分未満の発作 数時間で頂点、数日持続 20分〜12時間
誘因 特定頭位(寝返り・起床・見上げ) で悪化するが安静でも持続
難聴 なし なし 片側感音難聴
なし なし あり
主な検査 聴力検査
主な治療 短期対症療法+ 発作対症+

中枢性回転性めまいの除外

(持続性めまい・)では、訓練された診察者による・眼振・が有用である。が正常であるにもかかわらず持続する回転性めまい(vertigo)、眼振、のいずれか1つでも中枢性があれば緊急脳卒中評価を行う。新規の片側性難聴を加えたHINTSプラスは領域梗塞への注意を高める。

⚠️ 高度頭痛・、嚥下障害、四肢筋力低下・、新規の脳卒中を疑う緊急所見である。

まとめ

  • 秒単位+頭位誘発はBPPV、日単位+連続+難聴なしは、20分〜12時間+聴覚症状は(Ménière disease)で鑑別する。
  • BPPVは)、は早期のが治療の中心である。
  • では、・眼振・から中枢性(脳卒中)を必ず除外する。