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Drug Atlas · B24 Antiemetics / 制吐薬

イトプリド

itopride

分類
Antiemetics / 制吐薬
商品名(日本)
ガナトン
科目
Pharmacology
トピック
B24: Antiemetic drugs. Prokinetic agents
副作用
腹痛下痢
対象疾患
胃食道逆流症機能性ディスペプシア

🧠 全体像と同じD2拮抗の仲間だが、中枢へほとんど入らないという一点で立ち位置が大きく変わる薬である。CTZは血液脳関門の外にあるため末梢からでも効果は届くが、への到達が乏しいぶんが少ない。そのぶん「」というよりとしての性格が前面に出ており、の対症療法という、B24の中でもやや異色の使いどころを持つ。

薬効群の中での位置づけ

は「へ至るどの経路を遮断するか」で使い分ける。はCTZのD2経路に属するが、実際の主戦場はの促進である。

経路 受容体 代表薬 得意な場面
CTZ D2 低下を伴う嘔吐
CTZ+消化管 5-HT3 CINV急性期
CTZ NK1/Substance P (フォス) CINV
H1・ムスカリン
項目
中枢移行 良好(BBB通過)→中枢性の作用を持つ 乏しい→末梢作用が主体
追加機序 高用量で5-HT4作動 AChE阻害
あり。投与期間12週制限(FDAの まれ
QT延長 目立たない 心配される機序(遮断)をほぼ持たないため低リスク
主戦場 (CINV/PONV/)+ )中心は副次的

💡 は、QT延長で市場から撤退したシサプリドの後継として開発された経緯を持つ。 シサプリドはを強く遮断しのリスクから多くの国で使用が制限されたが、はこの機序をほとんど持たないため、同じでも心臓に対する安全性プロファイルが大きく異なる。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='itopride'>イトプリド</span>を内服"] --> B["消化管のD2受容体を遮断"]
    A --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acetylcholinesterase (AChE)'>アセチルコリンエステラーゼ</span>(AChE)を阻害"]
    B --> D["局所のACh遊離を抑える<br>D2による負のフィードバックが外れる"]
    C --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='synaptic cleft'>シナプス間隙</span>のAChの分解が減る"]
    D --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='myenteric plexus (Auerbach&#39;s plexus)'>筋層間神経叢</span>のACh<span class='jp-term jp-term-diagram' title='availability'>利用能</span>が増加"]
    E --> F
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gastric emptying'>胃排出</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lower esophageal sphincter'>食道下部括約筋</span>圧の促進<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='prokinetic'>プロキネティック</span>作用)"]
    B -.->|"CTZは血液脳関門の外にあるため<br>末梢からでも到達し<span class='jp-term jp-term-diagram' title='antiemesis'>制吐</span>効果を持つ"| H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='antiemesis'>制吐</span>作用(副次的)"]

薬物動態

項目 値・特徴
良好
代謝 主にで代謝され、CYP依存度が低い→CYP関連の相互作用が少ない
排泄 代謝物として主に
半減期 約6時間

CYPではなくFMO3で代謝される点が、同じD2拮抗のとの上の違い。 CYP阻害薬・との相互作用を気にしなくてよい場面が多い。

適応

領域 使いどころ
消化器 に伴う消化器症状(悪心・嘔吐・)——日本のはこの病名
消化器(外) 不快感)。日本でこの病名で承認されているのはアコチアミドのみ
消化器(補助) として使われることがある(末梢効果によるLES圧・の改善。エビデンスはPPIより弱い)

用法・用量

PO。目安:1回50 mgを1日3回、食前投与。実際の用量は添付文書・施設のプロトコルで確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:消化管出血、、穿孔(亢進作用により症状を悪化させる)
  • 中枢移行が乏しいためはまれだが、ゼロではない
  • AChE阻害作用を持つため、他の薬とは拮抗的に働きうる

副作用

頻度 内容
高頻度 下痢腹痛
注意 頭痛、口渇
重篤・まれ (いずれもより頻度は低い)

まとめ

  • D2拮抗+AChE阻害の二重機序を持つ。CTZのD2経路に属するが、実際の主用途は促進。
  • BBB通過が乏しいため、同じD2拮抗のに比べが少ない。
  • シサプリド(遮断でQT延長・販売中止)の後継的な位置づけで、QT延長のリスクがほとんどない。
  • CYPではなくFMO3で代謝されるため、CYP関連の薬物相互作用が少ない。
  • 主な適応はに伴う消化器症状。
  • 消化管出血・閉塞・穿孔は禁忌(運動亢進作用のため)。