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Drug Atlas · C2 Antimycobacterials / 抗結核薬 · 必修

エチオナミド

ethionamide

分類
Antimycobacterials / 抗結核薬
商品名(日本)
ツベルミン
商品名(EU)
Trecator
科目
Pharmacology
トピック
C2: Antimycobacterial drugs
承認適応
結核多剤耐性結核
禁忌疾患
急性肝不全
標的微生物
Mycobacterium tuberculosis
副作用
悪心嘔吐食欲不振黄疸女性化乳房
影響検査値
TSHアミノトランスフェラーゼ
相互作用
サイクロセリン
原因となる疾患
ペラグラ様症候群

🧠 全体像:を理解する軸は「と標的は同じだが、活性化の入口が違う」という一点に尽きる。両薬ともとして取り込まれ、最終的にはInhA(enoyl-ACP reductase)を阻害して合成を止めるという同じ標的にたどり着くが、がのKatG酵素で活性化されるのに対し、は別の酵素(EthAに相当する経路)で活性化される。この「標的は同じ、入口は別」という構造が、片方に耐性化しても大多数は他方に感性を保つという臨床的に重要な事実を生む——ただし完全にではなく、標的そのもの(InhA)に変異が入った場合は両方に影響しうるため、限られたデータではの存在も示唆されている。もう一つの理解軸は性の低さで、約半数の患者が1 gの単回投与に耐えられないほど消化器症状が強く、の治療指針でも優先度の低いGroup C(後方選択肢)に置かれている。⚠️ ただし「Group Cだから出番がない薬」と単純化しない——が推奨する9か月の構成薬として名指しされている(4か月ぶん)一方、長期レジメンでは「他に組めない場合に限って含めてよい」という条件付き推奨にとどまるという構造になっている。

薬効群の中での位置づけ

を「第一選択(RIPE)」「第二選択・用」で整理すると、は後者の中でも優先度が低い層に位置づけられる。

分類 代表薬 のグループ分け 特徴
第一選択(薬剤感受性結核) リファンピシン・・・ — RIPEの標準治療
MDR/の優先薬 または・・リネゾリド Group A 長期レジメンの中核。3剤すべてとGroup Bから1剤以上を組み込み、開始時に有効な4剤を確保する1
MDR/の追加薬 ・(または) Group B Group Aに追加して組み立てる(1剤以上)1
MDR/の後方選択肢 ・・・/・(または)・/・PAS() Group C Group A・Bだけでレジメンを組めないときに使う群。⚠️ ただし/とPASの2つだけは「他に組めない場合に限る」という条件付きの推奨で、・リネゾリド・・が使われない場合、またはより良い組み合わせが組めない場合に限る(同じ群の・・・・にはこの限定が付かない)1

⚠️ この分類は2022年版から2026年の第2版(Module 4「Treatment and care」)まで引き継がれており、/の位置は変わっていない1。ただし6か月(とBDLLfx/C。では重症度に応じてBPaL・BPaLC・BDLC)が9か月レジメンや長期レジメンより優先して提案されるようになったため、長期レジメンを組む場面自体が縮小している(いずれも conditional recommendation, very low certainty of evidence)1。

⭐ とは同じ薬剤で、標的(InhA)・活性化の仕組みがほぼ共通する。 のGroup C分類でも「/」と一括りに並べられており、片方に耐性を獲得した株はもう一方にも通常無効と考えられる。両剤の違いはのノートで扱う。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ethionamide'>エチオナミド</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='prodrugs'>プロドラッグ</span>)"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Mycobacterium tuberculosis'>結核菌</span>がKatGとは別の酵素経路で活性化"]
    B --> C["反応性の高い代謝物を生成"]
    C --> D["InhA(enoyl-ACP reductase)を阻害"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mycolic acid'>ミコール酸</span>合成が止まる"]
    E --> F["細胞壁が作れず増殖を抑制"]

💡 との関係は「同じ標的・別の入口」という一言に集約できる。 両薬とも最終的にInhAを阻害して合成を止める点は共通するが、活性化するミコバクテリア側の酵素が異なるため両者のは乏しいとされる2。実際、多剤耐性株ではと双方に耐性を獲得した株もあるものの、一方に耐性を示す株の大多数はもう一方には感性を示す3。ただし完全に独立ではなく、限られたデータではおよび(——重篤な皮膚障害のため現在は使われなくなった旧世代の)とのの存在も示唆されている3。PAS・・とのを示す証拠は無い3。

💡 の「入口」は inhA である。 の指針(2026年の第2版)は9か月レジメンのの項で、inhA 遺伝子の変異が耐性も生じさせるため遺伝子型が有用だと明記している1。⭐ 耐性の多数派は活性化酵素 KatG の変異で、この型はに影響しない。一方、共通標的である InhA(およびそのプロモーター)の変異は両薬を同時に効かなくする——「大多数は交差しないが、一部は交差する」という添付文書の記述は、この2つのの内訳として理解できる。

⚠️ 資料によって書きぶりが違う点に注意する。 日本の電子添文はの項で「は、SM、INH、PAS等の剤との間には、のないことが認められた」と否定形で述べている(1959年の in vitro 試験にもとづく記述)4。については米国添付文書・指針と食い違うが、これは日本の記載が古い試験に依拠しているためであって、どちらか一方が単純に誤りというわけではない。臨床判断は inhA の有無を見るという現行の枠組みに寄せる。

薬物動態

項目 値・特徴
吸収 経口でほぼ完全に吸収され、食事の影響は実質的に受けない
半減期 約1.92時間(健常成人40例、250 mg単回投与)3
排泄 未変化体としてのは1%未満(大部分は代謝を受ける)

適応

⭐ 承認上の適応と、ガイドライン上の使いどころを分けて読む。

資料 適応の書き方
日本の電子添文(ツベルミン錠) 〈適応菌種〉本剤に感性の/〈適応症〉肺結核及びその他の結核症。に限定されていない。原則として他のと併用する4
またはリファンピシンに耐性の活動性結核、あるいは他剤にがない場合が主たる適応。・リファンピシン双方に耐性で感性なら、感受性の確認された他剤を2剤以上併せる3

つまり添付文書の適応は「結核」であって「だけ」ではないが、実際に選ばれるのは他剤が使えない耐性例である。では急速に耐性化するため、感受性が確認された、または強く疑われる他の少なくとも1剤、多くは2剤と必ず併用する3。

WHO指針での位置づけ——二層構造

⚠️ 「長期レジメンでは他に組めない場合に限る」と「9か月レジメンの構成薬」が同時に成り立っている。 推奨の強さを潰さずに、次の2つを分けて覚える1。

  • 長期(18〜20か月)レジメン:/は、・リネゾリド・・が使えない場合、またはより良い組み合わせが組めない場合に限って組み込んでよい。これは推奨B3.12で、2026年の第2版での表記は条件付き推奨(conditional recommendation)、エビデンスの確実性は非常に低いであり、使う場面を狭める向きは推奨文の「限って」という条件で示されている1。2025年の第1版までは同じ推奨に「conditional recommendation against use」という表記が付いていた5。同じ扱いはPAS(推奨B3.13)も受けており、だけが「含めるべきでない」という強い推奨(推奨B3.14)という一段強い区分に置かれている。
  • 9か月:は構成薬として名指しされている。(6か月)+/・・・高用量・・を4か月(4か月時点でなら6か月まで延長可)、続いて/・・・を5か月。は2か月のリネゾリド600 mg/日で置き換えてよい。この推奨B2.1も条件付き推奨・エビデンスの確実性は非常に低いである。

⚠️ 妊婦ではリネゾリド版を選ぶ。 は「リネゾリドをの代わりに用いた9か月レジメンは、を含むレジメンと異なり妊婦に用いてよい」と明記している1。

💡 なお、この9か月レジメンより6か月レジメン(/BDLLfx/C)のほうが優先して提案されるため、を含むレジメンが選ばれる場面はさらに絞られている1。Group A・B・Cという分類自体は2022年版から2026年の第2版までそのまま引き継がれている61。

用法・用量

資料 用法・用量
日本(ツベルミン錠100 mg、フィルムコーティング錠) 最初1日0.3 g、以後漸次増量して0.5〜0.7 gを1〜3回に分けて。年齢・症状により適宜増減4
米国(Trecator錠250 mg) 成人15〜20 mg/kg/日を1日1回、消化器が低ければ、最大1 g/日。250 mg/日から開始して漸増し、成人では0.5〜1.0 g/日(平均0.75 g/日)の範囲に落ち着くことが多い3

⚠️ 日本と米国で「常用量」の書き方が違う。 日本は体重換算を用いず0.5〜0.7 g/日を目安とし、米国は体重あたりで15〜20 mg/kg/日(最大1 g)を掲げる。どちらも「消化器症状が許す範囲で最も高い量」という考え方は共通しており、米国添付文書はが定まっていないことを理由に、この方針を明記している3。

(ビタミンB6)の併用が推奨される。 実際の用量・期間は年齢・体重・腎機能で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する(日本の電子添文は腎障害またはその疑いがある患者では血中濃度が高く持続するためをあけるよう求めている4)。

禁忌・注意

  • 禁忌(米国):重度(など)、本剤への過敏症の2つのみ3
  • ⚠️ 国によって「禁忌」かどうかが違う。 日本の電子添文には禁忌の項(第2項)そのものが無く、重度の肝障害は「9.3 患者——肝障害を悪化させるおそれがある」という注意として扱われる4。本ノートの禁忌欄は米国添付文書に従って重度肝障害を挙げているが、日本では禁忌ではなく「特定の背景を有する患者に関する注意」に置かれていることを踏まえて読む
  • ⚠️ 肝障害のモニタリングが必須。 治療開始前と毎月、(SGOT・SGPT)を測定する。上昇時は他のとともに一時中止し、原因薬剤を同定するため順次再開して確認する3。日本の電子添文も・等の重篤な肝障害を重大な副作用として掲げ、定期的な検査を求めている4
  • ⚠️ 甲状腺機能低下症に注意。 定期的なが推奨される(甲状腺腫の有無を問わず報告あり)3。患者6241例ので治療中の甲状腺機能低下症のは17.0%(95% CI 13.0–20.0)に達し、関連薬として最も多く報告されたのがとPASだった7
  • ⚠️ との併用で痙攣が報告されている。 両剤を含むレジメンでは特別な注意を要する3。日本の電子添文も併用注意に挙げ、神経系の副作用が増強されうるとしている4
  • ・に注意。 の予防的併用が推奨され、治療前・治療中に定期的な眼科検査(を含む)を行う。やが出たら受診するよう患者へ説明する3
  • 低血糖に注意し、血糖を治療開始前と治療中に定期測定する。 糖尿病患者ではに特に注意する3
  • 併用薬の肝毒性が重なる。 他のとの併用で重篤な肝障害があらわれることがあり4、は併用するのを増強しうる。の血中濃度を一過性に上昇させる3
  • ⚠️ 妊娠中は原則として避ける。 米国添付文書は正式な禁忌欄には置かず、ウサギ・で催奇形性が示されたことを理由に、妊婦・妊娠する可能性のある女性には治療上不可欠と判断される場合を除き投与を控えるよう求めている3。日本の電子添文はさらに踏み込み、「妊娠中に投与された患者の中から奇形を有する児を出産したという報告がある」とヒトでの報告に言及する4。も9か月レジメンについて、妊婦にはではなくリネゾリドへ置き換えた版を用いるとしている1。では妊娠・授乳が明示的な禁忌であり、同じでも記載の強さが異なる点に注意する
  • 過度の飲酒は精神症状(精神病様反応)の報告があるため避ける3
  • 消化器が低く、約50%の患者が1 gの単回投与に耐えられない——率()を下げる主因になりやすい3。💡 日本の製剤はフィルムコーティング錠(胃で溶けず腸で放出される剤形)4、米国のTrecatorは通常のフィルムコーティング錠3である
  • は無い——米国添付文書にに相当するセクションは存在しない3

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心・嘔吐・下痢・腹痛・・・・・体重減少などの消化器症状。で、約50%が1 gの単回投与に耐えられない3。日本の電子添文も胃部不快感・・胃痛を挙げる4
注意 (とPASが最も多く関連薬として報告される)、、低血糖、精神症状(抑うつ・不安・不眠・興奮)、、・、脱毛34
重篤・まれ 肝炎(黄疸を伴う場合あり。日本の電子添文は・等の重篤な肝障害を重大な副作用として掲げる)、、(・)、痙攣(併用時)、、過敏症(発疹・・血小板減少)34

まとめ

  • はと同じくとして活性化された後、InhA(enoyl-ACP reductase)を阻害して合成を止める2。
  • とは「標的は同じ、活性化酵素は別」の関係。 片方に耐性化しても大多数はもう一方に感性を保つが、InhA自体の変異では両薬に影響しうるため限られたのデータがある3。
  • は無い。 米国の禁忌は重度と過敏症の2つのみで、日本の電子添文には禁忌の項自体が無い(重度肝障害は注意扱い)34。
  • 添付文書上の適応は日本が「肺結核及びその他の結核症」、米国が「またはリファンピシンに耐性のまたは他剤」で、どちらもに限定していない43。
  • 消化器が低く、約50%が1 gの単回投与に耐えられないほどで、 Group C(後方選択肢)に位置づけられる36。⚠️ 推奨の強さを潰さない——長期レジメンでの推奨B3.12は「他に組めない場合に限る条件付き推奨」であって「使用禁止(強い推奨)」ではなく、一方で9か月では構成薬として名指しされている(妊婦ではリネゾリドへ置換)1。
  • 甲状腺機能低下症・肝障害・末梢/が代表的な注意点で、定期モニタリング(甲状腺機能・肝機能・眼科検査)と併用が重要。治療中の甲状腺機能低下症で最も多く関連薬として報告されるのはとPASである(併用で頻度が上がるという推定は原著が行っていない)7。
  • 同じのとは標的・がほぼ共通し、通常は相互にを示す。

出典

  1. 1.WHO consolidated guidelines on tuberculosis. Module 4: treatment and care, second edition(World Health Organization・2026)2026-09-27に第2版(ISBN 978-92-4-012512-4)のPDF本体で確認した。Table 2.20の群分けがGroup A(レボフロキサシンまたはモキシフロキサシン・ベダキリン・リネゾリド)、Group B(クロファジミン・シクロセリンまたはテリジドン)、Group C(エタンブトール・デラマニド・ピラジナミド・イミペネム-シラスタチンまたはメロペネム・アミカシン〔またはストレプトマイシン〕・エチオナミドまたはプロチオナミド・パラアミノサリチル酸)で、脚注iがエチオナミド/プロチオナミドとパラアミノサリチル酸はベダキリン・リネゾリド・クロファジミン・デラマニドを含まないレジメンでしか有効性を示さなかったため他に組めない場合に限り提案するとしていること。推奨B3.1がGroup A全3剤とGroup B少なくとも1剤で開始時に有効な4剤を確保するよう求めること。推奨B3.12の原文が「Ethionamide or prothionamide may be included in the treatment of MDR/RR-TB patients on longer regimens only if bedaquiline, linezolid, clofazimine or delamanid are not used, or if better options to compose a regimen are not possible.」で、強さの表記は(Conditional recommendation, very low certainty of evidence)であり、B3.13(パラアミノサリチル酸)も同じ表記、B3.14(クラブラン酸を含めない)が(Strong recommendation, low certainty of evidence)であること。推奨B2.1の9か月全経口レジメンの構成薬にエチオナミドが名指しされ、2か月のリネゾリド600 mg/日で置換でき、「A 9-month regimen with linezolid instead of ethionamide may be used in pregnant women, unlike the regimen with ethionamide.」と明記されること。9か月レジメンの項が inhA 遺伝子の変異はエチオナミド耐性も生じさせるため遺伝子型薬剤感受性検査が有用と述べること。6か月のBPaLM(B1.1)・BDLLfx/C(B1.2)が9か月・長期レジメンより優先して提案され、pre-XDR-TBでは重症度に応じてBPaL・BPaLC・BDLCを用いること。本書は長期レジメンと9か月レジメンの推奨が第1版から変わっていないと述べる。閲覧 2026-09-27
  2. 2.Ethionamide — LiverTox: Clinical and Research Information on Drug-Induced Liver Injury(National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases (NIH)・2020)エチオナミドがイソニアジドと同様にプロドラッグであり、活性化を受けて初めてミコバクテリアの脂肪酸合成酵素(enoyl-ACP reductase=InhA)を阻害し細胞壁合成を止めるという機序であること、肝障害が最大5%程度に生じ無症候性のトランスアミナーゼ上昇が多い一方症候性の急性肝障害は比較的まれであること、エチオナミドとイソニアジドは活性化酵素が異なる(別の酵素で活性化される)ため両者の間の交差耐性は乏しいとされていること、エチオナミドによる肝障害の既往があってもその後イソニアジドは問題なく忍容できた例があることを確認した閲覧 2026-08-10
  3. 3.Trecator (ethionamide tablets, USP) — Full Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration・2016)枠組み警告に相当する記載が無いこと、禁忌が重度肝機能障害と本剤への過敏症の2つであること、用法・用量(成人15〜20 mg/kg/日を1日1回または忍容性が低ければ分割投与、最大1 g/日、250 mg/日から漸増開始)、単剤投与では急速に耐性化するため必ず他の抗結核薬(リファンピシン・エタンブトール・ピラジナミド・サイクロセリン・カナマイシン・ストレプトマイシン・イソニアジド等)と併用すること、健常成人40例における250 mg単回投与後の平均半減期が1.92時間であったこと、消化器有害事象は用量依存性で約50%の患者が1 gの単回投与に耐えられないこと、重大な副作用として肝炎(黄疸を伴う場合あり)・末梢神経炎・視神経炎・精神症状(うつ状態を含む精神病様症状)が報告されておりピリドキシン併用が神経毒性の予防・軽減に推奨されること、定期的な甲状腺機能検査が推奨されること(甲状腺腫の有無を問わず甲状腺機能低下症の報告があるため)、サイクロセリンとの併用で痙攣が報告されており併用時は特別な注意を要すること、イソニアジドの血中濃度を一過性に上昇させること、多剤耐性結核ではイソニアジドとエチオナミド双方に耐性を獲得した株もあるが、一方に耐性を示す株の大多数はもう一方に感性を示すこと、一方でチオセミカルバゾン系(チアセタゾン)およびイソニアジドとの間には交差耐性が存在しうるとする限られたデータがあること、PAS・ストレプトマイシン・サイクロセリンとの交差耐性を示す証拠は無いことを確認した閲覧 2026-08-10
  4. 4.ツベルミン錠100mg 電子添文(エチオナミド)(医薬品医療機器総合機構(Meiji Seika ファルマ)・2023)2023年3月改訂(第1版)の日本の電子添文で、効能・効果が〈適応菌種〉本剤に感性の結核菌/〈適応症〉肺結核及びその他の結核症であり多剤耐性結核に限定されていないこと、用法・用量が「通常成人は最初1日0.3g、以後漸次増量して0.5〜0.7gを1〜3回に分けて経口投与」で原則として他の抗結核薬と併用すること、剤形が腸溶性フィルムコーティング錠であること、禁忌の項(第2項)自体が存在せず重度肝障害は「9.3 肝機能障害患者」の注意として扱われること、妊婦の項に「治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないこと。妊娠中に投与された患者の中から奇形を有する児を出産したという報告がある」と記載されること、重大な副作用が劇症肝炎・急性肝炎等の重篤な肝障害であること、その他の副作用に甲状腺機能低下・女性型乳房・月経異常・インポテンス・脱毛・抑うつ・メランコリーが挙がること、併用注意が他の抗結核薬(重篤な肝障害)とサイクロセリン(神経系副作用の増強)であること、交差耐性の項(18.3)が「エチオナミドは、SM、INH、PAS等の抗結核剤との間には、交差耐性のないことが認められた(in vitro、1959年の文献)」と述べていることを確認した閲覧 2026-09-05
  5. 5.WHO consolidated guidelines on tuberculosis. Module 4: Treatment and care(World Health Organization・2025)2025年版本文(NCBI Bookshelf 版 NBK613101 の Drug-resistant TB treatment 章)で、長期レジメンの薬剤分類が2022年版と同じくGroup A(レボフロキサシン/モキシフロキサシン・ベダキリン・リネゾリド)、Group B(クロファジミン・サイクロセリン/テリジドン)、Group C(エタンブトール・デラマニド・ピラジナミド・イミペネム-シラスタチン/メロペネム・アミカシン(ストレプトマイシン)・エチオナミド/プロチオナミド・PAS)であること、推奨3.12の原文が「Ethionamide or prothionamide may be included ... only if bedaquiline, linezolid, clofazimine or delamanid are not used, or if better options to compose a regimen are not possible.(Conditional recommendation against use, very low certainty of evidence)」で、PASの推奨3.13と同じく「使用しない方向への条件付き推奨」であること(クラブラン酸の3.14だけが strong recommendation against use)、長期レジメンではGroup A全3剤とGroup Bから1剤以上を組み込み開始時に有効な4剤を確保することが求められること、推奨2.1の9か月全経口レジメンがベダキリン(6か月)+レボフロキサシン/モキシフロキサシン・エチオナミド・エタンブトール・高用量イソニアジド・ピラジナミド・クロファジミン(4か月、塗抹陽性が続けば6か月まで延長可)に続く5か月のレボフロキサシン/モキシフロキサシン・クロファジミン・エタンブトール・ピラジナミドで構成され、エチオナミドは2か月のリネゾリド600mg/日で置換できること、「A 9-month regimen with linezolid instead of ethionamide may be used in pregnant women, unlike the regimen with ethionamide.」と明記されていること、この2.1が Conditional recommendation, very low certainty of evidence であること、6か月レジメンのBPaLM(推奨1.1)と新設のBDLLfxC(推奨1.2、6か月、Conditional recommendation, very low certainty of evidence)が9か月・長期レジメンより優先して提案されること、`inhA` 遺伝子の変異がエチオナミド耐性も生じさせるため遺伝子型薬剤感受性検査が有用と述べられていることを確認した閲覧 2026-09-05
  6. 6.WHO consolidated guidelines on tuberculosis. Module 4: Treatment — drug-resistant tuberculosis treatment, 2022 update (supplementary table)(World Health Organization・2022)多剤耐性・リファンピシン耐性結核(MDR/RR-TB)の治療薬の再分類(Group A・B・C)において、エチオナミド/プロチオナミドがGroup C(エタンブトール・デラマニド・ピラジナミド・カルバペネム系・アミカシン/ストレプトマイシン・PASと並ぶ、優先度の低い後方選択肢群)に位置づけられていることを確認した閲覧 2026-08-10
  7. 7.Is hypothyroidism rare in multidrug resistance tuberculosis patients on treatment? A systematic review and meta-analysis(PLoS One(Tola HH, et al.)・2019)30研究・6241例のMDR-TB患者を統合した解析で、治療中の甲状腺機能低下症の統合有病率が17.0%(95% CI 13.0–20.0)であったこと、その発生に関連する薬剤として最も多く報告されたのがエチオナミドとパラアミノサリチル酸(PAS)であったことを確認した閲覧 2026-08-10