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Symptoms · Published

食欲不振

Anorexia

臓器系
全身消化器
科目
PathologyInternal MedicinePediatrics
トピック
病理学 B/21:腫瘍の宿主への影響・癌悪液質内科学 E-06:糖質コルチコイド欠乏と過剰小児科学 2-08:栄養不良の定義・原因・評価
関連疾患
悪液質胃癌下垂体機能低下症肝細胞癌急性虫垂炎劇症型痤瘡結核原発性副甲状腺機能亢進症原発性副腎不全胆道癌(胆管癌・胆嚢癌)妊娠性肝内胆汁うっ滞症慢性腎臓病膵癌
起因薬
エチオナミドオキシベート製剤カルバゾクロムジギトキシンジゴキシンゾニサミドソルリアムフェトールパラアミノサリチル酸バンデタニブプロチオナミドポリスチレンスルホン酸ナトリウムボリノスタットリスデキサンフェタミンリファペンチンレンバチニブロミデプシン
スコア
AlvaradoスコアGlucksberg基準MAGIC基準

🧠 全体像はほぼあらゆるで起こるため、原因を並べても鑑別は進まない。動くのは2つの問いである——なぜ食べられないのか(食欲そのものがないのか、悪心や嚥下障害など食べる過程が邪魔されているのか)と、体重減少を伴っているか。前者が原因群を絞り、後者がを決める。

⚠️ まず用語を分ける

⚠️ このノートが扱う「」は、食欲がわかないという症状である。)ではない。

英語の anorexia は「食欲がない」という症状名であり、はその語を含む別の疾患名である。症状としてのでは患者は食べたいのに食欲がわかず、体重が減ることを望んでいない。では体重・体型への認知の障害があり、食行動がに制限される——訴えの構造がまったく違う。「食欲がない」という一語を疾患名に読み替えないこと。

「食べられない」を分ける

⭐ 患者の「食べられない」を次のどれかに割り振ると、原因群が一気に絞れる。

患者の言い方 主に示すもの
食欲そのものがない 「お腹がすかない」 悪性腫瘍、慢性炎症・感染、腎不全、うつ、薬剤、内分泌
悪心で食べられない 「見ると気持ち悪い」 消化管閉塞、薬剤、代謝異常、頭蓋内圧亢進、妊娠
「少し食べるとすぐ満腹になる」 、胃・膵の腫瘤、腹水、肝脾腫による
食べたいが食べられない 「痛くて、あるいはつかえて飲み込めない」 嚥下障害、口腔内病変、

💡 は独立した意味を持つ症状で、「食欲がない」と一括りにしない。 胃が広がらない、あるいは外から押されている物理的な状態を示すので、腹部の腫瘤・腹水・肝脾腫を意識して診察する。

原因群と拾い方

代表的な状況 手がかり
悪性腫瘍 消化器癌をはじめ広く。では摂取が減るのに基礎代謝がむしろ上がる 進行性の体重減少、貧血、年齢、喫煙・飲酒歴
結核、、HIV、寄生虫 発熱、、曝露歴、渡航歴
慢性臓器不全 心不全、COPD、肝硬変、 既知の基礎疾患。食事に伴う呼吸苦や腹部膨満
内分泌 副腎不全、、甲状腺機能異常 低血圧、色素沈着、電解質異常。治療可能なので外さない
精神・認知 うつ、不安、認知症、 気分、興味の消失、生活の変化
薬剤 オピオイド、抗菌薬、、SSRI、ジゴキシン、など 開始時期と症状の始まりが一致するか

薬剤と内分泌は、この一覧のなかで最も見落とされ、最も是正しやすい。 を「進行癌のせい」「年のせい」と決める前に、と副腎機能を確認する。

体重減少を伴うかで緊急度が変わる

⚠️ そのものより、それが体重を落としているかどうかが判断を分ける。体重が保たれていれば経過を追う余地があるが、意図しない体重減少を伴うなら悪性腫瘍・・臓器不全の系統的検索へ進む。体重減少の評価の体重減少へ渡す。

⭐ 「がある」で止めず、体重・食事量・いつからかを数字で記録する。前回受診時の体重、衣服やベルトの緩み、家族から見た変化は、患者の自己申告より信頼できることが多い。

高齢者では別の軸が要る

高齢者のは単一疾患に帰着しないことが多く、複数の要因が重なる。

要因 内容
薬剤数そのものが独立した危険因子。減薬が最も効く介入になりうる
感覚の変化 味覚・嗅覚の低下で食事が楽しくなくなる
口腔
社会・環境 独居、買い物や調理の困難、経済的
嚥下 誤嚥への不安から自ら摂取を控える

⚠️ 高齢者のを「加齢だから」で終わらせない。 加齢だけで摂取量が落ちる幅は限られており、体重減少を伴うは加齢では説明できない。薬剤、口腔、うつ、悪性腫瘍を順に確認する。

まとめ

  • 症状としてのは別物である。語が同じというだけで混同しない。
  • 「食欲がない」「悪心」「」「食べたいが飲み込めない」に分けると原因群が絞れる。
  • は物理的なを示す独立した所見である。
  • 体重減少を伴うかどうかがを決める。伴えば悪性腫瘍・・臓器不全を系統的に探す。
  • 薬剤と内分泌(とくに副腎不全)は見落としやすく、是正すれば戻る。
  • 高齢者では薬剤・口腔・感覚・社会要因・うつを併せて評価し、「加齢のせい」で止めない。