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Drug Atlas · B4 Cardiac glycosides & inotropes / 強心薬 · 必修

ジギトキシン

digitoxin

分類
Cardiac glycosides & inotropes / 強心薬
科目
Pharmacology
トピック
B4: Positive inotropic drugs
禁忌疾患
心室性不整脈(心室頻拍・心室細動)徐脈性不整脈(洞不全症候群・房室ブロック)肥大型心筋症
副作用
悪心嘔吐食欲不振
監視検査値
カリウムマグネシウムカルシウム
解毒薬
ジゴキシン特異的抗体Fab断片
原因となる疾患
心室性不整脈(心室頻拍・心室細動)

🧠 全体像ジゴキシンと同じで、機序(Na/K-ATPase阻害→細胞内Ca²⁺↑、迷走神経活動亢進による)・適応・禁忌・副作用のプロファイルはジゴキシンのノートに譲り、ここではの違いだけに絞る。今日の臨床ではジゴキシンが圧倒的に主流で、・アセチルは米国では既に製造されておらず、ドイツ・オーストリア・ハンガリー・ノルウェーなど一部の欧州諸国でわずかに使われ続けているに過ぎない1

ジゴキシンとの違い

最大の違いは消失経路(一部CYP3A4)で不活性化された後、代謝物として腎臓(約60%)と糞便(約40%)へ排泄される。未変化体のままされるジゴキシンと異なり、単独の腎機能低下では・糞中排泄の増加が代償するためが基本的に不要になる2。ただし肝機能と腎機能の両方が同時に障害される場合は代償が効かず蓄積しうるため注意する。一方で率が90〜97%と非常に高く、半減期も約7〜8日と長いため、定常状態への到達・中毒からの回復のいずれにも時間がかかる2

項目 ジゴキシン
消失経路 が主体(未変化体) が主体。代謝物は腎(約60%)と糞便(約40%)へ
半減期 約36〜48時間 長い(約7〜8日)2
蛋白結合率 約20〜25%と低い3 90〜97%と非常に高い2
腎機能低下時 蓄積しやすくが要る 単独の腎機能低下では調整不要。ただし肝腎同時障害では蓄積しうる
狭い(Core9参照)。目標は近年下方修正されている(ジゴキシンのノート参照) 同じく狭い

「腎不全なら、腎機能正常ならジゴキシン」という対比が試験の頻出パターン。 ただし半減期が長い分、時の効果消失にも時間がかかる点はの弱みになる。

適応・用法・禁忌・副作用

適応(心不全の症状緩和・心房細動)と機序(Na/K-ATPase阻害→細胞内Ca²⁺↑、迷走神経活動亢進による)はジゴキシンと共通する。

禁忌は消失経路と関係なく学的な機序そのものに由来するため、ジゴキシンと同一で、高度の房室ブロック、閉塞性を伴う心房細動はいずれも避ける。

副作用も悪心嘔吐(中毒の初期徴候として重要)、、不整脈がジゴキシンと同様に生じる。カリウム血症・低血症・高カルシウム血症は毒性の閾値を下げるため、電解質モニタリングは消失経路に関わらず必要(Na/K-ATPase阻害という毒性機序自体はかとはなため)。

拮抗薬もジゴキシンと同じジゴキシン特異的抗体Fab断片で、にも有効である。 ジゴキシンと同様、投与後はがFab結合分を含めてになるため、判断はまたはで行う。ただし半減期が長いぶん、中毒からの回復や体内からの消失にはジゴキシンより時間がかかる。

詳細(用量・具体的な中毒対応など)はジゴキシンのノートを参照。実際の用量は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

まとめ

  • ジゴキシンと同じ。機序・適応・禁忌(合併の心房細動)・副作用のプロファイルは共通。
  • 最大の違いは消失経路:ジゴキシンは(未変化体)、が主体で、単独の腎機能低下ではが基本的に不要。ただし肝腎同時障害では蓄積しうる。
  • 半減期(約7〜8日)・蛋白結合率(90〜97%)ともジゴキシンより著しく高く、定常状態到達・中毒回復のいずれにも時間がかかる。
  • は毒性の閾値を下げる(機序が消失経路となため両薬に共通)。
  • 今日の臨床使用はジゴキシンが主流。は米国では製造されておらず、ドイツなど一部の欧州諸国で限定的に使われるのみ。

出典

  1. 1.Some Drugs and Herbal Products (IARC Monographs Vol. 108) — 1. Exposure Data(International Agency for Research on Cancer・2016)ジギトキシン・アセチルジギトキシンは米国では既に製造されておらず、ドイツ・オーストリア・ハンガリー・ノルウェーで計7製品のみが認可を維持していることを確認した閲覧 2026-08-03
  2. 2.Digitoxin - Anwendung, Wirkung, Nebenwirkungen(Gelbe Liste(Vidal MMI Germany)・2020)半減期が約7〜8日・蛋白結合率90〜97%であること、単独の腎機能低下では肝代謝・糞中排泄の増加が代償するため用量調整が基本的に不要だが、肝機能と腎機能が同時に障害されると蓄積しうることを確認した閲覧 2026-08-03
  3. 3.Digoxin(StatPearls Publishing(David MNV, Shetty M)・2024)ジゴキシンの蛋白結合率が約20〜25%とジギトキシンの90〜97%より著しく低いことを確認した閲覧 2026-08-03