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Drug Atlas · C2 Antimycobacterials / 抗結核薬 · 必修

リファペンチン

rifapentine

分類
Antimycobacterials / 抗結核薬Antibiotics / 抗菌薬
商品名(EU)
Priftin
科目
Pharmacology
トピック
C2: Antimycobacterial drugs
承認適応
結核
標的微生物
Mycobacterium tuberculosis
副作用
発熱発疹食欲不振喀血関節痛
影響検査値
アミノトランスフェラーゼ

🧠 全体像を理解する軸は「リファンピシンより半減期を延ばして、週1回投与を可能にした薬」という一点である。同じで機序も同じ阻害だが、半減期が14〜17時間とリファンピシンの数倍に達するため、結核治療・の予防治療のいずれでも「治療期間や服薬回数を減らして率を上げる」短期レジメンの主役になっている——薬剤感受性肺結核の4か月レジメン(2HPMZ/2HPM、毎日1200mg)と、に対する3HP(週1回×3か月)・1HP(毎日×1か月)がその代表例である。

薬効群の中での位置づけ

3剤は、半減期とCYP誘導の強さで住み分ける。

薬剤 半減期 CYP3A誘導 特徴
リファンピシン 約2〜5時間 最も強い RIPEの標準治療の中核。1日1回投与
約45時間 弱い ・INSTI併用中のHIV患者向け
約14〜17時間 中間的 半減期を活かした週1回投与で4か月レジメン・3HPの主役

の存在理由は「半減期を延ばしてを空けても有効血中濃度を保てること」に尽きる。 リファンピシンを週1回投与に置き換えると血中濃度の谷間が大きくなり・耐性化のリスクが上がるが、は半減期が長いぶんを空けても有効域を維持しやすく、それがに対する週1回法(3HP)の科学的根拠になっている1ただし活動性肺結核の4か月レジメンは週1回ではなく毎日1200mg投与であり、こちらは高いによって治療期間そのものを6か月から4か月へ縮めた点が要点になる2

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='rifapentine'>リファペンチン</span>が細菌の<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='DNA-dependent RNA polymerase β subunit'>DNA依存性RNAポリメラーゼβサブユニット</span>に結合"] --> B["プロモーターからの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='transcription initiation'>転写開始</span>を阻害"]
    B --> C["mRNA合成が止まる"]
    C --> D["蛋白合成ができず<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bactericidal'>殺菌的</span>に作用"]
    E["肝・血中のエステラーゼで代謝"] --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='active metabolite'>活性代謝物</span>25-デスアセチル<span class='jp-term jp-term-diagram' title='rifapentine'>リファペンチン</span>を生成<br>(全活性の約4割を担う)"]
    G["リファンピシンよりゆっくり消失"] --> H["半減期14〜17時間"] --> I["週1回投与でも有効血中濃度を維持"]

リファンピシンと同じくヒトのRNAポリメラーゼには作用せずが成り立つ。が非常に高いことも、消失を緩やかにする一因になっている1

薬物動態

項目 値・特徴
半減期 約14〜17時間25-デスアセチルは約13時間)
代謝 エステラーゼによりへ変換される。代謝物も抗菌活性を持つ
蛋白結合率 98%()、93%()と高い
吸収 食事とともに服用すると吸収が増加する(空腹時投与のリファンピシンと対照的)
排泄 主に胆汁排泄・糞便中排泄。尿中未変化体排泄は10%未満

食後投与が原則という点がリファンピシン(空腹時投与)と逆になる1

適応

領域 使いどころ
活動性肺結核(12歳以上) 結核の4か月レジメン(2HPMZ/2HPM:)の一部として毎日投与する2
の予防治療(2歳以上) 3HP(週1回を3か月)、1HP(毎日を1か月)3

用法・用量

活動性肺結核(4か月レジメン)1200mgを毎日、他剤と併用して4か月間投与する(前半2か月はを加えた2HPMZ、後半2か月は2HPM)2(3HP)週1回と併用して3か月間投与する(体重10〜14kgで300mg、50kg超で900mgなど体重区分ごとに用量が決まる)。(1HP):毎日、と併用して1か月間投与する。いずれも食後投与が原則である1。実際の体重区分別用量・適格性は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌薬剤に対する過敏症の既往1
  • ⚠️ 3HPでは全身性薬物反応(・発熱・筋肉痛・発疹)が投与群の3.5%に生じる(9H群は0.4%)。多くは3回目投与以降に出現し自然軽快するが、重症例では中止し再投与を避ける1
  • リファンピシンと同様にCYP450誘導作用を持つため、併用薬(、経口避妊薬、ワルファリンなど)の血中濃度低下に注意する
  • 単剤投与は禁止(結核治療では必ず)。として治療する前にを除外する

副作用

頻度 内容
高頻度(治療、3%以上) 喀血、咳、発汗増加、上昇、発疹関節痛、頭痛1
注意(3HP施行時) 全身性薬物反応(発熱・筋肉痛・発疹、投与群の3.5%)1
重篤・まれ 重症肝障害、血球減少(貧血・好中球減少・

まとめ

  • の一員で、機序はリファンピシンと同じ阻害だが、半減期が14〜17時間と長い点が最大の違いになる。
  • 活動性肺結核の4か月レジメン(2HPMZ/2HPM)は毎日1200mg3HP は週1回3か月・1HP は毎日1か月——「週1回=3HP」「毎日=4か月レジメン・1HP」の対応を取り違えない。
  • リファンピシンと異なり食後投与が原則で、CYP450誘導作用は持つが単剤での適応は結核治療にとどまる。
  • 3HPでは全身性薬物反応()が投与群の3.5%に生じ、多くは3回目投与以降に出現する。
  • とは対照的に「弱いCYP誘導」ではなく「長い半減期によるの拡大」がこの薬の存在理由である。

出典

  1. 1.WHO consolidated guidelines on tuberculosis. Module 4: Treatment and care(World Health Organization・2025)薬剤感受性結核の4か月レジメン(イソニアジド・リファペンチン・モキシフロキサシン・ピラジナミドで2HPMZ/2HPM)が2025年時点のWHO現行推奨であり、12歳以上の適格な肺結核患者が対象であること、このレジメンではリファペンチンを1200mg毎日投与する(週1回投与ではない)ことを確認した閲覧 2026-08-10
  2. 2.WHO consolidated guidelines on tuberculosis. Module 1: Prevention – Tuberculosis preventive treatment, second edition(World Health Organization・2024)結核予防治療のレジメンとして、週1回イソニアジド+リファペンチンを3か月投与する3HP、毎日イソニアジド+リファペンチンを1か月投与する1HPが2024年時点のWHO現行推奨であることを確認した閲覧 2026-08-10
  3. 3.PRIFTIN (rifapentine) tablets — Prescribing Information(Sanofi-Aventis / DailyMed (U.S. FDA)・2024)1998年の米国初回承認、活動性肺結核(12歳以上、多剤併用)と潜在性結核感染(2歳以上、イソニアジド併用)の適応、活動性結核での用法(初期強化期600mgを週2回2か月、継続期600mgを週1回4か月)、3HPでの体重換算用量、半減期(リファペンチン14〜17時間、活性代謝物25-デスアセチルリファペンチン13時間)、禁忌(リファマイシン系過敏症)、3HP施行時の全身性薬物反応(インフルエンザ様症状・発熱・筋肉痛・発疹が投与群の3.5%、9H群の0.4%に発生し多くは3回目投与以降に出現)を確認した閲覧 2026-08-10