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Drug Atlas · C2 Antimycobacterials / 抗結核薬 · 必修

リファブチン

rifabutin

分類
Antimycobacterials / 抗結核薬Antibiotics / 抗菌薬
商品名(日本)
ミコブティン
商品名(EU)
Mycobutin
科目
Pharmacology
トピック
C2: Antimycobacterial drugs
承認適応
結核HIV感染症・AIDS消化性潰瘍
標的微生物
Mycobacterium tuberculosisMycobacterium avium-intracellulare complex / MACHelicobacter pylori
副作用
黄疸視力低下
影響検査値
絶対好中球数ビリルビン
相互作用
クラリスロマイシンボリコナゾール
対象疾患
非結核性抗酸菌症

🧠 全体像を理解する軸は「リファンピシンが使いにくい場面の代替」である。同じで機序も同じだが、半減期が長くCYP3A誘導が弱いという上の性格の違いが、臨床上の住み分けを決める。米国ではHIV進行例の播種性MAC症発症抑制のみに適応が絞られているのに対し、日本では結核症そのものにも使え、添付文書に「リファンピシンの使用が困難な場合に使用すること」と明記されている——強すぎる相互作用を避けたい場面(・INSTI併用中のHIV患者など)で主役に回る、控えめだが他剤に代えがたい薬である。

薬効群の中での位置づけ

3剤は、半減期とCYP誘導の強さで住み分ける。

薬剤 半減期 CYP3A誘導 米国での主な適応 日本での主な適応
リファンピシン 約2〜5時間 最も強い 結核・・曝露後予防など幅広い 同左
約45時間と長い 弱い HIV進行例の播種性MAC症発症抑制のみ 結核症・(MACを含む)・HIV患者のMAC発症抑制
さらに長い 中間的 週1回投与を活かした短期レジメン(3HP等)

「弱いCYP3A誘導」がの存在理由そのもの。 HIV陽性の結核患者では・一部のINSTIとリファンピシンを併用するとの血中濃度が大きく低下するが、は誘導が弱いためだけで両立させやすい。一方、抗菌薬感受性が不明なH. pyloriの経験的除菌でが選択肢に挙がる理由はCYP誘導の弱さとはで、・メトロニダゾールの耐性率が上昇するなかで耐性がほとんど見られないという点にある1

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='rifabutin'>リファブチン</span>が細菌の<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='DNA-dependent RNA polymerase β subunit'>DNA依存性RNAポリメラーゼβサブユニット</span>に結合"] --> B["プロモーターからの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='transcription initiation'>転写開始</span>を阻害"]
    B --> C["mRNA合成が止まる"]
    C --> D["蛋白合成ができず<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bactericidal'>殺菌的</span>に作用"]
    E["肝細胞のCYP3A4を誘導"] --> F["リファンピシンより誘導は弱いが<br>ゼロではない"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='protease inhibitors'>プロテアーゼ阻害薬</span>など併用薬の<br>血中濃度がある程度低下しうる"]

リファンピシンと同じくヒトのRNAポリメラーゼには作用せず、が成り立つ。が高く、特に肺・骨髄に高濃度で分布するため、のように菌が組織内に潜む病態にも有効である。

薬物動態

項目 値・特徴
半減期 約45時間(リファンピシンの約2〜5時間よりはるかに長い)
CYP誘導 CYP3A4誘導作用を持つがリファンピシンより明確に弱い
代謝 (25-O-desacetylrifabutin)を生じる
分布 脂溶性が高く良好。肺・骨髄で血漿より高濃度になる

適応

領域 使いどころ
結核(日本の適応) 結核症(150〜300 mg/日)、(300〜450 mg/日)。米国添付文書には結核治療の適応が含まれない(MAC発症抑制のみ)ため、国・地域で適応範囲が異なる点に注意23
HIV関連 HIV感染症・AIDS進行例におけるMycobacterium avium-intracellulare complex / MACの発症抑制(300 mg/日)。米国ではこれが唯一の2
MACを含むの治療(日本の適応。の一部として)
消化器 消化性潰瘍における*H. pylori*の経験的の選択肢(感受性不明例、1

用法・用量

結核症:150〜300 mgを1日1回には300〜450 mg)。MAC症・発症抑制:300 mgを1日1回。消化器症状が出やすい患者では150 mgを1日2回、食後に分けて投与する方法もある3HIV併用時は少なくとも50%の減量が必要で、腎機能高度低下(CrCl<30 mL/min)でも減量を検討する2。実際の用量・併用薬に応じた調整は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌薬剤に対する過敏症の既往、持続性注射剤など特定の抗ウイルス薬との併用23
  • ⚠️ ぶどう膜炎。 特になどCYP3A阻害薬との併用で発現リスクが上がる。・眼痛を疑ったら投与を中止し眼科を受診させる2
  • ⚠️ 活性結核に単剤投与しない。 ・リファンピシン双方への耐性化を招きうるため、必ずの一部として用いる2
  • 好中球減少・血小板減少のモニタリングを定期的に行う
  • CYP3A4誘導は弱いながらも存在するため、など併用薬の血中濃度への影響を確認する

副作用

頻度 内容
高頻度 (6.06%)
注意 肝機能異常(1.93%)、黄疸、肝炎
重篤・まれ を伴うぶどう膜炎、好中球減少・血小板減少、ショック、心停止・不整脈、、溶血性貧血、消化管出血、、痙攣3

まとめ

  • の一員で、機序はリファンピシンと同じ阻害だが、半減期が長くCYP3A誘導が弱いというの違いがこの薬の存在理由になる。
  • 米国のはHIV進行例のMAC発症抑制のみだが、日本では結核症そのものにも使え、添付文書に「リファンピシンが使いにくい場面の代替」という位置づけが明記されている。
  • H. pyloriの経験的でも、耐性がほとんど見られないことを理由に選択肢の一つになる。
  • 活性結核への単剤投与は耐性化を招くため避ける。ぶどう膜炎(特にCYP3A阻害薬併用時)と好中球減少に注意が必要。

出典

  1. 1.MYCOBUTIN (rifabutin) Capsules — Prescribing Information(Pfizer Inc. / DailyMed (U.S. FDA)・2024)米国での承認適応がHIV進行例における播種性MAC症の発症抑制に限られること、標準用量300mg1日1回(消化器不耐容時は150mgを食後1日2回)、腎機能高度低下(CrCl<30mL/min)での50%減量の検討、活性結核への単剤投与でリファブチン・リファンピシン双方への耐性化リスクがあるため単剤で用いないこと、ぶどう膜炎(特にクラリスロマイシン・フルコナゾール併用時にリスク増)と好中球減少の重大な副作用、プロテアーゼ阻害薬併用時の50%以上減量、ボリコナゾール・cabotegravir/rilpivirine注射剤との併用禁忌を確認した(改訂2024年12月24日)閲覧 2026-08-10
  2. 2.ミコブティンカプセル150mg 添付文書情報(ファイザー株式会社・2024)日本の効能・効果が結核症、MAC症を含む非結核性抗酸菌症、HIV感染患者における播種性MAC症の発症抑制と米国より広く、添付文書に「本剤は、リファンピシンの使用が困難な場合に使用すること」と明記されていること、用法・用量(結核症150〜300mg・多剤耐性結核300〜450mgを1日1回、MAC症・発症抑制は300mgを1日1回)、禁忌(リファマイシン系過敏症、ボリコナゾール・エンシトレルビル・ニルマトレルビル/リトナビル等との併用)、重大な副作用の頻度(白血球減少6.06%、肝機能異常1.93%)を確認した閲覧 2026-08-10
  3. 3.ACG Clinical Guideline: Treatment of Helicobacter pylori Infection(American College of Gastroenterology・2024)感受性不明の経験的治療において、14日間の最適化ビスマス四剤療法が中心である一方、リファブチン三剤療法が選択肢の一つに挙げられていること、およびその根拠が米国での耐性率(クラリスロマイシン32%・レボフロキサシン38%・メトロニダゾール42%に対しリファブチン0%)にあることを確認した閲覧 2026-08-10