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Drug Atlas · C3 Antiparasitics / 抗寄生虫薬 · 必修

ルメファントリン

lumefantrine

分類
Antiparasitics / 抗寄生虫薬
商品名(EU)
Riamet(アルテメテルとの配合剤)
科目
Pharmacology
トピック
C3: Antiprotozoal and antihelminthic drugs
標的微生物
Plasmodium falciparum
副作用
めまい頭痛
対象疾患
マラリア

🧠 全体像の「の穴」を埋めるために存在する薬で、単剤としては承認も流通もされていない。半減期が4〜10日と長く、が数時間で叩き落としたの後に血中へ長く残り、生き残った虫体を掃討してと耐性化を防ぐ——ACT(artemisinin-based combination therapy)の「見張り役」として理解すると位置づけが腑に落ちる。

薬効群の中での位置づけ

薬のうち、は古典的な「薬」グループに属する(赤血球内で分裂増殖する段階のを殺す薬)である。

グループ 代表薬 単独使用 特徴
薬(類縁) 可能 地域ので使い分ける
薬(ACT専用) 不可(必ずと配合) 長い半減期でパートナー薬の効果を延長
不可(併用が必須) で殺虫

だけが「単独では絶対に使わない」薬という点で他の血中型薬と一線を画す。 は単剤処方も可能だが、との(1製剤)としてしか存在せず、単剤の適応も製剤も承認されていない。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lumefantrine'>ルメファントリン</span>が赤血球内の<br>寄生虫(原虫)へ取り込まれる"] --> B["原虫がヘモグロビンを消化し<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='free heme'>遊離ヘム</span>を生成"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='heme polymerase'>ヘムポリメラーゼ</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='heme polymerization'>ヘム重合</span>)反応を阻害"]
    C --> D["重合されない毒性<span class='jp-term jp-term-diagram' title='free heme'>遊離ヘム</span>が<br>虫体内に蓄積"]
    D --> E["虫体の膜・代謝が障害され死滅"]
    F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='artemether'>アルテメテル</span>が先に虫体数を急減させる"] --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lumefantrine'>ルメファントリン</span>が長い半減期で<br>残存虫体を持続的に叩く"]

💡 と機序上の「同じ武器()」を持ちながら、役割はまったく違う。 これらの薬は単独で治療を完結させる主役として使われるのに対し、という別の武器()が虫体数を落とした「後」を引き受ける、時間差攻撃の後半要員である。

薬物動態

項目 値・特徴
脂肪を含む食事で大きく上昇(空腹時は吸収不良)
分布 高い脂溶性、が高い
代謝 主にCYP3A4で代謝
半減期 約4〜10日の約2時間と対照的に長い)

「食後に服用しないと効かない」薬の代表例。 脂肪食との同時摂取で吸収が数倍に増えるため、投与時は必ず脂肪を含む食事や乳製品と一緒に服用させる。嘔吐しやすい患児では吸収不良とのリスクになるため、と食事のタイミングに注意が要る。

適応

領域 使いどころ
マラリア治療 単純性(合併症のない)P. falciparumマラリアとのが世界標準治療
マラリア治療(代替) 地域のP. vivaxマラリアにもACTが使われる

用法・用量

配合剤として、0・8・24・36・48・60時間の6回法(1日2回×3日間、体重に応じた用量)で投与する。脂肪を含む食事や乳製品と同時に服用することが吸収・効果を左右する。重症マラリアには本剤ではなく静注を優先する。実際の用量は年齢・体重・製剤で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌、QT延長を来す薬剤(一部の、マクロライド系、一部の抗精神病薬など)との併用
  • ⚠️ 重症マラリアには使わない。 意識障害・ショック・などのがあれば静注を緊急開始する
  • 単独では処方しない。 との配合剤としてのみ使用する

副作用

頻度 内容
高頻度 頭痛めまい、悪心・などの消化器症状
注意 QT延長、他のQT延長薬との併用で増強)
重篤・まれ 重篤な不整脈(QT延長由来)、

まとめ

  • パートナーとしてのみ存在する血中型薬。単独では製剤化・承認されていない。
  • 機序はと同じだが、半減期が4〜10日と長く、の速効後の残存虫体を掃討する役割を担う。
  • 脂肪食で吸収が大きく上昇するため、必ず食事とともに服用させる。
  • 単純性P. falciparumマラリアの世界標準治療(とのACT)。重症マラリアには使わず静注を優先する。
  • ・QT延長薬との併用が禁忌。心電図モニタリングに注意する。