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Drug Atlas · C4 Antifungals / 抗真菌薬 · 必修

ボリコナゾール

voriconazole

分類
Antifungals / 抗真菌薬
商品名(日本)
ブイフェンド
商品名(EU)
Vfend
科目
Pharmacology
トピック
C4: Antifungal agents
標的微生物
Aspergillus fumigatusCandida albicansCandida krusei
副作用
視力低下
相互作用
イブルチニブシクロスポリンタクロリムスフェニトインベネトクラクスボクロスポリンリファブチンリファンピシン
自然耐性の微生物
Mucor indicusPneumocystis jiroveciiRhizomucor pusillusRhizopus oryzae
対象疾患
CARD9欠損症アスペルギルス症角膜炎眼内炎脳膿瘍播種性フザリウム症慢性皮膚粘膜カンジダ症
原因となる疾患
皮膚有棘細胞癌

🧠 全体像:はのという一点で、他のと役割がはっきり分かれている。耐性のCandida kruseiにも活性を持つ広さを持つ一方、・・長期使用でのリスクという独特の副作用プロファイルと、CYP2C19ので血中濃度が数倍単位でばらつくという上の癖を併せ持つ、の中でも「効くが扱いが難しい」薬である。

薬効群の中での位置づけ

系統 代表薬 Aspergillus Mucor 特記事項
トリ ✕ ✕ 水溶性・良好
トリ ○ ✕ CHF禁忌
トリ ◎第一選択 ✕(無効) ・CYP2C19多型
広域トリ ・ ○ ○ にも活性

⚠️ は()には無効。 予防投与を受けていた患者で侵襲性のが報告されており、「アスペルギルス様の肺病変だから」と決め打ちせず、を疑う所見(副鼻腔・眼窩浸潤、などの背景)があれば鑑別に入れる必要がある。

機序

真菌CYP51(lanosterol 14α-demethylase)阻害で合成を止める点はと共通(詳細はの機序節を参照)。はAspergillus属のCYP51へのが特に強く設計されており、これがの第一選択という位置づけを支えている。

薬物動態

項目 値・特徴
90%超だがで低下するため空腹時服用が推奨される
分布 高い脂溶性。髄液・眼組織へも良好に移行(中枢神経にも使える)
代謝 CYP2C19・・CYP2C9で(の代謝)
排泄 代謝物として
半減期 で予測しにくい

⭐ CYP2C19はが非常に多い酵素で、poor metabolizer()の頻度は集団によって大きく異なる。 東アジア人では約13〜15%と、欧米・アフリカ系集団(約2〜5%)のおよそ3倍に達する1。代謝が速い(extensive/ultra-rapid metabolizer)では血中濃度が上がらずのリスク、代謝が遅い(poor metabolizer)では蓄積して神経毒性(など)のリスクが上がるため、CPICガイドラインはpoor/rapid/ultra-rapid metabolizerでの代替薬・を推奨している1。治療域が狭いため(TDM)が強く推奨されるはだけである。

適応

領域 使いどころ
の第一選択( 2016年版ガイドライン、強い推奨・高いエビデンスの質)2
カンジダ症 耐性Candida kruseiなどによる
予防 ・好中球減少患者でのアスペルギルス予防投与

用法・用量

初日は、2日目以降はという2段階の投与設計が基本(なしでは治療域に達するまで日数がかかるため)。TDMで目標を確認しながら用量を調整することが望ましい。実際の用量は適応・年齢・体重・肝機能・CYP2C19で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • ⚠️ 強力なCYP2C9・CYP2C19・阻害薬かつ/2C19の基質。 (・)、リファンピシンなどの強力な()、フェニトイン(相互に代謝を変化させ双方のが必要)との相互作用が重大
  • ⚠️ 長期使用(特に移植後の免疫抑制患者)でに伴う(を含む)・悪性黒色腫のリスクが上昇。 小児では反応の頻度がより高い。紫外線対策・定期的な的評価を行う3
  • QT延長・不整脈のリスクがある患者には慎重投与とし、投与前後にカリウム・・カルシウムの補正を行う3

副作用

頻度 内容
高頻度 一過性の(約21%に出現。・・、投与後30分程度で出現し中止後14日以内に可逆的)3、
注意 、などの(特に代謝が遅いで)1
重篤・まれ (肝炎・胆汁うっ滞・)、長期使用に伴う・悪性黒色腫、QT延長・3

まとめ

  • 。CYP51阻害で合成を止める点は共通だが、Aspergillus属へのが特に強い。
  • の第一選択( 2016)。耐性Candida kruseiにも活性。
  • には無効——予防投与中のブレイクスルー・の原因になりうる。
  • 一過性の・が高頻度。長期使用でリスクが上昇する。
  • CYP2C19ので血中濃度が大きくばらつくため、TDMが強く推奨される唯一の。
  • 強力な阻害・基質作用を併せ持ち、・フェニトイン・リファンピシンとの相互作用が重大。

出典

  1. 1.Clinical Pharmacogenetics Implementation Consortium (CPIC) Guideline for CYP2C19 and Voriconazole Therapy(Clinical Pharmacogenetics Implementation Consortium (CPIC) / Clinical Pharmacology & Therapeutics・2017)CYP2C19 poor metabolizer(低代謝者)の頻度は集団によって大きく異なり、東アジア人で約13〜15%であるのに対し欧米・アフリカ系集団では約2〜5%にとどまること、ボリコナゾールは治療域が狭くCYP2C19遺伝子型に由来する薬物動態のばらつきが大きいためガイドラインはpoor metabolizerでは代替抗真菌薬または減量を、rapid/ultrarapid metabolizerでは維持用量の増量を検討するよう推奨し、治療薬物モニタリング(TDM)を強く推奨していることを確認した。閲覧 2026-08-27
  2. 2.Practice Guidelines for the Diagnosis and Management of Aspergillosis: 2016 Update by the Infectious Diseases Society of America(Infectious Diseases Society of America (IDSA)・2016)侵襲性アスペルギルス症(IPA)の初期治療としてボリコナゾールを推奨する(強い推奨・高いエビデンスの質)ことを推奨25として掲げ、代替療法としてリポソーマルアムホテリシンB(強い推奨・中等度のエビデンスの質)とイサブコナゾール(強い推奨・中等度のエビデンスの質)を推奨27として位置づけ、その他の脂質製剤アムホテリシンBは弱い推奨・低いエビデンスの質としたことを確認した。閲覧 2026-08-27
  3. 3.VFEND (voriconazole) tablet, injection, powder for suspension — Prescribing Information(Pfizer / DailyMed(米国FDA)・2026)臨床試験で約21%の患者に異常視覚・色覚変化・羞明などの視覚障害が生じ、網膜電図(ERG)の波形振幅低下・視野狭小化・色覚変化を伴うが投与中止後14日以内に回復すること、長期のVFEND投与を受け光線過敏性皮膚反応を有する患者で皮膚扁平上皮癌(Bowen病を含む)・悪性黒色腫が報告されており小児では光線過敏反応の頻度がより高いこと、臨床肝炎・胆汁うっ滞・劇症肝不全(死亡例を含む)などの重篤な肝反応がまれに報告されており投与開始時と最初の1か月は少なくとも週1回の血清トランスアミナーゼ・ビリルビン測定が推奨されること、心室性不整脈(トルサード・ド・ポワント含む)・心停止・突然死が報告されておりQT延長やその他の催不整脈性疾患を有する患者には慎重投与とし電解質補正を行うべきことを確認した。閲覧 2026-08-27