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Microbe Atlas · 真菌

Candida krusei

分類
酵母 / YeastsCandida
科目
Medical Microbiology
トピック
4/11: Candida genus
自然耐性薬
フルコナゾール
原因となる疾患
カンジダ症
作用する薬剤
アニデュラファンギンカスポファンギンボリコナゾールミカファンギンレザフンギン

🧠 全体像Candida kruseiは「カンジダ耐性の代表例」として読む菌である。C. glabrata感受性とは違い、へのが菌種として固定されている——を待つまでもなく、この菌と分かった時点では選択肢から外れる。予防投与を受けている好中球減少患者での菌としても重要で、が優先される根拠のもうひとつの柱になる。

微生物学的な特徴

  • 陰性
  • 分類学上Pichia kudriavzeviiとして再分類されている。
  • 培養では他のカンジダ属より大きく伸長したを示すことがあり、CHROMagar上でも独特の色調を呈する(施設のプロトコルで確認する)。

⚠️ 耐性は「たまたま感受性が低い」のではなく、種として本来的に備わっている。 標的酵素()がへの親和性が低い構造を持つうえ、の働きも加わり、をするまでもなく臨床的に無効として扱う。など他のには一定の活性が残ることがあるが、だけは種として効かないと考えてよい。

病原性の仕組み

flowchart TD
    A["Candida krusei<br>消化管・環境中に存在"] --> B{"宿主の防御は保たれているか"}
    B -->|"崩れている<br>(好中球減少・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hematopoietic stem cell transplantation, HSCT'>造血幹細胞移植</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hematologic malignancy'>血液悪性腫瘍</span>)"| C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mucosal barrier'>粘膜バリア</span>を越えて血流侵入"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='candidemia'>カンジダ血症</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='disseminated infection'>播種性感染</span>"]
    D -.->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fluconazole'>フルコナゾール</span>予防投与下での<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='breakthrough infection'>ブレイクスルー感染</span>として選択的に出現"| D

💡 なぜ予防投与を受けている患者にこの菌が出やすいのか。 予防投与は感受性の高いC. albicansなどを抑え込む一方、もともとを持つC. kruseiにはとしてまったく働かない。結果として、予防投与を続けている好中球減少患者の腸管フローラの中で相対的にC. kruseiが生き残り、が破綻したときにを起こしやすくなる——「予防投与をしているのに起きた」がこの菌を疑う臨床的な手がかりになる。

感染経路と疫学

  • が中心——からの侵入。
  • 高リスク群:好中球減少症の化学療法後)、予防投与中の患者。
  • 免疫正常者での感染は稀。

起こす疾患

病型 特徴
好中球減少患者に多く、カンジダ症の中でも予後不良な部類に入る

診断

  • 陰性のという所見に加え、そのものがを決める——C. kruseiと判明した時点でを使わないという判断が確定する。
  • ではに加え、への感受性も低下していることがある点に注意する。

治療と予防

状況 治療
・侵襲性感染 )またはが第一選択
⚠️ のため使用しない
難治例

C. kruseiは、から始まる理由そのものである。 前にを経験的に開始してしまうと、この菌であった場合に治療が最初から失敗する——だからこそガイドラインは菌種未確定の段階からを第一選択に置く。

  • 予防:好中球減少患者への予防投与は他の菌種には有効だが、この菌の出現自体は防げない点を理解しておく。

まとめ

  • Pichia kudriavzeviiとして再分類されている陰性の
  • へのが種として固定されている——C. glabrata感受性とは異なる。
  • 予防投与中の好中球減少患者での菌として重要。
  • 治療はまたはが第一選択で、は使わない。
  • から始まる根拠の代表例。