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Drug Atlas · C4 Antifungals / 抗真菌薬

ミカファンギン

micafungin

分類
Antifungals / 抗真菌薬
商品名(日本)
ファンガード
商品名(EU)
Mycamine
科目
Pharmacology
トピック
C4: Antifungal agents
承認適応
カンジダ症
標的微生物
Candida albicansCandida glabrataCandida kruseiCandida tropicalisCandida auris
副作用
発熱皮疹
監視検査値
アミノトランスフェラーゼ(AST・ALT)
自然耐性の微生物
Cryptococcus gattiiCryptococcus neoformans
対象疾患
カテーテル関連血流感染

🧠 全体像と同じで、機序(阻害)・カンジダ属へのスペクトラムはほぼ共通する。米国添付文書上は中等度・重度のでも不要とされる扱いやすさが特徴だが、より狭く(・好中球減少症のは含まれない)、での肝腫瘍所見を理由にEUでは「他の抗真菌薬が適切でない場合にのみ使用する」という制限が課されている点も併せて押さえる。12

カスポファンギンとの違い

項目
機序・スペクトラム 阻害、CandidaAspergillusには寄り 同左(アスペルギルスへのはなし)
時の調整 中等度以上での減量が必要 中等度・重度いずれも米国添付文書上は調整不要(軽度はデータなし)1
初日に必要 不要(初日からで開始できる)
カンジダ症全般+好中球減少症の カンジダ症全般+患者でのカンジダ感染症予防。・好中球減少症のは適応に含まれない
開発の背景 米国発、の原型 日本発(旧藤沢薬品→アステラス製薬)、日本の臨床データが豊富

⚠️ への3〜6か月投与試験でが観察されたことを受け、EUでは全適応で「他の抗真菌薬が適切でない場合にのみ使用する」という制限が課され、重度・慢性のや肝毒性のある薬剤併用中の患者には推奨されない。 米国添付文書にも同じ動物試験所見の記載があるが、通常の患者投与期間(多くは1か月未満)は試験期間より短いとして経過観察の記載にとどまる——EUと米国で扱いの強さが異なる点を押さえる。いずれの地域でも治療中は血液検査による肝機能モニタリングが求められる。12

適応・用法

より狭い。 ・侵襲性カンジダ症患者でのカンジダ感染症予防がで、Aspergillus感染症は含まれない。1 1日1回の静注で、なしに初日からを投与できる点が実務上の利点。実際の用量は適応・年齢・体重で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

⚠️ に使うことがあるのは事実だが、それはではなくガイドライン上の代替・併用選択肢としてである。 IDSAのガイドラインは、が使用できない場面での代替、またはとの併用療法の選択肢としてを挙げるが、単剤を第一選択治療として用いることは推奨していない。3

禁忌・注意・副作用

  • 過敏症の既往がある場合は使用を避ける。
  • 共通の弱点としてには無効(細胞壁の構成比が低くキチンが多いため)。と共通の注意点(詳細はの禁忌・注意節も参照)。
  • 輸注に伴う発熱皮疹などのが主な副作用。
  • ⚠️ での肝腫瘍所見を理由に、EUでは重度・慢性のや肝毒性のある薬剤併用中の患者には推奨されず、治療中はAST・ALTなどの血液検査による肝機能モニタリングと、持続的な時の投与中止が求められる。不要」という上のと、この肝毒性モニタリングの必要性は別の話であり、混同しない。2

まとめ

  • と同じ。機序・カンジダ属へのスペクトラムはの項を参照。
  • 米国添付文書上は中等度・重度のでも不要とされ、なしに初日からを投与できる。
  • はカンジダ症全般+患者でのカンジダ感染症予防で、と違い・好中球減少症のは適応外への使用はガイドライン上の代替・併用選択肢にとどまる)。
  • 日本発の薬剤で、C. glabrataC. kruseiなど、多剤耐性Candida aurisにも活性を持つ。
  • でのの所見からEUでは「他の抗真菌薬が適切でない場合にのみ使用」という制限があり、血液検査による肝機能モニタリングが必要。

出典

  1. 1.MYCAMINE (micafungin sodium) for injection — full prescribing information(U.S. Food and Drug Administration (DailyMed)・2020)米国添付文書上は中等度・重度肝機能障害のいずれでも用量調整不要とされていること(軽度肝機能障害についてはデータの提示がないこと)、腎機能障害・血液透析でも調整不要であること、非臨床毒性試験でラットに3〜6か月投与した際に肝細胞腺腫・癌腫が観察されたが通常の患者投与期間(多くは1か月未満、造血幹細胞移植後の予防投与ではこれを超えうる)はこれより短いと記載していること、承認適応はカンジダ血症・侵襲性カンジダ症・食道カンジダ症・造血幹細胞移植患者でのカンジダ感染症予防に限られアスペルギルス症は含まれないことを確認した。閲覧 2026-08-03
  2. 2.Mycamine (micafungin) — European Medicines Agency medicine overview (EPAR)(European Medicines Agency (EMA)・2025)ラットでの肝障害・肝腫瘍所見を理由に、EUでは全承認適応において「他の抗真菌薬が適切でない場合にのみ使用する」という制限が課されていること、重度・慢性の肝疾患患者や肝毒性・DNA毒性のある薬剤併用中の患者には推奨されないこと、治療中は血液検査による肝機能モニタリングと持続的な肝酵素上昇時の投与中止が求められることを確認した。閲覧 2026-08-03
  3. 3.Practice Guidelines for the Diagnosis and Management of Aspergillosis: 2016 Update by the Infectious Diseases Society of America(Infectious Diseases Society of America (IDSA)・2016)ミカファンギンはアゾール系・ポリエン系抗真菌薬が使用できない場面での代替、またはボリコナゾールとの併用療法の選択肢として位置づけられるが、エキノキャンディン単剤を侵襲性アスペルギルス症の第一選択治療として用いることは推奨されないことを確認した。閲覧 2026-08-03