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Drug Atlas · A5 CNS stimulants / 中枢神経刺激薬 · 必修

ソルリアムフェトール

solriamfetol

分類
Dopamine-norepinephrine reuptake inhibitors (DNRI) / ドパミン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
商品名(EU)
Sunosi
科目
PharmacologyPsychiatry
トピック
A5: Indirect sympathomimetics. Selective α1 agonists精神医学 B-07:睡眠障害
承認適応
不眠障害・ナルコレプシー閉塞性睡眠時無呼吸
副作用
頭痛悪心食欲不振不眠不安頻脈
相互作用
セレギリンモクロベミド

🧠 全体像:は、に近い「ドパミン・ノルアドレナリン」という素直な機序でだけを標的にする薬である。ここが核心で、への有効性は示されていない(適応にも含まれず、AASMが根拠にした試験でも改善が示された転帰に挙がっていない)。⚠️ ただしこれは「効かないことが示された」という意味ではない——そう書いた一次資料は無く、添付文書が述べているのは「の有無でへの効果に差が無かった」までである1。の4大治療薬(・・・)の中で唯一、適応にもが含まれない薬という位置づけを覚えておくと、が前面に出る患者では選ばれにくい理由が説明できる。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 機序
DA/NAのみ あり(代替選択肢) データなし
DA/NA(DNRI) あり(主戦場) 有効性は示されていない
弱い阻害+系への作用(詳細不明) あり 改善は示されていない
・ /-B・刺激 あり あり

⭐ AASMは成人の治療薬としてを強く推奨するが、根拠となった試験で臨床的に有意な改善が示された転帰はとで、はそこに挙げられていない2。でもの有無で有効性に差は示されておらず、を主標的にした薬ではない1。

への効果は第3相TONES 2試験(12週間、安全性解析対象236例・有効性解析対象231例)で確認されている。12週時点のMWTの変化は300 mg群+12.3分・150 mg群+9.8分(プラセボ群+2.1分、いずれもp<0.0001)、の変化は300 mg群-6.4点・150 mg群-5.4点(プラセボ群-1.6点、いずれもp<0.0001)であった3。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='solriamfetol'>ソルリアムフェトール</span>"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='presynaptic'>前シナプス</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='direct antiglobulin test'>DAT</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dopamine transporter (DAT)'>ドパミントランスポーター</span>)を阻害"]
    A --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='presynaptic'>前シナプス</span>のNET(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='noradrenaline transporter (NET)'>ノルアドレナリントランスポーター</span>)を阻害"]
    B --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='synaptic cleft'>シナプス間隙</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dopamine reuptake'>ドパミン再取り込み</span>がブロックされる"]
    C --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='synaptic cleft'>シナプス間隙</span>のノルアドレナリン再取り込みがブロックされる"]
    D --> F["覚醒維持系の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='monoamine'>モノアミン</span>濃度が上昇"]
    E --> F
    F --> G["日中の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='arousal'>覚醒度</span>が改善(機序の詳細は未確定)"]

💡 と同じ「のみ」というシンプルな機序でありながら、適応はではなくもっぱら状に限られる。 系を底上げして覚醒を保つ点は共通するが、-B/GHB系やヒスタミン系には作用しないため、REM睡眠の異常な侵入そのものを抑える経路を持たない——への有効性が示されていないことと機序の面で整合する(ただし機序からの説明であって、無効性が試験で示されたわけではない)。

適応

領域 使いどころ
睡眠 成人の、でCPAP等の治療後も残る。は適応に含まれない

用法・用量

PO、1日1回朝に内服する(就寝予定時刻の9時間以内の投与は避ける)。では75 mg/日から開始し3日以上の間隔で倍量に増量、最大150 mg/日。では37.5 mg/日から開始し同様に漸増する1。では、中等度で37.5 mg開始・7日後に最大75 mgまで、高度で37.5 mgに制限し、では推奨されない1。実際の用量は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:阻害薬(、等)の使用中、または中止後14日以内の投与——原文の表現は「」で、7.1は転帰として死亡・脳卒中・心筋梗塞・などを挙げている1
  • ⚠️ に血圧・心拍数が上昇しうる。 投与前後で血圧・脈拍を確認し、心血管疾患のある患者では慎重に投与する
  • 腎機能に応じたが必要(上記「用法・用量」参照)。では推奨されない
  • 不安・など精神症状が出うる。のある患者では・精神症状のリスクがより高い
  • スケジュールIVのであり、乱用歴のある患者では慎重に管理する

副作用

頻度 内容
高頻度 頭痛、悪心、、不眠、不安
注意 、頻脈

まとめ

  • (DNRI)。のみが標的で、への有効性は示されていない——ここが・(いずれも両症状に効く)との最大の違い。
  • 適応はのとの残存。は適応に含まれない。
  • 阻害薬の使用中・中止後14日以内は禁忌(高血圧反応のリスク。原文は hypertensive reaction)。
  • に血圧・心拍数が上昇しうるため、心血管リスクのある患者では慎重投与。
  • 腎機能に応じたが必要で、では推奨されない。
  • スケジュールIVの。主な副作用は頭痛・悪心・・不眠・不安。

出典

  1. 1.SUNOSI (solriamfetol) tablets, for oral use, CIV — full prescribing information(Axsome Therapeutics, Inc./U.S. Food and Drug Administration(DailyMed)・2023)本文に印字された改訂表示が Revised: 06/2023 の現行版(SPLの掲載更新は2026-05-05、版6、販売元はAxsome Therapeutics)で確認した。適応が成人のナルコレプシーまたは閉塞性睡眠時無呼吸に伴う日中過眠に対する覚醒改善であること(OSAでは気道閉塞そのものの治療にはならず、CPAP等を1か月以上先行させたうえで併用する旨の Limitations of Use が付くこと)、初回米国承認が2019年でスケジュールIV規制物質であること、12.1が機序を unclear としたうえでドパミン・ノルアドレナリン再取り込み阻害を介する可能性を述べていること、ナルコレプシーでは75 mg/日から開始し3日以上の間隔で倍量に増量し最大150 mg/日であること、閉塞性睡眠時無呼吸では37.5 mg/日から開始し同様に漸増すること、中等度腎機能障害では37.5 mgから開始し7日後に最大75 mgまで、高度腎機能障害では37.5 mgに制限し末期腎不全では推奨されないこと、MAO阻害薬の使用中または中止後14日以内の投与が禁忌で原文の表現が hypertensive reaction であること(7.1が転帰として死亡・脳卒中・心筋梗塞・大動脈解離などを挙げる)、主な副作用(発現率5%以上かつプラセボを上回る)が頭痛・悪心・食欲減退・不眠・不安であること、14 CLINICAL STUDIESが逐語で There was no evidence of differential efficacy in patients with cataplexy and patients without cataplexy. と述べていること(TONES 2の組入れ例の約51%がカタプレキシーを有していた)を確認した。閲覧 2026-09-16
  2. 2.Treatment of central disorders of hypersomnolence: an American Academy of Sleep Medicine clinical practice guideline(Journal of Clinical Sleep Medicine(American Academy of Sleep Medicine)・2021)全文(JCSM 17巻1881-1893頁)で確認した。推奨4が逐語で We recommend that clinicians use solriamfetol (vs no treatment) for the treatment of narcolepsy in adults. (STRONG) であること、根拠となった無作為化比較試験3件で臨床的に有意な改善が示された転帰は日中過眠と疾患重症度であり、カタプレキシーは改善が示された転帰に挙げられていないこと(「効かないことが示された」とは書かれていない)、エビデンスの全体的な質が本剤では high と評価されていることを確認した閲覧 2026-09-16
  3. 3.A randomized study of solriamfetol for excessive sleepiness in narcolepsy (TONES 2)(Annals of Neurology・2019)第3相12週間無作為化二重盲検プラセボ対照試験(安全性解析対象236例、有効性解析対象231例)で、12週時点のMWT平均睡眠潜時の変化がソルリアムフェトール300 mg群+12.3分・150 mg群+9.8分に対しプラセボ群+2.1分(いずれもp<0.0001)、Epworth眠気尺度の変化が300 mg群-6.4点・150 mg群-5.4点に対しプラセボ群-1.6点(いずれもp<0.0001)であったこと、主な有害事象(全用量群5%以上)が頭痛21.5%・悪心10.7%・食欲減退10.7%・鼻咽頭炎9.0%・口渇7.3%・不安5.1%であったことを確認した閲覧 2026-08-10