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Drug Atlas · A5 Adrenergic agonists / アドレナリン作動薬

ミドドリン

midodrine

分類
Adrenergic agonists / アドレナリン作動薬
商品名(日本)
メトリジン
科目
Pharmacology
トピック
A5: Indirect sympathomimetics. Selective α1 agonistsCore57: Drug-induced adverse reaction: orthostatic hypotension
承認適応
糖尿病性自律神経障害パーキンソン病
禁忌疾患
高血圧症閉塞隅角緑内障前立腺肥大症増殖糖尿病網膜症褐色細胞腫急性腎障害
副作用
掻痒感感覚異常排尿困難臥位高血圧立毛
対象疾患
ドパミンβ水酸化酵素欠損症家族性自律神経失調症自己免疫性自律神経節障害純粋自律神経不全症体位性起立頻脈症候群透析中低血圧反射性失神

🧠 全体像:はできるで、がにα1受容体を刺激し静脈・動脈を収縮させることで血圧を上げる。⚠️ は血液脳関門をほとんど通過しないため中枢性の副作用が少ないという利点があり、これが同じでもを持つ他のとの違いを生む。一方で末梢の血管収縮は座位・立位だけでなく臥位でも起こるため、が最も重要な副作用になる——「立っているときだけ血圧を上げてほしい」という薬の願いと、薬理学的にそれができないという現実のギャップを理解することが、実務での安全な使い方の核心になる。

薬効群の中での位置づけ

A5の中では、と同じ「直接・」に分類されるが、想定する臨床の時間軸がまったく異なる。

項目
経口(、) 静注・点鼻・点眼など
想定する場面 慢性のの 麻酔時の急性低血圧など短時間の是正
中枢移行 ほとんどなし(は血液脳関門を通過しにくい) (中枢移行はもともと問題にならない)
最重要の注意点 (立位だけでなく臥位でも血管収縮が起こるため)

⭐ 同じの治療でも、とはが根本的に異なる。 はを介したの拡大で血圧を底上げするのに対し、はα1受容体を介した末梢血管の直接収縮で血圧を上げる。両者は作用機序が異なるため併用されることもあるが、いずれも・のリスクを共有する。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='midodrine'>ミドドリン</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='prodrugs'>プロドラッグ</span>)を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='oral'>経口投与</span>"] --> B["加水分解を受け<span class='jp-term jp-term-diagram' title='active metabolite'>活性代謝物</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='desglymidodrine'>デスグリミドドリン</span>に変換"]
    B --> C["末梢のα1受容体を選択的に刺激"]
    C --> D["静脈<span class='jp-term jp-term-diagram' title='smooth muscle contraction'>平滑筋収縮</span>"]
    C --> E["動脈<span class='jp-term jp-term-diagram' title='smooth muscle contraction'>平滑筋収縮</span>"]
    D --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='venous return'>静脈還流量</span>が増加"]
    E --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='peripheral vascular resistance'>末梢血管抵抗</span>が上昇"]
    F --> H["起立時の血圧低下が軽減"]
    G --> H
    G --> I["臥位でも血管収縮が持続"]
    I --> J["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='supine hypertension'>臥位高血圧</span>のリスク"]
    B -.->|"血液脳関門をほとんど通過しない"| K["中枢性の副作用は少ない"]

薬物動態

項目 値・特徴
剤形 (経口)
()
中枢移行 は血液脳関門をほとんど通過しない1
排泄 はされるため、腎機能低下患者では蓄積しうる1

適応

領域 使いどころ
循環・自律神経 標準治療でも生活に著しい支障をきたす症候性1。⚠️ 欧州・日本・米国のどの文書も原因疾患を名指ししない(米国の適応の文言は “symptomatic orthostatic hypotension” のみで、Parkinson は全文0回、diabetic は適応ではなく注意の1回だけ)。臨床で対象になるのは・パーキンソン病などを伴う病態だが、それをと数えてよいかは下記のとおり未決である
腎臓 透析中低血圧(として臨床的に用いられる)
消化器(適応外) 肝硬変の難治性・再発性腹水に対する標準治療への。で尿量・・の改善と腹水コントロールの向上が報告されている2

を対象とした試験では、に比べ起立時の・・全般的症状改善度のいずれも有意に優れていた3。⚠️ この試験に組み入れられたのはの患者171例だが、やの併用で9例が評価不能となっており、上記のP値は評価可能例についてのものである。原著は施設・の重症度・や弾性衣の使用・診断名のいずれによっても効果に差は無かったと述べている3。

⚠️ と肝硬変の腹水は、欧州・日本・米国のいずれの効能・効果にも挙がっていない。 下の3つの添付文書はどれも「(と本態性低血圧)」という症候で適応を定めており、肝硬変という疾患名は現れない。腹水への使用はであり、根拠は40例のにとどまる2。

症候で書かれた適応に、どの疾患名までを数えるか(このボルトでは未決)

⚠️ 4つの文書を全文で引き直したところ、パーキンソン病という語はハンガリー・英国・スペインのSmPCにも日本の電子添文にも米国の添付文書にも1回も現れない(2026-09-07に再取得して逐語で確認)。糖尿病を指す語も、効能の欄には一度も現れない——現れるのは欧州3か国の禁忌欄の「/増殖糖尿病神経障害」と、米国添付文書の(糖尿病を合併するの患者では慎重に使う)だけで、日本の電子添文には0回である45671。

💡 ここで2つの読み方が衝突している。 本ノートの indicationDiseases にはとパーキンソン病の2件が入っているが、これは後者の読み方に立った書き方であって、このボルトの規約が指示していることではない。

何と言っているか この薬に当てはめた帰結
ボルトの規約(docs/note-link-architecture.md) 添付文書・SmPCを実際に読み、そこに書かれたを書く。読んでも該当が無ければ空のままにする。埋めるために適応を広く解釈しない。対症療法薬・補充療法薬など、疾患名で適応が定義されない薬は空のままでよい 効能が症候だけで書かれているので indicationDiseases は空になる
本ノートが採っている読み方 判定は「疾患名が書いてあるか」ではなくその病態が効能の文言そのものに収まるかである 自律神経機能障害によるを起こす原因疾患はに数える。・パーキンソン病が入る

⚠️ この監査ではフィールドを変更していない。 規約側を採ると2件が外れ、パーキンソン病との各ノートから逆参照の「適応薬:」が消える。同じ線引きは症候で効能を定める薬すべてに掛かるので、1剤の監査ではなく方針として決めるべきものである。💡 どちらの読み方を採ってもが変わらない部分もある——肝硬変のとはそのものではないので、いずれの読み方でもには入らない。

欧州の効能・効果(Gutron)

⭐ 欧州ではの中でも対象がいちばん狭く書かれている。 ハンガリーのGutron 2,5 mg錠のSmPCは、を 「の機能障害による重症のの治療。補正しうる要因が除外されている場合」 の1文だけで定めている4。英国のSmPCも同じ枠組みで、“severe orthostatic hypotension due to autonomic dysfunction when corrective factors have been ruled out and other forms of treatment are inadequate”(成人)と、さらに「他の治療法では不十分」という条件を明記する5。スペインのGutron 5 mg錠のSmPCも英国と同じ2条件を課している6。

💡 3つの国・地域で、適応の絞り方が3通りに分かれている。

資料 効能・効果の書き方 絞り込みの条件
欧州(Gutron/Bramox) 自律神経機能障害による重症の4 補正しうる要因を除外していること(英国5・スペイン6のSmPCは「他の治療で不十分」も加える)
日本(メトリジン) 本態性低血圧、7 「効能又は効果に関連する注意」の節そのものが無い
米国(PROAMATINE) 症候性の1 標準治療でも日常生活が著しく損なわれていること(つき)1

⚠️ 日本だけが「本態性低血圧」を含み、原因も重症度も限定しない。 欧州・米国は「重症」「日常生活が著しく損なわれる」という重症度の条件を課しており、⭐ 国内の書き方をそのまま欧州の試験に持ち込むと適応を広く取りすぎる。

日本の効能・効果(メトリジン)

⭐ 国内の電子添文が効能・効果として挙げているのは「本態性低血圧」「」の2つで、原因疾患による限定が置かれていない7。「効能又は効果に関連する注意」の節そのものが置かれていないため、米国添付文書のように「症候性の」へ絞る書き方とは適応の範囲の切り方が異なる。

💡 この書き方の違いが実務では効いてくる。 という症候さえあれば原因疾患を問わず処方できる国内の書き方に対し、米国の添付文書は「標準治療でも日常生活が著しく損なわれている症候性の」に限るつきの書き方をしている。

⭐ 国内の「本態性低血圧」という適応を支えているのは、国内の承認時試験である。 電子添文の17.1(有効性及び安全性に関する試験)は、国内第II相の一般試験・第III相の比較試験および一般試験の成績として、中等度改善以上の改善率を本態性低血圧 58.2%(89/153例)・ 66.7%(336/504例)と示している(承認用量と異なる症例を含む)7。⚠️ 「が広い=根拠が無い」と読まない。 国内の本態性低血圧という適応には、この国内試験という根拠がある。💡 ただしこれは対照群を持たない一般試験を含む改善率であって、プラセボ対照試験の効果量ではない。

⚠️ 一方、本ノートが引いている試験が対象としたのは「」である3。⭐ 効能の文言を支えている試験は国ごとに別である。 国内の効能の広さを欧米の試験成績ですることも、逆に欧米の適応の狭さを国内へ持ち込むこともしない。

用法・用量

欧州のSmPC(Gutron)

1回2.5mg(1錠)を1日2〜3回で開始し、患者の反応とを見ながら3〜4日以上の間隔をおいて、1回10mgを1日3回というまで増量できる。1日最大量は30mg。服用間隔は3〜4時間とし、1回目は朝起きる直前または直後、2回目は正午、3回目は午後遅くに服用する4。⚠️ 最終用量は就寝の4時間以上前に服用する。 治療開始時は少なくとも週2回、臥位・立位/座位の両方で血圧を測り、が強まれば中止する4。

⭐ 欧州は「12歳超の青年」まで適応があり、12歳未満には推奨されない4。日本は小児の用量を持ち(1日最高量6mg)7、米国は小児での安全性・有効性を確立していないとする。⚠️ 増量の間隔も国で違う——ハンガリーのSmPCは「3〜4日以上の間隔」、英国のSmPCは「週ごと」で、米国は増量の間隔そのものを定めていない45。

日本の電子添文(メトリジンD錠)

⚠️ 国内の用量は欧米よりはるかに少ない。 成人は通常1日4mgを2回に分けてし、症状により適宜増減する。重症の場合は1日8mgまで増量できる。小児は通常1日4mgを2回に分割し、適宜増減するが1日最高量は6mgとする7。

⚠️ 国内の電子添文は「就寝◯時間前まで」という時刻の規定を置いていないが、外国で実施されたの試験で臥位血圧が過度に上昇した症例が報告されているとして、・頭痛は臥位血圧の上昇による可能性があること、減量または頭部を高くして寝ることで調節できること、が続く場合には投与を中止することを重要な基本的注意に定めている7。

米国添付文書(PROAMATINE)

10mgを1日3回、日中(起床時・正午・夕方早め)にする1。

⚠️ 夕食後または就寝4時間以内は投与しない。 就寝中は臥位が続き血圧が下がりにくいため、この時間帯に投与するとを助長する1。就寝時は頭部を挙上した体位をとることで、就寝中のをある程度軽減できる。

腎障害患者では2.5mgから開始することが推奨される(がされるため)1。

3つの添付文書の比較

項目 欧州のSmPC 米国添付文書 日本の電子添文
成人の用量 1回2.5mgを1日2〜3回で開始し1回10mgを1日3回まで。1日最大30mg4 1回10mgを1日3回(1日30mg)1 通常1日4mgを2回分割、重症時1日8mgまで7
小児 12歳超の青年は成人と同じ。12歳未満には推奨しない4 記載なし 通常1日4mgを2回分割、1日最高量6mg7
服用時刻の規定 最終用量は就寝4時間以上前、服用間隔3〜4時間4 夕食後または就寝4時間以内は投与しない1 時刻の規定は置かず、が続く場合は投与を中止すると定める7

禁忌・注意

  • ⚠️ :(臥位血圧の著明な上昇)。 標準治療でも生活が著しく損なわれている患者に限って使用する。有効性は「起立1分後の上昇」というに基づいており、の改善という臨床的benefitは確立していない1
  • ⚠️ 欧州のSmPCの禁忌は12項目あり、3つの添付文書のうち最も広い4。ハンガリー・英国・スペインのいずれも12項目だが、中身が完全には一致しない(下表)56
  • 米国添付文書の禁忌:重篤な、、尿閉、、、持続的で過度の1
  • 日本の電子添文の禁忌は2項目だけ:甲状腺機能亢進症、又は7
禁忌の項目 欧州(ハンガリー・英国・スペイン) 米国(PROAMATINE) 日本(メトリジン)
本剤成分への過敏症 ○ — —
重篤な(徐脈・・・刺激・) ○ ○ 9項(重篤な)
高血圧 ○ — 9項
重篤な閉塞性・攣縮性の血管疾患(脳血管閉塞・攣縮) ○ — 9項(重篤な血管障害)
○ ○ 9項(重篤なはをあける)
腎不全 ○(英国・スペインは「重度=30 mL/分未満」と数値で定義) — 9項
・尿閉 ○(⚠️ 「を伴う」という限定はハンガリー版だけ。英国版は「重篤な前立腺障害」、スペイン版は「」と限定を置かない。尿閉は3か国とも独立した項目) ○(尿閉) 9項(に伴う)
○ ○ ○(を含む)
甲状腺機能亢進症 ○ ○() ○
○ — —
妊娠・授乳 ○(⚠️ ハンガリー版のみ。英国版・スペイン版は4.3ではなく4.6で「妊娠中は推奨しない」「授乳中は使用しない」と書く) — 妊婦には投与しないことが望ましい
(の)⚠️ ○(ハンガリー版だけ「増殖糖尿病神経障害」と書く。下記参照) — —
持続的で過度の 4.4で中止を規定 ○ 重要な基本的注意で中止を規定

⚠️ 同じ薬で禁忌が2項目から12項目まで開く。 欧州でだけ禁忌なのは高血圧・・妊娠授乳・で、日本は同じ状態の多くを禁忌ではなく9項(特定の背景を有する患者に関する注意)に置いている47。💡 「禁忌の数が少ない=安全」ではない——区分の置き方が違うだけで、注意すべき病態はほぼ重なる。

⚠️ 上の表の最終項は、欧州の中でも版によって語が違う。 英国のBramox SmPCは Proliferative diabetic retinopathy.(増殖糖尿病網膜症)と書き5、スペインのGutron SmPCも Retinopatía diabética proliferativa(同じく増殖糖尿病網膜症)と書く6。一方ハンガリーのGutron SmPCの同じ位置は Proliferatív diabéteszes neuropátia(増殖糖尿病神経障害)である4。⭐ 「増殖」はの病期を指す語で、神経障害のには使わない。 3か国のうち2か国がと書いており、contraindicatedDiseases はのとして保存してある。⚠️ ハンガリー版が誤記であると断定はしていない——版どうしの差を出版元へ照会したわけではないので、ハンガリーの資料だけを読んだ読者が「神経障害」と答える可能性は残る。

⭐ 禁忌のうち4つは、なぜ禁忌なのかが薬理から一続きに説明できる。 のは末梢のα1受容体を選択的に刺激する——この1つの作用が、臓器ごとに別々の禁忌として現れる。

禁忌 α1刺激がその臓器で何をするか
高血圧 全身の細動脈が収縮してが上がる。もともと血圧が高い患者では過度の昇圧になる。国内の電子添文も9.1.3で「基礎疾患として高血圧がある患者に使用する場合、過度のが起こるおそれがある」と同じ理由を述べる7
・尿閉 と前立腺部尿道の平滑筋が収縮してが上がる。⭐ がの治療薬であることの裏返しで、は逆向きに働く。国内の電子添文9.1.4は「本剤がのに作用するため、を悪化させるおそれがある」と明記する7
がα1受容体で収縮してする。隅角が解剖学的に狭い眼ではそのものがとを招く。欧州のSmPCが併用時のにも注意を促しているのは別経路のである4
昇圧そのものがからのの誘因になりうる。⚠️ ただし欧州のSmPCはこの禁忌の理由を書いていない——上の説明は薬理からの推論であって、SmPCが述べていることではない

⚠️ contraindicatedDiseases(承認上の禁忌疾患)には、この4つを欧州のSmPCに従って登録してある。 日本の電子添文はいずれも禁忌ではなく9項に置くが、このボルトは上の区分が国で割れたとき欧州のSmPCを正本とする方針なので、日本の区分は上の表と9項の説明で残している。 ⚠️ 緑内障とは限定つきの禁忌である——禁忌なのは閉塞隅角緑内障と増殖であって、やまで含まない。「緑内障だから使えない」「だから使えない」と平坦化しない。

  • ⚠️ に注意する。 欧州のSmPCは、直接または間接に徐脈をきたす薬(、β遮断薬、)との併用に注意を促し、との併用は徐脈を増強しを起こしうるとして推奨していない。脈拍低下・不快感・めまいの増強・が出たら直ちに中止して受診するよう患者に説明する4
  • はの阻害薬であり、この酵素で代謝される薬(ペルフェナジン、、など)の代謝に影響しうる4
  • ⚠️ との併用ではに注意する。 欧州のSmPCは、緑内障やのおそれがある患者と、()を併用中の患者に注意を求めている4。長期投与例では腎機能のモニタリングが推奨される4
  • ⚠️ 国内の禁忌欄に挙がっていない項目が「安全」という意味ではない。 それらは9項(特定の背景を有する患者に関する注意)に置かれている——重篤な・重篤な血管障害(症など)・高血圧・に伴うがここに挙げられ、重篤なではの延長により血中濃度が持続するためをあけて使用するとされる7。禁忌欄の項目数だけを比べて「国内のほうが使いやすい」と読まない
  • 妊婦:国内の電子添文は妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましいとする(で胎児への移行・吸収胚の増加・胎児体重低値・、ウサギで死胚胎児の増加・)7
  • の風邪薬・ダイエット用品などを持つ成分との併用は、の昇圧効果を増強しうるため注意する1

副作用

頻度 内容
高頻度 (、13.4%)、頭皮の(12.2%)、(18.3%)1
注意 (7.3%)、・尿閉1
中枢性 血液脳関門をほとんど通過しないため、他のに比べ中枢性の副作用(傾眠・興奮など)は目立たない

⚠️ 欧州のSmPCは、の頻度を用量で分けて書いている——臥位で180/110 mmHg以上になることが、30mgを超える用量では「高頻度」(≥1/100)、7.5mg以下の用量でも「時に」(≥1/1000)起こるとする4。💡 少量でも起こる副作用であって、増量したときだけ気にすればよいものではない。 同じSmPCは13%と13%を「非常に高頻度」(≥1/10)、尿閉6%を「高頻度」に分類し、まれな副作用としてと・を挙げている4。

まとめ

  • はで、がにα1受容体を刺激し静脈・動脈を収縮させて血圧を上げる。
  • ⚠️ は血液脳関門をほとんど通過しないため中枢性の副作用が少ないが、末梢の血管収縮は臥位でも起こるためが最重要の副作用になる。就寝4時間以内は投与しない、就寝時は、が実務上の対策。
  • ・・が高頻度の副作用で、尿閉にも注意する。
  • ⚠️ 禁忌の数が国で大きく違う。 欧州のSmPCは過敏症・重篤な・高血圧・重篤な閉塞性/攣縮性血管疾患・・腎不全・/尿閉・・甲状腺機能亢進症・・などの12項目456、米国添付文書は重篤な・・尿閉・・・持続的過度のの6項目1、日本の電子添文は甲状腺機能亢進症と/の2項目だけで残りは9項(特定の背景を有する患者)に置かれている7。⚠️ 欧州の12項目は3か国とも同数だが中身が同じではない——妊娠・授乳を4.3に置くのはハンガリー版だけ、に「を伴う」という限定を付けるのもハンガリー版だけである。💡 項目数の差は区分の置き方の差であって、注意すべき病態はほぼ重なる。
  • ⭐ 効能・効果の絞り方も3通り。 欧州は「自律神経機能障害による重症の、補正しうる要因を除外していること」4、米国は「標準治療でも日常生活が著しく損なわれる症候性の」1、日本は「本態性低血圧、」で原因も重症度も限定しない7。用量も成人1日4mg(重症時8mgまで)と、欧米の1日最大30mgより大幅に少ない。⭐ 国内の本態性低血圧という適応は、国内の承認時試験(中等度改善以上の改善率58.2%=89/153例)に支えられている7。本ノートが引いている試験が対象としたのはである3。効能の文言を支えている試験が国で違うので、適応の広さを直接比べない。
  • (・パーキンソン病など)に用いる。⚠️ と肝硬変のは、欧州・米国・日本のいずれの効能・効果にも無くである。腹水では標準治療へので腹水コントロールを改善したとする40例のがある2。
  • ⚠️ を阻害し、・β遮断薬との併用で徐脈を増強し、との併用ではも起こしうる4。
  • 同じ治療薬のは拡大という別の機序で働き、の血管収縮作用とは区別して理解する。

出典

  1. 1.PROAMATINE (midodrine hydrochloride) tablet — Full Prescribing Information(米国FDA(DailyMed収載の添付文書、2010年5月改訂)・2010)用法・用量が10mgを1日3回、日中(起床時・正午・夕方早め)に投与し夕食後または就寝4時間以内は投与しないこと、腎障害患者では2.5mgから開始することを推奨すること、禁忌が重篤な器質的心疾患・急性腎疾患・尿閉・褐色細胞腫・甲状腺中毒症・持続的過度の臥位高血圧であること、枠組み警告として臥位血圧の著明な上昇を来しうること、活性代謝物デスグリミドドリンが血液脳関門を通過しにくく末梢選択的なα1作動薬であること、立毛(13.4%)・掻痒感(12.2%)・感覚異常(18.3%)・臥位高血圧(7.3%)が高頻度の有害事象であること、効能の文言が原文で「indicated for the treatment of symptomatic orthostatic hypotension」であり全文にParkinsonの語が0回でdiabeticが1回(適応ではなく注意の文脈)であることを確認した閲覧 2026-08-19
  2. 2.Midodrine in patients with cirrhosis and refractory or recurrent ascites: a randomized pilot study(Journal of Hepatology・2012)難治性・再発性腹水を有する肝硬変患者40例を対象とした無作為化パイロット試験で、標準治療にミドドリンを上乗せした群は標準治療単独群に比べ投与1ヵ月後の尿量・尿中Na排泄・平均動脈圧が有意に増加し血漿レニン活性が有意に低下したこと(いずれもP<0.05)、3ヵ月時点での腹水コントロールが有意に優れていたこと(P=0.013)を確認した閲覧 2026-08-19
  3. 3.Efficacy of Midodrine vs Placebo in Neurogenic Orthostatic Hypotension: A Randomized, Double-blind Multicenter Study(JAMA・1997)抄録で、神経原性起立性低血圧を対象に25施設で実施された6週間の多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験に起立性低血圧の患者171例が参加し、うち9例(ミドドリン群3例・プラセボ群6例)が服薬不遵守または血管作動薬の併用のため評価不能であったこと、評価可能例でミドドリン10mgを1日3回投与した群はプラセボ群に対し起立時の収縮期血圧が各評価時点で有意に高く(P<.001)、投与2週目までに症状が有意に改善し(P=.001)、患者・治験医いずれの評価でも全般的症状改善度が有意に優れていた(患者評価P=.03、治験医評価P<.001)こと、施設・起立性低血圧の重症度・フルドロコルチゾンや弾性衣の使用・診断名による効果の差は認められなかったこと、主な有害事象が立毛反応・尿閉・臥位高血圧であったことを確認した(本文は未取得)閲覧 2026-08-19
  4. 4.Gutron 2,5 mg tabletta — Alkalmazási előírás(Országos Gyógyszerészeti és Élelmezés-egészségügyi Intézet(ハンガリー国立薬事・食品衛生研究所。販売許可保有者 Cheplapharm Arzneimittel GmbH、登録番号 OGYI-T-4239)・2021)本文検証日2021年7月31日(OGYÉI/49235/2021、第2版)のハンガリーSmPCで、4.1の治療適応が原文で「Az autonóm idegrendszer működési zavara miatti súlyos orthostaticus hypotonia kezelése, ha a korrekciós faktorok kizártak.」=「自律神経系の機能障害による重症の起立性低血圧の治療。補正しうる要因が除外されている場合」という1文だけであり肝硬変・腹水への適応が無いこと、全文にparkinsonの語が0回でdiabの語が現れるのは4.3の増殖糖尿病神経障害だけであること、4.2で成人および12歳超の青年に1回2.5mg(1錠)を1日2〜3回で開始し3〜4日以上の間隔で1回10mgを1日3回の維持量まで増量でき1日最大30mgであること、最終用量を就寝の4時間以上前に服用し服用間隔を3〜4時間とすること、12歳未満には推奨されないこと、4.3の禁忌が過敏症・重篤な器質的心疾患・高血圧・重篤な閉塞性または攣縮性の血管疾患・急性腎疾患・腎不全・残尿を伴う前立腺肥大/機械的尿路閉塞/尿閉・褐色細胞腫・甲状腺機能亢進症・閉塞隅角緑内障・妊娠または授乳・増殖性糖尿病性ニューロパチー(原文 "Proliferatív diabéteszes neuropátia"。英国SmPCの対応項目は増殖糖尿病網膜症)の12項目であること、4.4・4.5でミドドリンがCYP2D6の阻害薬でありジギタリス・β遮断薬との併用で徐脈が増強しうること、4.8で立毛13%・排尿困難13%が「非常に高頻度」、尿閉6%が「高頻度」とされていることを確認した。閲覧 2026-09-07
  5. 5.Bramox 10 mg tablets — Summary of Product Characteristics(electronic medicines compendium(英国。販売許可保有者 Brancaster Pharma Limited、PL 41542/0008)・2022)本文改訂日2022年4月19日の英国SmPCで、4.1の適応が "Bramox 10 mg tablets are indicated in adults for the treatment of severe orthostatic hypotension due to autonomic dysfunction when corrective factors have been ruled out and other forms of treatment are inadequate." であること、4.2の開始量が1回2.5mg1日3回で週ごとに1回10mg1日3回まで増量でき最終用量は就寝の4時間以上前とすること、4.3の禁忌に急性腎疾患・重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30 mL/分未満)・高血圧・重篤な器質的心疾患・尿閉・褐色細胞腫・甲状腺機能亢進症・閉塞隅角緑内障・増殖糖尿病網膜症が含まれること、全文にparkinsonの語が0回でdiabeticが現れるのは4.3のproliferative diabetic retinopathyだけであることを確認した。閲覧 2026-09-07
  6. 6.GUTRON 5 mg comprimidos — Ficha técnica(Agencia Española de Medicamentos y Productos Sanitarios(スペイン。CIMA登録番号65058、販売許可保有者 Cheplapharm Arzneimittel GmbH)・2016)本文改訂2016年2月のスペインSmPCで、4.1の適応が原文で「Gutron está indicado para el tratamiento de la hipotensión ortostática severa debida a disfunciones en el sistema nervioso autónomo, cuando las medidas correctoras no han sido eficaces y otras formas de tratamiento son inadecuadas.」=「自律神経系の機能障害による重症の起立性低血圧の治療。補正しうる措置が有効でなく他の治療法も不十分な場合」であること、全文にparkinsonの語が0回で糖尿病を指す語が現れるのは4.3の増殖糖尿病網膜症だけであること、4.2の開始量が1回2.5mgを1日3回で週ごとに1回10mgを1日3回まで増量でき「それを超える用量は検討されていない」と述べていること、小児での安全性・有効性は確立していないとすること、4.3の禁忌が重篤な心機能障害・高血圧・重篤な血栓性血管疾患/脳血管血栓症/血管攣縮・急性腎疾患・重度腎機能障害(クレアチニンクリアランス30 mL/分未満)・前立腺肥大・尿閉・増殖糖尿病網膜症(原文 "Retinopatía diabética proliferativa")・褐色細胞腫・甲状腺機能亢進症・閉塞隅角緑内障・過敏症の12項目であること、前立腺肥大に「残尿を伴う」という限定が付かず妊娠・授乳が4.3に挙がらないこと(4.6で妊娠中は推奨されないとする)を確認した。閲覧 2026-09-07
  7. 7.メトリジンD錠2mg 電子添文(医薬品医療機器総合機構(大正製薬)・2023)2023年6月改訂(第2版)の電子添文で、効能又は効果が「本態性低血圧、起立性低血圧」の2つで原因疾患による限定が置かれていないこと(「効能又は効果に関連する注意」の節そのものが無い)、用法及び用量が成人で通常1日4mgを2回に分けて経口投与し症状により適宜増減、重症の場合は1日8mgまで増量でき、小児では通常1日4mgを2回に分割し1日最高量を6mgとすること、禁忌が「甲状腺機能亢進症の患者」と「褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者」の2項目だけであること、重篤な心臓障害・重篤な血管障害・高血圧・前立腺肥大に伴う排尿困難・重篤な腎機能障害は禁忌ではなく9項(特定の背景を有する患者に関する注意)に置かれていること、重要な基本的注意が外国の神経原性起立性低血圧に対する二重盲検試験で臥位血圧が過度に上昇した症例が報告されているとし、動悸・頭痛が臥位血圧上昇によることがあり、減量または頭部を高くして寝ることで調節でき、臥位高血圧が続く場合には投与を中止するとしていること、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましいとされていること、製造販売元が大正製薬株式会社であること、全文にパーキンソンの語も糖尿病の語も0回であることを確認した。閲覧 2026-09-07