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Symptoms · Published

嚥下痛

Odynophagia

臓器系
消化器耳鼻咽喉科感染症
科目
Internal MedicineENT
トピック
内科学 G-01:食道・胃疾患内科学 L-44:胃食道逆流症・嚥下障害の鑑別耳鼻咽喉科 60:食道の検査・疾患、嚥下障害、食道異物
関連疾患
HPV感染症(疣贅・尖圭コンジローマ・子宮頸部異形成)Lemierre症候群カンジダ症クループ・急性喉頭蓋炎・細菌性気管炎胃食道逆流症咽後膿瘍急性扁桃炎・扁桃周囲膿瘍食道癌頭頸部癌

🧠 全体像は「飲み込むと痛い」であり、嚥下障害の「通らない」とは別の訴えである。痛みが出るということは粘膜が傷ついているということで、鑑別は狭窄や運動障害ではなくの原因——感染、薬剤、酸、、腫瘍——に向かう。そして急性ので最初に問うべきは、免疫不全があるか寝る前に薬を飲まなかったかの2点である。

嚥下障害との違い

嚥下障害
訴え 飲み込むと痛い 飲み込んでも通らない、つかえる
主な機序 粘膜の傷害 狭窄などの、運動障害
主な原因 感染性・薬剤性・、腫瘍 癌、、神経筋疾患
最初の検査 +生検 内視鏡、造影、必要なら高内圧検査

⚠️ 両者は併存する。 嚥下障害にが加わったときは進行した病変を示唆するので、は嚥下障害の評価における症状として扱う。この場合は嚥下障害の枠組みで進める。

💡 痛みの部位も手がかりになる。飲み込む瞬間に喉が痛むなら咽頭・扁桃の病変(の枠組み)、飲み込んだ数秒後にが痛むなら食道の病変である。

感染性食道炎——免疫不全を示唆する

⚠️ 急性に生じた強いは、それ自体が細胞性免疫不全のになりうる。 HIV感染、、移植後、化学療法中、ステロイド・使用中、コントロール不良の糖尿病では、まずを考える。免疫状態が不明なら、この症状をきっかけにHIV検査を含めた評価を検討する。

病原体 内視鏡像 治療
カンジダ 剥離しにくい白〜黄白色の 全身投与のが第一選択
小さく深い。辺縁の生検で アシクロビルなど
大きな線状・の生検で

生検を取る場所が病原体で違う。 は潰瘍の辺縁は潰瘍のから採る。取る場所を間違えると陰性になる。

💡 があればの可能性は高まるが、口腔病変がなくてもは否定できない。逆に、経験的な抗真菌薬に反応しないを疑って内視鏡へ進む。

薬剤性食道炎——問診で診断できる

⚠️ 「服用のあと、すぐ横になりましたか」「水はどのくらい飲みましたか」を必ず聞く。 は、が食道に停滞して直接粘膜を傷害することで起こる。就寝直前に少量の水で内服する習慣が典型で、だけで診断にたどり着ける。

起因薬 補足
ドキシサイクリンなどのテトラサイクリン系 若年者で最も多い
など) 服用後30分以上は座位・立位を保つという指導がそのまま予防になる
で停滞しやすい
NSAIDs、 潰瘍を作りうる

⭐ 治療の中心は原因薬の中止と服薬方法の是正で、多くは数日から数週で治る。内服のたびに十分量の水で飲み、服用後しばらく横にならないという指導を、始めるときに一緒に伝えておくのが最も効く。

そのほかに外せないもの

  • :慢性のが加わる。では症状で、内視鏡の適応になる。
  • :⚠️ 酸・アルカリの摂取が疑われるときはさせない。中和も行わない——再度の粘膜曝露と発熱反応でかえって傷害が広がる。気道の評価を最優先し、専門施設で内視鏡の時期を判断する。
  • 悪性腫瘍:進行性の嚥下障害に・体重減少・貧血が重なる経過。高齢、喫煙・飲酒歴があれば早期に内視鏡を行う。
  • 放射線・化学療法後の:頭頸部・胸部照射や化学療法の経過中に生じる。時期が合えば説明がつく。

まとめ

  • の症状で、狭窄・運動障害を軸とする嚥下障害とは鑑別が違う。
  • 急性の強いでは、まず免疫不全の有無を問う。が最初の候補になる。
  • カンジダ・は内視鏡像で分かれ、生検を取る場所も違う。
  • は「服用後すぐ横になったか」「水は十分か」の2問で診断に近づく。
  • は、処方時のそのものが予防になる。
  • ではも中和もしない。気道評価が先。
  • 嚥下障害にが加わったら症状として扱い、内視鏡へ進む。