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Drug Atlas · A11 Opioids / オピオイド · 必修

ブプレノルフィン

buprenorphine

分類
Opioids / オピオイド
商品名(日本)
レペタンノルスパン
商品名(EU)
SubutexTranstec
科目
Pharmacology
トピック
A11: Opioids
禁忌疾患
イレウス・腸閉塞
副作用
便秘傾眠悪心
解毒薬
ナロキソン
対象疾患
精神作用物質使用症(アルコール以外)

🧠 全体像へのでありながら親和性はより高いという、一見矛盾した性質を持つ。この「親和性は最強クラス、でも活性化する力は中途半端」という組み合わせが、①呼吸抑制にが生まれる、②他のを受容体から押しのけて追い出す、③導入時にを誘発しうるという3つの臨床的な帰結をすべて説明する。治療薬としての地位は、まさにこの性質の上に成り立っている。

薬効群の中での位置づけ

分類 代表薬 受容体作用 呼吸抑制の
モルヒネ 完全作動 なし(用量比例)
部分作動+κ拮抗 部分μ作動+κ拮抗 あり
κ作動+μ拮抗 κ作動+μ拮抗 あり

があるからこそ治療薬として使われる。 用量を増やしても呼吸抑制がある一定以上には強まらないため、他のに比べてのリスクが低い。このの広さが、外来での単剤、あるいはとの合剤)を可能にしている。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='buprenorphine'>ブプレノルフィン</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mu-opioid receptor'>μ受容体</span>に<br>非常に高い親和性で結合"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='partial agonist'>部分作動薬</span>として<br>受容体を中途半端に活性化"]
    B --> C["用量を増やしても<br>活性化の上限に達する(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ceiling effect'>天井効果</span>)"]
    C --> D["呼吸抑制も鎮痛も<br>ある用量以上は頭打ちになる"]
    A --> E["κ<span class='jp-term jp-term-diagram' title='opioid receptor'>オピオイド受容体</span>を拮抗"]
    A -.->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='high affinity'>高親和性</span>ゆえに"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='full agonist'>完全作動薬</span>(モルヒネ等)を<br>受容体から追い出す"]
    F -.->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='opioid dependence'>オピオイド依存</span>患者では"| G["急性の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='withdrawal symptom'>離脱症状</span>を誘発しうる<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='precipitated withdrawal'>誘発性離脱</span>)"]

💡 導入のタイミングを誤るとを引き起こすのはこの「受容体の奪い合い」のせい。 患者に他のがまだ十分に効いている状態でを投与すると、を受容体から追い出しつつ自身は部分的にしか活性化しないため、正味の受容体刺激が急に低下しが誘発される。だから導入は、患者が軽度〜中等度のし始めてから行うのが原則になる。

薬物動態

項目 値・特徴
経口では低い(が大きい)。舌下・経皮・注射で用いる
分布 高い脂溶性
代謝 CYP3A4へ代謝
排泄 主に胆汁・糞便中排泄
半減期 約24〜42時間と長い。受容体からの解離も遅い

適応

領域 使いどころ
中等度〜重度の急性・慢性疼痛(
(アルコール以外)(しばしばとの合剤でを図る)

用法・用量

ではしながら用いる。治療での導入は、患者が軽度〜中等度のを呈してから開始する(早すぎる導入は急性離脱を誘発する)。実際の用量は適応・年齢・体重・肝機能で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌イレウス・腸閉塞(オピオイドによる抑制で増悪しうる)
  • ⚠️ 患者で、他のがまだ効いている間に投与すると)を誘発する。 導入タイミングの見極めが治療成功の鍵
  • 時、ゆえに通常量のでは拮抗しにくいことがある。 より高用量・が必要になる場合がある
  • CYP3A4阻害薬との併用で血中濃度上昇のおそれ

副作用

頻度 内容
高頻度 便秘傾眠悪心
重篤・まれ 呼吸抑制(はあるが、他のとの併用では上限を超えうる)、導入時の

まとめ

  • へのでありながら親和性はより高い、という組み合わせが最大の特徴。
  • 部分作動ゆえに呼吸抑制にがあり、のリスクがより低い。
  • ゆえにを受容体から追い出し、導入タイミングを誤ると急性のを誘発する。
  • の柱の一つで、しばしばとの合剤でを図る。
  • 時はのため通常量ので拮抗しにくいことがある点も特徴的。
  • (κ作動+μ拮抗)と並ぶ「を持つオピオイド」のグループとして覚える。