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Drug Atlas · A10 Local anesthetics / 局所麻酔薬

ロピバカイン

ropivacaine

分類
Local anesthetics / 局所麻酔薬
商品名(日本)
ナロピン
商品名(EU)
Naropin
科目
Pharmacology
トピック
A10: Local anesthetics
副作用
知覚異常痙攣低血圧

🧠 全体像は、の心毒性を下げる目的で最初から独立に設計されたS(-)体単一の長時間作用型アミドが「から片方のを取り除く」戦略なのに対し、は低脂溶性のを持つ別分子として合成された。結果として心毒性の低さに加え、低濃度では感覚神経がより優位に遮断される(という臨床的に価値の高い性質を持つ。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 心毒性 運動温存 得意な場面
そのまま 最も強い 弱い 歴史的なの主力
のS(-)体を単離 より低いが残る 長時間の
低脂溶性のを持つ独立分子 と同等〜やや低い 強い(低濃度で顕著) ・術後鎮痛など歩行温存が要る場面

「運動温存」が臨床的に大きい意味を持つのはと術後鎮痛。 で下肢のを残せれば、、術後のがしやすくなる。では等鎮痛濃度で運動遮断も強く出やすいのに対し、は低濃度(0.2%前後)でこの差が際立つ。

機序

Naチャネルをuse-dependentに遮断するの項を参照。ここではに特有のを扱う。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ropivacaine'>ロピバカイン</span>は脂溶性が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bupivacaine'>ブピバカイン</span>系より低い"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nerve fiber'>神経線維</span>への浸透しやすさが<br>線維の太さ・髄鞘の有無に左右される"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='A-delta fiber'>Aδ線維</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='C fiber'>C線維</span>(痛覚・温度覚)は<br>細く低濃度から遮断されやすい"]
    B --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='A-beta fiber'>Aβ線維</span>(運動・触覚)は太く<br>高濃度にならないと遮断されにくい"]
    C --> E["低濃度では<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sensory deprivation'>感覚遮断</span>が<br>運動遮断より優位に立つ(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='differential blockade'>差次的遮断</span>)"]
    D --> E

💡 そのものはに共通する物理現象(細い線維ほど遮断されやすい)だが、は脂溶性の低さゆえにこの差が臨床濃度域で最も際立つ薬として位置づけられる。

薬物動態

項目 値・特徴
・浸潤(のみ)
代謝 CYP1A2主体(→3-ヒドロキシ)、CYP3A4も関与
脂溶性 系より低い→同じ血中濃度での心が低い
蛋白結合 高い(
長い

適応

領域 使いどころ
産科 分娩時(低濃度で運動温存)
周術期 ・術後鎮痛、
術後 創部への(術後鎮痛カテーテル)

用法・用量

濃度は目的で使い分け、鎮痛目的なら0.2%前後、手術麻酔目的ではより高濃度(0.75%程度)まで用いる。単回投与量は部位・年齢・体重で大きく変わる。実際の用量は適応、年齢、体重、肝機能、製剤で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 血管内による心毒性はより頻度・重症度が低いとされるが、起こり得る。・吸引確認を徹底する
  • では代謝が遅延し蓄積しやすい
  • CYP1A2を阻害する薬剤(など)の併用でクリアランスが低下する可能性がある

副作用

頻度 内容
高頻度 注射部位の
注意 めまい、悪心
重篤・まれ 痙攣低血圧、頻度はより低い)

まとめ

  • の心毒性を下げる目的で、最初から独立に設計されたS(-)体単一のアミド
  • とは「同じ発想・別の分子」の関係。
  • 脂溶性が低く、低濃度ではが運動遮断より優位に立つ()。
  • ・術後鎮痛など運動温存が価値を持つ場面で選ばれる。
  • 肝CYP1A2で代謝。心より低いが血管内には引き続き注意する。