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Symptoms · Published

便秘

Constipation

臓器系
消化器神経内分泌・代謝
科目
Internal MedicinePediatricsPharmacology
トピック
内科学 L-57:便秘の鑑別診断内科学 G-04:大腸疾患と機能性消化管疾患小児科 1-21:小児の便秘薬理学 Core66:薬剤性有害反応(便秘・下痢・嘔吐)薬理学 B25:下剤・止瀉薬と消化促進薬
関連疾患
アミロイドーシスギラン・バレー症候群パーキンソン病ヒルシュスプルング病ボツリヌス症ポリオポルフィリン症ランバート・イートン筋無力症候群鉛中毒下垂体機能低下症過敏性腸症候群憩室症・憩室炎血管性・レビー小体型・前頭側頭型認知症など非アルツハイマー型認知症原発性アルドステロン症原発性副甲状腺機能亢進症甲状腺機能低下症子宮筋腫先天性甲状腺機能低下症鼠径ヘルニア多系統萎縮症多発性骨髄腫大腸癌腸チフス腸瘤直腸瘤潰瘍性大腸炎閉鎖孔ヘルニア卵巣癌肛門直腸奇形
起因薬
(ジヒドロ)コデインAl2(OH)3 水酸化アルミニウムL-グルタミンアコチアミドアトロピンアミトリプチリンイミプラミンヴィンデシンエロツズマブオキシコドンオキシブチニンオンダンセトロンガルカネズマブキサノメリン・トロスピウムグリコピロニウムクロザピンクロミプラミンコデインコレスチラミンコレセベラムサリドマイドジオスメクタイトジソピラミドジヒドロコデインジフェノキシレートスクラルファートソリフェナシンダラツムマブダリフェナシンチオトロピウムトルテロジンノルトリプチリンパチロマーパロキセチンパロノセトロンヒドロキシジンヒドロモルホンビノレルビンビンクリスチンフェネルジンフェンタニルブプレノルフィンプラルセチニブプロシクリジンベラパミルポマリドミドミルタザピンメタドンメマンチンモルヒネリプレチニブロペラミド活性炭、カオリン水酸化鉄ポリマルトース硫酸鉄
スコア
Rome IV基準

🧠 全体像:便秘の診療は、患者の言う「便秘」を回数・硬さ・出しにくさの3つに分解するところから始まる。この分解が治療を決める——回数が少ないだけなら通過の問題、いきんでも出ないなら出口の問題で、後者に下剤を増やしても治らない。順序としては、まず⚠️赤旗でを拾い、次に薬剤・内分泌・神経による二次性を外し、残ったものを機能性便秘として型に分ける。

「便秘」を3つに分解する

患者が「便秘です」と言うとき、指しているものは一つではない。

訴え 実際に問うべきこと 主に示すもの
回数が少ない が週何回か 大腸通過の遅延
便が硬い か、ソーセージ状か 大腸での時間の延長
いきんでも出ない 残便感、肛門の閉塞感、の有無 直腸肛門の出口の障害

「指で肛門周囲や腟を押さえて出しているか」は、聞かなければまず出てこない。 これが陽性なら型を強く示唆し、下剤の増量ではなく骨盤底の治療へ向かう。恥ずかしさから自発的には語られないので、こちらから言葉にして尋ねる。

💡 排便回数の正常範囲は週3回から1日3回までと幅が広い。回数だけでは異常と決められないので、本人の従来のパターンからの変化と、上の出しにくさの症状を併せて判断する。機能性便秘の症状の組み合わせは に整理されている。

⚠️ 赤旗——大腸内視鏡の適応を決めるもの

赤旗 意味
高年齢での新規発症、排便習慣の急な変化 大腸の器質病変、とくに大腸癌
血便 腫瘍、。痔と決めつけない
の腫瘍からの慢性失血
意図しない体重減少 悪性腫瘍、
、腹部腫瘤 狭窄性病変
閉塞症状(腹部膨満・嘔吐 腸閉塞。緊急
大腸癌・の家族歴 リスク層が違う

⚠️ 赤旗があればを行う。赤旗がなければ、便秘だけを理由にルーチンのは行わない——年齢相応のスクリーニングに委ねる。この線引きを曖昧にすると、過剰検査と見逃しの両方が起きる。

⭐ 便秘と下痢が交代するとき、下痢が前面に出ていてもは否定できない。の排便異常は、それ自体が大腸病変を疑う所見である。

二次性便秘を外す

原因群ごとに確認すると見落としが減る。

具体例 拾い方
薬剤 オピオイド、のある薬(・抗精神病薬)、Ca拮抗薬、、Ca・ 薬・サプリを含めた全
内分泌・代謝 症、高カルシウム血症、低カリウム血症、糖尿病 TSH、Ca、K、血糖
神経 パーキンソン病、、脊髄病変、麻痺 の感覚、下肢反射、緊張
構造・機械的 狭窄、腫瘍、の疼痛による排便回避 と会陰の
全身・浸潤性 強皮症、などによる障害 他臓器所見と併せて

を省かない。 便塊、腫瘤、肛門の狭窄・、括約筋の緊張、そしていきませたときに会陰が下降し括約筋が緩むかが一度で分かる。最後の一点が型を疑う最初の手がかりになる。

機能性便秘の型で治療が変わる

症状の中心 検査 治療の主軸
通過遅延型 排便回数が少ない、便意が乏しい
型( いきんでも出ない、残便感、
正常通過型 「便秘だ」というが中心。腹痛を伴えば便秘型のと重なる 通常は不要 生活・食事調整、可溶性

⚠️ 型に下剤を増やしても治らない。 出口が開かないところへ内容を送っても、と残便感が増すだけである。難治性便秘で下剤を増量し続けている患者を見たら、型の評価をやり直す。

flowchart TD
    A["便秘"] --> B{"赤旗があるか"}
    B -->|"あり"| C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='colonoscopy'>大腸内視鏡</span>・画像で<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='organic disease (as opposed to functional)'>器質疾患</span>を評価"]
    B -->|"なし"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='medication history'>薬歴</span>・内分泌・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neurological disorder'>神経疾患</span>を確認"]
    D --> E{"二次性の原因があるか"}
    E -->|"あり"| F["原因薬の変更・原疾患の治療"]
    E -->|"なし"| G["生活調整と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dietary fiber'>食物繊維</span><br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='osmotic laxative'>浸透圧性下剤</span>で治療開始"]
    G --> H{"改善するか"}
    H -->|"する"| I["最小<span class='jp-term jp-term-diagram' title='effective dose'>有効量</span>で維持"]
    H -->|"しない"| J{"出口症状があるか<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='straining'>いきみ</span>・残便感・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='manual evacuation (disimpaction)'>用手排便</span>"}
    J -->|"あり"| K["肛門直腸内圧・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='balloon expulsion test'>バルーン排出試験</span><br>→ <span class='jp-term jp-term-diagram' title='biofeedback'>バイオフィードバック</span>"]
    J -->|"なし"| L["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='colonic transit study'>大腸通過時間検査</span><br>→ 分泌促進薬・運動促進薬"]

治療で外しやすい点

  • など)を軸に置き、は短期・救済に使う。を一律に禁忌扱いしない——必要な患者から選択肢を奪うことになる。
  • は万能ではない。閉塞が疑われるとき、糞があるとき、強い膨満があるときには増やさない。 膨満と腹痛を悪化させる。
  • 排便姿勢と時刻を整える。朝食後のに合わせて時間を取り、で股関節を屈曲させる。行動を変えずに薬だけ足しても定着しない。

⚠️ オピオイドを始めるときは、便秘が出てから対応するのではなく、初回処方と同時にを併用する。 は用量にかかわらず起こり、しかも耐性がつかない——鎮痛効果には耐性ができても、腸管への作用は続く。通常の下剤で不十分ならを検討する。

糞便塞栓を見落とさない

⚠️ 直腸に硬い便塊が詰まると、その周囲を液状便がすり抜けて漏れる。これが下痢で、外見は下痢そのものである。

⚠️ ここで止痢薬を出すと塞栓が悪化する。 高齢者、寝たきり、認知症、オピオイド使用中の患者が「下痢」を訴えたら、まずで便塊の有無を確認する。塞栓があれば直腸処置とで除去してから、経口の維持療法へ移る。

💡 硬便とは悪循環を作る。痛いから我慢し、我慢するほど便は硬くなる。小児ではこの循環が機能性便秘の中心的な機序で、鎮痛と便軟化を先に行わないと行動指導だけでは断ち切れない。

まとめ

  • 「便秘」は回数・硬さ・出しにくさに分解する。分解の結果が治療を決める。
  • 赤旗(高年齢の新規発症、血便、、体重減少、閉塞症状、家族歴)があれば、なければルーチンには行わない。
  • 二次性は薬剤・内分泌・神経・構造の4群で漏れなく確認する。薬まで聞く。
  • 時のをみる。型の最初の手がかりになる。
  • 型に下剤を増やしても治らない。へ向かう。
  • オピオイドは開始と同時にを併用する。腸管作用に耐性はつかない。
  • 「下痢」の訴えの背後に糞が隠れていることがある。止痢薬の前に