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Symptoms · Published

便失禁

Fecal incontinence

臓器系
消化器神経
科目
SurgeryPathophysiologyNeurologyInternal Medicine
トピック
外科学 B/21:痔核・痔瘻・裂肛・肛門直腸膿瘍病態生理学 P-1-23:糖尿病性神経障害の症状と病態機序神経内科 G1-25:脊柱管・脊髄の占拠性病変内科学 G-03:炎症性腸疾患
関連疾患
脊索腫潰瘍性大腸炎良性肛門疾患(痔核・裂肛・痔瘻・肛門周囲膿瘍)
起因薬
オルリスタット

🧠 全体像は尿失禁と並べて語られるが、機序はまったく別の系統である。は内・外の、直腸の感覚と、そして便の硬さという複数の要素の合成で保たれており、単独の破綻では代償されるため、実際のはたいてい多因子である。型の枠組みは失禁にある。ここで外してはいけないのは、「下痢が止まらない」という訴えの正体がである場合と、が脊髄・の徴候である場合の2つ。

禁制を保つ仕組み

要素 役割 破綻したときの現れ方
(平滑筋・不随意) 安静時の圧の大半を担い、に閉じ続ける 受動的な漏れ。気づかないうちに下着が汚れる
(横紋筋・随意) 便意が来たときに意識的に締めて我慢する 切迫性の漏れ。トイレまで我慢できない
直腸の感覚と 便が来たことを知り、貯めておく 便が来たことに気づかない。が落ちると少量で切迫する
便の硬さ 固形便は保持しやすく、液状便は漏れやすい 下痢があるだけで、括約筋が正常でも漏れうる

主な原因は、高齢初産)、肛門手術後の切開、)、(直腸感覚と内括約筋機能の低下)、の低下と)、そして加齢と・移動能力の低下である。

⚠️ と尿失禁が同時に、急に現れたときは括約筋の問題として扱わない。、下肢の神経症状とあわせ、脊髄・として緊急に評価する。

宿便による溢流性便失禁を見逃さない

⚠️ 高齢者・施設入所者・オピオイド使用者が「下痢が続く」と訴えたら、まずを疑う。硬く固まった便が直腸に停滞し、その脇を液状便がすり抜けて漏れている状態で、下痢止めを出せば悪化する。で診断がつく

背景の便秘を治さないかぎり再発するので、直腸の便塊を除去したうえで、排便習慣と下剤の調整まで行う。

評価と治療の方向

診察の中心はである。させて・会陰の下垂を見て、(内括約筋)、(外括約筋)、、腫瘤を評価する。括約筋のが疑われれば、機能の定量にはを追加する。

治療は原因より先に便の性状を整えるところから始まる。で便に形を与え、必要ならで下痢を抑え、時間を決めた排便で直腸を空にしておく。次に、難治例には、括約筋にはを検討する。

⚠️ 肛門疾患の手術はを作りうる。とくにや既に括約筋が弱っている患者では、括約筋を温存する術式を選ぶ()。

まとめ

  • は括約筋・直腸感覚・便性状の合成で決まり、単一原因ではなく多因子であることが多い。
  • 内括約筋の障害は気づかない漏れ、外括約筋の障害は我慢できない漏れとして現れる。
  • 「下痢が続く」高齢者ではによるを疑い、で確認する。下痢止めは悪化させる。
  • 尿失禁を伴う急性のは脊髄・を疑い、緊急に評価する。
  • 治療はまず便性状を整えることから始め、、必要に応じ手術へ進む。