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Drug Atlas · B9 Lipid-lowering drugs / 脂質異常症治療薬 · 必修

エゼチミブ

ezetimibe

分類
Lipid-lowering drugs / 脂質異常症治療薬
商品名(日本)
ゼチーア
商品名(EU)
Ezetrol
科目
Pharmacology
トピック
B9: Drugs affecting lipid metabolism. Drugs controlling body weight
承認適応
脂質異常症
副作用
下痢腹痛筋肉痛頭痛便秘
相互作用
シクロスポリンA
対象疾患
アテローム性動脈硬化症家族性複合型高脂血症

🧠 全体像:「コレステロールをどこで下げるか」で整理すると、はスタチンとは全く違う場所、②小腸でのを止める薬である。肝合成を止めるスタチンと吸収を止めるを組み合わせると、片方を止めたときに体が起こす代償反応(合成を止めれば吸収がに増える、吸収を止めれば合成がに増える)を互いに打ち消し合う。実測でも、スタチン未治療例に同じスタチン・同じ用量とを併用すると、そのスタチン単独よりが約15%大きく下がる1。IMPROVE-IT試験(2015年)は、で入院してから10日以内の18,144例で40 mgに10 mgを加え、(心血管死・非致死的心筋梗塞・入院を要した・冠・非致死的脳卒中の複合)の7年Kaplan-Meierを32.7%対34.7%(0.936、p=0.016)と下げた2。もう一つ覚えるべきなのは、承認された適応も副作用の頻度区分も国で分かれることで、この心血管イベント抑制を適応に掲げているのはだけ、への併用を掲げているのは米国だけである。

薬効群の中での位置づけ

分類 代表薬 標的・機序 主な使いどころ
①肝でのコレステロール合成阻害(スタチン) ・・ 還元酵素阻害→コレステロール合成↓→受容体発現↑ 低下の第一選択。一次・のエビデンスが最も厚い
②小腸での阻害 小腸輸送体阻害→食事性・胆汁性コレステロールの吸収↓ スタチン併用・不耐時の代替
③の遮断() 腸管内で胆汁酸を吸着・排泄→コレステロールがへ消費される 全身に吸収されない非全身性の選択肢。妊娠中の扱いは文書で書き方が違う——のSmPCは臨床データが無いとして「妊婦への処方には注意」、米国の添付文書は全身吸収されないため胎児曝露は想定されないとしつつ、妊娠が判明したら継続に既知の臨床的有益性が無いことを説明するよう求める34
④阻害(受容体の分解を防ぐ) ・(モノクローナル抗体)/(siRNA) の機能または合成を抑制→受容体がリサイクルされる スタチンでも未達の・
⑤作動(TG低下が主体) 活性化→()発現↑ のTG低下が主目的。膵炎予防としての位置づけは文書で強さが違う——米国の添付文書は「膵炎の危険を下げる効果は明らかにされていない」と限定する5。を下げる目的の薬ではなく、日本動脈硬化学会2022年版の分類でもは低下・上昇どちらもしうる6

⭐ と()はどちらも「腸」に作用するが、狙う分子が違う。 はコレステロールそのものの取込みをで止めるのに対し、は胆汁酸を吸着してを断つ。結果的にどちらもコレステロールを減らし受容体を増やすが、途中の経路は別物である。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ezetimibe'>エゼチミブ</span>が小腸<span class='jp-term jp-term-diagram' title='brush border'>刷子縁</span>の<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='Niemann-Pick C1-like 1'>NPC1L1</span>輸送体に結合"] --> B["食事性・胆汁性コレステロールの<br>取込みを選択的に阻害"]
    B --> C["脂肪・胆汁酸や<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='vitamin A'>ビタミンA</span>・D・Eの吸収は妨げない"]
    B --> D["腸管から肝への<br>コレステロール供給↓"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='in the hepatocyte'>肝細胞内</span>コレステロール↓"]
    E --> F["SREBP-2活性化→<span class='jp-term jp-term-diagram' title='low-density lipoprotein'>LDL</span>受容体発現↑"]
    F --> G["血中<span class='jp-term jp-term-diagram' title='low-density lipoprotein cholesterol'>LDL-C</span>の取り込み↑→<span class='jp-term jp-term-diagram' title='low-density lipoprotein cholesterol'>LDL-C</span>↓"]

💡 は肝細胞にも発現している。 腸管だけでなく肝細胞にもコレステロールを取り込ませる働きがあり、はここも阻害する。ただし主たる薬効は腸管での吸収阻害によるものと考えられている。

⚠️ 「の吸収は妨げない」と一般化しない。 のSmPCが確かめているのは・D・Eのが単独投与で変わらなかったことで、同じ試験ではも変化しなかった7。一方、日本動脈硬化学会のガイドラインは腸管からのビタミンK吸収がを介すると報告されていることを挙げ、ワルファリン服用患者では併用がその作用を増強しうると注意している6。⭐ ビタミンKだけ扱いが違うので、後述の監視と結び付けて覚える。

薬物動態

項目 値・特徴
吸収 経口吸収後、小腸と肝で速やかにを受けになる。血漿中の薬物由来物質の80〜90%が抱合体で、未変化体は10〜20%8
分布 未変化体・抱合体とも90%超がと結合し、を受ける8
代謝 主に(への依存は小さい)
排泄 未変化体・抱合体とも半減期は約22時間で、血中濃度が複数のピークを示す(の反映)。投与の約78%が糞中・約11%が尿中に回収される8
食事の影響 吸収の程度は食事に影響されない(でCmaxが38%上昇するのみ)8。日本の電子添文16.2も食後・空腹時でに明らかな差を認めていない9

⭐ にほとんど依存しないため、スタチンで問題になる系の相互作用を自体は起こしにくい。 のSmPCは、・2D6・2C8・2C9・3A4やで代謝される薬との間に臨床的に重要なは認められず、・・ジゴキシン・経口避妊薬・・・の動態に影響しなかったとする7。

⚠️ 例外はで、しかも向きの大きさが対称ではない。 腎移植患者8例では併用により総のが3.4倍(範囲2.3〜7.9倍)になり、重度腎障害の1例では12倍に達した。逆向きは健常人12例でUCが平均15%(−10%〜+51%)上昇した程度である7。実務上の指示は3極とも「濃度を監視する」で一致する98。

適応

⚠️ 承認された適応は3極で違う。 1つの国の添付文書を読んで「の適応」と書かない。

承認されている適応
(スペインAEMPSの製品特性概要、2020年8月改訂) ①原発性(家族性・非家族性)でスタチン単独では管理不十分な例へのスタチン併用、②同じ集団でスタチンが不適または不耐な例の単独療法、③心血管イベントの予防——冠動脈疾患がありの既往がある患者で、継続中のスタチンへ追加するかスタチンと同時に開始する、④へのスタチン併用(等の併用可)、⑤シトステロール血症(フィトステロール血症)7
日本(ゼチーア、2023年7月改訂・第4版) ・・性シトステロール血症の3つだけ。性には「スタチンおよび等のの補助として、あるいはそれらが実施不能な場合」という限定が付く。心血管イベント抑制を掲げる適応は無い9
米国(ZETIA、Revised 2/2024) ①成人の原発性(を含む)——スタチン併用、または追加の低下療法が不可能なときの単独、②10歳以上の小児のへのスタチン併用、③成人のへの併用、④成人および10歳以上の小児の(スタチンおよび他の低下療法との併用)、⑤成人および9歳以上の小児のでのシトステロール・カンペステロール低下8

⚠️ 欄の根拠はスペインAEMPSに登録された製品特性概要1件である。 はEMAの中央審査品目ではなく加盟国ごとに承認されているので、他の加盟国の版で文言が違う可能性は否定できない(本実行ではスペイン版だけを取得した)。

  • (高血症)の低下が3極に共通する使いどころである。単独投与の効果は、のSmPCが挙げる12週の2試験(1,719例)で比 19%低下(13%・アポB 14%・トリグリセリド8%低下、 3%上昇)7、日本の電子添文の12週試験(100例)で 18.1%低下(12.8%低下、 5.9%上昇)9で、おおむね一致する
  • スタチンへのは、スタチンで目標未達の769例・8週の試験で 25%低下(追加群4%)、目標到達率72%対19%7。日本の52週試験でスタチンを併用した65例では 33.5%低下だった9
  • シトステロール血症では、のもを介することを利用する。のSmPCが挙げる8週試験(37例)でシトステロール21%・カンペステロール24%低下したが、低下が・死亡率を変えるかは不明と明記されている7
  • 小児の扱いも3極で違う。 は6〜17歳で安全性・有効性が確立しておらず用量を示せないとし、日本は小児等を対象としたを実施していないとする一方、米国だけが10歳以上(シトステロール血症は9歳以上)を適応に含む798

現行ガイドラインでの位置づけ

  • 日本(予防ガイドライン2022年版) … 本剤は単独でもを約18%下げるが肝でのコレステロール合成亢進を伴うためスタチンとの併用が理想で、常用量スタチンとの併用では低下が約35〜50%に達し超高用量スタチン単独に匹敵するとする。日本で行われたEWTOPIA75(75歳以上の高コレステロール血症3,796例)では単剤が複合心血管イベントを34%減らした(⚠️ ただし同ガイドラインは、サブ解析では85歳以上で明確な有益性が示されなかったことも併記している)6
  • 欧州(2019年 /EAS ガイドライン) … 最大量のスタチンで目標に達しないときに併用が推奨される第一の薬が(クラスI・B)で、そこでも未達の例に阻害薬の併用が推奨される(クラスI・A)という順序を示す。効果の目安は、単独で比18.5%低下(2,700例超のRCTの。は3%上昇、トリグリセリドは8%低下、は13%低下)、スタチンにすると比でさらに21〜27%低下、スタチン未治療例では同じスタチン単独より約15%大きい低下。治療強度の平均値としては単独が約50%、+が約65%と見積もられている1
  • 欧州(2025年焦点改訂) … 目標値と治療指針そのものは2019年版から変更されておらず、に関わる推奨は2019年版の表を補完する2つの推奨表として足された(どちらの表も脚注で「2019年版の表を置き換えない」と明記している)10。同改訂の執筆委員3名による要約も、この2件を第3項・第5項として挙げているが、要約の側には推奨クラス・が載っていない11
焦点改訂の新推奨 内容 クラス・レベル
Recommendation Table 2 スタチンを服用できない患者に、心血管が証明された非スタチン薬を単独または併用で用いてを下げ心血管イベントを減らすことが推奨される。選択は目標到達に必要な追加の低下の大きさで決める。表の脚注が対象を・モノクローナル抗体・と定義しており、はこの推奨に名指しで含まれる クラスI・A
Recommendation Table 3 の入院中で、の治療歴が無くスタチン単独では目標到達が見込めない例に、+の併用を入院中に開始することを考慮すべき クラスIIa・B
Recommendation Table 3 同じ入院中でも、入院前から何らかのを受けていた例では、その入院中にを強化することが推奨される(薬剤は名指ししていない) クラスI・C

⚠️ クラスI・Aが付いているのは「スタチンを飲めない患者」の場面である。 最大量のスタチンでも目標に届かないときに非スタチン薬を足すことは、同改訂でも本文中の一般方針として述べられるにとどまり(そこでの選択基準は必要な追加低下量に加えて患者の希望・入手可能性・費用まで含む)、を扱う推奨表の行はを名指ししたもの(高リスク・で最大量スタチン±への追加を考慮、IIa・C)だけで、のを新たに格付けし直した行は無い10。この「」の順序でを第一に置くクラスI・Bの推奨は、あくまで2019年版のものである1。

💡 焦点改訂はEWTOPIA75を「スタチン不耐の話」として引いていない。 本文は同試験を「冠動脈疾患の既往が無い75歳以上で、スタチン非併用下のがイベントを減らしうる新しい証拠」と位置づけ、そのうえで(必ずしもスタチン不耐が理由とは限らない)とわざわざ断っている10。⚠️ 「スタチンが飲めないから代わりに使う薬」という枠だけで読むと、この試験の対象を取り違える。

用法・用量

EU(Ezetrol)7 日本(ゼチーア)9 米国(ZETIA)8
用量 1日1回10 mg 1回10 mgを1日1回。年齢・症状により適宜減量 1日1回10 mg
服用時刻・食事 1日のいつでもよく、食事の有無を問わない 食後と定める 食事の有無を問わない
との併用 吸着薬の2時間以上前、または4時間以上後 の投与前2時間、または投与後4時間以上あける 吸着薬の2時間以上前、または4時間以上後
軽度( 5〜6)は調節不要。中等度(7〜9)・重度(9超)は推奨しない 中等度・重度は投与しないことが望ましい 中等度〜重度( B・C)は推奨しない
不要 の項(9.2)を置いていない 不要

⭐ の余地が乏しく、1日1回10 mgのこの1用量が基本である点はスタチンと対照的だが、日本の電子添文だけが「適宜減量」を認めている9。

💡 「食後」は日本だけの規定で、しかも同じ電子添文が食事の影響を否定している。 16.2 は食後・空腹時の単回投与でに明らかな差を認めておらず9、・米国は「食事の有無を問わない」と書く78。⚠️ は自国の添付文書に合わせる。

💡 効果判定は早くてよい。 米国の添付文書は「臨床的に適切なときに、本剤開始後4週という早い時点でを評価する」と定める8。本ノートが引くのSmPCの試験は単独投与が12週、スタチンで目標未達例へのが8週で評価している(同SmPCには併用を6週で評価した試験もある)7。⚠️ 評価時期を規定として書いているのは米国の添付文書だけで、のSmPCと日本の電子添文に対応する規定は無い79。

⚠️ 唯一「必ず時間をずらす」相手がなどの()である。 同時に飲むと総のが約55%低下し、の低下が目減りしうる7。スタチンとは時間をずらす必要がない。

禁忌・注意

禁忌は「本剤単独」と「スタチンなどと併用する場合」で分かれている。 平坦化して並べない。

EU(SmPC 4.3)7 日本(2. 禁忌)9 米国(4 CONTRAINDICATIONS)8
本剤単独で掛かる禁忌 ・添加剤への過敏症 本剤の成分に対する過敏症の既往歴 または添加剤への既知の過敏症(アナフィラキシー・・発疹・蕁麻疹の報告あり)
併用時に加わる禁忌 スタチン併用時は妊娠中・授乳中、およびまたは原因不明の持続的な上昇 スタチン併用時の重篤な スタチン・・他の低下療法と併用する場合、それらが禁忌となる患者(各製品の添付文書を参照)
  • ⚠️ 妊娠・授乳の扱いは3極で強さが違う。 EUはスタチン併用を妊娠中・授乳中の禁忌とし、単独でも妊婦には「明らかに必要な場合のみ」・授乳中は「使用しない」とする7。日本は有益性投与としたうえで「スタチンは妊婦・に禁忌なので併用投与を行わない」と書く9。米国8.1もヒトのデータが不十分として有益性が上回るときのみとする8
  • ⚠️ との併用は薬剤ごとに扱いが違う。 米国は以外のとの併用を推奨しない(併用だけが適応として承認されている)8。は併用の安全性・有効性は確立していないとし、・併用で総濃度が約1.5倍・1.7倍になると記す。いずれもが疑われたら胆嚢の検査を行い治療を中止する7。日本も8.4で使用経験が限られるとしてに注意を促す9
  • ⚠️ ワルファリン等のへ追加するときはINRを監視する。 健常男性12例の試験ではワルファリンのとに有意な影響は無かったが、市販後に上昇の報告があり、はワルファリン・他の・フルインジオンで監視を求める7。日本も併用注意に挙げる9
  • スタチン併用時の肝機能検査:は併用開始時に肝機能検査を行い以後はスタチンの指示に従うとし7、日本は「併用開始時および併用するスタチンの電子添文が推奨する時期」に実施するとする9。米国は臨床的に必要に応じて実施し、・が3×以上の上昇を続ける場合は中止を考慮するとする8
  • 筋症状が出たら:のSmPC 4.4 は、市販後にとの報告があり、を生じた患者の多くはスタチンを併用していたとしつつ、単独でも「きわめてまれに」、またのリスクを高める他剤へ追加した場合にもきわめてまれに報告されていると書く。筋症状からが疑われる場合、またはCKが10×超で確認された場合は、・併用中のスタチン・該当する他剤をただちに中止する。 開始する全例に、原因不明の筋痛・圧痛・筋力低下が出たらすぐ申し出るよう説明することも求めている7。⚠️ この中止規定はスタチン併用例に限った規定ではない——単独投与でも同じ判断基準が掛かる
  • 日本の電子添文は糖尿病患者での上昇が報告されていることを9.1.1に単独で挙げている9

副作用

SmPC 4.8(単独またはスタチン併用の一覧)7 日本 電子添文 11.29 米国 6.18
高頻度 common(1/100以上):頭痛、腹痛、下痢、、筋痛、疲労、および/または上昇 1%以上:便秘・下痢・腹痛・腹部膨満・、上昇・γ-GTP上昇、蛋白尿、上昇、発疹、コルチゾール上昇 単独療法で2%以上かつ超:4.3%(2.5%)、下痢4.1%(3.7%)、関節痛3.0%(2.2%)、副鼻腔炎2.8%、2.7%、疲労2.4%、インフルエンザ2.0%。腹痛は入っていない
低頻度 uncommon:食欲低下、、・高血圧、咳、・・悪心・・胃炎、そう痒・発疹・蕁麻疹、関節痛・・・・筋力低下・、胸痛・無力症・、上昇・γ-GTP上昇 1%未満:頭痛・・めまい・、・・胃炎ほか、上昇・、・・、関節痛・・、、そう痒 スタチン併用で2%以上かつスタチン単独超:3.7%(3.3%)、筋痛3.2%(2.7%)、2.9%、関節痛2.6%、下痢2.5%、2.4%
重篤・頻度不明 過敏症(発疹・蕁麻疹・アナフィラキシー・)、膵炎、便秘、肝炎、・胆嚢炎、/、血小板減少、、うつ、めまい、呼吸困難 重大な副作用(いずれも頻度不明):過敏症(アナフィラキシー・血管神経性浮腫・発疹)、、。筋肉痛・筋力低下・は「その他の副作用」の頻度不明欄 6.2 市販後:血小板減少、腹痛・膵炎・悪心、(5×超を含む)・肝炎・・胆嚢炎、過敏症(アナフィラキシー・・発疹・蕁麻疹)、CPK上昇・/、めまい・・うつ・頭痛、

⚠️ 頻度区分は3極で一致しない。 筋痛はでは common だが日本では頻度不明の欄にあり、便秘は日本では1%以上なのにでは頻度不明である。「共通の副作用は〜」と1行で括らない。

⭐ 「スタチンに足すと筋障害が増える」と一般化せず、指標ごとに数値を見る。

  • 連続した(3×以上):併用試験で1.3%対スタチン単独0.4%(・米国が同じ数値を載せる)78
  • IMPROVE-IT(18,144例、中央値6.0年):0.2%対0.1%、は0.1%対0.2%とむしろ併用群が低く、は2.5%対2.3%7。⚠️ この試験での定義を添えて読む——は「原因不明の筋力低下または筋痛+ 10×超、あるいは連続する2回のが5×以上10×未満」、は「原因不明の筋力低下または筋痛+ 10×超かつ腎障害の証明」「連続2回の 5〜10×かつ腎障害の証明」「腎障害を認めない 10,000 IU/L以上」のいずれか7
  • 米国 Table 2:筋痛3.2%対2.7%8
  • 10×超:単独投与 4/1,674(0.2%)対 1/786(0.1%)、+スタチン 1/917(0.1%)対スタチン単独 4/929(0.4%)で、のSmPCは「対照群(またはスタチン単独)に比して・の過剰は無かった」と述べる7
  • ただし市販後にはの報告があり、その多くはスタチンまたは等との併用例である78

まとめ

  • 「をどこで下げるか」の軸で②小腸での阻害に位置する薬。輸送体を阻害する。
  • スタチンとは別経路を止めるため、併用するとスタチン単独より大きな低下が得られる。単独で 18〜19%低下、スタチンへのは比でさらに21〜27%、常用量スタチンとの併用では低下が約35〜50%に達する7961。
  • IMPROVE-IT試験は、の入院から10日以内の18,144例で、スタチンへのが心血管イベントを減らすことを示した(7年Kaplan-Meier率32.7%対34.7%、0.936、p=0.016)2。
  • 承認された適応は3極で違う。 心血管イベント抑制を掲げるのはだけ、への併用を掲げるのは米国だけで、日本の適応は・・性シトステロール血症の3つである798。
  • 禁忌も「単独で掛かるもの(過敏症)」と「スタチン併用時に加わるもの(は妊娠・授乳と、日本は重篤な)」に分かれる79。
  • への依存が小さくスタチンほど相互作用は多くないが、とは双方向に血中濃度が上昇する(大きさは非対称で、側が3.4倍、側が約15%)7。とは服用時刻をずらし、ワルファリン併用ではを監視する。
  • 用量は1日1回10 mgの一択に近く、スタチンのようなの概念が乏しい(日本の電子添文だけが「適宜減量」を認める)。
  • 単独投与ではが良好で、スタチンを飲めない患者の選択肢になる。/EASの2025年焦点改訂は、この場面で心血管が証明された非スタチン薬(・モノクローナル抗体・)を用いることをクラスI・Aで推奨している10。日本のEWTOPIA75は75歳以上ので単剤が複合心血管イベントを34%減らしたと報告している(85歳以上では明確な有益性が示されていない)6。

出典

  1. 1.2019 ESC/EAS Guidelines for the management of dyslipidaemias: lipid modification to reduce cardiovascular risk(European Heart Journal(Mach F, et al., 2020, DOI 10.1093/eurheartj/ehz455)・2020)ジュネーヴ大学のリポジトリ archive-ouverte.unige.ch(unige:165849)から誌上版PDF(80頁、表紙に Published version と明記)を自分で取得して確認した。推奨表の「Pharmacological LDL-C lowering」が、①リスク区分ごとの目標到達のため高強度スタチンを最大耐容量まで処方する(I A)、②最大耐容量のスタチンで目標に達しない場合はエゼチミブとの併用が推奨される(I B)、③最大耐容量のスタチン+エゼチミブでも目標に達しない超高リスクの二次予防例ではPCSK9阻害薬の併用が推奨される(I A。超高リスクの家族性高コレステロール血症例は I C)という順序であること。8.1.2.1 が高強度レジメンを「平均してLDL-Cを50%以上下げる用量」、中強度を「30〜50%下げると期待される用量」と定義すること。図の Intensity of lipid lowering treatment が平均LDL-C低下を中強度スタチン約30%、高強度スタチン約50%、高強度スタチン+エゼチミブ約65%、PCSK9阻害薬約60%、PCSK9阻害薬+高強度スタチン約75%、PCSK9阻害薬+高強度スタチン+エゼチミブ約85%と示すこと。エゼチミブについて、2,700例超を含むRCTのメタ解析でプラセボ比18.5%のLDL-C低下・HDL-C 3%上昇・トリグリセリド8%低下・総コレステロール13%低下、スタチンへの上乗せでプラセボ比さらに21〜27%の低下、スタチン未治療例では同一スタチン・同一用量の単独療法に比べ約15%大きい低下と述べること。PCSK9モノクローナル抗体(アリロクマブ・エボロクマブ)が平均約60%、高強度または最大耐容量スタチンとの併用ではプラセボ比46〜73%、エゼチミブ比30%の追加低下を示したと述べること。ベンペド酸については当時第III相試験中で、単独療法で約30%、エゼチミブとの併用で約50%の低下と記載するにとどまること。目標値は超高リスクでベースラインから50%以上の低下かつ1.4 mmol/L(55 mg/dL)未満、高リスクで50%以上の低下かつ1.8 mmol/L(70 mg/dL)未満、中等度リスクで2.6 mmol/L(100 mg/dL)未満、低リスクで3.0 mmol/L(116 mg/dL)未満であること閲覧 2026-09-17
  2. 2.Ezetimibe Added to Statin Therapy after Acute Coronary Syndromes(New England Journal of Medicine(IMPROVE-IT Investigators)・2015)PubMed(PMID 26039521)のeutilsから抄録全文を取得して確認した(nejm.org の全文は取得していない)。組入れは「急性冠症候群で入院してから10日以内」で、LDLコレステロールが脂質低下療法中なら50〜100 mg/dL、未治療なら50〜125 mg/dLの18,144例。シンバスタチン40 mg+エゼチミブ10 mgをシンバスタチン40 mg+プラセボと比較し、追跡期間の中央値は6年。試験期間中のLDLコレステロール(時間加重平均の中央値)は53.7 mg/dL対69.5 mg/dL(p<0.001)、主要評価項目(心血管死・非致死的心筋梗塞・入院を要した不安定狭心症・無作為化30日以降の冠血行再建・非致死的脳卒中の複合)の7年Kaplan-Meier発生率は32.7%対34.7%(絶対差2.0ポイント、ハザード比0.936、95%信頼区間0.89〜0.99、p=0.016)。筋・胆嚢・肝の有害事象と癌の発生率は両群で同程度。結論は「スタチン療法に加えたエゼチミブはLDLコレステロールをさらに低下させ心血管アウトカムを改善した。さらに、従来の目標値を下回るLDLコレステロール低下が追加の利益をもたらした」で、抄録には「非スタチン薬として初めて」に当たる記述は無い閲覧 2026-09-17
  3. 3.WELCHOL (colesevelam hydrochloride) tablets, for oral use; WELCHOL (colesevelam hydrochloride) for oral suspension — Prescribing Information(DailyMed (NLM) / labeler Cosette Pharmaceuticals, Inc.・2024)drugInfoページ全文を自分で取得して確認した(改訂表示は Revised 1/2024)。1 INDICATIONS AND USAGE が 1.1 原発性高脂血症(成人のLDL-C低下と、10〜17歳のヘテロ接合体家族性高コレステロール血症の男児・初経後女児)と 1.2 成人2型糖尿病の血糖コントロール改善の2項からなり、1.3 が1型糖尿病・糖尿病性ケトアシドーシスへの使用とFredrickson I・III・IV・V型での未検討を挙げること。4 CONTRAINDICATIONS が「血清TG 500 mg/dL超」「高トリグリセリド血症誘発性膵炎の既往」「腸閉塞の既往」の3項目であること。2.2 の推奨用量が高脂血症でも2型糖尿病でも1日3.75 g(625 mg錠を1日1回6錠または1日2回3錠)であり、2.3 がスタチンとは同時服用でも時間をずらしてもよいと述べること。7.1 の相互作用表が狭域治療域薬(シクロスポリン)・フェニトイン・甲状腺ホルモン補充療法・エチニルエストラジオール含有経口避妊薬・オルメサルタン・スルホニル尿素薬について本剤の4時間前の服用を指示する一方、ワルファリンについては市販後のINR低下の報告を挙げて対応はINRの頻回測定のみとしていること。5.3 が脂溶性ビタミン欠乏を警告の一項目として掲げ、経口ビタミン剤は本剤の4時間以上前に服用させるとすること。5.5 が懸濁用散1包(3.75 g)にフェニルアラニン27 mgを含むとしてフェニルケトン尿症での考慮を求めること。6.1 の便秘が高脂血症試験で 11.0%(プラセボ 7.0%)・糖尿病試験で 6.5%(同 2.2%)、消化不良が 8.3%(同 3.5%)であること。14 で追加療法試験のHbA1c低下がプラセボ比 0.5%(メトホルミン・スルホニル尿素・インスリン併用の3試験)、0.32%(ピオグリタゾン試験)、単独療法試験で 0.27% であること。同じ14の記述でスルホニル尿素併用試験の血清トリグリセリドがプラセボ比の中央値でスタチン併用者+29%・非併用者+9%、インスリン併用試験で+24%・+17%であること。8.1 が妊娠中に投与を続けても既知の臨床的有益性が無いことを患者に説明すべきと述べることを確認した。全文で ezetimibe は0件閲覧 2026-09-17
  4. 4.Cholestagel (colesevelam) — European public assessment report(European Medicines Agency(EMEA/H/C/000512、販売承認保有者 CHEPLAPHARM Arzneimittel GmbH)・2025)EPARページと、そこから配信される Product Information(Annex I の製品特性概要。https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/cholestagel-epar-product-information_en.pdf。EPARページが表示する Last updated 2025年6月3日・Revision 26)を自分で取得して確認した。SmPC 9. の Date of first authorisation とEPARページ本文がいずれも販売承認日を2004年3月10日とすること。4.1 の適応3段落がいずれも成人の原発性高コレステロール血症(スタチン併用・スタチン不適または不耐例の単独療法・エゼチミブ併用)だけで、糖尿病に関する適応が無いこと。SmPC全文(Annex I の1〜10節)で glycaem は0件、diabet は3件あるがいずれも適応ではなく、内訳は 4.4 が二次性高コレステロール血症の原因として poorly controlled diabetes mellitus を挙げる1件と、4.5 の Antidiabetic agents の項がメトホルミン徐放錠との併用で曝露が増えるため anti-diabetes drugs の通例どおり臨床反応を監視するよう求める2件であること。EPARページ全文では diabet も glycaem も0件であること。4.3 の禁忌が「有効成分または添加剤への過敏症」と「腸管または胆道の閉塞」の2項目だけであること。4.2 が併用療法で1日4〜6錠、単独療法で開始1日6錠・最大1日7錠(1錠625 mg)とし、相互作用が否定できない併用薬は本剤の4時間以上前または4時間以上後に服用すると定めること。4.5 が健常人でジゴキシン・メトプロロール・キニジン・バルプロ酸・ワルファリンの生物学的利用能に影響しなかったと述べ、ワルファリンについてはビタミンK吸収低下を介して抗凝固作用に干渉しうるとして凝固能の監視を求めること。4.2 と 5.1 がエゼチミブとは同時服用でも時間をずらしてもよいと述べること。4.5 が1年までの臨床試験でビタミンA・D・E・Kの吸収に臨床的に意味のある低下は生じなかったとしつつ、吸収不良のある患者では慎重投与とすること。5.1 の機序段落が、胆汁酸プールの減少によりコレステロール7-α-水酸化酵素が誘導され、肝細胞のコレステロール需要が増してHMG-CoA還元酵素の転写・活性の増加と肝LDL受容体数の増加という二重の効果が生じるとし、VLDL合成の並行した増加が起こりうると書くこと。4.6 が妊婦・授乳婦への処方に注意を求めること。4.4 がトリグリセリド 3.4 mmol/L超の患者は臨床試験から除外されており安全性・有効性が確立していないとして慎重投与とし、冠動脈疾患・狭心症のある患者で便秘に注意を促すこと。4.2 が0〜17歳では安全性・有効性が確立していないとすること。4.8 で鼓腸と便秘が very common、頭痛・嘔吐・下痢・消化不良・腹痛・便性状異常・悪心・腹部膨満・血清トリグリセリド上昇が common、嚥下障害・筋痛・血清トランスアミナーゼ上昇が uncommon、膵炎が very rare、腸閉塞が頻度不明(市販後)であり、鼓腸と下痢はプラセボ群のほうが高頻度でコレセベラム群が上回ったのは便秘と消化不良だけだったと明記し、腸閉塞の発生率は腸閉塞や腸切除の既往がある患者で高まるとすること。4.9 が非吸収ゆえ全身毒性のリスクは低く、起こりうる主な害は消化管の閉塞だとすること。5.1 で1日3.8〜4.5 gの6か月試験のLDL-C低下が15〜18%(投与2週で発現)、総コレステロール7〜10%低下、HDL-C 3%上昇、トリグリセリド9〜10%上昇、アポB 12%低下であり、2.3〜3.8 gをスタチンと同時投与した試験でLDL-Cの上乗せ低下が8〜16%だったことを確認した閲覧 2026-09-17
  5. 5.ANTARA (fenofibrate) capsules, for oral use — Prescribing Information(DailyMed (NLM) / labeler Lupin Pharmaceuticals, Inc.(NDA 021695)・2025)drugInfoページと openFDA の同一 set_id を自分で取得して確認した(Highlights末尾に印刷された改訂表示は Revised 10/2025、effective_time 20251001)。1 INDICATIONS AND USAGE の Limitations of Use が逐語で「Markedly elevated levels of serum TG (e.g., > 2,000 mg/dL) may increase the risk of developing pancreatitis. The effect of fenofibrate therapy on reducing this risk has not been determined」であり、著明なトリグリセリド高値が膵炎の危険を高めうることは述べつつ、フェノフィブラート治療がその危険を下げる効果は明らかにされていないと限定していること。同じ1の適応が、成人の重度高トリグリセリド血症(TG 500 mg/dL以上)のトリグリセリド低下と、推奨されるLDL-C低下療法が使用できない場合の成人の原発性高脂血症のLDL-C低下の2項目だけであること閲覧 2026-09-17
  6. 6.Japan Atherosclerosis Society (JAS) Guidelines for Prevention of Atherosclerotic Cardiovascular Diseases 2022(Japan Atherosclerosis Society・2024)Europe PMC(PMC11150976)から全文XMLを自分で取得して確認した。薬剤各論の「2) Small Intestinal Cholesterol Transporter Inhibitor: Ezetimibe」の項が、本剤は小腸粘膜のNPC1L1を阻害して食事性・胆汁由来コレステロールの吸収を抑え、レジンと違って体内に吸収され腸肝循環を経て約78%が糞中に排泄されると述べること、脂溶性ビタミン(ビタミンA・Dなど)の吸収には影響しないとすること、通常用量(10 mg/日)でLDL-Cが約18%低下するが肝でのコレステロール合成亢進を伴うためスタチンとの併用が理想で、エゼチミブ10 mgと常用量スタチンの併用でLDL-Cが約35〜50%低下し、これは超高用量スタチン単独に匹敵すると述べること。FH・急性冠症候群・末梢動脈疾患といった高リスク例でのスタチン併用試験のメタ解析が併用の安全性と心血管イベント減少を確認しているとすること。日本で行われたEWTOPIA75(75歳以上の高LDLコレステロール血症3,796例)でエゼチミブ単剤が複合心血管イベントを34%減少させ、サブ解析では85歳以上で明確な有益性は示されなかったとすること。腸管からのビタミンK吸収がNPC1L1を介すると報告されており、ワルファリン服用患者ではエゼチミブの併用がその作用を増強しうると注意していること。陰イオン交換樹脂として挙げるのがコレスチミドとコレスチラミンの2剤だけであることを確認した。あわせて本ノートの薬効群の表のフィブラート行のために Table 10(Classification of dyslipidemia drugs according to their efficacy)を読み直し、フィブラート系(Bezafibrate, Fenofibrate, Clofibrate)の行がLDL-C欄を「↑~↓」、TG欄を「↓↓↓」としており、表の凡例が ↓↓↓ を30〜50%低下、↑ を10〜20%上昇、↓ を10〜20%低下と定義していることを確認した閲覧 2026-09-17
  7. 7.Ezetrol 10 mg comprimidos — Ficha técnica(Agencia Española de Medicamentos y Productos Sanitarios(CIMA、登録番号65376、Organon Salud S.L.)・2020)スペインAEMPSのCIMAから製品特性概要の全文HTMLを自分で取得して確認した(10. FECHA DE LA REVISIÓN DEL TEXTO は 08/2020)。4.1 の適応が①原発性高コレステロール血症(ヘテロ接合体家族性および非家族性)でスタチン単独では管理不十分な例へのスタチン併用、②同じ集団でスタチンが不適または不耐な例の単独療法、③冠動脈疾患があり急性冠症候群の既往がある患者での心血管イベントのリスク低下(継続中のスタチンへの追加、またはスタチンと同時に開始)、④ホモ接合体家族性高コレステロール血症へのスタチン併用、⑤ホモ接合体シトステロール血症(フィトステロール血症)の5つからなること。4.2 が1日1回10 mgで「1日のいつでも、食事の有無を問わず投与できる」とし、胆汁酸吸着薬とは本剤を2時間以上前または4時間以上後に服用させ、軽度肝機能障害(Child-Pugh 5〜6)では用量調節不要、中等度(7〜9)・重度(>9)では推奨せず、6〜17歳では安全性・有効性が確立しておらず用量を示せないとすること。4.3 の禁忌が有効成分・添加剤への過敏症のみで、スタチンと併用する場合に妊娠中・授乳中と、活動性肝疾患または原因不明の持続的な血清トランスアミナーゼ上昇が加わる構造であること。4.4 が併用試験で連続したトランスアミナーゼ上昇(3×ULN以上)が観察されたとして併用開始時の肝機能検査を求め、IMPROVE-IT(18,144例、中央値6.0年)でその頻度がエゼチミブ/シンバスタチン2.5%対シンバスタチン2.3%、ミオパチー0.2%対0.1%、横紋筋融解症0.1%対0.2%だったと記すこと。4.5 がシクロスポリン併用で総エゼチミブのAUCが3.4倍(範囲2.3〜7.9倍)になり、逆に健常人12例でエゼチミブ併用時のシクロスポリンAUCが平均15%(−10%〜+51%)上昇したとすること、コレスチラミン併用で総エゼチミブのAUCが約55%低下すること、フェノフィブラート・ゲムフィブロジル併用で総エゼチミブ濃度が約1.5倍・1.7倍になり、フェノフィブラート併用で胆石症が疑われれば胆嚢検査を行い治療を中止するとすること、ワルファリン等のクマリン系抗凝固剤・フルインジオンへ追加するときはINRを監視するとすること。4.8 の表1で頭痛・腹痛・下痢・鼓腸・筋痛・疲労・ALTおよび/またはAST上昇が frecuentes(common)、消化不良・悪心・関節痛・筋痙攣・CK上昇等が poco frecuentes、過敏症(発疹・蕁麻疹・アナフィラキシー・血管浮腫)・膵炎・便秘・肝炎・胆石症・胆嚢炎・ミオパチー/横紋筋融解症・血小板減少・多形紅斑が頻度不明であること。5.1 で12週の2試験(1,719例)の単独投与がプラセボ比で総コレステロール13%・LDL-C 19%・アポB 14%・TG 8%低下、HDL-C 3%上昇であり、脂溶性ビタミンA・D・Eの血漿中濃度に影響せずプロトロンビン時間も変えなかったこと、スタチンで目標未達の769例・8週の試験ではLDL-C低下が25%対プラセボ4%・目標到達率72%対19%だったこと、ホモ接合体シトステロール血症37例の8週試験でシトステロール21%・カンペステロール24%低下したが罹病率・死亡率への影響は不明とすること、IMPROVE-ITの主要評価項目が7年のKaplan-Meier率で32.72%対34.67%(ハザード比0.936、p=0.016、相対リスク減少6.4%)で総死亡率は変わらなかったことを確認した閲覧 2026-09-17
  8. 8.ZETIA (ezetimibe) tablets, for oral use — Prescribing Information(DailyMed (NLM) / labeler Organon LLC・2024)drugInfoページの全文を自分で取得して確認した(Highlights末尾に印字された改訂表示は Revised 2/2024。患者向けリーフレット末尾の Revised 7/2023 とは別)。1 INDICATIONS AND USAGE が①成人の原発性高脂血症(ヘテロ接合体家族性高コレステロール血症を含む)でのLDL-C低下——スタチン併用、または追加のLDL-C低下療法が不可能なときの単独、②10歳以上の小児のヘテロ接合体家族性高コレステロール血症へのスタチン併用、③成人の混合型高脂血症へのフェノフィブラート併用、④成人および10歳以上の小児のホモ接合体家族性高コレステロール血症、⑤成人および9歳以上の小児のホモ接合体家族性シトステロール血症でのシトステロール・カンペステロール低下の5項目からなること。2 が1日1回10 mgを食事の有無を問わず投与し、胆汁酸吸着薬とは本剤を2時間以上前または4時間以上後に投与するとし、開始後4週で早くもLDL-Cを評価してよいとすること。4 CONTRAINDICATIONS が本剤への既知の過敏症と、スタチン・フェノフィブラート・他のLDL-C低下療法と併用する場合にそれらが禁忌となる患者の2項目であること。5.2 が併用試験での連続したトランスアミナーゼ上昇(3×ULN以上)をエゼチミブ+スタチン1.3%対スタチン単独0.4%と記すこと。5.3 が市販後の横紋筋融解症の多くがスタチンまたはフィブラート等との併用例だったとすること。6.1 の Table 1(単独療法、2,396例、プラセボ1,159例)で2%以上かつプラセボを上回る有害反応が上気道感染4.3%対2.5%、下痢4.1%対3.7%、関節痛3.0%対2.2%、副鼻腔炎2.8%対2.2%、四肢痛2.7%対2.5%、疲労2.4%対1.5%、インフルエンザ2.0%対1.5%であり、腹痛が入っていないこと。Table 2(スタチン併用11,308例対スタチン単独9,361例)で鼻咽頭炎3.7%対3.3%、筋痛3.2%対2.7%、上気道感染2.9%対2.8%、関節痛2.6%対2.4%、下痢2.5%対2.2%、背部痛2.4%対2.3%であること。7 の Table 3 の相互作用がシクロスポリン(双方の曝露が増加、シクロスポリン濃度を監視)・フィブラート(フェノフィブラート以外のフィブラートとの併用は推奨しない、胆石症が疑われれば胆嚢検査)・胆汁酸吸着薬(コレスチラミンで総エゼチミブ曝露が低下)の3つであること。6.2 の市販後有害反応が血小板減少、腹痛・膵炎・悪心、トランスアミナーゼ上昇(5×ULN超を含む)・肝炎・胆石症・胆嚢炎、過敏症(アナフィラキシー・血管浮腫・発疹・蕁麻疹)、CPK上昇・ミオパチー/横紋筋融解症、めまい・錯感覚・うつ・頭痛、多形紅斑であること(腹痛はここに入り、Table 1 には無い)。8.6 が腎機能障害では用量調節不要、8.7 が中等度〜重度肝機能障害(Child-Pugh BまたはC)では推奨しないとすること。12.3 がエゼチミブ・エゼチミブグルクロン酸抱合体とも半減期約22時間で血漿中濃度時間曲線が複数のピークを示し腸肝循環を示唆するとし、抱合体が血漿中の薬物由来物質の80〜90%を占め、投与放射能の約78%が糞中・約11%が尿中に回収されること、高脂肪食でCmaxが38%上昇するが吸収の程度には影響しないことを確認した閲覧 2026-09-17
  9. 9.ゼチーア錠10mg 電子添文(2023年7月改訂・第4版)(医薬品医療機器総合機構(製造販売元 オルガノン株式会社)・2023)電子添文の全文を自分で取得して確認した(作成又は改訂年月は2023年7月改訂・第4版、YJコード2189018F1027)。4. 効能又は効果が「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、ホモ接合体性シトステロール血症」の3つだけで、心血管イベント抑制を掲げる適応が無いこと。5.2 がホモ接合体性家族性高コレステロール血症についてHMG-CoA還元酵素阻害剤およびLDLアフェレーシス等の非薬物療法の補助として、あるいはそれらが実施不能な場合に適用を考慮するとすること。6. 用法及び用量が「1回10mgを1日1回食後経口投与」で「年齢、症状により適宜減量する」と定める一方、16.2 は食後・空腹時の単回投与でAUCへの明らかな影響を認めていないこと。2. 禁忌が2.1 本剤の成分に対する過敏症の既往歴と、2.2 本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する場合の重篤な肝機能障害のある患者の2項目で、後者がスタチン併用時に限った禁忌であること。9.3.2 が中等度・重度の肝機能障害では投与しないことが望ましいとすること、9.5 が妊婦には有益性投与としつつスタチンは妊婦に禁忌なので併用投与を行わないとすること、9.7 が小児等を対象とした臨床試験を実施していないとすること、9.1.1 が糖尿病患者で空腹時血糖の上昇が報告されているとすること、腎機能障害の項(9.2)が置かれていないこと。8.4 がフィブラート系薬剤との併用は使用経験が限られており胆石症などの副作用に注意するとすること。10.2 の併用注意が陰イオン交換樹脂(コレスチミド、コレスチラミン等。本剤を投与前2時間あるいは投与後4時間以上あける)・シクロスポリン(双方の血中濃度上昇、機序不明)・クマリン系抗凝固剤(INR上昇、適宜INR検査)の3つであること。11.1 の重大な副作用が過敏症・横紋筋融解症・肝機能障害の3つでいずれも頻度不明であること。11.2 の表で1%以上の欄に便秘・下痢・腹痛・腹部膨満・悪心嘔吐、ALT上昇・γ-GTP上昇、蛋白尿、CK上昇、発疹、コルチゾール上昇が入り、頭痛は1%未満、筋肉痛は頻度不明の欄にあること。17.1 で高コレステロール血症患者100例に12週投与したときLDLコレステロール18.1%・総コレステロール12.8%・トリグリセリド2.2%低下、HDLコレステロール5.9%上昇、52週試験(178例)の投与終了時でLDLコレステロール16.8%低下、うちHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用した65例ではLDLコレステロール33.5%低下だったことを確認した閲覧 2026-09-17
  10. 10.2025 Focused Update of the 2019 ESC/EAS Guidelines for the management of dyslipidaemias(European Society of Cardiology / European Atherosclerosis Society・2025)Internet Archive 経由(web.archive.org の id_ 付きURLが academic.oup.com の advance-article-pdf を転送する)で advance article 版PDF(20頁)を自分で取得して確認した。Recommendation Table 2 の第1行が逐語で `Non-statin therapies with proven cardiovascular benefit, taken alone or in combination, are recommended for patients who are unable to take statin therapy to lower LDL-C levels and reduce the risk of CV events. The choice should be based on the magnitude of additional LDL-C lowering needed.` であり、Class I・Level A であること。同表の脚注cが対象を `Ezetimibe, PCSK9 monoclonal antibodies, bempedoic acid.` と定義しており、エゼチミブがこの I・A の推奨に名指しで含まれること。同表の残りはベンペド酸単剤がスタチンを飲めない例で I・B、最大耐容量スタチン±エゼチミブへのベンペド酸追加が高リスク・超高リスクで IIa・C、エビナクマブがホモ接合体FH(5歳以上)で IIa・B であること。Recommendation Table 3(急性冠症候群)の2推奨が、入院前に何らかの脂質低下療法を受けていた例での入院中の強化が I・C、`Initiating combination therapy with high-intensity statin plus ezetimibe during index hospitalization for ACS should be considered in patients who were treatment-naïve and are not expected to achieve the LDL-C goal with statin therapy alone.` が IIa・B であること。Recommendation Table 2・3 はいずれも表の脚注で2019年版の表を補完するものであって置き換えないと明記すること。本文が、最大耐容量のスタチンでも目標に達しない場合に心血管ベネフィットの証明された非スタチン薬(エゼチミブ・PCSK9 mAb・ベンペド酸)を単独または併用で追加することを一般方針として述べ、選択の基準を `the magnitude of additional LDL-C lowering needed, patient preference, treatment availability, and cost` とすること(こちらは推奨表ではなく本文)。本文が逐語で `New evidence supporting the reduction in the risk of ASCVD events with ezetimibe in the absence of statin therapy (although not necessarily due to statin intolerance) in older persons aged ≥75 years without history of coronary artery disease was provided in the randomized, open-label EWTOPIA 75` と述べ、EWTOPIA 75 の位置づけを「スタチン不耐によるとは限らない、スタチン非併用下のエゼチミブ」の根拠としていること。本文が IMPROVE-IT について、急性冠症候群から10日未満(中央値5日)でシンバスタチン40 mgへエゼチミブを加えた試験と記述すること。本文に `It is important to note that the LDL-C treatment goals (Figure 1) and therapeutic guidance (Table 4) for persons in each risk category have not changed from the 2019 ESC/EAS Guidelines.` とあり、目標値と治療指針そのものは2019年版から変わっていないことを確認した閲覧 2026-09-17
  11. 11.The '10 commandments' for the 2025 focused update of the 2019 ESC/EAS guidelines for the management of dyslipidaemias(European Heart Journal(ESC News。2025年焦点改訂の執筆委員 Mach・Roeters van Lennep・Koskinas による要約)・2026)Erasmus University Rotterdam のリポジトリ(https://pure.eur.nl/ws/files/229107946/ehaf919.pdf、200・3頁)でPDFを取得して確認した。表紙に Publisher's PDF, also known as Version of record と明記され、書誌は European Heart Journal 2026;47(6):658-659(Crossref の published-print は 2026-02-11、published-online は 2025-12-19。year は誌上版の年を採った)。これはガイドライン本体ではなく執筆委員3名による要約で、推奨クラス・エビデンスレベルは示されていない(本体 10.1093/eurheartj/ehaf190 は本実行で Internet Archive 経由のPDFを取得できたので、推奨クラスを伴う記述は `esc-eas-dyslipidaemia-2025` の側へ移した)。要約の第3項が「スタチン療法を受けられない患者では、心血管ベネフィットが証明された非スタチン療法(エゼチミブ、ベンペド酸、またはPCSK9モノクローナル抗体)を用いてLDL-Cと心血管リスクを下げる。薬剤の選択は目標到達に必要なLDL-C低下の大きさに基づく」とすること、第5項が「急性冠症候群で入院した患者のうち、入院前に何らかの脂質低下療法を受けていた患者では、その入院中に脂質低下療法を強化する。入院前に脂質低下療法を受けていなかった急性冠症候群患者では、スタチン単独では目標到達が見込めない場合、入院中の高強度スタチンとエゼチミブの併用を考慮すべきである」とすることを確認した閲覧 2026-09-17