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Rome IV基準

Rome IV criteria

臓器系
消化器
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 S-28:過敏性腸症候群
構成:症状
腹痛便秘下痢早期満腹感
適用疾患
過敏性腸症候群機能性ディスペプシア

🧠 全体像(2016年)は、を症状パターンだけでするための国際的な体系である。食道から肛門まで多数の病型を含む枠組み全体を指すが、このvaultで疾患ノートから参照されているのは(IBS)と(FD)のであり、本ノートはその2つを扱う。病型ごとに必須症状も頻度も期間の切り方も違うので、どちらの基準を見ているかを常に意識する。

目的と適用場面

内容
目的 疾患をすべて除外し尽くす「」ではなく、症状パターンの一致で積極的に診断する
対象 (血便、体重減少、貧血、夜間症状、50歳以降の新規発症、大腸癌・IBDの家族歴など)がない・便通異常の患者
使う場面 外来での初期診断時。の有無を確認した後に適用する
評価しないもの がある患者での疾患の除外(内視鏡等の精査が優先される)

構成要素と配点

⭐ 点数制ではなく、症状の頻度・期間の基準を満たすかどうかで診断する。

過敏性腸症候群の基準

直近3か月間、平均して週1日以上の反復性腹痛があり、かつ以下の3項目のうち2項目以上を満たし、症状発症が診断の6か月以上前であること。

項目 内容
1 排便に関連する
2 便回数の変化を伴う
3 (外観)の変化を伴う

診断後は排便時の)に基づき、便秘下痢・混合型(IBS-M)・(IBS-U)へさらに分類する。

機能性ディスペプシアの基準

IBS と共通するのは「直近3か月・発症は診断の6か月以上前」という時間規定だけで、必須症状も頻度の閾値も別物である。

上部内視鏡を含めて症状を説明する疾患が無いことを前提に、次の4症状(いずれもわずらわしいと感じる程度であること)のうち1つ以上を満たす1

症状
食後
灼熱感

⚠️ 型で頻度の閾値が違う。 は食後のいずれかが週3日以上灼熱感のいずれかが週1日以上で、いずれも「通常の活動に支障をきたす」(は「通常量の食事を食べ終えられない」)程度の強さを要する1。2つの型は排他的ではなく併存しうる。

解釈とカットオフ

⚠️「腹部不快感」だけでは基準を満たさない。腹を必須項目とし、単なる・不快感のみの訴えは対象外である。基準を満たしがなければ、追加の画像検査・広範な血液検査・を繰り返さずに治療を開始してよい。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ (血便、、意図しない体重減少、夜間増悪、発熱、腹部腫瘤、50歳以降の新規発症、大腸癌・の家族歴)がある場合は、による積極的診断を優先せず疾患の精査を行う。

⚠️ Rome IVは機能性便秘・機能性など、本ノートが扱う2病型のほかにも多数のを含む体系であり、各病型での項目・頻度・期間は異なる。IBSの基準をそのまま他の病型に流用しない(本ノート内でも、IBSの「週1日以上の腹痛」と型の閾値は別の話である)。

⚠️ 前身のRome III基準は(腹部不快感を含む)の頻度を「月3日以上」としていたが、Rome IVで「腹痛」に限定したうえで頻度基準が「週1日以上」へ引き上げられた。旧基準の数値をそのまま使わない。

まとめ

  • は、がないことを確認したうえで、症状パターンの一致によりを積極的に診断する体系である。
  • IBSでは、週1日以上の+排便関連/便回数変化/変化のうち2項目以上、発症6か月以上前という基準で診断する。
  • 診断後はに基づきIBS-C/D/M/Uへ分類する。
  • では、4つの必須症状のうち1つ以上を満たし、は週3日以上・は週1日以上と型で頻度の閾値が異なる。時間規定(直近3か月・発症6か月以上前)だけがIBSと共通である。
  • Rome III(月3日以上、腹部不快感を含む)からRome IV(週1日以上、腹痛に限定)で頻度・対象症状の基準が変更された点に注意する。

出典

  1. 1.Rome IV Criteria(Rome Foundation・2016)機能性ディスペプシアが「食後膨満感・早期満腹感・心窩部痛・心窩部灼熱感のいずれもわずらわしいと感じる程度であるもの」の4症状のうち1つ以上を満たし、上部内視鏡を含めて症状を説明する器質的疾患が無いこと、時間規定が「直近3か月・発症は診断の6か月以上前」であること、食後愁訴症候群(PDS)は食後膨満感または早期満腹感が週3日以上、心窩部痛症候群(EPS)は心窩部痛または心窩部灼熱感が週1日以上であること、いずれも「通常の活動に支障をきたす」(早期満腹感は「通常量の食事を食べ終えられない」)程度の強さを要することを確認した。閲覧 2026-08-12