薬理学

薬理学 · B25

便秘薬(下剤)・止瀉薬・消化促進薬・肝胆道系薬理

B25: Drugs used in constipation (laxatives) and diarrhea. Drugs promoting digestion. Pharmacology of liver and biliary tract

前提:病態
Core27:薬物動態学的相互作用:吸収レベルCore66:薬剤性有害反応:便秘・下痢・嘔吐
応用トピック
過敏性腸症候群の薬物療法
薬剤
アセチルシステインウルソデオキシコール酸ケノデオキシコール酸コール酸コレスチラミンコレセベラムジオスメクタイトジフェノキシレートシメチコンシリマリン(シリビニン)センノシドテデュグルチドパラフィンオイルビサコジルプルカロプリドポリエチレングリコールマンニトールラクツロースリナクロチドレースカドトリルロペラミド活性炭、カオリン植物繊維硫酸マグネシウム
疾患
類脂質性肺炎
症状
便秘

🧠 全体像:このページは「腸の水分・動き・内容物」で覚える。 ①出す(下剤)・②止める()・③ガス/消化を助ける・④肝胆道を守る/胆汁を扱う。

⭐下剤は 膨張性(水を含んで膨らむ)→浸透圧性(水を引く)→刺激性(動かす)→潤滑性(滑らせる)→(水を出す) の順で整理する。

下剤(便を「出す」)

💡 どの下剤も、最終的には「腸管内の水分を増やす」か「腸管を動かす」かのどちらかをしている。 分類名はその手段の違いにすぎない。

flowchart TD
  A["便が硬い・出ない"] --> B["腸管内の水分を増やす"]
  A --> C["腸管を動かす"]
  A --> D["便を滑らせる"]
  B --> B1["膨張性:水を吸って膨らむ<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='plant fibers'>植物繊維</span>"]
  B --> B2["浸透圧性:水を引き込む<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='lactulose'>ラクツロース</span>・Mg塩・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='polyethylene glycol (PEG)'>ポリエチレングリコール</span>"]
  B --> B3["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='secretagogue'>分泌促進性</span>:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intestinal epithelium'>腸上皮</span>からCl⁻と水を出す<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='linaclotide'>リナクロチド</span>"]
  C --> C1["刺激性:大腸を動かす<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='sennoside'>センノシド</span>(腸内細菌が活性化)・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bisacodyl'>ビサコジル</span>"]
  C --> C2["5-HT4作動:大腸の蠕動反射を促す<br>プルカロプリド"]
  D --> D1["潤滑性:便を被覆する<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='paraffin oil'>パラフィンオイル</span>"]

米国AGA/ACGガイドラインの推奨の強さ

⭐ の成人について、との合同ガイドラインは10件の推奨を出し、強い推奨と条件付き推奨を明確に分けている1。

薬 推奨 エビデンスの確実性 対象の限定(原文の枠)
強い 中程度 限定なし
または ピコスルファートナトリウム 強い 中程度 短期またはとして
強い 中程度 に反応しない例
プレカナチド 強い 中程度 に反応しない例
プルカロプリド 強い 中程度 に反応しない例
条件付き 低い 限定なし
酸化 条件付き 非常に低い 限定なし
条件付き 非常に低い が無効または不耐の例
センナ 条件付き 低い 限定なし
ルビプロストン 条件付き 低い に反応しない例

⚠️ だけを読むと「」が落ちる。 の強い推奨の列挙はピコスルファートナトリウムしか挙げていないが、本文の推奨5は逐語で the panel recommends the use of bisacodyl or sodium picosulfate (SPS) short term or as rescue therapy と両剤をまとめて強い推奨に置いている1。

⚠️ 「の長期使用は推奨されない」は、このガイドラインの言い方ではない。 推奨5の運用上の注記は逐語で Short-term use is defined as daily use for 4 weeks or less. While long-term use is probably appropriate, data are needed to better understand tolerance and side effects ——長期使用はおそらく妥当だが、耐性と副作用を理解するためのデータが足りない、という書き方である1。センナ(推奨6)にも同趣旨の注記が付く。「推奨されていない」と「まだ調べられていない」を同じ箱に入れない。

膨張性:水を吸って膨らむ

浸透圧性:腸管内へ水を引く

  • — 。小腸で分解・吸収されずに大腸へ届き、浸透圧性に水を引く|💡肝性脳症では大腸を酸性化してアンモニア(NH₃)をアンモニウムイオン(NH₄⁺)に変え、吸収されない形で腸管内に閉じ込める
    • 💡 肝性脳症ではが第一選択、は再発予防の。 AASLD/合同のに伴う肝性脳症(肝硬変のの一つ)の診療ガイドラインは、をエピソードの治療の第一選択とし、初回エピソード後の再発予防にはを勧める。2回目のエピソード以降(=治療中に再発した患者)には、をへの(add-on)療法として再発予防に推奨している(推奨26、GRADE I, A, 1)。⚠️ 単剤を支持する確実なデータは無い2。
  • — /|⚠️Mg製剤なので腎機能低下例ではに注意|💡注射では子癇・重症喘息にも使う
  • — 浸透圧で水を引く|💡このリストでは下剤扱いだが、試験では(脳浮腫・)として頻出
  • (、PEG) — ポリマー→浸透圧性に腸管内へ水を保持|⭐慢性特発性便秘で唯一「限定なしの強い推奨」を得ている薬1

刺激性:大腸を動かす

  • — の。⚠️ それ自体は不活性なまま小腸を素通りし、大腸の腸内細菌がで糖を外してに変えて初めて効く
    • 💡 「大腸菌が活性化する」ではない。 ヒト糞便から分離された分解菌は Bifidobacterium sp. strain SEN で、9種の 産生 Bifidobacterium のうち B. dentium と B. adolescentis だけがBをセンニジンBへ代謝した。著者らはを加水分解できる新しい型のを産生する菌がいるとしている3。88株・47株を調べた実験でも、強い加水分解能をもつ4株はすべて Bifidobacterium 属で、投与したマウスで実際にが亢進した4。
    • 💡 この「大腸に着いてから効く」設計が、作用が大腸に集中する理由であり、抗菌薬でが乱れると効きが落ちうる理由でもある。
  • — →蠕動↑・水分分泌↑|💡にも|⭐ /ではピコスルファートナトリウムとともに短期・として強い推奨1
    • 💡 「・依存」という古典的懸念は近年見直されている。 が腸を損傷するかを批判的に検討した総説は、は無害で可逆的な粘膜色素沈着であり機能的な意味を持たないこと、推奨用量でのヒトにおける・平滑筋の形態学的変化を示した正式な長期研究は無いこと、1960年以降 cathartic colon(下剤結腸)の症例報告は無く現代の下剤では起こりにくい歴史的概念であること、長期使用の安全性への懸念は十分な根拠がなく患者がこれらの薬剤の恩恵を否定されるべきではないとしたことを述べている5。

潤滑性:滑らせる

・蠕動促進

  • — C(GC-C)作動→細胞内cGMP↑→CFTRを介した腸液分泌↑・通過促進|適応:の・慢性便秘
  • プルカロプリド — 選択的作動薬。からのアセチルコリン遊離を増やして大腸の蠕動反射を促す|⭐ に反応しない慢性特発性便秘で強い推奨1|⚠️ 禁忌は・閉塞、Crohn病、、中毒性巨大結腸/巨大直腸1|⚠️ ・の報告があり監視が求められる
    • 💡 「5-HT4作動薬=心臓に危険」という古い枠組みをそのまま持ち込まない。 心毒性のために撤退した・テガセロドと違い、プルカロプリドはへの親和性を150倍以上上回る濃度でも 5-HT2A・5-HT2B・5-HT3・モチリン・-A 受容体を介した作用を持たないことが確認されている6。⚠️ 一方で・市販後に自殺・・の報告があり、新規発症・増悪するうつ病やの出現を監視するよう求められている6。

止瀉薬(下痢を「止める」)

を止める:末梢μオピオイド作動薬

  • — 腸管のを刺激して蠕動を抑える|中枢移行が少なく依存性が低い
    • ⚠️⚠️ 米国の処方用添付文書はを持つ。 逐語で Cases of Torsades de Pointes, cardiac arrest, and death have been reported with the use of a higher than recommended dosage of loperamide hydrochloride、Avoid loperamide hydrochloride dosages higher than recommended in adults and pediatric patients 2 years of age and older due to the risk of serious cardiac adverse reactions7。高用量では遅延遮断によるQT延長に遮断も加わる8。
    • ⚠️ 「感染性・血性下痢では避ける」は、米国では禁忌として明文化されている。 禁忌は逐語で、2歳未満の小児(呼吸抑制と重篤な心臓)、過敏症、下痢を伴わない腹痛、急性赤痢(血便と高熱で特徴づけられる)、急性、Salmonella・Shigella・Campylobacter を含む侵襲性細菌による、に関連した(Clostridioides difficile)の7項目である7。💡 蠕動を止めると毒素と菌が腸内に留まる、というのが共通の理由である。
    • ⚠️ 小児のリスクは年齢で切れる。 12歳未満の小児を対象にした対の無作為化試験のでは、重篤な有害事象(イレウス・傾眠・死亡)は群927例中8例(0.9%)に生じプラセボ群764例中0例で、これらはすべて3歳未満の児に限って報告された9。
  • — 腸管を刺激して蠕動を抑える|💡のためを少量配合した製剤が多い(大量服用でが出て飲みにくくする設計)

吸着して止める:毒素・水を吸着

分泌を止める:

  • — ()阻害→内因性↑→腸管の過分泌↓|💡蠕動は止めないので便の停滞を起こしにくく、とくに小児の急性下痢で使われる

消化促進・ガス対策

  • — :のを下げて小さな泡をまとめ、排出しやすくする|、腹部膨満/内視鏡

肝胆道系薬

胆汁酸・胆道

  • — 。疎水性での強い胆汁酸を置き換え、胆汁分泌を促して肝細胞を保護する
    • ⚠️ 米国では剤形で適応が分かれている。「PBCと胆石」と一息に覚えると限定が落ちる。 (Urso 250/Urso Forte)の適応はの治療のみで、禁忌はと過敏症10。カプセル剤の適応は①・非石灰化の胆嚢結石で最大径20 mm未満、かつ・高齢・全身麻酔への反応のためにのが高いか手術を拒む患者と、②急速な減量を行う肥満者のの予防の2つで、逐語で Safety of use of ursodiol beyond 24 months is not established——24か月を超える使用の安全性は確立していない11。💡 胆石の適応は「手術の代わり」ではなく「手術ができない人の選択肢」である。
    • ⚠️ の掻痒に使う場面もあるが、位置づけは弱い。 AASLDは強い掻痒に10〜15 mg/kgをするとしつつ、前向きの有効性データは不足しており安全性は高いと考えられるという書き方にとどめている(→ Core63:薬剤性:肝毒性)。
    • ⚠️ に反応不十分なのだったオベチ(作動薬)は、欧米で承認が取り消された。 米国ではまず2021年、進行した肝硬変(脳症・などのの既往、または門脈圧亢進の既往を伴う肝硬変と定義)を有する患者への使用が禁忌となりが改訂された。進行した肝硬変の徴候があるPBC患者の一部が肝不全(一部はを要した)を発症したためである12。その後、欧州では2024年8月30日に販売承認が取り消され13、米国でも市販後試験が臨床的有用性を検証できず、早期病期の投与例でと死亡が過剰だったことから、2025年11月24日付で承認が取り消された14。日本では2023年の診療ガイドラインがとして併用(PBCには保険適用外)を挙げており、オベチは挙がっていない15。
  • — 同じくだが、と違い疎水性で肝毒性と下痢が出やすい。⚠️ 同じ分子が国によって別の適応で承認されている。
    • 日本:電子添文の効能・効果は「石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解」の1つだけで、禁忌に重篤な胆道・膵障害、重篤な肝障害、肝・胆道系の、妊婦または妊娠している可能性のある女性が並ぶ。主な副作用は下痢と/の上昇である16。
    • 米国(2025年承認のCTEXLI):適応は成人のの治療。CTXでは(CYP27A1)の欠損でが破綻しており、を補うとの活性化が回復してCYP7A1がされ、などの異常が減る。⚠️ は肝毒性で、開始前に・・を測る17。
    • 💡 としては、肝毒性との下痢のために置き換えられた。 一方で「欠けた最終産物を外から入れてフィードバックを戻す」という使い方が、治療可能なという新しい価値を生んだ。
  • — そのものの補充|適応:酵素欠損症・の
    • 💡 1剤で「足す」と「止める」を同時にやる。 欠けているプールを埋めつつ、を介した生理的フィードバックで上流の毒性の合成を止める。⚠️ 既存の線維化・進行した肝疾患ではかえって悪化させうる
  • — :腸管で胆汁酸を結合して糞便へ捨てさせ、肝が胆汁酸を作り直すためにコレステロールを消費するのでが下がる|💡の薬だが、胆汁酸の再吸収を断つのでにも用いられることがある(⚠️ ・日本・米国のいずれの文書にもこの適応は無く、である)

肝保護・解毒

  • () — ・|💡属(Amanita)中毒で重要。がの OATP1B1/1B3 をに阻害しての取り込みを妨げる、という機序が想定されている|⚠️ すでに取り込まれたには効かないので早期投与が前提。への「肝保護薬」としてのエビデンスは弱く、この2つの用途を混同しない(詳細は()のノート)
  • — の前駆体を補い、を無毒化する|💡の(でもある)
    • 💡 投与判断はに基づく。 米国とカナダの4会による2023年合意指針は、中毒の投与判断に使うを改訂し、4時間値150 µg/mLから始まる治療線に加え、30 g以上の摂取またはこの線を上回る血中濃度を「high-risk ingestion(高リスク摂取)」と定義して4時間値300 µg/mLから始まる専用の線を設けた18。

⭐ 高頻度ポイント:下剤は膨張性()・浸透圧性(/硫酸Mg/PEG)・刺激性(/)・潤滑性()・()・5-HT4作動(プルカロプリド)。PEGだけが限定なしの強い推奨、/ピコスルファートは短期・救済に限っての強い推奨。は大腸の腸内細菌(Bifidobacterium など)で活性化されるのであって大腸菌ではない。止瀉は/=腸管μ作動(⚠️米国は、赤痢・・・2歳未満は禁忌)、=分泌↓で蠕動は止めない、//=吸着。肝胆道では=肝性脳症(NH₃をNH₄⁺として捕捉、は)、=はPBC・カプセルは20 mm未満の胆石(24か月まで)、=解毒、=Amanita 中毒。

📋 まとめ表

薬剤 系統 機序 適応・注意
水を吸って便量↑→蠕動↑ 慢性便秘・水分必要・条件付き推奨
→水を引く、大腸を酸性化 便秘(条件付き推奨)・のの第一選択(NH₃を捕捉、が再発予防に)
腸管内へ水を引く 便秘/・注射では子癇/喘息・⚠️腎機能低下で高Mg
浸透圧性 浸透圧で水を引く 💡主にとして頻出
() 浸透圧性 ポリマー→水を保持 ⭐慢性特発性便秘で限定なしの強い推奨
→腸内細菌がへ変換→大腸蠕動↑ 便秘(条件付き推奨)・💡は無害で可逆的
大腸蠕動↑・水分分泌↑ 便秘/・⭐短期またはとして強い推奨(4週以内)
便をコーティングし滑らせる ⚠️・↓
GC-C作動→cGMP↑→腸液分泌↑ の/慢性便秘・強い推奨
プルカロプリド 5-HT4作動薬 のアセチルコリン遊離↑→蠕動反射↑ 慢性特発性便秘(強い推奨)・⚠️穿孔/閉塞・Crohn病・・中毒性巨大結腸は禁忌
/ 運動抑制性 腸管μ作動→蠕動↓ 下痢・⚠️⚠️米国は(高用量で)、2歳未満・赤痢・侵襲性・・は禁忌
・ / 毒素・水分を吸着、 急性下痢・は中毒にも
阻害→過分泌↓ 小児急性下痢・💡蠕動は止めない
の↓ 腹部膨満・内視鏡前
を置換・胆汁分泌↑→肝保護 =/カプセル=20 mm未満の胆石(⚠️24か月超は安全性未確立)・💡だったオベチは欧州2024年・米国2025年に承認取消
(疎水性) への負のフィードバック ・⚠️肝毒性と下痢で胆石溶解には使われなくなった
を補充+で上流合成↓ 酵素欠損症・・⚠️進行した肝疾患では悪化させうる
腸管で胆汁酸を結合→↓ ・
肝保護薬 ・・取り込み阻害 Amanita 中毒
前駆体→無毒化 (で判断)・でもある

出典

  1. 1.American Gastroenterological Association-American College of Gastroenterology Clinical Practice Guideline: Pharmacological Management of Chronic Idiopathic Constipation(American Gastroenterological Association / American College of Gastroenterology / The American Journal of Gastroenterology・2023)PMCのHTML全文(PMC10542656=Gastroenterology版、本文110,039字)をブラウザUA付きで取得して確認した。系統的レビューの対象は食物繊維・浸透圧性下剤(ポリエチレングリコール・酸化マグネシウム・ラクツロース)・刺激性下剤(ビサコジル・ピコスルファートナトリウム・センナ)・分泌促進薬(ルビプロストン・リナクロチド・プレカナチド)・5-HT4作動薬(プルカロプリド)で、推奨は10件。強い推奨はポリエチレングリコール(推奨2、中程度)、ビサコジルまたはピコスルファートナトリウム(推奨5、中程度)、リナクロチド(推奨8、中程度)、プレカナチド(推奨9、中程度)、プルカロプリド(推奨10、中程度)。条件付き推奨は食物繊維(推奨1、低い)、酸化マグネシウム(推奨3、非常に低い)、ラクツロース(推奨4、非常に低い)、センナ(推奨6、低い)、ルビプロストン(推奨7、低い)。⚠️ 抄録の強い推奨の列挙はピコスルファートナトリウムしか挙げないが、推奨5の本文は逐語で "In adults with CIC, the panel recommends the use of bisacodyl or sodium picosulfate (SPS) short term or as rescue therapy over management without bisacodyl or SPS (strong recommendation, moderate certainty of evidence)" とビサコジルを含む。⚠️ 推奨5の運用上の注記は逐語で "Short-term use is defined as daily use for 4 weeks or less. While long-term use is probably appropriate, data are needed to better understand tolerance and side effects" であり、長期使用を否定していない(センナの推奨6にも同趣旨の注記がある)。推奨4・7〜10には「市販薬に反応しない/不耐」という対象の限定が付く。プルカロプリドについて逐語で "Prucalopride is contraindicated in patients with intestinal perforation or obstruction, Crohn's disease, ulcerative colitis, and toxic megacolon/megarectum"。閲覧 2026-09-23
  2. 2.Hepatic encephalopathy in chronic liver disease: 2014 Practice Guideline by the American Association for the Study of Liver Diseases and the European Association for the Study of the Liver(American Association for the Study of Liver Diseases / European Association for the Study of the Liver・2014)AASLDサイト掲載の全文PDF(Wayback保存、2019-09-15)で確認した。AASLD/EASL合同の肝性脳症診療ガイドラインが、ラクツロースを顕性肝性脳症エピソードの治療の第一選択とし、初回エピソード後の再発予防にはラクツロースを推奨し(推奨25)、2回目のエピソード以降の再発予防にリファキシミンをラクツロースへの上乗せ(add-on)療法として推奨していること(推奨26、GRADE I, A, 1。根拠の節は「初回エピソード後のラクツロース治療中に1回以上の再発を経験した患者」の試験を挙げる)、リファキシミン単剤を支持する確実なデータは無いことを確認した。閲覧 2026-08-27
  3. 3.Isolation of a human intestinal anaerobe, Bifidobacterium sp. strain SEN, capable of hydrolyzing sennosides to sennidins(Applied and Environmental Microbiology・1994)抄録(PMID 8161172、PMC201432)で確認した。ヒト糞便からセンノシドを代謝できる偏性嫌気性菌を分離し Bifidobacterium sp. strain SEN と命名した。この菌はセンノシドA・BをそれぞれセンニジンA・8-モノグルコシドを経てセンニジンA・Bへ加水分解した。β-グルコシダーゼ活性をもつ9種のBifidobacteriumのうちセンノシドBをセンニジンBへ代謝したのは B. dentium と B. adolescentis だけで、著者らはセンノシドを加水分解できる新しい型のβ-グルコシダーゼを産生する菌がいると結論している。⚠️ すなわちセンノシドを活性化するのは大腸の腸内細菌であって、Escherichia coli(大腸菌)ではない。閲覧 2026-09-23
  4. 4.Promotion of intestinal peristalsis by Bifidobacterium spp. capable of hydrolysing sennosides in mice(PLoS ONE・2012)抄録(PMID 22384059、PMC3284505)で確認した。センノシドは腸内細菌叢によって活性本体レインアンスロンへ変換されるプロドラッグである。乳酸菌88株とビフィズス菌47株のセンノシド加水分解能を調べたところ、センノシド含量を70%超減らす強い加水分解能をもつ4株はいずれも Bifidobacterium 属だった。B. pseudocatenulatum LKM10070 と B. animalis subsp. lactis LKM512 の培養液からレインアンスロンが検出され、これらを経口投与したマウスでは糞便中センノシド量が有意に減り(P<0.001)、LKM512投与群では炭末の移動距離で測った腸管蠕動が対照より有意に長かった(P<0.05)。⚠️ マウスの実験であり、著者の一部は乳業会社の社員で菌株の特許出願・製品化の計画があると利益相反が開示されている。閲覧 2026-09-23
  5. 5.Review article: do stimulant laxatives damage the gut? A critical analysis of current knowledge(Therapeutic Advances in Gastroenterology・2024)刺激性下剤(ビサコジル・ピコスルファートナトリウム等)が腸を損傷するかを批判的に検討した総説が、大腸メラノーシスは無害で可逆的な粘膜色素沈着であり機能的な意味を持たないと結論し、推奨用量でのヒトにおける腸管神経・平滑筋の形態学的変化を示した正式な長期研究は無いこと、1960年以降cathartic colon(下剤結腸)の症例報告は無く現代の下剤では起こりにくい歴史的概念と位置づけていること、長期使用の安全性への懸念は十分な根拠がないと明言し患者がこれらの薬剤の恩恵を否定されるべきではないと結論したことを確認した。閲覧 2026-08-27
  6. 6.MOTEGRITY (prucalopride) tablet, film coated(Takeda / DailyMed (U.S. FDA)・2025)2025年7月改訂版で、適応が成人の慢性特発性便秘であること、2mg1日1回投与群でプラセボ群と比べ頭痛19% vs 9%・腹痛16% vs 11%・悪心14% vs 7%・下痢13% vs 5%と高頻度に生じたこと、臨床試験・市販後で自殺・自殺企図・自殺念慮の報告があり新規発症/増悪するうつ病や自殺念慮の出現を監視するよう求めていること、経口バイオアベイラビリティが90%超・半減期約1日であること、in vitroでCYP3A4の基質であること、消失経路として腎排泄が主体(未変化体として尿中60-65%)で非腎排泄が約35%であることを確認した閲覧 2026-09-23
  7. 7.LOPERAMIDE HYDROCHLORIDE capsule(Advagen Pharma Ltd. / DailyMed(U.S. FDA)・2026)openFDAとDailyMedの本文で確認した。枠組み警告は逐語で "WARNING: TORSADES DE POINTES AND SUDDEN DEATH — Cases of Torsades de Pointes, cardiac arrest, and death have been reported with the use of a higher than recommended dosage of loperamide hydrochloride capsules"、"Loperamide hydrochloride capsules are contraindicated in pediatric patients less than 2 years of age"、"Avoid loperamide hydrochloride capsules dosages higher than recommended in adults and pediatric patients 2 years of age and older due to the risk of serious cardiac adverse reactions"。禁忌は7項目で、逐語で2歳未満の小児(呼吸抑制と重篤な心臓有害反応の危険)、過敏症、"patients with abdominal pain in the absence of diarrhea"、"patients with acute dysentery, which is characterized by blood in stools and high fever"、"patients with acute ulcerative colitis"、"patients with bacterial enterocolitis caused by invasive organisms including Salmonella, Shigella, and Campylobacter"、広域抗菌薬の使用に関連した "pseudomembranous colitis (e.g., Clostridium difficle)"(原文の綴りのまま)である。⚠️ この文書に印字された改訂表示は無く、yearはSPLのeffective_time(20260105)から採った。閲覧 2026-09-23
  8. 8.Loperamide-Induced Cardiac Events: Case Reports and Review(Cureus・2021)ロペラミド誘発性心臓イベントの症例報告とレビューが、FDAが2016年に承認用量(OTC最大1日8 mg・処方最大1日16 mg)を大幅に超える乱用・誤用によるトルサード・ド・ポワントを含む心臓有害事象の報告(1976〜2010年に48件、うち約半数が2010年単年)を受けて警告を発出したこと、高用量ロペラミドが遅延整流カリウムチャネル遮断によりQT間隔を延長させナトリウムチャネル遮断も伴うことを確認した。閲覧 2026-08-27
  9. 9.Loperamide therapy for acute diarrhea in children: systematic review and meta-analysis(PLoS Medicine・2007)12歳未満の小児を対象としたロペラミド対プラセボの無作為化試験のメタ解析で、重篤な有害事象(イレウス・傾眠・死亡)はロペラミド群927例中8例(0.9%)に生じプラセボ群764例中0例であったこと、この重篤な有害事象は3歳未満の児に限って報告されたこと、3歳以上で脱水のない軽症児では経口補水の補助として有用となりうることを確認した。閲覧 2026-09-23
  10. 10.URSO 250- ursodiol tablet, film coated / URSO FORTE- ursodiol tablet, film coated(Allergan, Inc. / DailyMed(U.S. FDA)・2023)DailyMedの本文(印字された改訂表示は逐語で Revised 1/2023)とopenFDAで確認した。適応は逐語で "URSO 250 and URSO Forte (ursodiol) tablets are indicated for the treatment of patients with primary biliary cholangitis (PBC)" の1つだけで、胆石溶解は錠剤の適応に含まれない。禁忌は逐語で "Patients with complete biliary obstruction and known hypersensitivity or intolerance to ursodiol or any of the components of the formulation"。閲覧 2026-09-23
  11. 11.URSODIOL capsule(Amneal Pharmaceuticals NY LLC / DailyMed(U.S. FDA)・2025)openFDAとDailyMedの本文で確認した。カプセル剤の適応は錠剤と異なり、逐語で "Ursodiol capsules are indicated for patients with radiolucent, noncalcified gallbladder stones < 20 mm in greatest diameter in whom elective cholecystectomy would be undertaken except for the presence of increased surgical risk due to systemic disease, advanced age, idiosyncratic reaction to general anesthesia, or for those patients who refuse surgery"、続けて逐語で "Safety of use of ursodiol capsules beyond 24 months is not established"、さらに逐語で "Ursodiol capsules are indicated for the prevention of gallstone formation in obese patients experiencing rapid weight loss" の2適応である。原発性胆汁性胆管炎はカプセル剤の適応に含まれない。⚠️ この文書に印字された改訂表示は無く、yearはSPLのeffective_time(20250424)から採った。閲覧 2026-09-23
  12. 12.Due to risk of serious liver injury, FDA restricts use of Ocaliva (obeticholic acid) in primary biliary cholangitis (PBC) patients with advanced cirrhosis(U.S. Food and Drug Administration・2021)FDAは2021年5月26日付で、原発性胆汁性胆管炎(PBC)かつ進行した肝硬変(脳症・凝固障害などの代償不全の既往、または門脈圧亢進の既往を伴う肝硬変と定義)を有する患者にオベチコール酸(Ocaliva)を使用すべきでないという新たな禁忌を添付文書とMedication Guideに追加しboxed warningを改訂したこと、進行した肝硬変の徴候があるPBC患者の一部が肝不全(一部は肝移植を要した)を発症したことを理由としたことを確認した(本コミュニケーションは2024年12月の追加コミュニケーションで更新されている)。閲覧 2026-08-27
  13. 13.Ocaliva (obeticholic acid): EPAR(European Medicines Agency・2025)EMAの製品ページで、Ocaliva(オベチコール酸)の欧州連合における販売承認が2024年8月30日の欧州委員会実施決定で取り消されたこと(Revoked)を確認した閲覧 2026-09-24
  14. 14.Intercept Pharmaceuticals, Inc., et al.; Withdrawal of Approval of New Drug Application for OCALIVA (Obeticholic Acid) Tablets, 5 Milligrams and 10 Milligrams, and Three Abbreviated New Drug Applications for Obeticholic Acid Tablets, 5 Milligrams and 10 Milligrams(Federal Register(U.S. Food and Drug Administration)・2025)官報本文で、2016年にPBCへ迅速承認されたOcaliva(オベチコール酸)について、FDAが2025年8月27日に「市販後試験が臨床的有用性を検証せず、ベースラインで早期病期だった投与例で肝移植と死亡が過剰だった」と企業へ通知し、2025年11月24日付で新薬承認(および後発品3件)を取り消したことを確認した閲覧 2026-09-24
  15. 15.原発性胆汁性胆管炎(PBC)の診療ガイドライン(2023年)(厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班・2023)本文PDFで、UDCA(通常1日600 mg、効果不十分なら900 mgまで増量可)が第一選択であること、UDCAで生化学的治療反応が得られず予後不良が予想される症例にはベザフィブラート併用を検討する(推奨度1、エビデンスの強さB、2023追補)こと、ベザフィブラートは国内では高脂血症にのみ保険適用があり高脂血症を合併しないPBCには臨床研究として投与するのが適切とされていることを確認した。治療薬の項にオベチコール酸は挙がっていない閲覧 2026-09-24
  16. 16.チノカプセル125(ケノデオキシコール酸カプセル)電子添文(独立行政法人医薬品医療機器総合機構・2026)電子添文(2026年8月改訂・第2版)の本文を確認した。販売名がチノカプセル125、一般名がケノデオキシコール酸カプセルで販売開始が1984年4月であること、効能・効果が「外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解」の一つだけであること、用法・用量が成人にケノデオキシコール酸として300〜400 mgを1日2〜3回に分割経口投与し年齢・症状により適宜増減するが1日最高投与量を600 mgとすること、禁忌が重篤な胆道・膵障害のある患者、重篤な肝障害のある患者、肝・胆道系に閉塞性病変のある患者、妊婦または妊娠している可能性のある女性であること、主な副作用が下痢、軟便・悪心/嘔吐・食欲不振・腹痛、ALT/ASTの上昇であること、薬効薬理が胆汁酸プールの増大によりコレステロール過飽和の胆汁組成を変化させ、コレステロール溶存能の増加により胆石を溶解すると推定されていることを確認した。閲覧 2026-09-23
  17. 17.CTEXLI (chenodiol) tablets, for oral use — Prescribing Information(DailyMed(U.S. National Library of Medicine)/Mirum Pharmaceuticals・2025)openFDAのラベルAPI経由でSPL全文(effective_time 2025年12月16日)を確認した。適応が成人の脳腱黄色腫症(CTX)の治療であること、機序として内因性のケノデオキシコール酸が肝でコレステロールから合成される一次胆汁酸であり、CTXではCYP27A1がコードするステロール27-水酸化酵素の部分的または完全な欠損によって主要な胆汁酸合成経路が破綻していること、本剤が欠乏した内因性ケノデオキシコール酸を補い、腸肝胆汁酸プール内のケノデオキシコール酸が増えることでFXRの活性化が回復しCYP7A1が下方調節され、コレスタノールや23S-pentolを含む異常胆汁酸・胆汁アルコールが抑制・減少すること、用量が250 mgを1日3回経口投与(食事の有無を問わない、錠剤は丸ごと嚥下)であること、開始前に全例でALT・AST・総ビリルビンのベースライン値を測定し、ALT/ASTが3×ULN超または総ビリルビンが2×ULN超に上昇したら値がベースラインに戻るまで投与を中断し、以後は年1回および臨床上必要に応じて測定すること、禁忌が「なし」であること、警告が肝毒性でありCTX患者14例の無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験(Trial 1、NCT04270682、16〜55歳)で1例(7%)がALT 3×ULN超のため投与中断に至ったこと、既存の肝疾患・胆管異常のある患者やリトコール酸の硫酸抱合能が低い患者で肝毒性のリスクが高い可能性があること、14%超の副作用が下痢36%・頭痛21%・腹痛14%・便秘14%・高血圧14%・筋力低下14%・上気道感染14%であること、有効性試験で血漿コレスタノールの29日目のベースラインからの変化推定平均が本剤継続で-2.3 µg/mL・プラセボで6.2 µg/mLであり治療差が-8.5 µg/mL(95%CI -13.2〜-3.9)、尿中23S-pentolの治療差が-29321 ng/mL(95%CI -45701〜-12941)であったこと、胆汁酸吸着レジン(コレスチラミン・コレスチポール)やアルミニウム含有制酸薬は本剤の腸管吸収を減らすため併用を避けること、肝毒性のためクマリン系抗凝固薬のプロトロンビン時間を予期せず延長させ出血を来しうるためやむを得ず併用する場合はPTを監視すること、妊娠については数十年にわたる使用の公表症例報告から主要先天異常・流産・その他の母体・胎児有害転帰のリスク増加は同定されていない一方、アカゲザル胎仔で重篤な肝・腎・副腎病変が、ヒヒ新生仔で肝病変が報告されており、これら動物所見はヒトでの使用では示されていないこと、小児での有効性・安全性は確立していないこと、蛋白結合が約98%、Tmax中央値3時間、みかけの分布容積0.36 L/kgであることを確認した。閲覧 2026-09-23
  18. 18.Management of Acetaminophen Poisoning in the US and Canada: A Consensus Statement(JAMA Network Open(America's Poison Centers・American Academy of Clinical Toxicology・American College of Medical Toxicology・Canadian Association of Poison Control Centers)・2023)米国とカナダの4中毒学会による2023年合意指針が、パラセタモール中毒の投与判断に使うRumack-Matthewノモグラムを改訂し、4時間値150 µg/mLから始まる治療線に加え、30 g以上の摂取またはノモグラム上のこの線を上回る血中濃度を「high-risk ingestion(高リスク摂取)」と定義して4時間値300 µg/mLから始まる専用の線を設けたことを確認した。閲覧 2026-08-27